- 著者
-
内田 陽子
- 出版者
- 北関東医学会
- 雑誌
- 北関東医学 (ISSN:13432826)
- 巻号頁・発行日
- vol.57, no.3, pp.231-238, 2007-08-01 (Released:2007-09-11)
- 参考文献数
- 12
- 被引用文献数
-
3
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【目 的】 認知症ケアのアウトカム項目を明らかにし, アウトカム評価票原案を開発することを目的とした. 【方 法】 文献検討, 質問紙調査, 専門家による検討により進められた. 【結 果】 既存の文献では認知症症状, 生活行動, 幸福感, QOL, 介護負担の領域にアウトカムがまとめられた. 認知症ケア経験者対象239人からは, 精神的安定, 生活行動, 認知症症状, 在宅療養継続などのアウトカムが明確になった. また, 在宅で認知症ケア経験者25人からは「笑顔, 不安なく安心して暮らせる, 楽しく喜ぶ」に重要度が高かった. 【結 語】 専門家の検討により, 最終的に以下の特徴をもった認知症ケアのアウトカム評価票を作成できた. (1)アウトカムの主項目は「認知症症状・精神的安定」,「生活・セルフケア行動」,「その人らしい生活」,「介護者の負担」で構成された. (2)2時点の状態をアセスメントし, 該当する番号を書き, 両者を比較して最高値持続, 改善, 維持, 悪化, 最低値持続と判定する. (3)アウトカムを高めるためのケア項目を設定した.