著者
光成 滋生 渡辺 秀行 吉田 真紀 境 隆一 笠原 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.212, pp.117-122, 2002-07-12
参考文献数
17
被引用文献数
5

本稿では放送型コンテンツ配信における不正者追跡問題を考える.従来の配信法は,想定された人数以上の不正者の結託により追跡不可能な海賊版復号器を作製することが可能になるという問題点をもつ.筆者等は,既に楕円曲線上のヴェイユペアリングを用いることにより,この結託問題を解決する方式を提案した.本稿ではこの方式を拡張し,鍵漏洩の自己抑止力と非対称不正者追跡機能,および加入者排除機能をもつ方式を提案する.提案方式では放送量は従来方式より小さく,また加入者が何人結託したとしても結託者以外の個人鍵を生成することができないという拡張前の方式の特長を受けもつ.
著者
西川 麻樹 原 正彦
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.23, 2009

マルチエージェントシステムとは要素内情報の分布が揺らぐ局所的相互作用システムである。 本報告ではこの揺らぎを極端に拡大し「揺らぎを測る基準」すら揺らぐような状況から基準や秩序が自己組織化する過程を研究した。 結果として脳と身体の関係のようなソフトな中央集権化体制や貨幣的な物々交換の尺度となるものが出現する。このようなシステムでの中央集権化と非効率性のトレードオフなどについて報告する。
著者
井原 正隆 川口 明洋 加藤木 守 千尋 正利 福本 圭一郎 亀谷 哲治
出版者
天然有機化合物討論会実行委員会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.28, pp.339-346, 1986

Synthesis of angularly tricyclopentanoid sesquiterpenes, was investigated via tricyclo[7.3.0.0^<1,5>]dodecane derivatives using intramolecular Diels-Alder reaction or intramolecular double Michael reaction as a key step. (1) Highly Stereoselective Total Synthesis of (±)-3-Oxosilphinene via Intramolecular Diels-Alder Reaction-(E,E)-3-(8-Phenylthio-octa-5,7-dien-2-yl)-2-methyl-2-cyclopenten-1-one (19) was prepared from the bromocyclopentenone (16) in three steps. Cycloaddition of 19 gave only one stereoisomer of the tricyclo[7.3.0.0^<1,5>]dodecene (20) having all correct four contiguous asymmetric centers. The cyclo-adduct (20) was converted into the tricyclo[6.3.0.0^<4,8>]undecane (25) via Wolff rearrangement. According to usual procedures, the ester (25) was then transformed into (±)-3-oxosilphinene (1). (2) Synthetic Study of Pentalenene and Pentalenic Acid via Intramolecular Double Michael Reaction-Barbier reaction of 4,4-dimethyl-2-cyclopenten-1-one (34) followed by oxidation with pyridinium chlorochromate gave the enone (36), which was converted into the bis-enone (33) in four steps. Intramolecular double Michael reaction of 33, carried out by heating with trimethylsilyl chloride, triethylamine, and zinc chloride, gave tricyclo[7.3.0.0^<1,5>]dodecanediones (40), which were subjected to Wolff rearrangement to afford the tricyclo[6.3.0.0^<4,8>]undecanes (41) possessing all carbon skeleton of natural products (4 and 5).

1 0 0 0 OA 気管支喘息 II

著者
山下 芳典 原田 洋明 桑原 正樹 半田 良憲 窪田 真喜子 大河内 友美 宮武 志保 井手 孝 白野 容子 高松 理央 槙田 香子 高濱 みほ 中尾 淳一 道広 博之 峯本 譲
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.1339-1345, 2014 (Released:2014-12-20)
参考文献数
20
被引用文献数
1

高齢者肺がんはサルコぺニア,COPDをはじめさまざまな併存疾患を有する点が課題であり,短い術前の期間をいかに効率的に利用するか,消化管は扱わない手術である利点をいかに活用するかが重要な対策と考えられた.胸腔鏡による内視鏡手術を軸とした術前の包括的リハビリテーションと術後の超早期離床・経口摂取を加えたinterdisciplinary team approachによるA-ERAS法による周術期管理を紹介した.高齢者肺がんに対し,包括的リハビリテーションにより術後合併症が減少し,胸腔鏡手術により術後創部痛の軽減から早期の退院が可能となり,術当日の超早期離床・経口摂取により術後早期のADLが向上した.A-ERAS法は肺がん術後の回復促進の観点から臨床効果と忍容性が確認され,すでに当院では臨床の場で実践されている.
著者
中島 敏明 杉本 恒明 川久保 清 戸田 為久 三輪 篤子 村川 祐二 野崎 彰 倉智 嘉久 天野 恵子 坂本 二哉 真島 三郎 伊原 正 田中 博 古川 俊之
出版者
The Japanese Society of Electrocardiology
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.237-246, 1986

肥大型心筋症 (HCM) の再分極異常の成因を知る目的で, QRST isointegral mapを作成し, 安静時および運動負荷後の分布を検討した.対象は, 正常群10例, HCM群35例 (閉塞型HOCM10例, 非閉塞型HNCM15例, 心尖部型APH10例) である.安静時QRST isointegral mapは, 正常群では左前胸部に極大を, 右胸部上方に極小をもつ分布を示したが, HCMでは , HOCM40%, HNCM60%, APH90%に, 左前胸部に極小をもつ異常分布がみられた.極小点は, APHではV<SUB>4, 5</SUB>周辺に, HNCMではV<SUB>5</SUB>に, HOCMではばらつく傾向があり, 各病型による多少の差異をみとめたが, 重複する例も多くみられた.安静時QRST isointegral mapの異常例に対し, 運動負荷後の分布の変化につき検討した.APHでは9例中8例において, 左前胸部の極小は, 右胸部上方に偏位し, ほぼ正常な分布を示した.HNCMでは9例中8例は, 負荷後も安静時と同様の異常分布を示した.HOCM4例では負荷後左前胸部下方に極小が偏位する傾向がみられた.以上より, HCMの再分極異常は主として1次性変化と考える.また, 運動時変化がHCMの病型で異なったことは, 心筋の肥厚形態の他に, 心筋自体の性質の差による可能性があり, HCMにおける再分極異常の成因は単一のものではないことが示唆される.
著者
三浦 加代子 今西 あみ 西川 有香 坂内 綾乃 藤井 千紗 守山 由佳理 杉原 正治
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.25, 2013

【目的】手動の泡だて器や電動ハンドミキサーで撹拌した場合、ホイップクリームの含気率(オーバーラン)には限界がある。しかし、撹拌器「キスワン」は、圧力を調節しながら撹拌ができ、通常よりも大きなオーバーランが得られ、通常の器械ではいくら撹拌しても泡立たないものでも泡立てることができるという特徴をもっている。この器械を用いて新規食品開発を行うための基礎的なデータを得ることを目的として研究に着手した。今回は、生クリームを試料として圧力をかけて撹拌し、どのような特性をもったホイップクリームができるのかを検討した。また、ホイップクリームの保存性についても調べた。【方法】ステンレス製ボールに生クリームを一定量入れ、圧力を加えて5℃で撹拌した。撹拌回数は70回転/minとし、圧力は0.2MPa, 0.4MPaで行った。同様に常圧で撹拌したものを対照とした。生クリームの種類を変え、撹拌時間とオーバーランの変化を調べた。また、調製したホイップクリームの保存性をオーバーランおよび色調の変化等で検討した。【結果】生クリームの種類により、撹拌時間ごとのオーバーラン値は大きく異なった。例えば、乳脂肪分47%(種類別名称:乳等を主要原料とする食品)では、最高オーバーラン値が、常圧では撹拌時間6分で146%となったが、0.2MPaにすると105秒で約330%、0.4MPaでは105~120秒で約400%となった。即ち、1/3の時間で2倍以上の最大オーバーラン値が得られることがわかった。また、乳脂肪分35%(種類別:クリーム)の生クリームを圧力(0.2MPa)を加えて撹拌し、250%のオーバーランになったホイップクリームを調製し、その泡の安定性を経時的に調べた結果、保存温度が重要であることがわかった。
著者
亀谷 哲治 井原 正隆
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.38, no.11, pp.1025-1036, 1980-11-01 (Released:2010-01-22)
参考文献数
38
被引用文献数
5 9

Thienamycin, an exceptionally potent, broad spectrum β-lactam antibiotic, possesses a novel 1-carbapen-2-em structure. Total syntheses and synthetic approaches of thienamycin and its related compounds, which have been published before early in June of 1980, are summarized according to the manner for the formation of carbapenem and carbapenam ring systems.
著者
黒原 正人
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.E3P1252-E3P1252, 2009

【はじめに】<BR> 「食べる」ことは生命活動の根幹であり、生きていくために不可欠な行動として日常生活の中で行われている.しかし、高齢者は様々な理由で、咀嚼能力の低下や嚥下障害を起こすことが多い.そのため、咀嚼に問題がある場合は軟らかい素材の選択や、すりつぶして噛まずに飲み込めるような工夫を行う.このように、質の高い食生活を送るには、安全で適切な食形態を選択することが必要となる.食形態は噛むことを包括した口腔機能を反映するとされる.従来、口腔機能と全身状態との関係には何らかの関連があることが指摘され、全身状態の低下に伴い食形態が変化することは臨床でもよく経験する.そこで本研究は、全身状態の指標としてADL能力に着目し、食形態とADL能力の関係を調べる目的で行った.<BR><BR>【対象・方法】<BR> 対象は、2006年4月から2008年4月までに当院の回復期リハビリテーション病棟から退棟した症例のうち、再発症例や状態悪化等で転院・転科した症例及び嚥下障害の認められる症例を除いた129例を対象とした.方法は、食形態の評価は摂食機能と食形態に応じて3区分(並食群・軟食群・粥食群)に分類、ADL能力についてはFIMを用いた.統計処理は、食形態とFIM得点の関係にSteel-Dwass検定を用いた.統計解析にはR Ver2.7.0を用い、統計学的有意水準は5%未満及び1%未満とした.なお、本研究は当院倫理委員会での承認を得て行った.<BR><BR>【結果】<BR> 食形態とFIM得点(合計点)の関係において、並食群と粥食群の間に有意差(p<0.05)が認められた.なお、食形態別のFIM得点(合計点)の中央値は、並食群=106.5点、軟食群=96.5点、粥食群=93.0点であった.<BR><BR>【考察】<BR> 食形態が軟らかくなるにしたがって、ADL能力が低下する傾向が認められた.したがって、食形態とADL能力には何らかの因果関係があり、食形態はADL能力に影響を与える可能性があると考えた.しかし、臨床場面において口腔機能とADL能力との関連性を検討する場合には、口腔機能がADL能力へ影響を与えるのか、逆にADL能力が口腔機能へ影響を与えるのか、さらには他の要因なのかを患者個々に考察する必要がある.したがって、食形態だけで全てが決定されるわけではなく、種々の周辺症状に影響されることにも注意が必要である.多くの高齢者は、食事は一番の楽しみであり、より快適により安全なものにする必要がある.しかし、食形態の選択は、口腔機能を考慮しない安易な選択が多いのが現状で、食べさせてみた結果から判断しているのが大部分であると思われる.しかしながら、本研究で食形態はADL能力に影響を与える可能性があると考えたように、食形態の適切な選択は非常に責任あることであり、患者一人ひとりの特徴と状態を理解し、それぞれに合った選択が必要である.
著者
祖父江 沙矢加 ソブエ サヤカ Sobue Sayaka 市原 正智 イチハラ マサトシ Ichihara Masatoshi
出版者
中部大学生命健康科学研究所
雑誌
生命健康科学研究所紀要 (ISSN:18803040)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.38-41, 2016-03 (Released:2016-04-06)

分子状水素(以下、水素)は、酸化ストレスのうちヒドロキシルラジカルを選択的に消去することが報告されており、酸化ストレスや炎症に起因するさまざまな疾患の予防や治療への有効性が期待されている。2007年から現在に至るまでに、水素は全身の多岐にわたる組織で発症する疾患において、その効果が示されており、水素の生体作用に関する論文数はこれまでに300報以上にものぼる。このように水素の効果については多数の論文で示されているが、どのような分子メカニズムでその効果を発揮しているかは未だ十分に明らかにされていない。水素の投与法としては、空気に水素を加えたもの(以下、水素ガス)を吸入させるか、水素水を飲ませるかのどちらかを採用しているものが多いが、他にもさまざまな投与法が検討されている。しかし複数の投与法間での生体作用を比較検討している報告は極めて少なく、最適な水素の投与法についても依然不明なままである。私たちは水素投与を、水素ガスの吸入、水素水の飲用の2種類から、単独、または併用投与をマウスに行い、組織内の遺伝子発現に及ぼす影響を検討した。こうした検討により水素の生体作用の分子機構の一端を明らかにすることが出来た。
著者
尾崎 広明 〓原 正靖 澤井 宏明
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.1238-1248, 2004-12-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
71
被引用文献数
1 2

Our recent study on the oligodeoxyribonucleotide (ODN) containing 5-substituted pyrimidine nucleosides is described. 5-Substituted 2 '-deoxyuridine derivatives and 5-substituted arabinofuranosyluracil derivatives were synthesized from 2, 2 '-anhydro-5-methoxycarbonylmethyluridine, which was synthesized from arabinoaminooxazoline and dimethyl α-bromomethylfumarate. Modified ODNs bearing these nucleoside analogs were prepared chemically by pre-synthetic modification method or post-synthetic modification method. Effect of 5-substituent groups on DNA/DNA or DNA/RNA duplexes was investigated by measuring the melting behaviors. Some of these modified ODNs are expected as antisense ODNs since these could induce RNase H activity and impart stability against nuclease. Also, 5-substituted 2 '-deoxyuridine analog triphosphates served as substrates of thermophilic family B DNA polymerases in a primer extension reaction or PCR, to give the modified ODNs. 5-Methoxycarbonylmethy1-2'-deoxyuridine residues incorporated into DNA by PCR could be used to post-synthetic derivatization. This finding is useful for in vitro selection of the functionalized DNA.
著者
柳原 正治
出版者
九州大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

本研究においては、18世紀後半から20世紀初頭にかけての、さまざまな国際法学者の「国家」論、「国家結合」論、さらには「国際社会」論の検討を行った。とりわけ、ヴァッテルの「主権国」概念、及び、1770年代から19世紀のごく初頭にかけて唱えられた「ドイツ国際法論」の綿密な研究を行った。その中で、この時期、「(完全)独立国」、「(完全)自由国」、「現実の国家」、「主権国」、「半主権国」など、さまざまな国家概念が用いられていること、しかもそれらはいずれも、いわゆる「近代国際法」のキ-概念としての、「最高独立の権力ないし意思」としての「主権国」と異なること、などを明らかにできた。現代のわれわれが考えるような、国際法と国内法の截然たる区別、対内主権と対外主権の明確な区別を前提とする「主権国」概念についての理論化は、実は19世紀のごく末か、20世紀のごく初頭まで待たなければならない。そうした中で初めて、伝統的な「国家結合論」も成熟していったのである。また、この研究の延長線にあるものとして、グロティウスの「国家間の社会」概念をめぐる、その後の多くの学者たちの論争も研究対象とした。その中で、ときに「国際連盟」のモデルといわれるヴォルフの「世界国家(civitas maxima)概念も、この論争を踏まえたものであったこと、もっともその内実は、ヴォルフ固有の考えに基づくものであったこと、を明らかにできた。そして、その基礎にある「国家」理念は、現代の「主権国」概念とはかけ離れているのであって、そのことを十分理解しないかぎり、ヴォルフの世界国家概念と国際連盟の混同という誤解が生じることになることをも論証した。
著者
笠原 正夫
出版者
鈴鹿大学
雑誌
鈴鹿国際大学紀要Campana (ISSN:13428802)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.43-57, 2010-03-20

Koyasan surrendered to Hideyoshi TOYOTOMI's invasion of Kishu in Tenshou 13 (1583).However, it was deprived of a wide range of Kishu's territory.Ogo MOKUJIKI is said to have played a great role in this event. Thereafter, Hideyoshi continued to rule Koyasan. Koyasan as a feudal lord governed and administered Kishu's territory, and survived into the early modern society until the Meiji Restoration