著者
前野 譲二 原田 康也 楠元 範明 原田 康成 楠元 範明
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

携帯電話端末上で語彙学習を行うため、インターフェースについて携帯電話の特性を考慮したプロトタイプを作成した。語彙学習に付いて、語彙の難易度に関する検討を行い、約10,000語の語彙について辞書や難易度データーが公表されている指標に基づいて難易度分類を行った。また、学習個別化のために項目応答理論に基づいた出題の自動化に関する検討を行った。
著者
前田 文彦
出版者
岩手医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

日光角化症は紫外線に慢性的にあたり続ける事によって誘発される皮膚病変で,日焼けをしやすい顔面,耳介,前腕手背部の皮膚に好発する。いわゆる日焼け(surbum)とは異なり慢性的な紫外線曝露で遺伝子に変異が生じ発症する。本症は表皮内癌であり、進行すると有棘細胞癌へ移行することが知られている。日光角化症患者の数は近年増数してきており,環境問題として世界的な話題となっている成層圏オゾン層の破壊による紫外線量の増加との関連が指摘されている。イミクイモッドは米国で尖圭コンジロームの治療に用いられている免疫調製剤で近年ボーエン病や悪性黒色腫に対する有効例が報告されている。我々は日光角化症患者に対し5%イミクイモッドクリームの外用を行いその有効性を臨床的に確認している。現在60症例に対して外用療法を行い臨床的に88パーセントの治癒率を認める良好な結果を得た。その症例は組織的にも腫瘍細胞の消失を確認している。腫瘍細胞の消失はKi S5の免疫染色でも確認している。また腫瘍が消失した症例では現在までの所再発を認めていない。またイミクイモッドが著効した症例で、同薬の外用前、外用中、外用後の組織を採取しそれぞれを比較検討した。結果リンパ球が誘導されアポトーシスが生じて腫瘍が攻撃されている所見が得られた。イミクイモッドはTLR-7のアゴニストといわれている。その治癒機序の一つとしてTLR-7に誘導されるアポトーシスを仮定し、それを免疫染色で証明できた。また誘導されたリンパ球はT cellであった。現在以上の所見をまとめ論文執筆中である。
著者
齋藤 寛 前田 隆浩 青柳 潔 高村 昇 中里 未央 野村 亜由美
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

長崎大学では、平成16年度から医学部医学科5年-6年次学生を対象として「離島医療・保健実習」を開始した。これは、病院実習の一環として、1学年100名を7-8名ずつのグループに分け、それぞれ1週間ずつ長崎県五島市において地域医療、地域保健を学ぶものであり、地域に根ざした包括的医療についての実習を行うプログラムとして全国的にも注目されている。その一方、これまでこのような形での地域密着型医学教育プログラムを実施するという試みは日本でほとんど行われていないため、実施するにあたっての教育ソフトに乏しいのが現状である。そこで本申請では、今後の離島・へき地医療実習、さらには地域医療実習に応用可能な教育ソフトの開発を行う目的とした。研究代表者らは、各分野における教育ソフトの作成を行い、その成果は7月に全国の医学生を対象として行われた「家庭医療セミナー」において公開した。「家庭医療セミナー」は、全国の医学生を対象に、長崎県五島において家庭医療についてのセミナーを集中的に行うもので、研究代表者、研究分担者に加えて欧米の家庭医療の専門家を招聘しての特別講義・実習を行い、その成果はマスコミ等で大きく取り上げられた。さらに研究代表者らはこの成果を世界に発信すべく、長崎大学と学術交流協定を締結している旧ソ連邦のベラルーシ共和国の医科大学(ベラルーシ医科大学、ゴメリ医科大学)を訪問して、インターネット等を用いた遠隔教育(e-learning)システムの整備を行った。これに対して研究代表者がゴメリ医科大学の名誉教授号をうけるなど、ベラルーシ国内でも高い評価を得た。
著者
肥前 洋一
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

どのような市町村どうしであれば合併が住民に賛成されやすいかを政治経済学の理論を用いて分析し、その理論的帰結を平成の市町村大合併のデータを用いて検証した。合併の是非を問う住民投票での賛成票を増やす効果があるのは、合併後の65歳以上人口比率・可住地面積・一人当たり所得が大きいこと、人口や公債費比率が小さいことであることが確認された。また、合併協議開始後の経過年数が長いとき、もしくは合併支援金が交付されないとき、賛成票のシェアが大きいことも観察された。
著者
吉野 博 長谷川 兼一 岩前 篤 柳 宇 伊藤 一秀 三田村 輝章 野崎 淳夫 池田 耕一 岸 玲子 持田 灯
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、ダンプビルの原因となる高湿度環境を解決するための最適設計法・住まい方の提案に資する資料を構築することを目的とする。そのために、住宅のダンプビル問題の実態を全国的規模で把握し、居住環境と居住者の健康状態との関連性を統計的に明らかにした。また、室内の湿度変動を安定させる機能をもった様々な多孔質の建材(調湿建材)等の高湿度環境緩和技術の使用効果について、実測やシミュレーションを用いた評価を行った。
著者
岡田 信弘 高見 勝利 小早川 光郎 林 知更 常本 照樹 佐々木 雅寿 前田 英昭 岡田 信弘
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

1 夏季研究集会における諸報告とその成果の公表(1)2002年8月19日(月)〜21日(水)の日程で、研究分担者と本共同研究への協力を依頼した部外の実務家が北海道大学に参集し、研究会が開催された。部外の実務家からの報告として、橘幸信氏(衆議院憲法調査会事務局)「『実践的立法学』の構築に向けて-法律(案)のつくり方・つくられ方-」と山岡規雄氏(国立国会図書館憲法室)「憲法調査会の活動」とがあった。なお、山岡氏の報告を補完するものとして、橘氏による追加報告(「衆議院憲法調査会の活動」)がなされた。これらの報告をめぐる活発な討論を通して、一方で、「立法過程」の現場体験に基づいた「立法事実」に関する新たな知見が得られるとともに、他方で、現在進行中の「憲法改正」に関わる議会内部の動きを正確に理解することができた。(2)研究分担者からは、岡田信弘「改正内閣法に対する評価」、常本照樹「アイヌ新法の実施状況」、佐々木雅寿「司法制度改革の推進体制」、小野善康「国旗・国歌法制定後の学牧の状況」、高見勝利「政治腐敗と政治倫理-英米独仏等の国会議員の政治倫理に関する制度」の各報告があり、分担者間で意見交換がなされた。(3)以上に概観した夏季研究集会の成果の一部は既に公表もしくは近々公表予定であるが、それらを含む研究分担者の研究成果を、本共同研究グループが従来行ってきたように、1冊の著書にまとめるべく作業を進めている。2 その他の研究会活動2002年10月29日(火)にジャック・ロベール氏(元フランス憲法院裁判官)、12月20日(金)に孝忠延夫氏(関西大学教授)を招いて、ヨーロッパとアジアにおける最近の立法動向についての報告を受けた。
著者
今泉 眞之 奥山 武彦 備前 信之
出版者
一般社団法人日本応用地質学会
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.268-282, 1995-10-10
参考文献数
24
被引用文献数
1

The Tertiary mudstone landslide slope around Ohoike pond in Itakura Town, Niigata Prefecture is complicated geologic structure characterized by the prevalence of faults and small landslides. The strata of slope may be divided into fresh mudstone, weakly weathered mudstone, moderately weathered mudstone, strongly weathered mudstone and colluvial deposit, strongly weatherd mudstone and moderately weathered mudstone. The underground temperature survey reveals three groundwater vein-streams; the West groundwater vein-stream, the Center groundwater vein-stream and the East groundwater vein-stream. The gamma-ray spectrometry reveals the NNE direction fault system and NE direction faults system. The NNE direction fault system consist of the West fault, the Central fault and the East fault. The points of radon concentration anomalie of soil-gas coincide with back-scar, side-scar and cracks of foot part of small landslide configurations. From the relationships of the distribution of groundwater vein-streams, fault and fissure zone of combination of the back-scar and side-scar of small landslides, it may be inferred as follows; (1) The West groundwater vein-stream runs of through the passage of crack caused by the West fault. (2) The Center and the East groundwater vein-streams run off through the passages of fissure zones.
著者
及川 真司 Song Sung-Jun 前山 健司 岸本 武士 戸村 健児 樋口 英雄
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.52, no.8, pp.551-557, 2003-08-05
参考文献数
10
被引用文献数
4 8

海洋環境における放射能モニタリングに海産生物試料を応用することを視野に入れ,日本近海で採取したスルメイカ中に含まれる13元素(V, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Ru, Ag, Cd, Cs, Ba, Pb)を,前処理後,誘導結合プラズマ質量分析法によって定量する方法を検討した.このうち,放射能モニタリングを行う上で特に重要であると考えられる9元素(V, Mn, Fe, Co, Cu, Zn, Rb, Ag, Cd)については,中性子放射化分析法によって分析値を比較した.その結果,両者は誤差の範囲内で一致し,誘導結合プラズマに特有な分子イオン形成やマトリックス効果等の影響は見られず,誘導結合プラズマ質量分析法による定量値の妥当性を確認した.この方法で1996年に千葉・銚子沖で採取したスルメイカの可食部,骨部,胃,肝臓及びその他の部位に含まれる上記13元素を定量し,海水に含まれる標準的な濃度と比較することによって濃縮係数を算出した.定量した重金属元素のうち,Mn, Fe, Co, Cu, Ag, Cd及びPb等の肝臓への濃縮が顕著であることが分かった.また,同じ部位であってもZn, Rb及びCsは濃縮係数に差がほとんど見られなかった。一方,その他の元素は同じ部位であっても濃縮係数に差が見られた.本研究で得られた結果から,回遊性のスルメイカが海洋環境の重金属や放射能汚染のための環境影響評価に利用できる天然の指標生物になると考えている.
著者
西山 正秋 前田 誠一郎 柳生 成世 折附 良啓 上垣 宗明
出版者
神戸市立工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

英語プレゼンテーション能力の評価に大きな比重を占める「アイコンタクト」を客観的に測定するための、装置・ソフト・手順が明らかになった。そのデータの分析によって、発表者の視線・アイコンタクトを高い精度で自動的に検出できた。また、目の動きの時系列波形分析を行うことによって、優秀な発表者の視線行動のパターンを比較出来ることが分かった。これらは今後、ジャッジの主観的判断を補うものとして利用できる可能性が示された。アイコンタクトに関するジャッジの評点・評価項目の分析結果と総合して、英語プレゼンテーション能力評価システム改善への方向性が示された。
著者
望月 哲男 亀山 郁夫 松里 公孝 三谷 惠子 楯岡 求美 沼野 充義 貝澤 哉 杉浦 秀一 岩本 和久 鴻野 わか菜 宇山 智彦 前田 弘毅 中村 唯史 坂井 弘紀
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

ロシア、中央アジア、コーカサス地域など旧ソ連圏スラブ・ユーラシアの文化的アイデンティティの問題を、東西文化の対話と対抗という位相で性格づけるため、フィールドワークと文献研究の手法を併用して研究を行った。その結果、この地域の文化意識のダイナミズム、帝国イメージやオリエンタリズム現象の独自性、複数の社会統合イデオロギー間の相互関係、国家の空間イメージの重要性、歴史伝統と現代の表現文化との複雑な関係などに関して、豊かな認識を得ることが出来た。
著者
前田 知己 後藤 一也 古城 昌展 前田 知己
出版者
大分医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

正期産児35人を対象としたポリグラフ記録において、第一静睡眠期と第2静睡眠期の持続時間に有意差は認めなかった。RR間隔は第2静睡眠で497.2±59.5msecで、第1静睡眠478.2±49.0secに比し有意に長かった。RR間隔時系列について自己回帰モデルを用いスペクトル解析を行い、低周波成分(LF)、高周波成分(HF),パワー,LF/HF比を求め検討した。LHパワーLH/HFは有意差を認めなかったが、HFは第1静睡眠4-1±0.8msec2,第2静睡眠4.5±1.0msec2で第2静睡眠が有意に大きく、第2静睡眠における副交感神経緊張が不された。29人の正期産児を対象として驚愕反射の出現頻度の検討を行った。静睡眠期におけるミオクローヌスの分布、啼泣の有無によって驚愕反応の強度を3区分した。驚愕反応出現前後1分のRR間隔時系列についてスペクトル解析を行い、驚愕反応出現前後の交感・副交感神経緊張の変動を検討した。平均驚樗反応出現頻度は0.18/分であった。驚愕反応出現に伴いLFパワー、HFパワー、LF/HF比はいずれも増加したが、驚愕反応強度によってパラメーター前後値はいずれも差異を認めず、個人差が大きかった。自律神経機能から乳幼児突然死症候群に関連する事象をとらえられるか検討したが、個人差が大きく、また、乳幼児突然死症候群の症例は無く、正常対象の症例数も多くないので、明らかな結論は得られなかった。今回の検討を基礎データーにして、乳幼児突然死症候群危険因子の有無による違い、体位による違いなどを検討を続ける予定である。
著者
平山 謙二 奈良 武司 グェン フイティエン 菊池 三穂子 柳 哲雄 三浦 左千夫 前村 浩二
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

ボリビア国保健省のシャーガス病制圧プログラムと協力し、15 歳以下の小児の慢性感染患者に対するベンズニダゾールによる治療成績に影響を与える原虫および宿主側の因子を明らかにすることを目的として研究を行った。現地での拠点となった保健省熱帯病研究センター、シラニ病院、日本病院の研究協力者として本研究を企画し、サンタクルースの病院を基盤とした治療プログラムと本プロジェクト研究を開始することができた。治療効果とそれに伴うサイトカイン産生、さらに血中薬剤濃度などを測定を完了し薬剤反応性の多様性、原虫血症の推移、薬剤代謝の影響、免疫応答性の特徴などが明らかになり、遺伝的な背景との関連も示唆することができた。
著者
吉成 啓子 齋藤 兆古 岩崎 晴美 友末 亮三 松前 祐司 堀井 清之
出版者
白百合女子大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2001

スポーツ動作の解析は,高速度カメラ,筋電図,加速度計などを用いて行われてきた.しかし,その手法は比較研究が中心であり,「熟練者の動作」=「巧みな動作」という主観的・経験的議論にとどまることが多い.そこで本研究では,スポーツ動作としてテニスのサーブを選択し,画像の固有パターン認識手法を用いて,「巧みな動作」を科学的・客観的に判断することを試みた.その結果,テニスのサーブ・フォームにおける上級者と初級者の本質的相違が,画像の固有パターン認識手法によって抽出可能である,ということが明らかになった.方法,結果,考察の要点をまとめると次のようになる.「方法」スポーツ動作の中の不変量を,画像の固有パターン認識手法を用いて定量化することを検討した.被検者は,上級者として男子テニス選手1名,初級者としてテニス歴半年未満の男子1名の合計2名とした.各被検者は,縦状に緑,赤,青の3色に色分けされたウェアを着装し,最大努力のフラット・サーブを行った.サーブ動作を測方に設置したデジタルビデオカメラを用いて毎秒30コマで撮影した.「結果と考察」テニスのサーブにおいては,フォワード・スウィングの際の脊柱を中心とした身体の回旋速度を大きくするために,テイクバック時に上体をいったん後方に捻り,"タメ"を作ることが重要であるとされている.上級者初級者とも,赤・青・緑の色の部分のみを取り出した画像を解析した結果,3次元空間画素分布表示の場合は色の少ない部分はグラフ上に表示されず,こうした動きの本質的な相違のみを表示できるということが分かった.このことは,画像の固有パターン認識手法が,従来主観により論じられてきた「巧みな動作」を客観的に検討する手法として有効である,ということを示している.
著者
岩下 明裕 宇山 智彦 帯谷 知可 吉田 修 荒井 幸康 石井 明 中野 潤三 金 成浩 荒井 信雄 田村 慶子 前田 弘毅
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究の実践的な成果は、第1に中国とロシアの国境問題解決法、「フィフティ・フィフティ(係争地をわけあう)」が、日本とロシアなど他の国境問題へ応用できるかどうかを検証し、その可能性を具体的に提言したこと、第2に中国とロシアの国境地域の協力組織として生まれた上海協力機構が中央アジアのみならず、南アジアや西アジアといったユーラシア全体の広がりのなかで発展し、日米欧との協力により、これがユーラシアの新しい秩序形成の一翼を担いうることを検証したことにある。また本研究の理論的な成果は、第1にロシアや中国といった多くの国と国境を共有している「国境大国」は、米国など国境によってその政策が規定されることの少ない大国と異なる対外指向をもつことを析出し、第2に国境ファクターに大きく規定される中ロ関係が、そうではない米ロ関係や米中関係とは異なっており、米ロ中印などの四角形のなかで、構成される三角形が国境を共有するかどうかで異なる機能を果たすことを実証したことにある。
著者
湯山 賢一 西山 厚 鈴木 喜博 岩田 茂樹 内藤 栄 稲本 泰生 吉澤 悟 宮崎 幹子 谷口 耕生 野尻 忠 研清水 健 岩戸 晶子 斎木 涼子 北澤 菜月 永井 洋之 中島 博 有賀 祥隆 前園 実知雄 東野 治之 根立 研介 藤岡 穣 高橋 照彦 山崎 隆之 梶谷 亮治 杉本 一樹 成瀬 正和 尾形 充彦 西川 明彦 森實 久美子 原 瑛莉子
出版者
独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

「奈良朝仏教美術の主要作例、もしくはその国際性を考える上で重要な周辺作例の中から対象とする文化財を選定し、それらに関する基礎資料を学界の共有財産として提供する」という目的に沿って調査研究を行い、22年度末に5部構成・2分冊からなる研究成果報告書を刊行した。薬師寺に伝来した藤田美術館所蔵大般若経(魚養経)全387巻の撮影及び書誌的データの集成、蛍光X線分析による香取神宮所蔵海獣葡萄鏡や東大寺金堂鎮壇具の成分分析を通した制作地の特定などが、代表的な成果である。
著者
井上 美津子 浅里 仁 池田 訓子 小林 聡美 佐々 龍二 高木 裕三 朝田 芳信 大嶋 隆 小口 春久 田中 光郎 前田 隆秀 宮沢 裕夫 藥師寺 仁 渡部 茂 真柳 秀昭 鈴木 康生 下岡 正八 野田 忠 渋井 尚武 進士 久明 田村 康夫 土屋 友幸 大東 道治 香西 克之 西野 瑞穂 木村 光孝 本川 渉 藤原 卓 山崎 要一 吉田 昊哲 丸山 進一郎 嘉ノ海 龍三 品川 光春
出版者
一般社団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.561-570, 2005-12-25
参考文献数
11
被引用文献数
5

小児に対する歯科用局所麻酔剤の安全性を明らかにするため日本小児歯科学会の委嘱により,臨床における使用実態と不快事項の発現に関する調査を行った.大学病院小児歯科および個人小児歯科診療所より4,145名分のデータが収集され,以下の結果を得た.<BR>1.局所麻酔を用いた治療は0歳から20歳以上の幅広い年齢層に行われていたが,12歳以下の者が約90%を占めていた.<BR>2.全身疾患やアレルギー体質を有する小児は調査対象児の2割以上を占め,また局所麻酔が初めての小児が16.2%であった.3<BR>.小児の治療において,局所麻酔はコンポジットレジン修復などの修復処置にも多用されていた.<BR>4.局所麻酔薬剤としてはリドカイン製剤が多く用いられており,投与量は1.0ml以下が多かったが,1.8mlを超えた例も3%程度みられ,追加投与により総量が増える傾向がみられた.<BR>5.術中,術後の不快事項は,それぞれ108名(2.6%),109名(2.6%)にみられた.不快事項の内容は,麻酔の奏効不良による疼痛や麻痺による違和感・不快感の訴えや,麻痺の残存による咬傷などが多くを占めていた.<BR>6.局所麻酔薬剤の副作用を疑わせる熟睡や軽い呼吸困難,悪心などの症状は,術中に3例,術後に6例ほどみられたが,いずれも重篤なものではなかった.