著者
八島 勇 附田 龍馬 佐藤 哲仁 栃尾 征広
出版者
公益社団法人日本セラミックス協会
雑誌
日本セラミックス協会学術論文誌 : Nippon Seramikkusu Kyokai gakujutsu ronbunshi (ISSN:18821022)
巻号頁・発行日
vol.105, no.1227, pp.1018-1021, 1997-11-01
被引用文献数
9 14

The purpose of this paper is to present the relationship between mechanical properties and thermoelectric properties of p-type Bi-Te polycrystalline materials. Semiconducting ceramics of p-type bismuth telluride were prepared by a hot press method. Their bending strength was over 40 MPa and decreased with increasing particle size. The Seebeck coefficient and resistivity were dependent upon the particle size, those thermoelectric properties decreased with increasing particle size. The results suggest that the carrier density varies with concentration of oxygen which adsorbed at the surface of the powders. Thermoelectric properties were nonisotropic. Especially, the resistivity was different for the hot press directions. The ratio of the resistivity increased with increasing the particle diameter. The bending strength, Seebeck coefficient and resistivity decreased with increasing a hot press temperature. A sample with a bending strength of more than 50 MPa and a power factor of 40 × 10^<-3> W/cm・K^2 was obtained by controlling the particle size and the hot press temperature.
著者
佐藤 甲癸
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.48, no.10, pp.1261-1266, 1994-10-20
被引用文献数
34 10

液晶表示デバイス(LCD)を用いた電気的に書き換えが可能な計算機合成ホログラム(CGH)が, 立体テレビの方式として注目されている.本論文では, まず比較的容易に入手可能なTN型LCDの位相変調特性を用いてキノフォームを作成し, その特性について検討を行った.さらに, 大容量のフレームメモリーおよび多チャンネルのLCDを用いて, カラー立体動画像表示を行うシステムの作成を行い, RGB3色のレーザを用いて再生像の再生位置および像サイズなどの再生波長依存性, および色の再現性, 動画像特性など本システムの特性の評価を行いその有効性を明らかにすることができた.
著者
劉 柏立 佐藤 寛
出版者
中央学院大学
雑誌
中央学院大学社会システム研究所紀要 (ISSN:13462083)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.217-229, 2008-03

After 9.11 Terrorism in the United States in 2001, every countries and regions became markedly sensitive to terrorism. Global trades have also been forced to prepare strategies for terrorism. Under these conditions, the general assembly of World Customs Organization (WCO) adopted the "Basic Framework of Standards to Secure and Facilitate Global Trade" in June, 2005. In addition, Asia-Pacific Economic Cooperation (APEC) adopted the APEC Framework (Implementation of APEC Framework Based on the WCO Framework of Standards to Secure and Facilitate the Global Trade ) . This article analyzes the outline and background of the Framework of WCO, and discusses the practical experience of Japan on Authorized Economic Operators (AEO), the core of the Framework.
著者
佐藤 一郎
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

テクスト読解上困難の多いことで知られるスピノザの『神、人間とそのさいわいについての短論文』(以下『短論文』と略)について、原典写本のマイクロフィルムを入手し、写本を参照しながらのテクスト解読と諸版の校合という文献学的研究を行なった。従来から進めていた『短論文』の翻訳作業とも併行して、研究史の把握と諸解釈の批判的整理という基礎的研究にもとづいて、分析的読解を進めながら、『エチカ』、『知性改善論』との関係を探る哲学的研究を行なった。また、スピノザの初期哲学の形成過程という視野から、『短論文』の成立事情と時期、著述の原形態に関して歴史的な知識解明につとめた。その結果、おおよそ以下のような成果を得ることができた。1.『短論文』が当初どのような作品として受けとめられていたかという点から、完成形態である『エチカ』との関係も含めて、この作品にまつわる歴史的な特殊事情をある程度明らかにすることができた。2.現在スピノザ研究において、その初期哲学に特に注目されるようになっているが、そこには未完の『知性改善論』と『短論文』の先後関係という非常に大きな問題がある。しかしこの問題の歴史的な解明は哲学内容上の解明と切り離すことができない。そのことが、研究期間後半において主にたずさわった「真理」をめぐるスピノザの哲学の追跡を通して、具体的に明らかになった。特に、未完の『知性改善論』が、なぜ未完になったのかという点も含めて、スピノザの哲学形成を考える上で、重要な意義をもつという知見に至った。3.付随的には、研究期間に、補助金によりオランダとイタリアに出張して、思想史的研究と歴史的・文献学的研究において主導的な位置を占める学者から研究課題に関してレビューを受けることができたのも、研究の幅と視野を広げる意味で、大変有意義であった。
著者
曽根原 理 牧野 和夫 福原 敏男 佐藤 眞人 大島 薫 松本 公一 岸本 覚 山澤 学 大川 真 中川 仁喜 和田 有希子 万波 寿子 クラウタウ オリオン 青谷 美羽 杉山 俊介
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

日本の近世社会において、東照宮が果たした役割を考えるため、関係する史料を各地の所蔵機関などで調査した。また、近世初期に東照宮を設立する際に基盤となった、中世以来の天台宗の展開について、各地の天台宗寺院の史料を調査した。加えて、年に二回のペースで研究会を行い、各自の専門に関する報告を行い議論した。そうした成果として、日本各地の東照宮や天台宗寺院に関する著作と論文を公表することが出来た。
著者
佐藤竑
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.9, pp.2741-2749, 1998-09-15
被引用文献数
2

打鍵練習は言語教育における発声練習に相当する,という観点から2年間で約1000人の学生に行ってきた打鍵技術教授のための手法と,成果と解析結果を報告する.この手法を2回行うとAB?YZ12?90Enterの37文字の打鍵時間は平均で11秒を切り,6回目で6秒台に入り,最終授業までに3秒台経験者が4割以上いるクラスがあることも分かった.平均打鍵時間tは学年,文系・工系を問わず手法の累積回数nを用いて25.3/(n+1.44)+3.0(秒)でよく再現され,1年間のブランクがあっても持続する.この手法は独習用のタイプ練習ソフトと相補的な役割を持ち,自宅にパソコン等の機器のない学生に対しても週1回の授業で情報教育を可能にする.さらに,この手法を使うと他の教科(たとえば物理学)の授業の中にコンピュータを使う短期間の実践的な授業を挿入することも可能であることが分かった.A method of teaching the keyboarding to students in courses of computer science is reported with its consequences and analyses.It is found that,students can keyboard 37 keys of AB縲弸Z12縲鰀90Enter in 11 seconds in average in the second round of the method,and in 7 seconds in the 6thround.It is also found that more than forty per cent of students could experience the keyboarding the 37 keys in 3 seconds at the final stage of the course in some classes.With the regression analysis,the average time of keyboarding the 37 keys is found to be an universal function of 25.3/(n+1.44)+3.0(sec)of the accumulated number n of rounds of the method.This method plays a complementary role to a software of touch-typing in teaching the keyboarding.The method can be applicable to students in the other type of courses(e.g.,physics)for their practical usage of the computer.
著者
亀井 譲 鳥山 和宏 八木 俊路朗 佐藤 秀吉 鳥居 修平
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

形成外科領域では、筋弁や筋皮弁による感染創の治療が多く行われている。われわれの臨床経験と以前の基礎実験から、大網のほうが筋弁・筋皮弁よりも抗感染作用が強いと考えている。しかし、大網の抗感染効果を実験的に詳細に報告した例はない。そこで、まずマウスで感染創モデルを作成後に大網および筋弁の感染創に対する反応の差異を観察した。次いでマウス大網からリンパ球、血管内皮細胞や間葉系幹細胞が豊富な分画を抽出して、感染創に局所注射し抗感染作用を検討した。感染創モデルでは、液体培地に寒天を追加し半流動状にして黄色ブドウ球菌を混和することで、寒天が局所に残存して安定した感染創が得られた。感染創に大網と筋弁を移植する実験では、筋弁が局所で反応が乏しいのに対して、大網は周囲組織と癒着して大量の炎症性細胞を供給して明かな抗感染採用を示した。マウス大網由来の細胞の感染創への移植実験では、移植した細胞は血管新生を伴い生着しその周囲に炎症性細胞の豊富な層ができた。以上より、感染創に対して大網は筋弁により抗感染採用が強いことが示唆され、また大網由来の細胞による感染創の治療の可能性が示された。
著者
馬淵 一誠 酒井 彦一 (1985) 祖父江 憲治 渡辺 良雄 黒川 正則 佐藤 英美 平本 幸男
出版者
東京大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1985

本総合研究は微小管をはじめとする細胞骨格による多様な細胞機能の制御機構を明らかにする目的で行われた。主に6つの研究計画を軸として行ったので、個々の成果を以下に記す。1.有糸分裂と微小管-ダイニン系の機能。顕微操作により、染色体運動の原動力は染色体近くの半紡錘体部に局在していることが分かった。T-1によるタル型紡錘体の形成は微小管形成果粒が分散する結果であると考えられた。微小管結合蛋白質MAP1は【G_o】期に細胞骨格微小管、【G_1】期に核に結合していることが知られた。2.細胞骨格蛋白繊維と細胞運動系。微小管は試験管内で自発的に重合・脱重合を繰り返していることが分かった。テトラヒメナの中間径繊維が接合後の減数分裂、核交換の過程に関っていることを示した。またテトラヒメナアクチンのアミノ酸配列を遺伝子レベルで解明した。リンホーマ細胞に発現する重合能の低いβ-チューブリンのアミノ酸配列を遺伝子レベルで解明した。3.軸索内における微小管の動態。ニューロフィラメントの分子量200K成分はリン酸化され、通常のニューロフィラメントの数倍の速さで輸送されることを見い出した。イカ巨大軸索中でアクソラニンが微小管と共に分布していることを確かめた。またアクチンが膜の内側に結合していることを初めて観察した。4.細胞骨格調節蛋白質の分子機能。卵細胞より分子量100Kのアクチン繊維切断蛋白質を発見した。受精後、卵表層においてアクチンの重合がおこること、α-アクチニンの濃縮がおこることを観察した。5.神経興奮と微小管の役割。カルモジュリン阻害剤がNa電流を抑制することを発見した。6.細胞機能と細胞骨格。筋細胞において筋原繊維が付く形質膜域の裏打ち構造を明らかにした。また星状膠細胞における中間径繊維の細胞膜付着域の構造をも明らかにした。以上のように2年間で多くの成果があげられ、班員同士の共同研究も活発になり、今後の発展の基礎が築れた。
著者
加藤 真由美 大木 佐智子 谷 里佐 三宅 茜巳 佐藤 正明 後藤 忠彦
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.26, pp.386-389, 2010-08-21

これまでの歴史・観光資料の書籍とくに,教科書は,主として印刷メディアで構成されてきた.しかし,最近の電子教科書・書籍は印刷物の二次利用としてデジタル化が進められ,さらに,最初から電子書籍を目的とした,映像・印刷物・関連資料を用いたマルチメディアの構成についての研究開発が進もうとしている.そこで,今回,奈良時代からの背景をもとに,手向山八幡宮(奈良県)の上司氏による現物(現地)での説明と関連資料を用いたデジタル・アーカイブを構成し,今後の電子書籍の方向性について検討を行った.
著者
佐藤 道生 住吉 朋彦 堀川 貴司 陳 捷 山田 尚子 島田 翔太 山崎 明
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、日本漢籍の中で明治期以降日本国外に所在を移し、現在も国外の公共機関に所蔵されるものについて書誌調査を行なうことを目的とする。2008年度から2011年度にかけて調査を実施した国外の日本漢籍所蔵機関は8箇所で、その内、アメリカ合衆国・カリフォルニア大学バークレー校東アジア図書館所蔵の日本漢籍については目録を編集し、貴重書の解題を作成した。
著者
佐藤 しづ子 笹野 高嗣 阪本 真弥 庄司 憲明
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

近年、従来はみられなかった若年者における味覚異常が社会問題となっている。その原因としては、ダイエット、コンビニエンス食、食生活の欧米化とそれに伴う和食の不摂取、昼夜逆転など若年者をとりまく最近の社会現象(life styleの変化)との関連が指摘されはじめている。さらに、現代社会におけるストレスは、自律神経を失調させ、味覚に重要な役割をはたす唾液分泌の低下をきたし口腔乾燥症を招き、ストレスによる若年者の味覚異常の惹起が指摘されている。しかしながら、これまで味覚異常は、高齢者についての実態調査はみられるものの、若年者における実態は全く不明であった。そこで、若年者をとりまく社会現象との関連を明らかとすることを目的として、若年者の味覚異常の実態(発症率・病因など)について疫学調査研究を行った。調査研究に同意を得た本学歯学部新入生153人に、濾紙ディスク法を用いた味覚検査、唾液分泌量測定および味覚異常の原因に関する問診を行った。その結果、1)全体の24.8%に味覚異常がみられた。殆どは、軽度味覚異常で、高度味覚異常者はいなかった。味覚異常者の9割以上には、味覚異常感はなかった。2)味覚異常者全員の唾液分泌量は正常だった。3)味覚異常者には、全身疾患および服薬はなかった。4)味覚異常者には、ストレス、睡眠時間、インターネット使用、香水使用との関連はみられなかった。5)味覚異常者には、朝食欠食者が多かった。6)味覚異常者では、豆類、魚貝類、海草類の食品摂取頻度が少なかった。7)味覚異常者には、貧血様症状と体重減少者が多くみられた。以上より、若年者における味覚異常は食生活との関連が深いことが判明し、若年者の全身健康のために味覚検査と食事教育が必要であると思われた。
著者
後藤 直子 佐藤 健二
出版者
徳島大学
雑誌
徳島大学総合科学部人間科学研究 (ISSN:09199810)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.25-39, 2006

The purpose of this study was to investigate the experience rates and gender differences of self-injurious behaviors (SIB) and aggressive behaviors among the healthy undergraduates in Japan. In addition, we tested whether alexithymia, which is a personality construct defined as a difficulty in identifying and expressing emotional experience, mediates between childhood maltreatment, SIB, and aggressive behaviors. The sample was comprised of 300 (143 male, 157 female) undergraduate students. Measures were the Childhood Trauma Questionnaire, the Toronto Alexithymia Scale-20, the Self-Injurious Behaviors Questionnaire, which assessed the lifetime frequency of six methods of superficial self-injury, and the Aggressive Behaviors Questionnaire. As results, there were gender differences in 3 variables of emotional abuse, physical neglect and emotional neglect. Multiple Regression analyses revealed that the correlation between maltreatment and alexithymia was positive also in Japan. The relation was not seen between maltreatment and SIB even in the undergraduates in Japan. And, the relation was not found between alexithymia and SIB. Furthermore, the relation was not found between maltreatment, aggressive behaviors and alexithymia in the undergraduates in Japan. It was suggested that alexithymia does not contribute significantly as the mediational factor between childhood maltreatment, SIB, and aggressive behaviors among undergraduates in Japan. One reason that the hypothesis of this study was not supported may be that the quality of the SIB in this sample differed from that of previous study.
著者
佐藤 亮一 篠木 れい子
出版者
東京女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

この調査研究は、これまで断片的にしか分かっていない東京語アクセントの古層について詳細な調査・分析を行い、標準語アクセントの基盤としての東京語アクセントの成立のプロセスを明らかにすることを目的とする。まず、代表的な数地点を選定し、高年層を対象に数千語についてアクセント調査を行い、東京の多摩地域を含む関東各地には、東京で滅びてしまった、あるいは消えかけている古いアクセント型を有する単語がどの程度残存しているのか、また、都区内に見られない独特の型をもつ単語がどの程度存在するかを明らかにする。具体的には、柴田武監修、馬瀬良雄・佐藤亮一編『東京語アクセント資料』(1985)で明らかにされている、都区内でアクセント型の世代差の認められる数千語の中から日常的に多用する語、および、都区内と異なるアクセント型の予想される語を抜き出し、さらに、上記以外の単語の中から東京周辺地域に独特の型の存在が予想される語を加え、これらの調査語彙について、群馬県藤岡市、埼玉県秩父市、東京都あきるの市において、高年層および若年層を対象として調査を実施した。調査結果を録音したテープは聴取・記号化し、その一部をコンピュータに入力した。最終年度には、これらの調査結果を整理・分析し、研究成果報告書を作成した。報告書の内容は、これまでの調査結果を、「資料1」(『東京語アクセント資料』の中から選んだ語)および「資料2」(その他東京アクセントの古層を反映していると予想される語、ならびに東京アクセントとは異なるアクセント型の予想される語)として記載し、さらに東京周辺地域のアクセントの古態性について考察を加えたものである。
著者
佐藤 幸生 高松 進
出版者
富山県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

2002年、神奈川県で、従来とは異なる菌(Oidium属Reticuloidium亜属菌;OR菌)によるキュウリうどんこ病の新発生が確認された(内田・宋、2003)。一方でOR菌による種々の植物のうどんこ病の新発生が相次いで報告されている。本研究は、1)キュウリ上のOR菌の発生実態調査と、2)キュウリと種々の植物上のOR菌との関係などを明らかにすることを目的に実施した。1発生実態:富山県、東京都および秋田県南部、新潟県で調査した結果、いずれの調査地でもOR菌によるうどんこ病が発生し、従来からのOidium属Fibroidium亜属菌(OF菌)によるうどんこ病に劣らず発生が広がっていることから、OR菌によるうどんこ病は、本邦ではすでに広く発生していることが示唆された。従来からのOF菌によると同程度に激発する例も認められ、防除を要することが明らかになった。発生品種は、湧泉、アンコール10、金星、インパクト、南極2号、京涼み、夏涼み、プロジェクトX、シルフィー、金沢太キュウリと節成千両の11品種に及んでいた。2種々の植物でのOR菌によるうどんこ病の新発生:2004年以降、従来とは異なるOR菌によるうどんこ病の新発生は、ヒマワリ、キクイモ、オミナエシ、ジニア、トレニア、スコパリア、カボチャ、カラスウリなど、4科8種の植物で確認した。3種々の植物上のOR菌の宿主範囲および遺伝子解析:トレニア以外のキュウリ、カボチャを含む9種類の植物(ヒマワリ、キクイモ、オミナエシ、ジニア、スコパリア、パンジー、メランポジュウム)上の菌は、いずれもキュウリに病原性を認めたが、キュウリとカボチャ上の菌は、キュウリ以外には病原性を認めなかった。東京都、新潟県、富山県で採集したキュウリ上のOR菌は、遺伝子解析の結果1つのクラスター属し、OR菌のグループ分け(Takamatsuら、2006)におけるIX群に属した。キク科植物上の菌は、III群に属した。パンジー、オミナエシ、トレニア、クジャクアスター上の菌はキュウリ上の菌と同じIX群に属した。