- 著者
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松下 宗洋
原田 和弘
荒尾 孝
- 出版者
- 日本健康教育学会
- 雑誌
- 日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
- 巻号頁・発行日
- vol.22, no.1, pp.30-38, 2014 (Released:2015-01-13)
- 参考文献数
- 17
- 被引用文献数
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目的:運動行動を促進する技法の1つとして,インセンティブを用いて動機づけを高める技法が注目されている.インセンティブを効果的に用いるには,インセンティブの内容(種類,金額)や,対象者の運動行動に対する準備性を考慮する必要がある.本研究の目的は,対象者の運動行動変容ステージとインセンティブの内容によって,運動行動を動機づける強さが異なるかを検討することである.方法:40~69歳のモニターを対象(N=1,290)にインターネット調査による横断研究を実施した.測定項目は,インセンティブの種類による運動行動の動機づけの強さ(以下,動機強化得点),インセンティブとして希望する相当額,運動行動変容ステージであった.結果:動機強化得点は,インセンティブの種類(p<0.01),運動の行動変容ステージ(p<0.01)により有意に異なり,両者の交互作用も有意であった(p<0.01).しかし,各行動変容ステージにおける動機強化得点の高いインセンティブは,現金,商品券,旅行券であり,順位に大きな変動はなかった.各行動変容ステージの運動取組動機率が50%に達するインセンティブ希望金額は,前熟考期が2,000円,熟考期が1,000円,準備&実行期が1,500円,維持期が500円であった.結論:運動行動を動機づける強さは,インセンティブの内容(種類,金額)や運動の行動変容ステージによって異なることが明らかとなった.今後は,本研究を基にしたインセンティブによる運動実践率向上の検証が課題となる.