著者
佐藤 毅彦 児島 紘 高橋 庸哉 前田 健悟
出版者
熊本大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2002

本研究は、IT世紀の理科学習ツール「インターネット天文台・気象台」を開発・設置、教育実践に活用し効果を挙げてゆくことを目標としている。本年度は、熊本大学にインターネット天文台を設置、首都圏に既存の二基と合わせて教育利用を推進した。互いに近接した既存の二基と地理的に離れた後続天文台が渇望され、熊本大学インターネット天文台はまさにそれに応えるものとなった。また、北日本に天体ライブ映像を配信するためのサーバーを、北海道教育大学の札幌校に設置した。熊本大学教育学部附属中一年の理科で、インターネット天文台を利用した授業を行った(平成14年12月)。屋上で天体望遠鏡を使い実際に太陽面を観察した後、インターネット天文台を操作しての太陽面観察とした。インターネット経由の天体観察自体、子供連には初めての経験であり、それは印象的なものであった。黒点の移動を調べるための前日・前々日を含めインターネット天文台をフルに活用し、この実践例から、「各地のインターネット天文台を相互利用することで、天候条件に左右されがちな天体観察の授業を、計画通りに進めることができる」という利点があらためて確認された。星が月に隠れる「星食」現象を捉え、教育学部学生対象に観測会を実施、熊本と関東とで現象に30分もの時間差があることを体験してもらった(熊本と首都圏のインターネット天文台を併用)。教員志望学生のこうした体験は、将来の小中高における教育を豊かにしてゆく大切な要素である。インターネット気象台と、「定点2000」観測点(ライブカメラ含む)、アメダス観測点などインターネット上の気集情報を組み合わせた教材を用い授業実践を行った(平成15年1月、学部生卒業研究の一環)。「青森は雪だった」「高知の天気は予想と違った」など、子供達が主体的に取り組みながら各地の天気の違いを学ぶ様子が見られ、一定の成果を挙げることができた。特定領域内においては、複数の研究と連携が動き始めたところである。その強化は、今後の発展課題である。
著者
生田 久美子 北村 勝朗 前川 幸子 原田 千鶴 齊藤 茂
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究の目的は,スポーツ・看護・芸能領域の伝承場面における修辞的な言語(わざ言語)の分析を通して,「わざ」の伝承における「わざ言語」の意義を問い直し,学びの可能性を考究することにある。実際に卓越的技能の指導現場に触れている「わざ言語」実践者を対象とし,「わざ言語」が生起する文脈や役割の分析が行われた。本研究の成果として,行為の発現を促す役割,身体感覚の共有の役割,及び到達した状態の感覚へといざなう役割,を確認した点があげられる。
著者
佐々木 えりか 富岡 郁夫 高橋 司 井上 貴史 前田 卓志 岡原 純子
出版者
公益財団法人実験動物中央研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

コモンマーモセットは霊長類で唯一導入遺伝子が次世代へ伝達する遺伝子改変個体の作出が可能であるが、より多くの疾患モデル作製のためには機能欠損型の遺伝子改変マーモセットの作出が求められる。本研究は、機能欠損型の遺伝子改変マーモセットの作出技術基盤を構築した。
著者
紙野 健二 市橋 克哉 下山 健二 高田 清恵 高橋 祐介 豊島 明子 大沢 光 山田 健吾 前田 定孝 大河内 美紀 林 秀弥 藤枝 律子 稲葉 一将 岡本 裕樹 宮澤 俊昭
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

グローバルな規模で展開再編する市民社会は、少子化、大規模災害や自然環境の破壊が典型的であるように、自らの存続にとっての数多くの脅威に直面して、国家に解決すべき、しかし困難な多くの課題を突きつけている。このような国家と市民社会のそれぞれの運動に対抗するものとして、双方性を有する行為である契約が観念される。それは、国民生活に必要な役務の交換が国家から市場へと転化した結果一方的に提供される役務の「選択」の法制度に対して、またこのような法制度に対する多数の国民意思を正確に反映できなくなっている民主主義の機能不全に対して、ますます強く観念せざるをえない。このような意義を有する契約が、いかなる行政領域の法を反映して、どのような実体法手続法的な形態となって表現しているのかを論証するべき必要を明らかにしたことが、本研究の成果である。研究成果の一書による公表が、計画されている。
著者
三瓶 まり 深田 美香 南前 恵子 前田 迪郎 加藤 圭子 三瓶 まり
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

目的:本研究では健康な男女および出産後の女性を対象にボディソニック臥床によるリラクセーション効果を検討し、その使用法について明らかにする。実施計回:(1)平成11年度〜音楽の種類によるリラクセーション効果を比較した。(2)平成12年度〜出産後の女性を対象にボディソニック臥床と安静臥床法を行い、リラクセーション効果を検討した。(3)平成13年度〜出産後の女性を対象にボディソニック臥床を行い、リラクセーション効果が身体に与える影響として乳汁分泌ホルモンと子宮収縮ホルモンを測定し、検討した。(4)平成14年度〜曲の作用の違いによるリラクセーション効果を検討した。結果:(1)平成11年度〜安らぎ音楽と好みの音楽を用いた結果、主観的なリラックス感には差はなかった。カテコールアミン、β-エンドルフィンのホルモン変化も差はなかった。安らぎ音楽、好みの音楽どちらを用いてもボディソニック臥床によってリラクセーションは得られることが示唆された。(2)平成12年・13年度〜出産後の女性ではボディソニック臥床法が安静臥床法よりリラックス感が高く、POMS心理テストでは緊張、怒り、疲労、混乱において有意に改善された。ホルモン変化はアドレナリン、ノルアドレナリンは臥床後滅少し、ドーパミンはボディソニック法で有意に増加した。(3)平成14年〜曲の作用の違いによるリラクセーションは安らぎ音楽で高かった。しかし、臥床後の気分の改善はアップテンポの曲で高かった。まとめ:ボディソニック臥床では安らぎ音楽、好みの音楽どちらを用いてもでもリラクセーション効果はある。しかし、気分の改善では好みの音楽、アップテンポ音楽で効果は高い。出産後の女性ではボディソニック臥床法は心理的にリラクセーシヨン効果が高かった。ホルモン分析から、リラクセーションによって交感神経が抑制されていた。
著者
前田 良知
出版者
独立行政法人宇宙航空研究開発機構
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2008

最近の研究から、Low metalicityな環境で生まれたWolf-Rayet星がガンマ線バーストの前駆星の最有力候補として注目されている。ガンマ線バーストは超新星の爆発エネルギーが爆発前に撒き散らされたWoif-Rayet windに追いつくことで外部衝撃波を立て、残光としてX線等が放射されている可能性が考えられる。またそのスペクトルはその周りを囲うWolf-Rayef windによる吸収を受ける。したがって、ガンマ線バーストの前駆星の星風の解明が、ガンマ線バーストの理解を推し進める重要な因子になっている。我々は、はえ座θ型星のWC型の星風のアパンダンスを測定し、C/N(炭素/窒素)比が太陽組成を桁で超えることを見つけた。WC星を親星とするガンマ線バーストが発生した時には、この炭素と酸素の吸収を受けることが予想される。したがって、ガンマ線バーストの吸収構造を調べることで、その前駆星の起源が検証できることを観測的に立証した重要な観測結果であると考えている。また、この連星は周期19日の連星と思われていたが、我々の特性X線を用いたドップラー解析で周期130年以上の3番目の伴星が存在することがわかった。一例であるが、Wolf-Rayet星の連星率が高い可能性を支持する結果であり、我々が推進しているX線の分光観測がWolf-Rayet星の連星率の導出にも有効であることを示唆している。
著者
西村 章次 前田 奈津子 山崎 茂夫 社会福祉法人「皆の郷」・「いもの子作業所」の障害をもつ青年・成人 黒澤 祐介 権 明愛 範 例
出版者
白梅学園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

子どもが喜ぶ「遊びながらの発達診断用具」を開発し、健常児を対象に108のデータを得、23各項目について、50%以上の通過率とSDから、3歳半前から6歳半以降まで6ヵ月ごとの発達推定年齢を出した。また40名を越す障害が疑われる児・者の診断に本用具が有効であることを確かめた。「プレールーム」、いわゆる「現場」、「家庭」における「出前発達相談」システムのあり方を、複数の検査者による診断と相談を基本にして構築した。
著者
木口 智明 濱川 恵梨香 冨岡 華代 新居 朋恵 前田 雅子 堀江 正一 北田 善三
出版者
日本食品化学学会
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.130-135, 2010

A simple and rapid method has been developed for determining of L,L-aspartame (APM), its epimer (L,D-APM), diketopiperazine (DKP), L-phenylalanine (Phe) and D-Phe in various foods by high performance liquid chromatography (HPLC) and liquid chromatography/mass spectrometry (LC/MS). These compounds in foods were extracted with 0.01mol/L hydrochloric acid in ultrasonic bath, and the extract was loaded onto a strata-X-C, cation-exchange and reverse-phase cartridge. The HPLC separation was performed on a SUMICHIRAL OA-5000 (monolithic-type, 4.6mm i.d.×10cm) with ultraviolet detection, using 2mmol/L CuSO<sub>4</sub> solution-acetonitrile-isopropyl alcohol (85:10:5) as a mobile phase. The LC/MS separation was performed on a CHIROBIOTIC TAG (2.1mm i.d.×25cm, 5μm) with a mobile phase of 0.01% ammonium acetate-0.005% acetic acid-ethanol (1:1:2). The recoveries of 5 compounds from foods added at the level of 0.2g/kg in HPLC and LC/MS were 93.9-102.9% and 82.1-102.4%, respectively. In HPLC, the detection limits of APM, DKP and Phe were 0.02g/kg. In LC/MS, the detection limits of APM was 0.01g/kg, and DKP and Phe were 0.02g/kg.
著者
前原 俊信 笠井 聖二
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

特殊相対性理論におけるローレンツ変換によって,慣性系における同時刻が相対的になることを仮想体験するための動画変換システムを開発した。人の前を物体が横切る場合,物体の静止系では,物体の前方ほど未来が見えるようにすることによって,変換前の動画では物体がローレンツ短縮しているが,変換後の物体の静止系では物体のローレンツ短縮が解け,逆に人がローレンツ短縮している様子をシミュレートできる。また,逆に変換前を物体の静止系と見て変換することもできるようなシステムとした。この開発において,次のような成果を得た。・正しいシミュレーションとするためには,変換後のフレームサイズとフレームレートを変えなければならないことを理論から明らかにし,システム上で実現した。・高速度撮影カメラによって撮影された動画も変換することができるシステムとした。それにより,スムーズな時刻変化を実現し,臨場感のある動画への変換が可能になった。・USBカメラで撮影してその場で変換できるようにし,その場で撮影することによる実体験を通して実感できる教材とした。・人の静止系と,物体の静止系とを,それぞれを静止させた映像として同時に表示し,その違いを実感できるので,二つの系の関係を理解させるのに有用な教材となった。大学生に対する授業とともに,中学生・高校生にもローレンツ短縮について紹介する自由参加の授業を試行した。アンケートでは,「難しかった」とともに「面白かった」,「また参加したい」という回答が多く,自由記述にも「図や動画があったおかげで,すこしわかったような気がします。」「すこし難しかったですが,動画はわかりやすくて面白かったです。」「動画がとても楽しかったです。でも相対性理論は難しいと思いました。」とあり,専門家だけでなく,初学者にもこのシステムが有用であることを確かめられた。物理学科での検証ができなかったことと,時間の遅れを理解させる教材までは発展できなかったことを,今後の課題としたい。
著者
前野 紀一 川田 邦夫 木村 龍治 荒川 政彦 西村 浩一 成田 英器
出版者
北海道大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1991

一般に湿雪雪崩の形は単純でその動的特徴の多くは斜面を流下する濡れた雪塊として理解できる。しかし、乾雪雪崩、特に煙り型乾雪表層雪崩は、昭和61年13人の死者を出した新潟県能生町の柵口雪崩にように、極めて高速かつ大規模になり、大きな被害を起こしやすいにもかかわらず、その内部構造と動的特性について詳しい情報が得られておらず、その予測や防御が難しい。本研究では実際の乾雪表層雪崩の内部構造を調べるために、黒部峡谷志合谷において観測を実施した。これは雪崩走路上に設置されている2基のマウンドに雪崩観測用のカメラ、衝撃圧センサ-、超音波風速計等を取り付け、雪崩の自然発生を待つ方法である。黒部峡谷志合谷で観測された数個の雪崩では、雪崩風が観測された。雪崩風は雪崩の実体の前面あるいは側方に発生する局部的な強風であり、その存在やそれによる災害がしばしば報告されいるが、これまで定量的に観測はなかった。今回観測された雪崩風は、雪崩自身の規模があまり大きくなかったが、雪崩の実質部よりもはっきりと先行しており、その速度は雪崩前面の速度にほぼ等しかった。本研究では、また雪崩の内部構造と運動メカニズムを調べるために、大型低温実験室における氷球を用いたシュ-ト実験が実施された。多数の氷球(平均粒径2.9mm)がシュ-ト(長さ5.4m、幅8cm)を流下する様子が高速ビデオで撮影され、速度と密度が求められた。シュ-トの角度は30度から40度、実験温度は0℃からー30℃の範囲で変えられた。得られた氷粒子速度と密度の鉛直分布からは、流れの最下部に低密度層が見出され、この層が生成する理由は粒子間衝突の結果と結論された。
著者
登喜 和江 高田 早苗 蓬莱 節子 和田 恵美子 山居 輝美 前川 泰子 山下 裕紀 仁平 雅子 柴田 しおり
出版者
大阪府立看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

脳卒中後遺症としてのしびれや痛みの実態および対処の様相を明らかにすることを目的に面接法と質問紙法による調査を行った。脳卒中後遺症としてのしびれや痛みは,(1)約7割に発症している。(2)約5割の人々が四六時中しびれや痛みを感じている。(3)約7割の人々が生活に支障を感じながらも何とか生活している。(4)最大の強さを100とした場合,約1割の人々が80以上と感じている。(5)個々の参加者によって多様に表現される一方,表現しがたいとする人も少なくない。(6)明確に区別されにくく,人によってはしびれが強くなると痛みに近い感覚として体験される。(7)気象の変化等による深部や内部のしびれ・痛みとして知覚される場合と雨風が直接当たることで誘発される皮膚表面のしびれ・痛みといった一見相反する感覚を併せ持つ。(8)眠ると感じない,他に意識が向いている時は忘れている,しびれ・痛みに意識が集中すると強く感じられる等の特徴が見出された。しびれや痛みの受けとめは,「強さ」「罹病期間」「医療者や身近な人々の対応」に影響を受けていた。治療効果については,様々な医学的治療や民間療法が用いられていたが,「温泉」「マッサージ」「温湿布」などの身体侵襲が少なく心地よさを感じる療法に効果があったとしていた。また,しびれや痛みは,それ自体として知覚されるだけでなく<感覚の不確かさ><温冷感覚の変化><感覚の違和感>といった特異な感覚を伴っている。さらに,この痛み・しびれは,脳卒中者の生活に多様な影響をもたらしており,参加者は<しびれ・痛みそのものへの対応><身体との折り合い><道具世界との協調><周囲との付き合い><自分自身と向き合う>といった対処で生活を維持しようと努めていた。
著者
吉田 明正 前田 誠司 尾形 航 笠原 博徳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-コンピュータ (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.162-169, 1995-02-25
被引用文献数
3

マルチプロセッサシステム上での粗粒度並列処理手法としてマクロデータフロー処理が提案されている.従来のマクロデータフロー処理では,粗粒度タスクが実行時にプロセッサにスケジューリングされるため,粗粒度タスク間で共有されるデータを集中型共有メモリに配置し,粗粒度タスク間のデータ授受は集中型共有メモリを介して行われていた.本論文では,共有メモリを介したデータ転送オーバヘッドを軽減するため,Doallループとシーケンシャルループの間で,ローカルメモリを介したデータ授受を行うデータローカライゼーション手法を提案する.本手法では,コンパイラが,Doallループとシーケンシャルループを配列データの使用範囲が等しくなるように整合して部分ループに分割し,データ転送量の多い(データの結び付きの強い)部分ループ集合を実行時に同一プロセッサにスケジューリングしてローカルメモリを介したデータ授受を行えるような並列マシンコードを生成する.提案手法を用いたコンパイラは,マルチプロセッサシステムOSCAR上でインプリメントされており,OSCARシミュレータ上での性能評価から処理時間が20%程度短縮されることが確認された.
著者
麻生 武 吉良 尚子 倉中 晃子 覚前 未央 滝田 景子
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

4つの研究を行った。1つは、夢をめぐる親子の会話の研究である。幼稚園児・小学校1年生・3年生の親子53組に夢について会話してもらった録音データを分析した。2つ目は、幼稚園児の夢理解についての研究である。年少・年中・年長計90名の夢理解に関して現象学的な研究を行った。3つ目は、大学生が覚えている一番幼いときの現実の記憶と夢の記憶に関する研究である。4つ目は、大学生の夢理解に関する研究である。それらを踏まえて夢を大切にする文化の創出の重要性を指摘した。
著者
石川 昇 前田 克彦 亀井 修 岩崎 誠司 田邊 玲奈 木俣 美樹男 金子 俊郎
出版者
独立行政法人国立科学博物館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

1.研究代表者、研究分担者、地域の博物館等職員から構成する研究協議会を設置した。博物館・大学に蓄積されている環境学習に関する学習資源(情報・機器)と地域の環境課題について検討を行い、カリキュラムの研究開発、実践方法、評価について協議した。2.環境学習カリキュラムの実施モデル地域において、地域の博物館等職員と学校教員が協力しワーキンググループを設け、継続的に環境学習カリキュラムの開発・運営を行った。3.研究代表者・研究分担者は、博物館・大学のもつ学習資源(研究や教育普及活動の蓄積・情報・機材)を検討し、「総合的な学習の時間」で活用可能な環境学習カリキュラム(教材・プログラム)を開発した。児童・生徒の環境観を形成する環境学習カリキュラムとして研究代表者・研究分担者の専門領域から水、土壌、地形、気象、地質、植物・動物、民俗、美術を取り上げ、組み合わせることで地域の環境を総合的に理解できるカリキュラムの開発に努めた。4.研究代表者、研究分担者は博物館等を中心に5地域の学芸員・研究者・教育者等と共に学習方法を学校の「総合的な学習」等で試行を重ねることにより実践的に研究開発し、地域の環境を学ぶ教材、教具などを成果物として制作した。研究開発に当たっては、(1)主に環境の調査、資料整理と考察、成果の発表方法、(2)ワークショップの中で参加者が共有する方法、(3)多機関の継続的な連携・プログラム開発などに焦点をあてて開発した。
著者
竹内 康 久保 和幸 西澤 辰男 姫野 賢治 松井 邦人 丸山 暉彦 前川 亮太 神谷 恵三
出版者
東京農業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

高速で移動しながら連続的にたわみを計測する試験機は, 各国で開発が進められており,それを用いて舗装の支持性能を評価した結果は,舗装の維持管理に活用されつつある。 このような試験機の開発にあたり, 高速で移動する車両により計測されるたわみの特性を把握することを目的として,既存の車両に変位計を取り付け,いくつかの試験路において連続たわみの測定を行った。また,収集したデータを用いて舗装の健全性を評価する方法について検討を行った. 本研究では, 載荷位置直下のたわみと載荷位置から 45cm 離れた位置のたわみの差を用いて,舗装表面付近の健全性を評価する方法を提案し,比較的たわみの大きい健全な舗装に対して FWD 試験で得られるたわみと相関の高い結果が得られることを確認した。
著者
小松 孝彰 前田 克彦 池本 誠也 細矢 剛 小松 孝彰 小川 義和 細矢 剛 久永 美津子
出版者
独立行政法人国立科学博物館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

国内外の博物館を調査した結果、人々の科学リテラシーの涵養に資する展示を実現するために、多くの場合、展示評価が活用されており、それを展示開発に組織的・継続的に取り入れ、効率的・効果的に実施していくことが重要であることがわかった。また、これまで諸文献において扱われていなかった展示評価の各調査手法の効果的・効率的な実施方法に関して、調査の試行・実践を通して多くの具体的な知見を得ることができた。
著者
毛受 矩子 林田 嘉朗 前川 厚子 佐藤 拓代 中嶋 有加里 小松 洋子
出版者
四天王寺大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

女子大生の健康支援を目的に睡眠障害と自律神経動態の調査を行った。女子大生 471 名についての質問紙調査結果から、起立性調節障害といわれる不定愁訴有は 34.8%で、睡眠障害、精 神衛生について不定愁訴有無群で有意差が有った。一方、女子大生 30 名の臥床から起立時の 血圧等の計測から血圧、血圧調整能力において不定愁訴の有無で有意差は見られなかったが睡 眠障害の有無では有意差があった。以上から睡眠障害に注目した健康支援が求められる事が示 唆された。
著者
宮崎 林太郎 塚原 裕常 西村 純 前田 直人 森 辰則 小林 寛之 石川 雄介 田中 裕也 翁 松齢
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.376-386, 2011 (Released:2011-02-08)
参考文献数
8

In order to achieve faceted search in net auction system, several researchers have dealt with the automated extraction of attributes and their values from descriptions of exhibits. In this paper, we propose a two-staged method to improve the performance of the extraction. The proposed method is based on the following two assumptions. 1) Identifying whether or not each sentence includes the target information is easier than extracting the target information from raw plain text. 2) Extracting the target information from the sentences selected in the first stage is easier than extracting the target information from the entire raw plain text. In the first stage, the method selects each sentence in a description that is judged to have attributes and/or values. In this stage, each sentence is represented a bag-of-words-styled feature vector, and is labeled as selected or not by a classifier derived by SVM. In the second stage, the extraction of attributes and values are performed on the cleaned text that does not contain parts of description irrelevant to exhibits, like descriptions for the postage, other exhibits, and so on. In the second stage, we adopt a sequential labeling method similar to named entity recognizers. The experimental result shows that the proposed method improves both the precision and the recall in the attribute-value extraction than only using second-stage extraction method. This fact supports our assumptions.
著者
岡田 まり 栄 セツコ 前田 信彦 三品 桂子 岡田 進一 大山 博史
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

平成18年度には、精神障害者のQOL等を大学生との比較を通して把握し、それに影響を及ぼす要因を明らかにするために平成17年度に実施した量的調査のデータを再分析した。これは、調査票の回収が遅れた27名分(精神障害者20名、大学生7名)のデータが平成17年度の分析に含まれていなかったため、これらのデータを追加して改めて分析を行ったものである。結果は、17年度の結果と同じで、精神障害者のQOLや生活満足度等は、不安や怖れなど一部の質問をのぞき、ほとんど大学生よりも低く、生活満足度、自己決定、希望がQOLに有意に関連していることが明らかになった。また、平成17年度に、QOL向上のきっかけやプロセス等を明らかにするために精神障害者、家族、専門職を対象に行った面接調査の結果についても、平成16年度より行ってきた国内外の専門職へのヒアリングや視察、ワークショップで得られた情報を加えて、再度、整理しなおした。これら当事者、家族、専門職ら計50名以上の経験や研究によると、重度の精神障害者であっても、適切な支援があれば地域での生活が可能であり、回復の可能性があること、必要な支援の内容としては、住居の確保、経済援助、就労支援、日常生活支援、家族支援、近隣の人々の理解と良好な関係維持のための支援、ピアサポート、新たな体験や活動のための支援と意欲・希望・自信を支えることなどである。これらの結果から、精神障害者のQOL向上のための取り組みがもっと必要であり、そのためには、個別支援および環境への働きかけなど、さまざまな支援を重層的におこなう必要があるとの結論に達し、サービス提供のあり方についての提言を行った。