著者
佐藤 哲也
出版者
社団法人プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.7-16, 1999-01-25
被引用文献数
3 1

After its more than 80 years long history, the dynamo problem has finally approached to the goal of one's ambition to unveil its grand mystery of creation and reversal of the geodynamic field in a self-consistent fasion. The success in unveiling this long mystery of the dynamo problem has been brought by elaborate large-scale computer simulations. In this review, a brief history of the dynamo problem, both theoretical and observational, is first described. Then the recent exciting demonstrations of the generation and reversal of the self-excited dipole-like magnetic structure done by the UCLA-LANL group and the NIFS group are described.
著者
佐藤 健二 余語 真夫 河野 和明 大平 英樹 湯川 進太郎
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究の目的は、トラウマの筆記表現(筆記開示)が心身の健康増進・高次認知機能に及ぼす影響に関して、文化心理学・健康心理学的観点から検討することであった。自由に感情や思考を筆記する従来の方法は、健康と認知の効果に関して、統制条件のそれを上回れないことが我が国とベルギーでは示唆された。しかしながら、トラウマに対する認知的再体制化が促進される構造化開示は、精神的健康(外傷後ストレス反応の低減)および高次認知機能(ワーキング・メモリー容量の増大)を改善させることが我が国において示唆された。
著者
尾登 誠一 片山 和俊 佐藤 道信 宮永 美知代 吉富 進 清水 順一郎 中山 淳
出版者
東京芸術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

研究は、17年度におこなった風土性、生態学的アプローチ、文化的視点、そしてμGにおける柔素材検討、μG環境での人体姿勢という5つの視座を、ISS(国際宇宙ステーション)の諸条件に照らし、3つの日本的な間(MA)の概念に収斂し展開している。第一点は、居住空間MAの概念であり、狭小限定空間や閉鎖系住居等の分析をしている。また第二点の生活時間MAの概念では、宇宙時間の変則性から仮想されるライフサイクルのありようが検討された。そして第三点の動作空問MAの概念においては、天地左右を暖昧にする浮遊の姿勢に関する展開が試みられている。研究指針はこれらの概念を総合的に相関させ、日本古来の茶室の要素を分析、新たなる居住のありようを宇宙茶室としてコンセプト化している。これを受けて18年度におこなった研究課題の微小重力空間における"柔"環境デザインは、ISS(国際宇宙ステーション)日本モジュールの1/10縮小コンセプトモデルを結論として提案している。モデルは現在建設中のモジュール条件から、直径4m×長さ10mのシリンダー空間を前提に、8名のクルーが長期滞在においてシェアする居住空間(物理的茶室のディメンションをもつプライベートスペース)と、共用を前提とした宇宙茶室(精神的茶室の機能が付加されたパブリックスペース)の合体により構成されている。特に微小重力下における浮遊というテーマは、既成概念を超えて、空間における人間の所作にっいて考察する必用があり、これに関連して宇宙環境における外部のない内部空間を構成する接触面のサーフェイスやテクスチュアのありようが考察された。また床-壁-天井という地球と異なる宇宙での居住環境は、必然的に素材のみならず、媒質(光/空気/音等)との関連性で考察する好機として、デザインの新たなる指標を予感させるものとなった。結果、微小重力下における人間行動と空問のありようから、BIRD HOUSE(鳥の巣)として応用デザインした止まり木的装置へと発展試作、微小重力下で使用することを想定しつつ、体感できるフルスケールモデルの制作も合わせておこなっている。研究成果は、コンセプトデザインモデルとしての提案が主となっているが、研究成果は、地球上の茶室の本来の意味や機能を再検証し、汎人間的な視点から、身体観、及び宇宙観の風土的背景を検討しつつ、宇宙文化のありようを問う考察が加えられている。
著者
佐藤 智子 佐々木 肇
出版者
岩手県立大学
雑誌
総合政策 (ISSN:13446347)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.115-133, 2007-03

1989年5月、松尾村は村制百周年記念行事の一つとして、八幡平音楽祭を開催した。招かれた音楽家は、オーストリア音楽大学のピアニスト、エリカ・ディヒラー教授と、オーストリア在住の声楽家佐藤喜美子氏で、招聘の仲介をしたのは松尾村の誘致企業であるグローバル伸和製薬の工藤忠利社長であった。松尾村の国際交流を考察するにあたっては、オーストリアという国と音楽、そして佐藤氏と工藤氏の存在が大きな意味をもつ。さらに、「国際交流は、音楽を通じて行うのが効果的であり、しかも感性豊かな子どもの時に行うのが理想的である」と主張し、中学生海外派遣事業を推進した石羽根重志村長の見識も重要である。本論では最初に、音楽と中学生海外派遣事業が、どのようにして松尾村とアルテンマルクト町を結びつけたのかを解き明かした。そして次に、友好都市提携後どのような交流へと発展していったのか、その軌跡を辿った。最後に、1994年の友好都市締結後10余年が過ぎた両町村の交流は、2005年8月20日の松尾村閉村式へのアルテンマルクト町民の参加を除いては、ここ3年間休止状態に陥っているが、その原因はどこにあるのかを考究した。
著者
佐藤 年明 児玉 克哉
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

前回科研費研究(2001-2004年度)時には達成できなかった、スウェーデンの基礎学校.高等学校におけるsex och samlevnad(性と人間関係)の授業観察の機会を得ることができ、日本語による授業記録作成と分析を行なうことができた。
著者
竹原 和彦 白崎 文朗 佐藤 伸一
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

全身性強皮症は、皮膚や肺、心、腎、消化管などに広範な線維化や血管障害をきたす結合織疾患のひとつであり、その発症に関わる重要な細胞増殖因子としてトランスフォーミング成長因子(transforming Growth Factor-β,TGF-β)、結合組織成長因子(Connective Tissue Growth Factor, CTGF)が注目されている。本研究は、TGF-βの皮下投与により誘導される新生マウスの皮膚線維化モデルをトランスジェニックマウスを用いて作製し、CTGFの皮膚線維化機構における役割について検討した。使用したマウスは、1型コラーゲンのα2鎖をコードするproα2鎖(I)コラーゲン遺伝子のプロモーター領域にレポーター遺伝子を組み込んだマウスである。このモデルにおいて、皮下にTGFβのみを注入すると4日目に線維化が誘導されるが、8日目には消失する、しかし、TGFβを3日間注入し、次にCTGFを4日間注入すると線維化が持続する。コラーゲン遺伝子の転写活性は、TGFβ単独投与群では、4日目をピークに低下し8日目にはほぼ0になったのに対し、TGFβ/CTGF連続投与群では8日目まで高値が持続し、さらにTGFβ/CTGF連続投与群でコラーゲン遺伝子が転写されている線維芽細胞数が増加していた。このことより、CTGFはコラーゲン遺伝子を発現する線維芽細胞を増加させることにより、遺伝子の転写活性を維持し、コラーゲン産生を亢進させると考えられた。今後は、この皮膚線維化モデルにおけるサイトカインやケモカインの関与についてさらに検討したいと考えている。
著者
佐藤 信 河合 知子 久保田 のぞみ 佐藤 信
出版者
市立名寄短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

現在、日本の学校給食は、成長期の多くの国民が経験するところとなっており、その食習慣形成に大きな影響を与えている。近年では、地元産や国内産食材料を使用する取り組みがすすめられている。牛肉も例外ではなかったがく2001年9月に日本国内で初めて発生したBSE(牛海綿状脳症)牛の結果、学校給食の現場では使用自粛などの対応を余儀なくされた。本研究はこうした状況の下で、和牛産地と乳用種肉牛産地を対象として、2001年前後における学校給食の地元産食材料、とりわけ牛肉およびその加工品の使用実態を明らかにし、今後の地元産食材料導入にあたっての諸条件、課題を実証的に明らかにすることを目的とした。その結果、次の諸点が明らかとなった。1.BSE問題の発生後、全国の約60%の学校給食が、牛肉および牛肉加工品の使用を自粛するようになった。もともと、1996年のO-157問題を契機として、学校給食現場では食品安全対策を強化していたとそこで、BSE問題後も迅速な対応をとった。しかし、使用自粛については地域によって強弱があった。2.ブランド和牛で知られる岩手県M地域においては、BSE問題が発生した直後、農協や自治体、獣医の協力の下でいち早く安全宣言を出した。乳用種肉牛産地の北海道においても、牛肉やその加工品など国産への切り替えが行われたが、その度合いは他の県よりも小さかった。学校給食関係者と地域農業との継続的な結びつきがこうした対応をもたらした。3.これからの学校給食に関わる栄養士は、地元産食材料を利用するための、生産者や農・漁協等との交渉・調整能力等が必要であるとともに、現場で食品安全問題が発生した際に迅速に対応できる能力も必要である。
著者
望月 聡 上野 洋子 佐藤 公一 樋田 宣英
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.495-500, 1999-05-15
被引用文献数
8 11

冬期および夏期に漁獲されたマサバを用い, 死後変化に対する貯蔵温度の影響を検討した。魚体が完全硬直に達するまでの時間は, 冬期夏期ともに5℃で貯蔵したときが最も長かった。背肉中のATP, IMP, イノシン, およびクレアチンリン酸の含量の変化は冬期では5℃で貯蔵したときに最も遅く, 夏期では0℃で貯蔵したときに比較して5℃および10℃で貯蔵したときの方が遅かった。K値は冬期夏期ともに10℃で貯蔵したときの上昇速度が速かった。筋肉破断強度の経時変化は冬期は顕著に, 夏期はわずかではあるが5℃で貯蔵したときに高い値を維持した。以上の結果から, マサバの死後変化を遅くするための貯蔵温度は, 漁期を問わず5℃程度が適当であると考えられた。
著者
力石 國男 遊馬 芳雄 荒木 喬 佐藤 清一 道上 宗巳 児玉 安正
出版者
弘前大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1990

本研究では雪情報システム,各種気象観測機器,レ-ザ-等による降雪観測と併せて,既存のアメダスデ-タ,高層気象デ-タ,衛星画像などの解析を行った.このうち観測的研究については現在まだ実施中であるので,その他の解析によって得られた研究成果を以下に列挙する.(1)津軽地方の降雪と風向との密接な関係が明らかになった.例えば,鰺ケ沢の風向が南西の場合には津軽半島中部・北部に,西風の場合には五所川原,青森,野辺地を結ぶライン上に,北西風の場合には津軽平野中部・南部に多量の降雪が観測される.これらはいずれも局地的な風の収束帯を伴っている.(2)青森市内北西部の降雪は南部とかなり異なった降り方をしている.南部の降雪量は気温だけでなく気温の高度差(大気の不安定度の指標)と非常に良い相関があり,気温の高度差が降雪量予測のための重要なパラメ-タ-であることがわかった.(3)12時間前までの高層気象デ-タ(秋田及びウラジオスト-クの気温,等圧面高度,気温の高度差など)を用いて,青森市の日降雪量の予測式を導いた.事後予測の精度は±11cmである.(4)秋田の9時および21時の高層気象デ-タを用いて地吹雪指数の予測式を導き,地吹雪の予報が高い精度で可能であることを実証した.(5)日本列島における冬季の降水量のメソスケ-ルの特性を調べ,日本海小低気圧と降水量との関係などを明らかにした.(6)岩木山麓における長年の積雪断面観測デ-タを整理して山地での積雪特性を明らかにするとともに,札幌,新庄,長岡,富山での積雪との比較研究を行った.
著者
佐藤 浩 久保 正男 生天目 章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.529, pp.67-72, 2001-01-03

人工市場とは, コンピュータシミュレーションを通じて市場を理解しようという学際的研究テーマであり, 経済のグローバル化と情報技術の発展を背景とし, マルチエージェント研究者をはじめとする多くの人々の関心を引きつつある.本稿は, 平成12年8月18日から20日にかけて, 富山県インテック大山研修センターで開催された計測自動制御学会第6回創発システムシンポジウムにおいて行われた, プログラムエージェントによる先物取引コンテストPre U-Mart 2000に関する実施報告である.テクニカル分析手法を用いた株価予測エージェントから, 他人の思惑を知り多数派に寄生するエージェントといった多様なエージェントが参加し, 取引を行った.
著者
田中 基八郎 松原 謙一郎 佐藤 太一
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.61, no.592, pp.4730-4735, 1995-12-25
被引用文献数
16

Strange sounds generated by machines express trouble or poor condition of the machines. Especially, in automobiles and air conditioners, strange sounds are paid attentions carefully, and the sources of those sounds are investigated and improved. To express strange sounds in Japanese, many kinds of onomatopoeia are used. Onomatopoeia is characteristic of Japanese culture. In this paper, the relationship between onomatopoeia expressing impulsive sounds and beat sounds, and the real sounds of the phenomena, are studied from the viewpoint of acoustic physics.
著者
大野 麻里恵 佐藤 太一 田中 基八郎
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
評価・診断に関するシンポジウム講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2004, no.3, pp.29-32, 2004-12-15
被引用文献数
1

Strange sounds generated by machines are expressed by onomatopoeia. And onomatopoeia expresses trouble or poor condition of the machines. Especially, many kinds of onomatopoeia are used for expressing strange sound of automobiles, and the relationship between onomatopoeia and the sources of strange sound is reported. In this study application of onomatopoeia for expressing strange sound is discussed. Onomatopoeia is language which people utter. Therefore it is necessary to clarify the relationship between the frequencies perceived to sound like the onomatopoeic word and uttered sounds. In this report, we paid attention to both the vowel and the consonant of uttered sound of onomatopoeia. As a result we found that the utterance time of a consonant changes by the mechanism of utterance. And the ratio of energy between the vowel and the consonant influences frequency of the sound that an onomatopoeia expresses.
著者
佐藤 太一 尾山 敬一 小林 春美 田中 基八郎
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
IIP情報・知能・精密機器部門講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.320-325, 2005-03-21
被引用文献数
1

We have performed basic experiments for the purpose of applying onomatopoeia to engineering problems. In these experiments, test subjects were made to perform lifting actions while listening to onomatopoeic utterances. We thereby demonstrated that there is a relationship between the onomatopoeic utterances and the lifting forces exerted by the test subjects. We examined how the lifting forces are related to the magnitude of the onomatopoeic utterances and the envelope of these sounds. Furthermore, by comparing this phenomenon with the effects of simple tones and white noise, we investigated how the lifting force is affected depending on whether or not emotion is expressed when uttering the onomatopoeia.