著者
飯倉 洋一 クリストファー リーブス 北村 啓子 舘野 文昭 高見 純 有澤 知世 神作 研一 海野 圭介 恋田 知子
出版者
人間文化研究機構国文学研究資料館
雑誌
国文研ニューズ = NIJL News (ISSN:18831931)
巻号頁・発行日
no.53, pp.1-16, 2018-10-15

●メッセージ古典籍を開くために●研究ノート博論を摘まむ古典ARの紹介――展示会での新しい鑑賞方法――●書評 ブックレット〈書物をひらく〉4小山順子著『和歌のアルバム 藤原俊成 詠む・編む・変える』●エッセイマレガ・プロジェクトでの共同研究と、バチカン・イタリアからの招聘旅程を終えて●トピックスないじぇる芸術共創ラボ アウトプットイベント2件開催和歌ワークショップ【X】2018夏イリノイ特別展示 祈りと救いの中世〈新収〉庵逧厳旧蔵資料の紹介中髙生向けの講演会・展示を国立国会図書館国際子ども図書館とのコラボで開催!第42回国際日本文学研究集会(プログラム)総合研究大学院大学日本文学研究専攻の近況●表紙絵資料紹介『比丘尼縁記』
著者
藤井 聡 小畑 篤史 北村 隆一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.439-445, 2002-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
12
被引用文献数
2 5

本研究では, 路上放置自転車問題における心理的方略の一つとして, 施策としての “説得”(あるいは, 説得的コミュニケーション) の有効性を確認するためのフィールド心理実験を行った. 実験では, 被験者 (n=99) を複数のグループに分け, 何種類かの説得的コミュニケーションを行ったところ, 自転車放置行為の問題を指摘し, かつ, 自転車放置行為を止めるために必要な方法を具体的に提示することで, 放置自転車行為の実行頻度は3割減少することが見いだされた.
著者
北村 操代
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.181-181, 2018-01-15

小学生向けのプログラミング教育への取り組みとして,情報処理学会ではExciting Coding! Juniorと呼ぶセミナーを行っている.プログラミングの考え方を子供たちが創意工夫しつつ,しかも楽しく,自ら学んでいくことを狙いとしている.Scratch入門から,ゲームのアイディアを考えて実際に作り,発表するまでを半日で行っていて,参加者には好評である.2016年より2回開催し,今後,開催地域や実施回数を増やすことを検討している.また,小学校の情報教育で2020年にプログラミング教育が必修化されるのに向け,小学校の先生方の支援につなげていきたい.
著者
北村 一親
出版者
岩手大学
雑誌
Artes liberales (ISSN:03854183)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.1-35, 2007-12

岩手大学人文社会科学部紀要Ἦταν στρυϕνός, οἱ ϕίλοι του ἦταν λίγοι( Σεϕέρης( 1979: 266))本稿は筆者が「人文学の終焉,或いは過去との訣別」という副題を供し,1998年9月28日に行った岩手言語学研究会における研究発表を基に,その後の東京外国語大学大学院での集中講義,筆者が独自に企画したロマンス語学セミナー,更に岩手大学人文社会科学部で筆者が担当する講義・演習等の中で学生諸君に語ったことを再構成したものである。 向後,知性が軽視され,曲解され,若い世代が貧弱な知性に曝されることになるとしたら,また彼等がそのような状況の中で成長し,更に次世代を育てていくとしたら,燦然とした人類の未来を望むことは難しいであろう。我々は知性の時代の終焉を阻み,豊かな知性を眷養すべく全身全霊を賭して学道に情熱を注ぐ必要がある。マクス・ヴェバ(ウェーバー)が„Nun kann man niemandem wissenschaftlich vordemonstrieren, was seine Pflicht als akademischer Lehrer sei. Verlangen kann man von ihm nur die intellektuelle Rechtschaffenheit"「大学で教鞭をとるものの義務はなにかということは,学問的にはなんぴとにも明示しえない。かれにもとめうるものはただ知的廉直ということだけである」( Weber( 1919:24),邦訳はウェーバー( 1980:49)6 bis))と嘗て説いたのと同じく現在の我々,大学人に求められるものは,「知的な誠実さ,公正さ」である。 「大学は,政治的には,いつの世でも,無力であり,大学の武器は,精神力と真理だけ」(滝川(1960:28))であるからこそ時流に流されることなく,あらゆる感覚を鋭敏にして時局に臨む覚悟が我々に要求される。人文学的知見は当にこの感覚を涵養せしむるものである。 周知の如く,劣僕なる筆者は諸彦諸賢には及ぶべくもないが,弱才乍らも研究及び教育を行う上で経験し思料したことを人文学の発展のために微力ながら供することができれば幸甚であると考え,本拙文を起稿した次第である。故に本稿にて筆者が所懐を述べるに僭越な点,数多あれども,平に御容赦あれかし。 以下,先んじて現在の日本における知性の悲況を一瞥し,人文学的知見を涵養することが如何に大切であるかを提示する所存である。本稿は晦渋な措辞,並びに煩多な憑拠の多用にも拘らず耐忍の上,読過される聖哲諸氏に供せんとするものである。"And he said unto them, He that hath ears to hear, let him hear." 「人文学」に対する概念定義は「人文学方法論(別稿)」にて行うが,本導論を通読する上で必要な程度の定義をここに示しておくことにする。本稿でいう「人文学」とは「自然科学」Naturwissenschaft と対立する概念であり,方法論においてハインリヒ・リケルトが相対的に「一般化的」であるとした「自然科学」と対立させて,相対的に「個性化的」であるとした非自然科学の諸学を統括した「文化(科)学」Kulturwissenschaft と等価である。但し,本稿では「人文諸学」という観点から正確にはKulturwissenschaften と対応するが,「人文諸学・文化諸学」とはせずに,総称的に「人文学」という名称を用いた。誤解の無いように付言するならば,Kulturwissenschaften と言っても本稿は文献学的伝統を基盤に据えることをあくまで重視するという点で当代の「文化科学」cultural studies とは一線を画する。アラン・ソウカルの『ソウシャル・テクスト』誌事件が本稿の意趣を代って表しているのでここでは更なる説明を省略する。(ソーカル / ブリクモン(2000)。当代の「文化科学」に対するゲルマニストからの批判は木村(2003)を参照) アルヴィン・カーナンが言及する領域は本稿とは異なり,「社会科学」分野が含まれないが,最も判りやすい言葉で「人文学」の核となる概念を説明しているのでここに引用しておく。(その邦訳で「人文科学」としている英語の原語はhumanities である。) カーナン曰く,「人文科学とは,人間が語る物語,人間の思考方法,人間の過去の姿,言葉によるコミュニケーションや説得,そして,なかでも人間の存在の奥底を突き動かす音楽などの研究からなる。これらの学問領域は,換言すれば,最も根本的な人間的な知の方法についての研究であり,日常生活を送るうえだけでなく,人間が生きるうえで最も役に立つものである。」(カーナン(編)( 2001:3)) 筆者としては極度にスコラ学Scholastik に傾くのを避けながら,Logica(論理)として統括されるArtes sermocinales, logicae, verbales のトリウィウムTrivium を中心に,Physica(自然) として纏められたArtes reales のクワドリウィウムQuadrivium をも包容させて,つまり「人文」と「自然」を連繋すべくアルテス・リベラレスArtes liberales( Freien Künste) を常に視野に収めて人文学研究を進めたいと念じている。これは人間が宇宙をも含む壮大な自然と調和するための欠くべからざる視点であると考える。(アルテス・リベラレスにおける諸学に関してはKoch(hrsg.)( 1959) の諸論文を参照。) なお,外国語の固有名を片仮名表記する場合,『外来語の表記(内閣告示・内閣訓令)』等を参考にしながらも原語の発音を可能な限り忠実に写すことを旨とした。外来語音ということで日本語の音韻体系の枠組みから外れることがあることも明記しておく。よって,筆者の表記が翻訳者の表記あるいは一般に普及している表記と異なる場合も生じたが,翻訳書の書誌的記述では当然ながら翻訳者の表記法を踏襲した。(但し,今更,如何ともし難い国名等の表記においては慣用に従わざるを得なかった。)
著者
北村蓑人 編
出版者
エミヤ書店
巻号頁・発行日
1911
著者
北村 伸 中村 祐 本間 昭 木村 紀幸 浅見 由美子
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.74-84, 2014 (Released:2014-04-18)
参考文献数
7
被引用文献数
1

目的:メマンチン塩酸塩(メマリー®)は本邦では2011年6月に発売され,中等度および高度アルツハイマー型認知症に対して使用されている.今回,2002年から2011年までに本邦で実施したメマンチン塩酸塩の種々の臨床試験の結果を集計して,メマンチン塩酸塩20 mg/日投与の長期忍容性と有効性を検討した.方法:2002年から2011年までに実施したメマンチン塩酸塩の臨床試験のうち,メマンチン塩酸塩を投与した702名の被験者を対象に,安全性およびMMSEの推移を検討した.結果:メマンチン塩酸塩の平均投与期間は798.1日,最長は3,373日(約9年3カ月)であり,52週ごとの投与期間別に集計した有害事象発現率は71.0~88.9%,副作用発現率は5.6~32.1%であった.有害事象,副作用ともに発現率と投与期間との間に関連性は認められなかった.また,長期投与に特有と考えられる副作用の発現は認められなかった.試験の途中で中止した主な理由は「有害事象」であったが,長期に及ぶ投与期間中では,加齢や原疾患の進行に随伴する有害事象の発現,および在宅介護環境の変化や原疾患進行に伴う施設入所による投与中止等,被験者の背景的な要因による有害事象や投与中止例が多く集積された.メマンチン塩酸塩を投与した被験者のMMSEスコアの推移は,過去に報告されたメマンチン塩酸塩未投与時のMMSEスコアの推移と比較して緩やかな低下であった.結論:メマンチン塩酸塩20 mg/日の長期投与時の忍容性に問題は認められなかった.また,MMSEスコアの推移を検討した結果では,メマンチン塩酸塩が長期に亘って認知機能の悪化を抑制する可能性が示唆された.
著者
北村 達也 吐師 道子 能田 由紀子 川村 直子
出版者
甲南大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究では,音声器官の形状や機能,基礎的な発話能力に病的な問題がないにもかかわらず,日常的に発話のしにくさを自覚する人々の実態を調査した.まず,15大学の学生約2,000名を対象にしてアンケート調査を実施し,調査対象の31%が普段の会話で発音がうまくいかないと感じていることを示した.次に,MRI装置などを用いて,発話のしにくさを自覚する人の音声器官の形状や機能に見られる特徴を調査した.さらに,ペンや割り箸などの細い棒を前歯で噛んだ状態で練習をする発話訓練法について調査し,この方法を用いることによって,下顎や舌の動きが大きくなり,1つ1つの音が明瞭に発声されるようになることを示した.
著者
青山 薫 鈴木 賢 日下 渉 北村 由美 伊賀 司 石田 仁 小田 なら 林 貞和
出版者
神戸大学
雑誌
挑戦的研究(開拓)
巻号頁・発行日
2023-06-30

性的マイノリティの存在を認め、すべての人の人権を擁護するために定着した「性の多様性」。だが、この概念は英語由来のジェンダー二元論を超えてはいない。二元論ではその存在が十分に説明できない人たちがアジアを始めさまざまな文化で確認されてきており、現在の概念系は、この人たちを承認し、人権としての「性の多様性」とその侵害を正確に把握することができないでいる。そこで本研究は、アジア9ケ国でいわゆる「非典型的な性」の歴史を調べ、現在生きている当事者に聞き取りをして、《性の多様性》とは何かを改めて明らかにする。そして、こちらの《多様性》に基づいて、現行のジェンダー概念を超える性の概念を構想する端緒をつける。
著者
北村(難波) 亜希子 藤田 小矢香
出版者
学校法人山陽学園 山陽学園大学・山陽学園短期大学
雑誌
山陽論叢 (ISSN:13410350)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.43-53, 2021 (Released:2021-09-11)

妊孕性知識と性的自己意識に影響要因を明らかにするため、平成29年12月看護系大学と看護専門学校の看護系女子学生の688名に性的自己意識と妊孕性を調査回収した18~24歳の386名(56.1%)を分析し1)交際経験あり321名(83.1%%)は平均交際2.45名、交際1~12名、性交経験196名(50.8%)のうち186名(94.9%)は避妊を実施し、避妊方法はコンドーム184名(98.9%)、低用量ピル(OC)11名(5.91%)、平均初交年齢17.7歳であった。2)性的自己意識は、「初交年齢」β=0.319(P=0.006)、「交際経験」β=0.128(P=0.046)、「不妊症原因の知識」β=0.143(P= 0.048)と正の相関があり、「クラミジア初期症状の知識」β=-0.208(P=0.000)、「HIV検査場所の知識」β=-0.257(P=0.032)と負の相関があった。妊孕性がもたらす影響を広く捉える性教育の充実と拡大が求められる。思春期からの過渡期にあり親密な人間関係の構築や性行動が開始される年齢までには正しい情報を収集し選択できるよう、妊孕性に関する知識や情報の充実とともに性的自己意識を高める必要が示唆された。
著者
木下 四郎 渡辺 久 米良 豊常 北村 滋 小林 誠 長田 豊 和泉 雄一 小鷲 悠典 野口 俊英 石川 烈
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.509-517, 1981-09-28 (Released:2010-07-16)
参考文献数
16
被引用文献数
3 4

Maintenance phase is the most important stage in terms of the patient's continued oral health. Whether periodontal therapy succeeds or not depends on his plaque control.O'Leary et al. (1972) has devised “Plaque Control Record” and noted that goal in teaching oral hygiene procedures was to reduce plaque accumulations until they were found on 10 percent or less of the available tooth surfaces.The purpose of this study was to investigate appropriate level of plaque control in order to maintain periodontal health at the maintenance phase using the plaque control record.36 patients who had been recieved periodontal therapy at our department and visited hospital for periodic recall were investigated. Oral hygiene status and periodontal tissue condition of these patients were evaluated by the plaque control record, oral hygiene index, gingival index and pocket depth. In addition, oral photographs of the patients were taken.The results obtained were as follows:1. It seemed to be very difficult that patients maintained at the level of 10 percent or less of plaque control record at the maintenance phase.2. The patients, who showed the level of teen to twenty percent of plaque control records, exhibited clinically no inflammation at their gingiva and did not recur the deepening of periodontal pockets.3. At the thirty percent of plaque control record, edematous gingiva was observed. When the level of plaque control reached to forty clinically inflammatory change was evident.4. It was found that the plaque was retained more at the mandibule than the maxilla, on the left than the right, at the mesiodistal surfaces than the buccolingual and at the mesial aspects than the distal.
著者
北村 由美
出版者
関西大学大学院心理学研究科心理臨床学専攻
雑誌
Psychologist : 関西大学臨床心理専門職大学院紀要
巻号頁・発行日
vol.11, pp.21-31, 2021-03

日本においては子ども虐待が深刻になっており、2000(H12)年に制定された「児童虐待の防止等に関する法律」(以下、児童虐待防止法)は2020(R2)年までに、児童福祉法等の関連法と合わせると8回改正されている。しかし、法律の改正がなされても児童虐待件数は減少することはなく、増加し続けている。子ども虐待が報道されるたびに児童相談所の対応のあり方が問われることが多くなっている。厚生労働省は子ども虐待については発生予防・早期発見・早期の適切な対応・被虐待児の保護・自立に向けた支援が必要と考えている。大きな事件が生じるたびに、児童相談所も国も虐待が生じてからの対応に追われているように見えるが、実は、虐待予防の仕組みを作ることが重要である。そこで、本稿では、虐待予防の仕組みを検討するにあたって必要と思われる、子ども虐待の現状について明らかにし、虐待が子どもに及ぼす影響、および、虐待に対する日本の取り組みについて述べ、子ども虐待防止に向けての課題を検討した。
著者
北村 勉
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.92-102, 1993-02-28 (Released:2010-11-19)
参考文献数
30

不妊ないし外性器発育不全を主訴に来院した19例のKlinefelter症候群に対し, 臨床心理学的調査を行い, その結果について検討を加えた.その中の6例に対してtestosterone補充療法を施行し, その結果についても言及した.1) WAIS (Wechsler Adult Intelligence Scale) : 18例中7例 (38.9%) に軽度精神遅滞を認め, 残り11例 (61.1%) はaverage, dull normalの平均水準にあった.11項目にわたる下位検査の検定で, 言語性IQ【ls<】動作性IQが明白で言語領域, 殊に単語問題での低下が有意差をもって示された.すなわち知的水準の検討で質的な不均衡が本症候群で確かめられ, 認知の不安定性が明らかにされた.2) Y-G (矢田部・Guilford性格検査) , TPI (東大式人格目録) , Rorschach testによる人格検査で, 内的・外的統制は不均衡で収縮型を示し, 消極的で自発性に乏しく, 課題の解決様式そして日常的精神生活空間を極力狭小化させ自己の安定を計ろうとする姿勢が浮きぼりにされた.なお, Rorschach testで「反復」, 「無力」, 「当惑」, 「保続」のorganic signに通ずる反応が散見され, 頭部CT (大脳基底核石灰沈着2例) , 脳波所見 (徐波傾向, 境界2例, 著明異常7例) で異常所見が並存するという興味ある所見がみられた.心理検査を補填する上で行った詳細な問診と継時的面接で, 【ls<】大人しい【rs>】, 【ls<】人なつこい【rs>】, 【ls<】消極的【rs>】といった性格特性が再認できた.この所見についてはテスト内容で整合される.さらに, 多少とも爪かみや手指で手背をこすり, 幼児退行を示す行動が再々みいだされた.Testosterone療法の効果を継時的にみたところ, 病像は良性に反応し, この所見は性格と行動面の改善で明白であった.知能の構造的変化はKlinefelter症候群で特異的で, この心理テストでの確認をホルモンの定量投与とのかかわりで検討したいところである.前病性格と病変による性格の二つの問題について今回確答はできなかった.しかし, テストの導入でこの古くて新しい問題がこの疾患で再確認された.単一疾患をモデルにすることで性格のパターン化は可能であり, これは分裂病研究に通ずることを指摘した.精神科・泌尿器科のinterdisciplinaryの調査で, 症状について無知であった患者へのサービスは一層深められ, 不要な不安から患者を解放し, しかも病態の解明は一層容易となることが知らされた.
著者
北村 浩一 米川 力
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.632-635, 2020-08-31 (Released:2020-08-31)
参考文献数
8

目的:外傷患者出場事案のうちSMRを行う対象に変更があったJPTECガイドライン改訂前後で全身固定の実施状況および現場活動に変化がみられたかを調査し,今後の病院前救急活動について検討する。方法:スクープストレッチャーでの固定を含むバックボードで全身固定またはSMRを実施した外傷患者293症例を対象とし,そのうち固定理由,現場活動時間および病院照会回数をJPTECガイドライン改訂前後で調査した。結果:現場活動平均時間は,改訂前後でそれぞれLoad and Go(L&G)が15分,10分,非L&Gが22分,24分。病院照会平均回数は,改訂前後でそれぞれL&Gが1.05回,1.00回,非L&Gが1.53回,1.74回であった。SMRを行い実際に脊髄損傷があった症例は,改訂前後で4.7%,10.3%。明らかにSMRが必要ない症例は,改訂前後で27%,21%であった。結論:JPTECガイドライン改訂前後とも適応外とされる全身固定が実施されており,現場活動時間短縮と傷病者予後のために救急隊員に対して継続的な教育・訓練が必要である。