著者
塚原 正典
出版者
三田史学会
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.39-55, 2005-09

1 民族学的事例に見る共同体2 旧石器時代からのネットワークの継承2 縄文時代共同体の独自性3 前・中期から後・晩期への大きな変化4 縄文社会における名誉のシステム5 名誉のシステムを強化する装置としての縄文土器5 結び論文
著者
川原 正博 水野 大
出版者
日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.155-165, 2014 (Released:2014-09-24)
参考文献数
67
被引用文献数
2

Trace elements including iron, zinc, copper, and manganese play essential roles in the maintenance of brain functions. Accumulating evidence suggests that dyshomeostasis of trace elements is implicated in the pathogenesis of neurodegenerative diseases including Alzheimer’s disease, vascular type of dementia, prion diseases, and dementia with Lewy bodies. These diseases share similarity in the formation of β-sheets containing amyloid fibrils from disease-associated proteins, including the β-amyloid protein (AβP), the prion protein, α-synuclein, and polyglutamine, and the introduction of apoptotic degeneration. Trace elements can bind to these proteins and cause their conformational changes. Furthermore, these proteins reportedly play crucial roles in the regulation of trace elements. Considering that these proteins colocalize in synapses, it is possible that the interactions between the disease-associated proteins and trace elements are based on the physiological roles of these proteins. We review here the current understanding of the pathology of neurodegenerative diseases based on metal binding to disease-associated proteins and on the disruption of metal homeostasis.
著者
原 正幸
出版者
美学会
雑誌
美學 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.11-21, 1991-03-31

<<Sheng-wu-aile-lun>> is one of the most important musical writings in the history of Chinese music aesthetics. It overcame the difficulties of the Confucian view of music and established a new perspective, through an elaborated logical development. This is based on the six following theses : (i) <<mind and sound are two different things>> ; (ii) <<music has no constant correspondence with specific emotions>> ; (iii) <<music imitates nothing>> ; (iv) <<music has its own intrinsic harmonia (he)>> ; (v) <<the essence of music is to be found in a balance of emotions, or rather, the absence of emotional bias (pinghe)>> ; (vi) but at the level of its interaction with society, <<it is mind, as not bound to specific emotions, that is essential to music>>. Finally, the text prescribes the ideal way of music as a means to suggest the ideal state of mind for the purpose of cultivating life (yangsheng).
著者
中村 昌彦 梶原 宏之 稲田 勝 原 正一 星野 邦弘 黒田 貴子
出版者
社団法人 日本船舶海洋工学会
雑誌
日本船舶海洋工学会論文集 (ISSN:18803717)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.95-105, 2006 (Released:2007-04-06)
参考文献数
6
被引用文献数
2

Recently, in domestic shipping, a shortage of crew members resulting from the severe labor environment and the aging of members are serious problems, and there is concern about stable transportation becoming difficult because of this. The hiring of younger crew members by improving the labor environment and reducing the labor load is therefore an important target. The automatic mooring is one means of mitigating the labor load of standby operations. If the shift of the mooring tension induced by tide level change and the draft change while loading can be prevented, and moreover, if the hull position can be kept automatic within the allowable limit, the labor load can be reduced. In this research, a simulator which calculates mooring tensions and ship motions was built first, and calculation accuracy was checked by model experiments. The controller was then designed using the simulator and the performance was verified by tank tests. Successful results are shown.
著者
大谷 毅 高寺 政行 森川 英明 乾 滋 徃住 彰文 柳田 佳子 宮武 恵子 矢野 海児 濱田 州博 池田 和子 鈴木 美和子 鈴木 明 正田 康博 上條 正義 松村 嘉之 菅原 正博 藤本 隆宏 肖 文陵 高橋 正人 韓 載香 金 キョンオク 李 宏偉 佐野 希美子 NAKANISHI-DERAT Emi 雑賀 静
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

日本のファッション衣料の国際プレゼンスが低い原因は、国境を超えた着用者への製品の提案力の欠如にあった。日本のmodelismeは良好だがstylisme(ことに一次設計)は脆弱だ。スタイルの代替案想起・期待・選択作業は、設計者に対し、グローバルな着用者の行動空間に関する知見を求める。これはまた事業者の決定の価値前提の問題に関係する。大規模なファッション事業者の官僚組織が生み出す「逆機能」とも密接に係る。単にブランドの問題だけではなく、事業規模・裁量・ルーチン・経営資源配分に関わることが判明した。製品展示を半年以上前倒しするテキスタイル設計過程は、衣服デザイナーの決定前提の一部を説明していた。
著者
福田 謙一 笠原 正貴 西條 みのり 林田 眞和 一戸 達也 金子 譲
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.25, no.7, pp.696-701, 2005 (Released:2005-11-29)
参考文献数
4
被引用文献数
1

歯科治療行為による知覚神経障害は決して少なくない. 歯科領域の知覚神経障害は, 日常生活で容易に不快感を認識できるため, 患者を長期にわたって苦しめることがあり, 医事紛争に発展するケースもある. ここでは, 東京歯科大学水道橋病院歯科麻酔科・口腔顔面痛みセンターに通院している知覚神経障害患者のうち, 発症が医原性で医事紛争に発展した症例のなかから5症例 (症例1: インプラント埋入, 症例2, 3: 根管充填処置, 症例4, 5: 抜歯処置) を取り上げ, 歯科治療後知覚神経障害による医事紛争の現状と歯科臨床における問題点について報告した. 歯科治療における事前説明や事後対応は, いまだ十分に確立されていないのが現状であった.
著者
岩田 俊二 吉本 博文 荻原 正三
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画論文集 (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.139-144, 2000-12-08
被引用文献数
1

集落全体の整備と新規住宅地の整備を一体的に行う農村活性化住環境整備事業が実施された地区についての分析を基にすると、集落整備計画の方法の視点からは、事業の目的と対象集落の集落整備計画のあり方との整合性、新規住宅地の整備に対応する集落の生活環境の再編整備、新規住民の参入を契機とした新たな集落生活システムの構築、集落の漸進的な成長に対応する計画システムの採用が課題となることが明らかとなった。
著者
岩田 俊二 吉本 博文 荻原 正三
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 = Journal of Rural Planning Association (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.139-144, 2000-12-08
参考文献数
2
被引用文献数
1

集落全体の整備と新規住宅地の整備を一体的に行う農村活性化住環境整備事業が実施された地区についての分析を基にすると、集落整備計画の方法の視点からは、事業の目的と対象集落の集落整備計画のあり方との整合性、新規住宅地の整備に対応する集落の生活環境の再編整備、新規住民の参入を契機とした新たな集落生活システムの構築、集落の漸進的な成長に対応する計画システムの採用が課題となることが明らかとなった。
著者
藤井 義明 萩原 正敏 加藤 茂明 審良 静男 久武 幸司 半田 宏 大熊 芳明 上田 均 箱嶋 敏雄 梅園 和彦
出版者
東北大学
雑誌
特定領域研究(A)
巻号頁・発行日
1997

本計画研究班の研究課題は、転写因子も含めて転写因子間の相互作用が最終的に遺伝子発現としてどのようにアウトプットされるかというメカニズムを分子のレベルで解明することを主な目的としている。Preinitiation complexの構成成分であるTFllHの9つのsubunitsをリコンビナントDNAを用いて発現させ、再構成に成功し、各々のサブユニットの機能を検討する系が確立された。またこの系を用いてERCC3のヘリカーゼ活性が転写活性化のプロモーターエスケープの段階に重要であることを示した。転写伸長反応もDSlFとNELFの抑制とpTEFbとFACTの活性化系によって精密にコントロールされていることが明らかにされた。DSlFの一つサブユニットp160のC末端の変異はゼブラフィッシュでは神経の発達異常を引き起こすことが分かった。広範な転写因子の共役因子として働くcbpについては、さらにgi3,AhR/Arnt,HlF-1α,lRF3などの共役因子として働くことやβ-カテニンが阻害して,P53の転写活性を抑制することを示した。2ハイブリッド法によってMBFl,UTF1,P68/P72が各々転写因子FT2-F1,RAR,ERα,βの転写共役因子として働くことを明らかにし、その構造を決定した。ノックアウトマウスを作製することによってAhR,AhRR,STAT3などの機能解析を行なった。
著者
松本 裕治 浅原 正幸 岩立 将和 森田 敏生
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:18840930)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.18, pp.1-6, 2010-11-11
被引用文献数
1

科研費領域研究研究 「日本語コーパス」 の一環として開発してきたコーパス管理ツール 「茶器」 の機能と現状について報告する.茶器は,形態素解析 (品詞情報),係り受け解析のアノテーション (注釈) が付与されたコーパスを格納し,様々な検索,検索結果や統計情報の表示,注釈誤りの修正などの機能をもつツールであり,注釈付きコーパスの格納,検索,作成,修正のための環境を提供する.主な機能は,文字列,形態素列,文節係り受け構造などを指定したコーパスの検索と,検索結果の KWIC 表示と係り受け木の表示,種々の統計情報の表示,注釈付けエラーの修正などである.現在は,茶筌/ MeCab による形態素解析,南瓜による係り受け解析結果をデータベースに取り込む機能を提供するが,特に言語には依存せず,任意の言語の品詞/依存構造注釈付きコーパスを扱うことができる.This paper introduces a annotated corpus management system ChaKi that has been developed under the auspices of the Japanese Corpus Project (Grantin-Aid for Scientific Research in Priority Areas). The system handles morphologican and dependency structure annotated corpora and facilitates various functions such as storing, retrieving, creating and error-correcting annotated corpora. String, word and dependency structure based corpus retrievals are possible, and the results are shown as KWIC format or as dependency trees. While the current system transfers corpora with the ChaSen/MeCab or CaboCha output format into databases, it is language independent and can be applied flexibly to any POS/dependency structure annotated corpora.
著者
笠原 正夫
出版者
鈴鹿大学
雑誌
鈴鹿国際大学紀要Campana (ISSN:13428802)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.71-85, 2007-03-20

徳川幕府は,将軍が代替りすると全国へ諸国巡見使を派遣した.各藩主の統治の実態を幕府(公儀)権力は掌握することをねらったのである.紀伊国へは大和国から入国して南下し,熊野地方を通って,伊勢国へ抜けていく場合と,逆に伊勢国から熊野地方へ入り,北上して大和国へ抜けていく場合の二通りがあった.巡見使が途中で領民に質問があったときの回答書を紀州藩が作成し,「手鑑」として村々へ配布している.藩側にとって不都合な発言をさせないためである.幕藩制下の藩というもう一方の分権的権力を把握しようとする公儀権力の目的は妨げられている.本稿は,宝暦10年(1760)の巡見使の来訪時の熊野地方のうちの付家老水野氏の所領(新宮領3万5000石)の状況を考察するが,領内に布達した巡見使に関する一切の触はすべて紀州藩から出されており,水野氏はそれに従うのみで独自な判断はできなかった.巡見使の来訪が近づくと,通行が予想される道路の点検と修復,新宮川の危険箇所の整備,それに伴う出人足や川舟と水主の村々への割り当てなど任務は多岐にわたったが,それを処理するのに地域の実状に最も熟知している大庄屋を駆使して行なった.本稿で利用した「万覚留帳」は,新宮領請川組大庄屋須川善六が書き留めた記録であるが,巡見使の通行に際し多岐にわたる任務に領民をどう徴発するのか,その状況を明らかにしながら領主権力が領内の村や領民支配が貫徹していく実状を解明する.
著者
相良 かおる 小野 正子 鈴木 隆弘 小木曽 智信 高崎 光浩 浅原 正幸 外山 健二
出版者
西南女学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

標準化された用語がないまま、電子カルテシステムは普及し、電子医療記録文書が蓄積される中、我々は医療記録文書で使われる用語77, 775語を収録した辞書ComeJisyoを作成・公開し、また、語種と字種の分布を明らかにした。ComeJisyoは、電子医療記録文の単語分割の解析精度を90%以上に向上させ、複数の解析結果の比較(メタ分析)を可能とする。また、ComeJisyoに付加されるヨミガナは、音声への変換や仮名漢字変換等に活用できる