著者
北村 達也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.282, pp.49-54, 2007-10-18
参考文献数
15
被引用文献数
1

物真似音声が似ていると知覚される要因を調べるため,プロの物真似タレントによる物真似音声と対象話者の音声を比較した.2つの文章音声を分析した結果,基本周波数の平均値は対象話者の音声より20Hz前後高く,その変動パターンはこれらの話者の間でよく似ていた.スペクトルに関しても,その概形や第1,第3,第4ホルマント周波数が対象話者のもに近付けられていた.さらに,声帯音源特性を表す,DFTスペクトルの第1,第2調波の振幅差(H1-H2)もこれらの話者間で近い値を示した.一方,第2ホルマント周波数は話者間で異なっており,音節継続時間長は対象話者のものに近付ける傾向が見られなかった.
著者
加藤 健 兼本 園美 北村 正樹 畠山 まり子 奈良 京子 吉川 晃司 町田 勝彦 小野寺 昭一 吉田 正樹 柴 孝也
出版者
Japanese Society of Environmental Infections
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.223-228, 2002-05-24 (Released:2010-07-21)
参考文献数
2

当院には, 感染制御チームをはじめとする感染症に関する様々な部門が組織化されている. 今回は, 院内感染対策の中心的役割を果たしている感染制御チームと事務局である病院管理課の業務を通じて, 院内感染対策における事務部門の役割について検討した. 事務局が, 感染症関連情報を一元管理することにより, 病院全体での感染症対策のレベルアップや管理体制の整備・拡大につながり, 病院管理部門と診療部門の円滑な運営をもたらすことができ, さらに, 臨床現場の意見が反映された改訂版の感染対策ガイドラインが作成されることになった. このような実績をもとに, 病院のクオリティ向上に貢献するとともに, 院内感染対策に対するリスクマネジメント体制が整備されることになった.
著者
西村 充 酒井 英徳 浅井 貴浩 北村 岩雄 村井 忠邦 池田 長康
出版者
富山大学
雑誌
富山大学工学部紀要 (ISSN:03871339)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.1-8, 1998-02

Winter lightning in Hokuriku area called one shot lightning has different features from summer lightning. The thundercloud in winter is very low in its height and very wide in extend area and it has very large energy in comparison with that of the summer one. The object of this study is to examine the position and its extent area from acoustic thunder sound and is also to know numbers of branches within lightning discharge from the wave from of the acoustic signal. Two simple models for total discharge area and for the discharge detail figures are presented. The measured signal of thunder is compared with the results from the simple model.冬の日本海側でも特に,北陸地方で雪の激しく降っている時等に発生する自然現象に「プリおこし」とか「雪雷」と呼ばれる冬季特有の雷がある。最近は停電事故の大半が落雷に起因するので電力会社に於いては,高度情報化社会での信頼性を維持する上で,雷対策は極めて重要な課題である。特に,この冬季の雷は次のような特徴がある。すなわち,1 ) 空の視覚的な状況等からは全く発生が予測できない。2 ) 一発雷と呼ばれ昼夜関係なく突然落雷する。3 ) 落雷時のエネギーが非常に大きく夏の雷の数百倍にも達する。4 ) 夏に比べ雷雲の位置が非常に低い。5 ) 雷雲は地平方向に広い範囲で分布するなどである。このため現在も莫大な被害を被っている。現在,これらの雷放電の研究はカメラを使った光学的方法や,電磁波による測定等が行われてはいるが,発生位置や時間は未だに不明確である。しかも同時に複数の放電が発生することも多く,相当困難である。しかし,冬季雷における特徴のりとめを逆に利用した当研究は,雷の放電範囲とその形や場所等が簡単な装置で確実に特定できる可能性がある。また,そのデータから雷の大きさや放電の間欠性,地理的特徴等との関連性の解析を進めることで,巨大なエネルギーを放出する冬季雷の構造解明にも役立つものと考えている。この論文前半は雷鳴の測定波形の多点観測により,放電範囲を大局的に把援する方法の研究を説明し,後半では測定波形の形状より詳細な放電路の推定可能性について述べる。
著者
北村 知史 キタムラ サトシ Kitamura Satoshi
出版者
同志社大学政策学部・総合政策科学研究科政策学会
雑誌
同志社政策科学院生論集 = Doshisha policy and management review
巻号頁・発行日
vol.3, pp.27-38, 2014-01-10

研究ノート(Note)日米安保条約は、日本の安全保障政策の根幹であり、日本政府は、日米安全保障体制の意義について、(1)米国の軍事力による抑止力を有効に機能させることで、日本側の適切な防衛力の保持と合わせ、日本の安全を確保すること、(2)日本に駐留する米軍のプレゼンスによって日本の周辺地域の平和と安全が確保されていること、そして、(3)米国と協力して国際的な安全保障環境の改善に取り組むことが日本の平和と繁栄をさらに確かなものになることの三点を指摘している。第1章、第1節で 日米安保条約と改定の経緯で日米安保条約の制定と内容の日米安保条約の制定過程を明示した。第2章では日本の世論から見る日米安保条約として、世論は日米安保条約がどのようなものとして見られていたのかを明らかにした。第2章、第1節の世論の変動期1948年-1970年では1960年の安保改定前には世論は安保条約に対して、反対の態度を占めるなど変動を見せたが、第2節の世論の安定期 1971年-現在では世論は安保条約に安定した反応を見せた。第3章 日米安保条約に与えた世論の影響─同心円モデルによる分析では、1987年にヒルズマンが示した同心円モデルを用いて分析した。終わりにでは、これまで日米安保条約の制定経緯とその後の運用過程を概観し、日米安保体制は現在でも課題があるとはいえ、今後の様々な課題はあっても、日米の両国間を取り巻く安全保障上の課題を日米同盟が強固な関係であることによって問題を解決することこそが日本の選択であることを提言した。
著者
大桃 敏行 秋田 喜代美 村上 祐介 勝野 正章 牧野 篤 藤村 宣之 本田 由紀 浅井 幸子 北村 友人 小玉 重夫 恒吉 僚子 小国 喜弘 李 正連 植阪 友理 市川 伸一 福留 東土 新藤 浩伸 齋藤 兆史 藤江 康彦 両角 亜希子 高橋 史子 星野 崇宏 伊藤 秀樹 山本 清 吉良 直 星野 崇宏 伊藤 秀樹
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

日本を含めて多くの国で多様化や競争、成果に対するアカウンタビリティを重視するガバナンス改革が行われてきた。また同時に、単なる知識や技能の習得からそれらを活用する力や課題解決力、コミュニケーション能力などの育成に向けた教育の質の転換の必要性に関する議論が展開されてきた。本研究の目的はガバナンス改革と教育の質保証との関係を検討しようとするものであり、成果志向の改革では、広い能力概念に基づく教育において評価がどこまでまたどのように用いられるのかが重要な課題となってきていることなどを示した。
著者
下田 俊介 大久保 暢俊 小林 麻衣 佐藤 重隆 北村 英哉
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.85, no.3, pp.294-303, 2014 (Released:2014-08-25)
参考文献数
15
被引用文献数
7 7

The Implicit Positive and Negative Affect Test (IPANAT) is an instrument for the indirect assessment of positive and negative affect. A Japanese version of the IPANAT was developed and its reliability and validity were examined. In Study 1, factor analysis identified two independent factors that could be interpreted as implicit positive and negative affect, which corresponded to the original version. The Japanese IPANAT also had sufficient internal consistency and acceptable test–retest reliability. In Study 2, we demonstrated that the Japanese IPANAT was associated with explicit state affect (e.g., PANAS), extraversion, and neuroticism, which indicated its adequate construct validity. In Study 3, we examined the extent to which the Japanese IPANAT was sensitive to changes in affect by assessing a set of IPANAT items after the presentation of positive, negative, or neutral photographs. The results indicated that the Japanese IPANAT was sufficiently sensitive to changes in affect resulting from affective stimuli. Taken together, these studies suggest that the Japanese version of the IPANAT is a useful instrument for the indirect assessment of positive and negative affect.
著者
北村 正敬
出版者
山梨大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

喫煙は潰瘍性大腸炎の寛解因子として知られている。本研究は「喫煙は芳香族炭化水素受容体(AhR)の活性化を介して潰瘍性大腸炎の発症進展を抑止する」という仮説を実験的に検証することを目的に行った。その結果、タバコ煙を曝露させたマウスでは肺および肝臓等で AhRの活性化が生じること、高濃度のタバコ煙への曝露により大腸でも AhR 活性化が起こること、また AhR の活性化物質の経口投与により大腸での AhR 活性化マーカーの発現上昇が認められ、実験的潰瘍性大腸炎の発症進展を抑止できること、を明らかした。
著者
北村 歳治 佐藤 次高 店田 廣文 桜井 啓子 山崎 芳男 吉村 作治 長谷川 奏 及川 靖広 鴨川 明子 高橋 謙三 保坂 修司 北村 歳治
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

1)系譜研究:農業分野では精糖技術の復元、窯業分野ではイスラム陶器の分析研究、薬学分野では医薬技術と社会意識との接点の研究を通して、前イスラムの時代から近代直前期まで幅広い時代のイスラム技術の系譜が紐解かれた。2)広域研究:中東イスラム、東南アジア、中央アジアの動向分析を通して、地域に育まれた豊かな経済が新たな資源の登場によって消滅していく過程や、イスラム圏の各地でITがさまざまな形で積極的に利用されている動向も明らかになった。
著者
北村 英子
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
大阪樟蔭女子大学学芸学部論集 (ISSN:18807887)
巻号頁・発行日
no.43, pp.252-245, 2006-03

萬葉集はいうまでもなく、和歌がすべて漢字で記載されたものである。それらの和歌、一首一首中に同じ漢字が二回以上用いられ、それぞれに異なる訓み方をしているものを抽出して、記載者の記載意識や表記法等を研究しているが、本稿においては巻十六および巻十九について追究した。 巻十六(十六・3786)=(去(サラ)・去(ユケル))・(十六・3791)=(緑子(ミドリコ)・若子(ミヅコ)・童子(ワラハ)・子(コ))・(十六・3791)=(衣(ギヌ)・衣(コロモ))・(十六・3791)=(童兒(ワラハ)・兒(コ))・ (十六・3791)=(飛鳥(トブトリ)・飛鳥(アスカ)・飛(トビ))・(十六・3791)=(禁(イミ)・禁(イサメ))(十六・3859)=(頃者(コノゴロ)・者(ハ))(十六・3885)=(生取(イケドリ)・生(サク))・(十六・3886)=(明久(アキラケク)・明日(アス))・(十六・3885)=(今日ゞゞ(ケフケフ)・日(ヒ)・今日(ケフ)・明日(アス)) 巻十九(十九・4156)=(年(トシ)・年魚兒(アユコ))・(十九・4211)=(壮子(ヲトコ)・壮(サカリ))・(十九・4211)=(嬬(ツマ)・媙嬬(ヲトメ))・(十九・4211)=(惜(アタラシキ)・惜(ヲシキ))・(十九・4214)=(何如(ナニ)・如久(ゴトク)・如(ゴトク))・(十九・4245)=(國(クニ)・國家(ミカド))・(十九・4254)=(天(アマ)・天(アメ))・(十九・4254)=(見(メシ)・見(ミ)) 以上、巻十六および巻十九について、右の漢字を抽出して研究したものである。
著者
石橋 正博 山田 傑 北村 尚男 真島 裕子 一色 賢司 伊藤 誉志男
出版者
日本食品化学学会
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.93-96, 1996-03-29
被引用文献数
1

縮合リン酸塩のピロリン酸、ポリリン酸、メタリン酸の1日摂取量をマーケットバスケット方式で調査した。加工食品約340品目を(1)調味嗜好飲料、(2)穀類、(3)イモ類・豆類・種実類、(4)魚介類・肉類、(5)油脂類・乳類、(6)佐藤類・菓子類、(7)果実類・野菜類・海草類の7群に分け、それぞれの群の縮合リン酸含有量を測定し、各群ことの喫食量をかけて摂取量とした。(1)縮合リン酸の1日摂取量は、15.8mgでピロリン酸が7.2mg、ポリリン酸が3.8mg、メタリン酸が5.0mgであった。(2)摂取量の多いのは、5群の6.0mgと4群の5.1mgで、主な摂取源は、5群のチーズと4群の魚介類・食肉類であった。特に、チーズの種類と喫食量は摂取量に大きく寄与することが分かった。(3)地区別の比較では、東部地区と西部地区がやや多かった。東部地区の5群が特に多かったのは、チーズの種類による影響と思われる。(4)昭和58年度、昭和62年度、平成3年度、平成6年度の調査結果より、縮合リン酸の摂取量は増加傾向にある。(5)世代別の摂取量の比較では、高齢者、学童が成人に比べ多くなった。4群は各世代に摂取量の違いはあまりなかったが、5群はチーズの種類の影響でかなりばらつきがあった。その他、学童の6群と7群も他の世代に比べやや摂取量が多かった。
著者
田坂 健 東恩納 司 三上 奈緒子 日野 隼人 大川 恭昌 武本 あかね 河崎 陽一 村川 公央 北村 佳久 千堂 年昭
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.638-643, 2017-10-31 (Released:2017-10-31)
参考文献数
14

目的:薬剤師が集中治療室に常駐し,積極的に塩酸バンコマイシン(以下,VCM)の治療薬物モニタリング(以下,TDM)介入を行うことによる効果を明らかにする。方法:薬剤師が常駐する前後で2群に分け,レトロスペクティブに調査を行った。結果:薬剤師の常駐によりVCM血中濃度測定実施率は86.2%から96.5%,シミュレーション解析実施率は24.1%から95.4%へ有意な増加を認めた。血中濃度分布は,トラフ値10μg/mL 未満の割合が24.1%から15.1%へ有意に減少した。一方でトラフ値20 〜25μg/mLの割合が3.7%から15.7%へ有意に増加していた。また,腎障害の発生率は6.5%から2.1%へ減少傾向を示した。結論:ICUにおいて専任薬剤師がVCMのTDM介入を行うことで,TDM実施率の向上とトラフ値が適正化され,VCM適正使用に貢献できることが示唆された。
著者
北村 信
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.83, no.12, pp.829-830, 1977-12-15
被引用文献数
1
著者
寺田 健太郎 横田 勝一郎 斎藤 義文 北村 成寿 浅村 和史 西野 真木
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2017
巻号頁・発行日
2017-03-10

Oxygen, the most abundant element of Earth and Moon, is a key element to understand the various processes in the Solar system, since it behaves not only as gaseous phase but also as the solid phase (silicates). Here, we report observations from the Japanese spacecraft Kaguya of significant 1-10 keV O+ ions only when the Moon was in the Earth’s plasma sheet. Considering the valence and energy of observed ions, we conclude that terrestrial oxygen has been transported to the Moon from the Earth’s upper atmosphere (at least 2.6 x 104 ions cm-2 sec-1). This new finding could be a clue to understand the complicated fractionation of oxygen isotopic composition of the very surface of lunar regolith (particularly the provenance of a 16O-poor component), which has been a big issue in the Earth and Planetary science.
著者
三幣 康太 北村 謙英 コルテス カルロス 小川 実穂
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
マイクロ・ナノ工学シンポジウム
巻号頁・発行日
vol.2014, no.6, pp."20pm1-E6-1"-"20pm1-E6-2", 2014-10-20

This paper presents an experimental platform to explore effective ambient intelligence systems using a MEMS-based wearable eye-tracking system and tactile display. Ambient intelligence, which allows us to receive useful information on site and at real time from the surrounding environment, requires a method to let the users be aware of the information. Given that our vision and hearing is heavily used, we consider that utilizing of tactile sensation is most effective. In our research, We use an unobtrusive pupil tracker for wearable computer using dye-sensitized photovoltaic cells installed on an eyeglass lens and an electro tactile display. In addition, we made an Android application that enables us to manipulate the Tactile sensations and get information of the eye tracking device.
著者
北村 章二 生田 和正 鹿間 俊夫 中村 英史 鈴木 幸成 棟方 有宗
出版者
水産総合研究センター
雑誌
水産総合研究センター研究報告 (ISSN:13469894)
巻号頁・発行日
no.15, pp.1-10, 2005-12 (Released:2011-03-05)

2002年度から全域キャッチアンドリリース(C and R)制となった湯川において、C and Rによる魚類資源維持効果の判定を目的として釣り人へのアンケート調査及び釣魚期間前後における資源調査を2002年と2003年に行った。C and R制導入前の2001年と比較すると、釣魚者は27.4%(2002年)及び34.2%(2003年)増加し、フライ釣り人の割合はそれぞれ83.8%及び88.1%に増加した。時間当たり釣獲率も2003年には1.21と有意に上昇した。また、両年とも釣魚期間前よりも釣魚期間後にカワマス資源量が増加していた。これらから、元々C and Rを基本とするフライ釣りの割合の高かった湯川におけるC and R制の導入は、釣魚者には好意的に受け入れられ、カワマス資源の維持に効果的であったことが示された。
著者
北村 章二 生田 和正 鹿間 俊夫
出版者
水産総合研究センター
雑誌
水産総合研究センター研究報告 (ISSN:13469894)
巻号頁・発行日
no.15, pp.1-10, 2005-12
被引用文献数
1

2002年度から全域キャッチアンドリリース(C and R)制となった湯川において、C and Rによる魚類資源維持効果の判定を目的として釣り人へのアンケート調査及び釣魚期間前後における資源調査を2002年と2003年に行った。C and R制導入前の2001年と比較すると、釣魚者は27.4%(2002年)及び34.2%(2003年)増加し、フライ釣り人の割合はそれぞれ83.8%及び88.1%に増加した。時間当たり釣獲率も2003年には1.21と有意に上昇した。また、両年とも釣魚期間前よりも釣魚期間後にカワマス資源量が増加していた。これらから、元々C and Rを基本とするフライ釣りの割合の高かった湯川におけるC and R制の導入は、釣魚者には好意的に受け入れられ、カワマス資源の維持に効果的であったことが示された。