著者
笹倉 一広 近衞 典子 近衞 典子 福田 安典 大塚 秀高 金 文京 笹倉 一広 木越 治 福田 安典 大塚 秀高 岡崎 由美 金 文京 鈴木 陽一 上田 望 木越 治 田中 則雄 入口 敦志 川上 陽介 木越 秀子
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

・各地の図書館などを調査し、関連資料を収集した。そのなかで、岡島冠山『太平記演義』の 善本を発見し、影印した。・白話小説と並んで、善書の影響にも着目し、善書を収集・考察し、新発見と覚しき善書を影印した。・「三言二拍」訳注の基礎資料の収集・電子化をし、訳注の基盤を整備し、国文学・中国文学双方の研究に共有されるテキストのプロトタイプを作成した。・シンポジウム「日本近世文藝と中国白話の世界」を開催した。
著者
高倉 弘喜
出版者
京都大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2006

まず、研究対象のデータとして、数Gbpsクラスの巨大なトラフィックデータを不正アクセス検知装置(IDS)で観測した警報を対象とした。京都大学に設置されたIDSでは、毎分200件程度の警報が出ている。ただし、このうちの99%は誤検知、あるいは、被害を生じない過去の脆弱性を狙った攻撃である。残り1%は、既知ではあるが脆弱性対応が不完全で被害を生じる可能性の疑われる攻撃、もしくは、攻撃の存在を遮蔽するため意図的に過去の攻撃を模倣した未知の攻撃である。また、大量の誤検知に埋もれてしまっているが、(D)DoS攻撃に関する警報も散発的に発せられている。本研究では、この1%の攻撃、あるいは、(D)DoS攻撃を抽出する手法を開発した。まずは、IDSに関するマイニングアルゴリズムのベンチマークデータとして広く利用されているKDDCup99データについて調査を行い、当該データがIDSの性能評価には不向きであること、特に、41次元データ中8次元程度しか有為な情報を持たないため、巧妙化・複雑化した最近の攻撃を反映できていないことを示した。次に、京都大学のIDSデータに対するマイニングアルゴリズムの開発を行った。前日、1週間前、1ヶ月前、3ヶ月前、6ヶ月前それぞれの警報データを全て正常データ、すなわち、誤検知として学習させクラスタリングを行なった。次に、生成されたそれぞれのクラスタを用いて、当日の警報データの判定を行った。さらに、異常データと判定された警報を、ハニーポットで検知された攻撃データと比較した。その結果、僅か十数件しかなかったが、マルウェアallapleのゼロディ攻撃が開始されたことによる警報であることが判明した。また、マイニング結果の可視化手法も開発し、上記allapleに起因する警報を強調表示したり、誤検知に埋もれていた(D)DoS攻撃を強調表示することで、攻撃を認識しやすい可視化を実現した。
著者
飯野 由香利 倉渕 隆 鶴田 久美子 野田 圭弘
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会北陸支部研究報告集 (ISSN:03859622)
巻号頁・発行日
no.53, pp.275-278, 2010-07-18

本研究では、都内の1小学校普通教室で冷房設備の設置前と設置後の温熱・空気環境と環境調節行為および児童の温冷感の相違を明らかにすることを目的として調査を行い、以下の知見を得た。1)冷房設備の設置により、暑熱期の室温28℃以上になると冷房と扇風機の併用が多くなり、窓扉開放率が約10%以下になることが多くなりCO_2濃度が1500ppmを超えることがある。2)室温が26℃以下までは設備を使用しなくても暑さをしのげ、27℃までは扇風機により耐えられるが、28℃以上では冷房が必要になり、室温が高くても冷房による相対湿度の低下や暑熱順応などにより耐えられる。
著者
倉方 健作
出版者
日本フランス語フランス文学会
雑誌
フランス語フランス文学研究 (ISSN:04254929)
巻号頁・発行日
no.91, pp.127-139, 2007-09-20

L'ordre chronologique incertain des oeuvres de Rimbaud et ses rapides evolutions posent un probleme majeur, lorsqu'on cherche a identifier les influences poetiques reciproques entre Verlaine et ce dernier. Avant leur rencontre, Rimbaud a connu une telle evolution, attestee par ses <<lettres du Voyant>>et le rejet de ses premiers poemes, evolution dont Verlaine devait avoir connaissance. Dans une lettre a Rimbaud datee du printemps 1872, Verlaine lui demandait de lui envoyer ses <<prieres nouvelles>>ainsi que ses <<vers anciens>>. Il s'est donc rendu compte de la rupture entre deux periodes de la production rimbaldienne, bien avant son eventuelle lecture des <<lettres du Voyant>>. Verlaine avait une predilection pour certains poemes de Rimbaud ecrits avant leur rencontre. Du <<Bateau ivre>>, il a apprecie le <<debut imprevu, sans phrase, sans Il y avait une fois>>ou l'enonciateur s'identifie au bateau. La poetique des Romances sans paroles, dont l'impersonnalite sollicite l'empathie du lecteur, tient de cette caracteristique. Dans la deuxieme <<Ariette oubliee>>, l'enonciateur <<en delire>>devient <<une espece d'oeil double>>ou <<tremblote l'ariette de toutes lyres>>. Ce meta-poeme qui fait fonction de cadre du recueil nous revele ainsi une nouvelle poetique. Cependant, ce poeme, dont le titre initial etait <<escarpolette>>appartient en meme temps a l'univers de Watteau, des Fetes galantes. On voit donc que Verlaine n'a pas simplement repris la poetique rimbaldienne, mais qu'il l'a integree a sa poetique propre. Comme l'affirme Claude Cuenot, <<il n'a <<rimbaldise>>que pour devenir plus verlainien et se reveler a lui-meme>>.
著者
倉光 正己
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

本研究では、広い分野で注目される自己組織化の概念を、非線形現象の研究では蓄積のある電気回路網を具体的対象として解明することを目的とした。特に、従来、自己組織化の具体例とされてきた周期現象、同期現象などの秩序化の対極にあるカオス現象に注目し、その発生条件、物理的本質を解明することにより、非線形電気回路網に生じる諸現象を統一的に理解することを目指した。本研究の主な成果は以下の通りである。(1)非線形能動素子1個、線形で正のインダクタ及びキャパシタ合わせて3個、線形抵抗1個、以上計5個の素子で構成できる11個の3次元発振器群を考えた。パラメタ値の変化に伴う平衡点の安定性の変化とカオス発生との関係を明らかにし、これらの発振器群をカオスの発生に関して分類することに成功した。これにより、3次元発振器におけるカオス発生の必要条件を得ることができ、従来、試行錯誤的にしか求められなかったカオスを系統的に探索することができることになる。今後、同様の考え方を、他の非線形特性素子を用いた系、あるいは4次元以上の系に対して拡張し、一般的なカオス発生条件を明らかにすることが課題である。(2)以上の結果から、カオスとは、非線形性の強さに伴い、非発振から発振状態(交流)、さらに発振停止(直流へと変化する経過で、発振状態の一つの特殊な状況として生じ得るものであることが明かとなった。今後、筆者が先に提唱した「平均ポテンシャル」を拡張し、これら一連の現象を物理的、統一的に理解する必要がある。(3)非線形素子が2個の系として、同一特性の2個の弛張振動発振器の結合系を考察し、2つ存在する同期状態の一方が、非線形性が強くなるとき不安定化する現象を見いだした。多数の非線形素子を含む系の振舞いを理解する基本として、この現象を物理的に解明することが今後の課題の一つである。
著者
倉藤 利早 斎藤 辰哉 及川 和美 荒金 圭太 松本 希 高木 祐介 河野 寛 藤原 有子 白 優覧 小野寺 昇
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.461-464, 2011

「だるまさんがころんだ」は,日本の伝承遊びであり,幼稚園や保育所の保育教材として広く導入されている.しかしながら,今までに,「だるまさんがころんだ」を運動と捉え,運動生理学的な分析を行った研究は,見当たらない.本研究は,「だるまさんがころんだ」遊びの心拍数と酸素摂取量変化から運動と捉えたときの運動生理学的な特性を明らかにすることを目的とした.被験者は,健康成人男性10名であった.被験者は,鬼が「だるまさんがころんだ」として発声している時間に全速で移動し,声が止んだ時に静止した.鬼までの距離を20mとし,3回繰り返した.その間,心拍数と酸素摂取量を測定した.結果から,「だるまさんがころんだ」は,インターバルトレーニング時にみられる心拍数と酸素摂取量変化を示した.運動生理学的な分析から「だるまさんがころんだ」が身体トレーニングの要素を持った伝承遊びである可能性が示唆された.
著者
鎌倉 昌樹
出版者
富山県立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本年度は次のような項目において研究を実施した。1,神経化学的解析による疲労の分子機構の解明ロイヤラクチンの抗疲労作用を総合的に評価するため疲労の新たな評価系の構築を目指し、脳内における疲労の分子機構の解明に着手した。疲労の発現に大きく関与する脳を中心に疲労前後のマウスにおいて発現が変動している遺伝子を解析した結果、流水遊泳装置を用いて疲労させた後の海馬において発現が上昇する因子として、興奮性のシナプス伝達に関与するAMPA型グルタミン酸受容体(AMPAR)α1サブユニット(GluR1)と神経細胞においてアポトーシスのシグナル伝達に関与するB-cell receptor-associated protein 31(Bap31)を新たに見出した。一方拘束水浸ストレスを与えたマウスでは、GluR1とBap31の遺伝子発現に変化は見られなかった。従って、GluR1とBap31は精神ストレスではなく疲労の時にのみ発現が誘導される因子である可能性が考えられた。2,ローヤルゼリーの抗コレステロールの作用機構の解明ローヤルゼリー(RJ)は肝臓に対する様々な薬理活性を有す。しかし、その作用メカニズムやRJ中の有効成分は未だ明らかになっていない。そこで今年度は、RJの肝臓に対する薬理作用のメカニズムの解明にも着手した。その結果、RJの抗コレステロール作用は、コレステロール合成に関与するスクアレンエポキシダーゼの発現を転写レベルで抑制し、コレステロールの肝臓への取込みに関与するLow density lipoprotein receptor (LDLR)の発現を増強することに起因していることが明らかとなった。3,ロイヤラクチンが作用する肝細胞の受容体の同定昨年度、バインディングアッセイによる解析から57kDaローヤルゼリータンパク質(ロイヤラクチン)ははトランスフォーミング増殖因子(TGF)-αのアゴニストとして、肝細胞表面の上皮増殖因子(EGF)受容体に作用している可能性があることを報告した。さらに、ラット肝臓cDNAライブラリーを対象として酵母Two hybrid systemを用いた解析を行ったところ、ロイヤラクチンと相互作用するタンパク質としてRhomboidというタンパク質が新たに見出された。Rhomboidは、ショウジョウバエ(Drosophila)においてSpitzというTGF-α様のリガンドを切断し、EGF受容体を活性化している因子である。現在のところ、哺乳類細胞におけるRhomboidのホモログは見つかっているが、Spitzと相同性を示すタンパク質はいまだ見つかっていないことから、TGF-α様のロイヤラクチンが疑似的にRhomboidと結合したものと考えられた。しかし、ロイヤラクチンは蜜蜂においてRhomoboid-Spiz経路を活性化するという新たなシグナル経路を形成している可能性が示唆された。現在、Drosophilaを用いてロイヤラクチンが同経路の活性化しているか否かについての検討を行っている。
著者
佐藤 康宏 板倉 聖哲 三浦 篤 河野 元昭 大久保 純一 山下 裕二 馬渕 美帆
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

人間が都市をどのようにイメージしてきたかを解明するために、日本・中国・ヨーロッパの典型的な都市図を取り上げ、作品を調査し、考察した。研究発表の総目録は、研究成果報告書に載る。以下、報告書所載の論文についてのみ述べる。佐藤康宏「都の事件--『年中行事絵巻』・『伴大納言絵巻』・『病草紙』」は、3件の絵巻が、後白河法皇とその近臣ら高位の貴族が抱いていた恐れや不安を当時の京都の描写に投影し、イメージの中でそれらを治癒するような姿に形作っていることを明らかにした。同「『一遍聖絵』、洛中洛外図の周辺」は、「一遍聖絵」の群像構成が、平安時代の絵巻の手法を踏襲しつつ本筋と無関係な人物を多数描くことで臨場感を生み出していることを指摘し、その特徴が宋代の説話画に由来することを示唆する。また、室町時代の都市図を概観しながらいくつかの再考すべき問題を論じる。同「虚実の街--与謝蕪村筆『夜色楼台図』と小林清親画『海運橋』」は、京都を描く蕪村晩年の水墨画について雅俗の構造を分析するとともに、明治の東京を描く清親の版画に対して通説と異なる解釈を示す。ほかの3篇の論文、馬渕美帆「歴博乙本<洛中洛外図>の筆者・制作年代再考」、板倉聖哲「『清明上河図』史の一断章--明・清時代を中心に」、三浦篤「近代絵画における都市と鉄道」も、各主題に関して新見解を打ち出している。
著者
浅倉 秀三
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.159-170, 2004-12-24

LC(米国議会図書館)はMARC21をXMLデータベースヘ変換し,それをMARCXMLとよんでいる。そして,MARCXMLをDublin Coreなど種々なデータ形式との相互変換のバスとして位置づけている。MARCXMLのXML構造は,LCが提示する書誌データのための標準化したXML構造である。本稿では,日本語書誌データ処理技術として,日本語MARCをMARCXMLのXML構造でXMLデータベースヘ変換する実験を行った。そして,日本語MARCにこの構造を採用することの妥当性を実証した。その結果,その構造を採用することによって,同一の操作環境でMARC21, JAPAN/MARCとTRC MARCのデータを閲覧できることが明らかとなった。さらに, JAPAN/MARCとTRC MARCのように,タグとサブフィールドコードが統一されている場合は,それらのデータを混在して利用できることが明らかとなった。
著者
佐々木 康成 笹倉 千紗子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.229-237, 2010
被引用文献数
2

ソーシャルネットワーキングサービス(以下SNS)を,実習を中心としたコンピュータリテラシの授業における学習サポートとして導入した.システムとしてはオープンソースのSNSソフトウェアを利用した.まずSNSを授業期間の一部において学習サポートとして導入し,学習の機会が増加するか,学生間の交流に影響があるかについて予備的な研究を行った.続いてその結果に基づいて,全授業期間を通じた学習サポートの場としてSNSを活用した.授業とSNSが密接に関連するように,SNSの機能を活用する授業デザインを行い,ブレンド型授業実践を行った.その結果,学習者の授業満足度は上昇し,学習者間の交流が活発になるなどポジティブな結果が求められた.一方で情報のただ乗りが発生することなどが明らかになった.また,授業の準備および運営に関して教員の労力が必須な点なども明らかになった.
著者
三宅 琢也 中島 淳 鬼倉 徳雄 古丸 明 河村 功一
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.1060-1067, 2008-11-15
被引用文献数
3 7

九州産ニッポンバラタナゴ(RoK)の保護に向けた知見を収集するため,遺伝子と形態分析によりRoKの分布の把握を試みた。RoKのmtDNAは46集団中41集団で見られたが,13集団においてはタイリクバラタナゴ(RoO)のmtDNAも確認された。RoKは九州中北部に広く分布していたもののRoOによる遺伝子浸透は多所的に生じていた。平均側線有孔鱗数とRoOのmtDNAの頻度の間には正の相関が認められた。RoKの識別において側線有孔鱗数は,腹鰭前縁部の白色帯よりも優れた形質であると言える。
著者
小川 裕充 板倉 聖哲 桝屋 友子 田中 秀隆 朴 亨國 大田 省一 羽田 正 秋山 光文 浅井 和春 後小路 雅弘
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

設備備品につては、「西洋人アジア旅行記」5,663点(マイクロフィッシュ16,453枚)、「西洋人アジア伝道旅行記」231点(マイクロフィッシュ1,585枚)を一括購入し、ヨーロッパの世俗・宗教両面から伝統アジアを捉える旅行記を基本研究資料として公開している。絵画班:小川は、平成17年度、シンガポール亜州文明博物館新収の中国絵画コレクション50数点の悉皆調査を行った。また、板倉・田中・五十嵐とともに、オーストラリア所在中国・日本絵画調査を実施し、オーストラリア絵画のディジタル・ファイルを購入した。18年度は・板倉とともに、東アジア・東南アジア所在中国絵画調査を実施した。調査対象は台湾:石允文コレクションなど3個所、シンガポール:呉起駒コレクションなど2個所、香港:香港中文大学文物館・香港藝術館、計7個所であり、撮影作品数無慮7百点に上る。彫刻班:浅井・朴は、東京国立博物館収集東南アジア仏教彫刻スライド資料2万点のディジタル画像化、及びプリントアウトをすべて完了し、資料整理の基礎となる基本カード作成もほぼ半数の1万点に及ぶ。また、東博資料のデータの不備を解消し、画像資料をさらに充実させるべく実施した、インドネシア調査(17年度)では、調査撮影対象は、ボロブドゥル遺跡など約70個所、作品4千点に上り、データを再点検し、ディジタル画像資料3万点を追加した。タイ・マレーシア・カンボジア調査(18年度)では、調査撮影対象は、バンコク国立博物館など、約10個所、ディジタル画像資料1万6千点、作品数約2千5百点を追加した。絵画班・彫刻班の調査作品は、個人研究とは別に、班として目録を収載する。なお、絵画班:西・後小路・桝屋・井手、建築班:羽田・大田は、別途、調査研究を進めたため、基盤Aの研究成果としては、研究成果報告書に論文1点を全文掲載し、他は本概要にリストアップするにとどめる。
著者
西岡 俊久 西 正己 藤本 岳洋 坂倉 慧悟 Epstein S. Jonathan
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.59, no.559, pp.558-565, 1993-03-25

In order to investigate inhomogeneity effects in elastic-plastic fracture, A533B steel and HT80 steel, which have considerably different yield stresses, were chosen. The moire interferometry was used for direct measurements of the crack-tip behavior in the homogeneous CT specimens of A533B and HT80, and in electron-beam-welded inhomogeneous CT specimens of these two materials. Two-dimensional moire gratings with relatively low frequency of 300 lines/mm were used to follow large plastic deformations. The near-tip deformations were compared with the corresponding HRR singular fields. Large inhomogeneity effects were observed in the moire fringe patterns as plastic deformations proceed.
著者
広島県食文化研究グループ 三好 康之 岡本 洋子 前田 ひろみ 井川 佳子 大下 市子 奥田 弘枝 奥山 清美 亀井 文 上村 芳枝 倉田 美恵 土屋 房江 三谷 璋子 吉永 美和子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.369-377, 2006-12-20
被引用文献数
1

広島県で摂取されている魚料理を把握する目的で,広島県在住者171名を対象として質問紙を用いた聞き取り調査を実施した。回答数は4,551件であった。魚料理にはあじ,いか,ぶり,あさり,さばがよく用いられ,広島県で漁獲量の多い牡蠣,ちぬ,たちうお,こいわし,なまこはこれらより少なかった。また,島嶼地域では,自給の魚介類で調理する魚料理が他の地域よりも多かった。調理法は,焼き物が最も多く,なま物,煮物,揚げ物の4つの調理方法で総回答数の75.1%を占めていた。和風調理が多く,焼き物の64.4%を塩焼きが,煮物の75.2%を煮付けが占めていた。対照的に,こしょう,バターなどを用いた洋風調理は少なかった。広島県特有の魚介類であるこいわしは,天ぷらや刺身として,ちぬは塩焼きとして,えびじゃこは汁物や塩茹でとして料理されていた。
著者
石井 光夫 鈴木 敏明 倉元 直樹 荒井 克弘 夏目 達也
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

・本研究は,中国,韓国,台湾,香港,シンガポールなど,いわゆる中国文化圏に属する東アジア諸国・地域を対象に,大学入試の多様化という視点から,その制度や改革動向を調査分析したものである。・我が国が過度の受験競争などへの対策として「選抜方法の多様化」「評価尺度の多元化」を方針の下に大学入試改革を展開してきた経緯から,同じような問題を抱え,改革を試みているこれらの国・地域の大学入試と我が国のそれとを比較検討することによって,我が国の入試改革に参考となる視点を得ることが本研究の狙いであった。・本研究では,実地調査や文献調査によって1)一般選抜における選抜方法・判定基準,2)特別選抜(推薦入学や我が国のAO入試に類似する大学独自の選抜等)における選抜方法・判定基準,3)高等学校との連携協力(広報活動,高大連携活動)のそれぞれの項目を柱に,政策方針,制度改革等のあらましを把握したのち,とくに「入試の多様化」という観点から,改革の背景や経緯,改革の具体的措置,個別大学の入試実態等を明らかにするとともに,各国・地域における共通性や特徴,問題点などを整理分析した。・報告書においては,とくに入試多様化を精力的に進める中国,韓国,台湾について,その共通点と相違点を比較分析し,我が国入試改革にとっての新たな視点をいくつか提示した。結論としては,我が国及びこれらの国・地域では同じような動機・目標を持って入試の多様化を進めており,多様化の度合いにおいては我が国は進んでいるとみられるものの,学力の担保,公平性確保のための情報公開になお課題をもつことを指摘した。また,我が国の入試改革にみられない「教育格差・社会経済的に恵まれない層への配慮」といった観点を韓国や台湾などの例によって指摘した。