著者
田畑 貞寿 宮城 俊作 内田 和伸
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.169-174, 1989-03-30 (Released:2011-07-19)
参考文献数
8
被引用文献数
7

本研究では, わが国の近世城郭跡の保存と活用を目的とした公園化による環境整備がどのようにすすめられているのかを明らかにし, 史跡保存のため新たな史跡公園化の方途を探ることを目的とした。国内90ケ所の城址公園を対象として行った調査により, 多くの事例において史跡指定→指定地内の土地公有化→施設の移転→遺構の発掘調査→復元整備→史跡公園化といった事業のプロセスが確認された。
著者
内田 隆 青木 孝
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 43 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.483-486, 2019 (Released:2020-07-31)
参考文献数
6

本研究では,通電によるジュール熱でパンを作る電気パン実験の起源をあきらかにするため,電極式調理の歴史について文献調査と聞き取りを行った.その結果,電気パンの起源は陸軍の阿久津正蔵らが開発した炊事自動車で,電極式調理による製パンよりも前に炊飯が先に実用化されていたことがあきらかになった.終戦後にこの技術が活用されて家庭用電極式炊飯器である厚生式電気炊飯器やたからおはちが製造されたこと,さらに,現在はパン粉用パンの製造量の半分程度が電気パンと同じ電極式調理でつくられていることがわかった.
著者
内田 豊海 松崎 康弘
出版者
鹿児島女子短期大学附属南九州地域科学研究所
雑誌
南九州地域科学研究所所報 = THE BULLETIN OF THE INSTITUTE (ISSN:09110275)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.17-23, 2016

憧れの保育・教育職に就きながら早期離職を余儀なくされる保育士・教諭が増加の一途を辿る中、本研究では6件の事例を取り上げ、それぞれ離職に至る経緯とその後の進路選択の過程を記述することを通し、彼女たちが置かれている現状を明らかにする。その上で教育現場における困難性を記述するあり方について考察する。
著者
内田 智士 弓場 英司
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-04-01

メッセンジャーRNA (mRNA)を用いたがんワクチンは、患者毎に異なるネオ抗原を標的とした設計が容易であり、かつ抗がん免疫を得る上で重要な細胞性免疫を得られるといった特長を持つ。一方で、ワクチンには、抗原とともに、免疫賦活化のためのアジュバントの投与が必要となるが、mRNAワクチンに適したアジュバントの開発は行われてこなかった。まず、本研究では、mRNAに2本鎖RNA構造を組み込むことで、アジュバント機能を組み込んだmRNAを開発するが、この設計は安全性が高く、さらに抗原提示細胞に抗原とアジュバント共送達できるといった利点を持つ。従来我々が開発したシステムでは、mRNAに2本鎖構造を付与した結果、その翻訳活性が若干低下した。本年度の研究で、2本鎖構造を再設計した結果、翻訳活性を損なわず、高い免疫賦活化作用を示すmRNA構造見いだすことに成功した。さらに、mRNA導入により惹起される炎症反応の強度を制御することにも新たに成功したが、この点は、ワクチン効果を得るのに必要十分な強度の免疫賦活化作用を得ることで、安全かつ効果的にmRNAワクチンを投与する上で極めて重要である。また、mRNAワクチンでは、脾臓やリンパ節といった免疫組織にmRNAを効率的に送達することが必要となるが、そのためには輸送担体に免疫組織指向性のリガンドを組み込むとともに、標的組織への送達前のmRNA酵素分解を防ぐことが必要である。本年度の研究で、2本鎖RNA構造を組み込む際に用いた方法論を、mRNA輸送担体の安定化に展開することで、生体内でのmRNA酵素分解耐性の飛躍的向上に成功した。以上のように、mRNAワクチンに必要な、mRNA設計、及び輸送担体設計において、優れた成果を得ることができた。
著者
内田 智也 古川 裕之 松本 晋太朗 小松 稔 佃 美智留 土定 寛幸 大久保 吏司 藤田 健司
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.105-112, 2020 (Released:2020-04-20)
参考文献数
26

【目的】投球動作におけるステップ脚膝関節動作と肘外反トルクとの関連から肘関節負荷を増大させる動作を検討する。【方法】中学生投手20 名のFoot Contact(以下,FC)以降のステップ膝動作を膝関節位置の変位が生じない固定群と投球方向へ変位する前方移動群の二群に群分けした。FC・肩関節最大外旋位(以下,MER)・ボールリリースのステップ膝屈曲角度,投球中の肘外反トルク(身長・体重での補正値)および投球効率(肘外反トルク/ 球速)を群間比較した。【結果】固定群は14 名,前方移動群は6 名であり,前方移動群のステップ膝屈曲角度はFC からMER にかけて増大することが示された。また,肘外反トルクおよび投球効率は固定群が前方移動群より有意に低値を示した。【結論】前方移動群はFC 以降に膝の縦割れが生じていることで,肘関節に過度な負荷が加わっていることから,ステップ膝動作の評価は野球肘の理学療法において重要であることが示唆された。
著者
前浦 菜央 中山 真孝 内田 由紀子
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.262-279, 2020-09-01 (Released:2020-09-15)
参考文献数
26

This study focused on two similar but potentially distinctive emotions, awe and being moved. Although these emotions have been studied independently, they have commonalities both in cognition and emotion. For example, both have been shown to influence cognitive frameworks (Tokaji, 2004), such as need for accommodation (Keltner & Haidt, 2003). In addition, when instructed to write about being moved, Japanese descriptions resembled descriptions about awe in Western descriptions (Hashimoto & Ogura, 2002; Shiota, Keltner, & Mossman, 2007). In this study, we hypothesized that these two emotions overlap in linguistic labeling and in perceived emotional states. To test this hypothesis, we conducted two survey studies in Japan. Study1 examined how people labeled emotional states caused in various awe-inducing and being-movedinducing situations. Study1 indicated that some of typical awe experiences were likely to be labeled as being-moved experiences. Study2 showed that the experience of awe was more similar to an emotional state of being deeply moved by a life event, than being normally moved by a daily event. Therefore the present studies suggest that being moved and awe are more likely to overlap when the situation is a deeply moving life event.
著者
菊池 信彦 内田 慶市 岡田 忠克 林 武文 藤田 高夫 二ノ宮 聡 宮川 創
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.32-37, 2021-01-12 (Released:2021-02-24)
参考文献数
11

本稿は、筆者を含め、関西大学アジア・オープン・リサーチセンター(以下、KU-ORCAS)の研究者を中心とした学内の共同プロジェクトとして実施している「コロナアーカイブ@関西大学」について論じている。コロナアーカイブ@関西大学は、ユーザ参加型のコミュニティアーカイブの手法を用いて、COVID-19の流行という歴史的転換期における関西大学の関係者の記録と記憶を収集している、デジタルパブリックヒストリーの実践プロジェクトである。本稿では、パブリックヒストリーという研究動向の紹介を踏まえたうえで、世界的な動向におけるコロナアーカイブ@関西大学の位置付けやその特徴、そして収集している資料の性格等について論じる。
著者
新井 誠 小堀 晶子 宮下 光弘 鳥海 和也 堀内 泰江 畠山 幸子 内田 美樹 井上 智子 糸川 昌成
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.27-33, 2015 (Released:2017-02-16)
参考文献数
26

統合失調症の精力的なゲノム研究が世界的に取り組まれているものの,統合失調症の病態生理が不均一であるが故に(異種性),その分子基盤を理解する際の大きな障壁となっている。筆者らは,これまでも臨床的な側面から特徴的な病像を呈する症例を集積し,かつ家系症例や希少症例を軸にして,個々の症例が有する分子基盤の一端を一般症例へ敷衍するというストラテジーを実践してきた。この研究手法により,まれな遺伝子変異を持つ家系症例から「カルボニルストレス」という代謝経路の障害を見出し,一般症例のおよそ 2 割に同じカルボニルストレス代謝の障害をもつ比較的均一な亜群を同定した。また,カルボニルストレスを呈する症例群の臨床的特徴を明らかにするとともに,カルボニルストレスの解毒作用をもつピリドキサミンを用いた医師主導治験を実施した。本稿では,これまでのカルボニルストレス性統合失調症について概説し,統合失調症研究における我々の将来展望について述べた。
著者
網本 和 内田 賢 内山 靖 大城 昌平 金谷 さとみ 酒井 桂太 福井 勉 山田 英司 横田 一彦
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.812-817, 2020-07-15

内山 本日は理学療法教育をめぐる現状を共有し,今後の展望について意見交換したいと思います. まず,教育関係者の共通認識として主要な行政文書を確認しておきます.2月28日付の文部科学省・厚生労働省の事務連絡として「新型コロナウイルス感染症の発生に伴う医療関係職種等の各学校,養成所及び養成施設等の対応について」が出され,在学中の学生に不利益が生じないよう,迅速かつ弾力的な対応が示されています.

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著者
内田邦彦 著
出版者
桜雪書屋
巻号頁・発行日
1915
著者
萩原 信敏 松谷 毅 野村 務 藤田 逸郎 金沢 義一 櫻澤 信行 宮下 正夫 内田 英二
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.111, no.3, pp.512-520, 2014 (Released:2014-03-05)
参考文献数
31

食道癌術後長期生存例の増加にともない,再建胃管癌例も増えている.今回,年代別で胃管癌の臨床病理学的項目,治療,予後などの変化について,当科の胃管癌9例と本邦報告156例を集計した165例において3期に分けて検討した.臨床病理学的検討では,発生部位は胃管下部に多く,組織型は7割が管状腺癌であり,年代で有意な差は認めなかった.内視鏡検査での発見症例が最近10年では7割を占め,早期発見例も年々増加していた.2003年以前に内視鏡治療を行った症例は20%であったが,最近10年では約40%まで増加し予後も改善傾向を示した.胃管癌の特徴を理解し,定期的な検査で早期発見することで,さらなる予後の改善につながると考えられた.
著者
吉川 文隆 矢野 昭彦 内田 幸宏 藤田 健二 川添 強 佐田 裕之
出版者
The Japan Institute of Marine Engineering
雑誌
Marine engineering : journal of the Japan Institution of Marine Engineering = マリンエンジニアリング : 日本マリンエンジニアリング学会誌 (ISSN:13461427)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.123-129, 2008-03-01
参考文献数
7
被引用文献数
1

Propeller shaft diameter of ferries becomes larger in conjunction with requirements of higher vessel's speed and CPPs (controllable pitch propellers) . Thus, it may lead into a tendency to reduce the life duration of stem tube bearing under seawater lubrication. Wear of the propeller shaft sleeve, i.e. bronze alloy, is typically greater than that of the rubber bearings, with triangularly shaped craters appearing on the sleeve surface.<BR>In this paper, we describe the investigation of used sleeve sample taken from an actual vessel, as well as the wear characteristics of bronze alloys conducted under the corrosive wear condition which is equivalent to actual ferry service. The results indicated that corrosive wear was the main cause of sleeve wear. Comparing between the amount of wear in seawater and the one in distilled water, the influence of corrosion on sleeve wear was found to be substantial. Additionally, the craters are considered to be formed by the action of erosion corrosion
著者
内田 充洋 石黒 稔 鈴木 隆
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.242-247, 2005-06-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
5

NMURALPHOTOSYSTEM (NPシステム) は, 高品質なノンフラッシュの写真撮影のために新たに開発されたシステムであり, 2004年10月に, 対応フィルムカメラとしてNAUTRASを新開発, 対応フィルムとしてNATURASを新発売した.NPシステムは, フィルムの高感度と広ラチチュードを最大限に利用しており, F1.9の新開発レンズおよび独自の露出制御のNPモードを搭載したNATURASと組み合わせることにより始めて実現できた. 本システムにより, シャッターを押すだけで, ノンフラッシュの雰囲気があり, 自然な表情を捉えた写真が手軽に撮影できるようになった.