著者
鎌倉 芳信
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.36, no.10, pp.62-70, 1987

「断橋」は、作者が北海道内を巡歴した時の記事をもとに構成されている。小説では、この記事の上に現実崩壊や存在基底喪失の幻影風景を重ねている。幻影風景は北海道放浪当時の作者の存在の不安や恐怖の変形したものと考えられる。樺太での事業の企ては、自己の哲学の実践であると考えながらも、もしかしたら狂気の沙汰に過ぎないかもしれないというアイデンティティーの危機意識が幻影風景となって表われたものである。
著者
藤倉 恵一
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.21-31, 2006

<p>文教大学越谷図書館は1981年10月の新図書館開館を機に,学外者に図書館を開放している。当時は画期的・先進的なことであったが,20年以上が経過して大学図書館の学外開放が一般的になったいま,あらためてサービス展開の経緯と現状,意義と課題についてまとめる。また,同図書館内で運営されている小学校中学年以下の子どもを対象にした児童文庫「あいのみ文庫」も開設以来盛況を保っているが,これについてもあわせて紹介する。</p>
著者
大倉 研
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.10, pp.687-698, 1996-10-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
33
被引用文献数
1 1
著者
池田 大輔 倉本 到 渋谷 雄 辻野 嘉宏
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.253-264, 2008

<p>Some video mirror interface systems capture the user's body image and displays it at real-size on the screen in front of him/her. Some virtual objects overlap the video image and the user can select one of them by his/her touching action. The interface is usable for easy and intuitive interactions in various situations. This paper focuses on the influence of the delay time on the object selection or operation in the video mirror interface. There are two kinds of delay time in such operation: image feedback delay and system response one. The experimental result shows that the operation is more sensitive to the image feedback delay than to the system response one. The image feedback delay of 0.03 seconds affects the static target selection while the system response delay of less than 0.15 seconds does not affect the selection. Furthermore, a task to keep touching moving target is affected by the image feedback delay of O.03 seconds but it is not by the system response delay of 1.0 seconds.</p>
著者
熊本 光 白倉 尚貴 高松 淳 小笠原 司
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集 2020 (ISSN:24243124)
巻号頁・発行日
pp.1A1-B11, 2020 (Released:2020-11-25)

Marine debris causes deleterious effects on the environment and economy. It is still a difficult task to efficiently collect marine debris floating on the sea surface. We previously proposed a semi-automatic collection system of marine debris using an underwater robot. However, the success rate is low due to the complicated operations required to collect marine debris. In this research, we propose to use a suction mechanism to simplify the operation of collecting marine debris that enables the underwater robot to collect just by approaching it. The experiments verify the effectiveness of the proposed system with respect to the success rate and time of collection.

1 0 0 0 結婚

著者
宮里 和子 鎌田 久子 坂倉 啓夫 末光 裕子 菅沼 ひろ子
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.634-637, 1985-07-25

§続・初体験 前号において問題にした破瓜の習俗は,今日のモラルからみれば,許されることではないと決めつけがちであるが,一種の性教育とみなされていたことを見落としてはならない。 島根県東部の漁村での話に,12,3歳の娘が,まだ娘にならん前に,50歳以上のごけじいさんにオセ(大人)にしてもらうことがあったという。西石見地方でも娘が13歳になると,親が部落内の男衆に頼んで大人にしてもらうのをスケワリと呼んでいたという。福井県でもこのような習俗をアナバチといい,特定の者が,12,3歳の女子を一人前にして,若者(青年男子)の仲間に告げる風があった。破瓜したことを公表するわけで,前記の島根県でも,若連中(青年男子)にオセになったことをふれてもらったというが,これで名実共に一人前になったことで,婚姻可能な成女であることを公表し,結婚でぎることを願ったのである。
著者
吉田 礼 町田 好男 小倉 隆英 田村 元 引地 健生 森 一生
出版者
公益社団法人 日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術学会雑誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.68, no.11, pp.1456-1466, 2012-11-20 (Released:2012-11-21)
参考文献数
16
被引用文献数
3 4

Recent progress in variable-flip-angle fast spin-echo technology has further extended the utility of three-dimensional (3D) magnetic resonance imaging (MRI) for clinical application. The slice profile in 3D MRI is the point spread function that has a sync form in principle, whereas a slice profile in 2D imaging provides information on characteristics of selective radio frequency excitation. We investigated the optimal condition to measure 3D slice profiles using a crossed thin-ramps phantom. We found that the profile data should cover a large area in order to evaluate both the main lobe and side lobes in the slice profile, and that the appropriate slice thickness was 2 mm. We also found that artifacts in the direction perpendicular to the slice create an offset error in the measured slice profile when 3D imaging. In this paper, we describe the optimal condition and some remarks on the slice profile evaluation for 3D MRI.
著者
倉元 綾子
出版者
一般社団法人 日本家政学会家政学原論部会
雑誌
原論研究 (ISSN:24335312)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.22-29, 2016

The issues over the Healthy Family Act as a new family life support system in South Korea were examined by using Introduction to Healthy Family (the second edition, 2010). As a result, the following points were clarified.(1)The concerns for healthy family have risen by the importance of the family, concerns for the quality of life, a paradigm conversion to the respect for life and dignity, revalues of caring, the appearance of various families, etc.(2)The researches on "Healthy family" have been done aggressively in South Korea since the beginning of the 1990's. The themes were as follows; the concept and characteristic of healthy family, programs, the Healthy Family Support Centers, the Healthy Family Professionals, etc.(3)The effects of the Act are as follows; specification of family policy, installation of special department for families, expansion of range related to the family policy, accomplishment of prior and preventive business, reduction of societal cost, etc.(4)Social contribution of the Act are the improvement of policy efficiency, long-term effect on the family issues, achievement of social integration, comprehensive and long-term policies, the creation of employment, etc.
著者
島倉 広至 三浦 貴生 浜根 大輔 松枝 大治 三浦 裕行
出版者
北海道大学大学院理学研究院
雑誌
北海道大学地球物理学研究報告 (ISSN:04393503)
巻号頁・発行日
vol.78, pp.19-35, 2015-03-19

The Teine mine is a epithermal Au-Ag-Cu deposit located at the west part of Sapporo, Hokkaido, Japan. More than 30 veins are distributed in the 5km2 area. So far, 48 mineral species are reported from the Teine mine. However, mineralogical study is not enough to describe the wide variety of mineral occurrence in this mine. The authors perform a descriptive study of ore samples stored at the Hokkaido University Museum and found 15 newly observed minerals from the Teine mine. Especially, cupropavonite,hodrushite,koritnigite, krautite and poubaite are first report from Japan. Poubaite, PbBi2Se2Te2, found in goldfieldite grain, is idiomorphic and less than 30 μm in diameter. It shows creamy white color and metallic luster. Bireflectance is strong. The observed empirical formula, PbBi2(Te2.0Se1.9S0.1) Σ4, is consistent with the ideal formula (Zdenek et al., 1987).
著者
佐伯 亮太 藤田 武彦 笹倉 みなみ 中村 義弘
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.203-212, 2018

「団地の空室活用によるコミュニティづくりと団地再生の実践」1970 年代に建設された民間所有の5階建て階段室型団地(農住団地)の空室をシェアスペースに転用(DIY リノベーション)し活用することで,地域コミュニティづくり,団地住人の居住環境の改善,団地の入居率改善をねらった実践である。実践にあたっては,建物所有者,住人,外部協力者でのチームを立ち上げた。2017年10月現在,シェアスペースでは日常的に地域住民,団地住人が参加できるイベントが開催され,また団地の入居率も改善されるなど,一定の成果を見せている。本実践活動は,今後,急増することが予想される同様の建物の活用方法を模索するためのケーススタディである。
著者
安倉 良二
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.3-20, 2016

本研究は,大店立地法に基づく大型店の出店調整について,奈良県と京都府にまたがる平城・相楽ニュータウンにある近鉄京都線高の原駅前を事例に,出店経緯と住民の対応に着目しながら考察した.大型店出店の背景として,空き地の有効活用を進めたい建物設置者と,大型店の出店規制緩和を契機に地域市場で優位に立とうとする小売業者の思惑が一致したことがあげられる.他方,生活環境の悪化を懸念する一部の住民は,運用主体である京都府に出店届出の内容に関する意見書を提出する形で出店調整に介入した.これに対して京都府は,大型店の建物設置者に対して出店届出の内容に関する改善を求める意見を出した.それをふまえて,建物設置者と小売業者は一部の住民との間で大型店の出店に向けた協議を重ねた.大店立地法に基づく大型店の出店調整は旧大店法とは異なり,出店自体を抑制するものではない.こうした制約下で運用主体から出店届出の内容に改善を求める意見が出されたことは,住宅地における大型店の出店に際して店舗に近接する住民の生活環境への慎重な配慮が不可欠であることを示す.
著者
井倉 一政
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.133-135, 2018-09-20 (Released:2018-09-26)
参考文献数
13

日本の精神障害者に対する保健福祉政策の歴史は浅く,地域で精神障害者がのぞむ生活ができるためには,必要な住居が提供されることが必要である.精神障害者の健康と質の高い生活を支援する専門職のひとつに,保健師がある.現在,保健師の多くは組織に属しているが,いずれの組織にも属さない開業保健師も存在している.今回,2014年から三重県で試みている精神障害者などの社会的弱者に住居を提供する開業保健師活動を報告する.
著者
小島 道也 嶋田 典司 廣保 正 綾野 雄幸 小倉 長雄 矢吹 稔 駒形 和男
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.395-398, 1987

高農対談始まって以来初めてのことでありますが,農芸化学各講座の先生方6名全員御出席で行われた座談会は,従来とまた変った内容となりました.しかも御一人を除いては全員母校OBというためか,何やら同窓会に列席させていただいているようで,先生方の和気藹々たる雰囲気の中で恩師の想い出,戦時下の学生生活,松戸の昔話しなど話題は尽きることなく続きましたが,紙面の都合上そのすべてを再録できなかったのは残念です.そのため先生方の中には,御発言のごく一部しか載らないという不公平も生じておりますが御容赦下さい.<br> 座談会の準備に御尽力賜った矢吹先生に心から御礼申し上げます.(編集部)
著者
三木 恒久 高倉 章雄 山口 克彦
巻号頁・発行日
2002-04

鉱物や化石燃料等の埋蔵資源は年々減少して枯渇の危機が近づいており、また、これらを原料とした製品が廃棄される場合は、産業廃棄物として扱われ、特にプラスチック系材料の焼却では有害ガス等が発生するため、今日深刻な環境問題を引き起こしている。 本研究では、石油系の接着剤等を一切使用せずに木材の構成要素のみに注目して、木材粉末を固形化する技術を開発し、環境・人間にやさしい任意形状の木質製品を製造することを目的としている。そのための基礎的実験として、木材粉末の圧粉成形および押出し成形を行い、最適固形化条件および押出し成形時の木材粉末の流動特性を明らかにした。そして、木材粉末を原料とした複雑形状部品を製造するための技術として、射出成形に代表されるニヤネットシェイプ成形の可能性とその問題点について検討した。京都工芸繊維大学環境科学センター報「環境」第14号 2002-04 pp.36-41
著者
倉田 賢一
出版者
中央大学人文科学研究所
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.231-243, 2013-10-10

シェイクスピアの『ハムレット』は『十二夜』に次いで書かれたとするのが通説的であるところ,両者の構造的対比から得られるところは大きい。ジャック・ラカンは『ハムレット』を,ガートルードの欲望の対象の位置がクローディアスによって過剰に占められており,そのことがハムレットを精神的に動揺させる劇として解した。これを『十二夜』に適用すれば,オリヴィアの欲望の対象の位置が,過剰な喪によって逆に空位のまま保たれていることで劇が展開している,という構造が明らかになる。さらにマルヴォーリオいじめのサブプロットをトービーのハムレット的状況として解すれば,この二つの劇はちょうど裏返しの関係にあることになる。このように,中心となる女性の欲望をめぐって,一方では対象の位置を占めるものが破壊される悲劇が描かれ,他方では対象の位置を占めようとする人々が奔走する喜劇が描かれ,後者の喜劇のただなかに,前者の悲劇を予告する主題が含まれているのである。
著者
柴坂 寿子 倉持 清美
出版者
日本質的心理学会
雑誌
質的心理学研究
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.96-116, 2009

幼稚園のお弁当時間に子どもたちが協同で行った定型的な共有ルーティンについて,仲間文化の形成・変化の視点から検討した。幼稚園のクラス集団を入園から卒園まで 2 年間にわたって縦断観察し,ルーティンの形成過程,特徴,2 年間の意味・機能の変化について分析した。入園 8 週目,子どもたちはお弁当時間に「~の人,手ー挙げてー」「はーい」という共有ルーティンを行うようになった。ルーティンは保育者と子どもたちでの質問-応答形式を取り入れて形成されたと推測された。ルーティンでは唱和や同時挙手が起こり,興奮を伴った。またルーティンはしばしば続けて繰り返され,大きな仲間活動となることもあった。年少前半ではお弁当時間あたりに起こるルーティンの頻度が高く,お弁当の中身と子どもの様々な個人属性の両方が話題にされ,この仲間活動への参加と自己呈示がルーティンの重要な意味と考えられた。年少後半以降はお弁当の中身を話題とすることが多く,仲間活動への参加や自己呈示の他に,その場での会話ややりとり,個別の人間関係を調整する方略として利用されることが多いと考えられた。
著者
小倉 明夫 Ogura Akio
出版者
金沢大学
雑誌
博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査結果の要旨/金沢大学大学院医薬保健学総合研究科(保健学専攻)
巻号頁・発行日
no.平成22年5月, pp.7, 2010-05-01

取得学位 : 博士(保健学), 学位授与番号 : 医博甲第2101号 , 学位授与年月日 : 平成22年3月23日, 学位授与大学 : 金沢大学, 審査結果の報告日 : 平成22年2月12日
著者
松倉 信幸
雑誌
鈴鹿大学・鈴鹿大学短期大学部紀要第4号 2021 = Journal of Suzuka University and Suzuka Junior College Vol.4 2021 (ISSN:24356530)
巻号頁・発行日
no.4, pp.95-104, 2021-04-01

円滑なコミュニケーションを行うために,話し手と聞き手との間の人間関係により,ことばの選択が行われる.本稿は,「相手との心理的距離感」をあまり感じさせない対人コミュニケーションについて,ブラウン&レヴィンソンの主としてポジティブ・ポライトネスおよび「フェイス侵害度」を理論的根拠として,日英語間に見られるコミュニケーションの差異についても念頭に置き考察を加えた.具体的な事例分析について,第1に着目した点は,相手との心理的距離を縮める呼称および人称代名詞である.第2点は相手との心理的距離を縮める付加疑問,命令文,および現在分詞などの文法構造である.そして,第3点目は,積極的表現,欠点を表明する表現,そして相手の視点から見る呼びかけ語を用いた表現について,日英語における表現の差異について分析を試みた.