著者
羽渕 琢哉 橋本 隆志 中野 聡 古屋 繁
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.61, 2014

本研究は,1960年から2013年までに発売された国産乗用車(軽自動車・商用車を除く)の車体形状の変化を時系列で追うことで,変化の主要な傾向をマクロ的な視点で把握するとともに,その要因について考察した。 327台の車種(3BOXのみ)の諸元や基本寸法をもとに,それらを22の比で表したものをデータとして,主成分分析を行い,変化の主たる因子を7つ抽出した。 因子は大きく ①キャビンの大きさ、形、位置などつまり室内空間を空力などとどう折り合いをつけていくかを考えるもの ②前後のオーバーハング、つまりFFとFRという駆動方式の関係を示すもの ③空力特性の向上 の3つに分類できた。 またクラスター分析を行い得られた樹形図からは,一時は車体形状の多様化が見られたが,近年は車体形状の収束が見られる。現状の車体形状は,①大きなキャビンをもつFFのスモールカー,②中サイズのFF,③スモールキャビンのFRの大型車の大きく3つのグループがある。
著者
吉村 歩 山崎 古都子
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.70, no.587, pp.65-71, 2005-01-30 (Released:2017-02-11)
参考文献数
40
被引用文献数
1 1

The purpose of this study is to. examine the distribution of the Tsumairi and the Hirairi through the analysis of thatched house in Shiga prefecture. The result are as follows: (1) Tsumairi is distributed especially in northern area. (2) The north-south axis of roof and the south door are related to Tsumairi style. (3) Tsumairi is highly related to the weather conditions, especially snow which is much influenced from Lake Biwa. (4) The difference of the roof maintenance management between the northern area and the southern area is found. (5) The correlation with the custom in the heavy snow area and the distribution of Tsumairi area is identified.
著者
古澤 直人
出版者
法政大学経済学部学会
雑誌
経済志林 = 経済志林 (ISSN:00229741)
巻号頁・発行日
vol.80, no.4, pp.339-380, 2013-03-15

This paper considers factors in the Heiji Disturbance and the circumstances of a nine-day incident through an examination of the theory of Mr. Syousuke KAWACHI (河内祥輔). The conclusions are as follows.(1) The situation in aristocratic circles after the Hougen Disturbance was not stable.(2) The confrontation between a direct Imperial government group and a cloister government group began from the time of GOSHIRAKAWA’s (後白河) abdication from the throne.(3) Mr. KOUCHI pointed out the motives of the original Crown Prince in the lead-up to the nine-day incident, but there are no historical records that can establish the truth about “GOSHIRAKAWA’s intentions.”(4) It was not a “fire due to negligence” but “arson” in the case of the SANJOUDONO (三条殿) fire during the nine-day incident. Retired emperors were moved to the Imperial Palace because of the “arson”, and the SHINZEI (信西) family’s influence was eliminated at the same time.(5) Evidence of GOSHIRAKAWA’s hatred of SHINZEI is thin.(6) The joint conspiracy to exclude the SHINZEI family continued until February 20th the following year.(7) There was no theory that clearly drew a connection in the rebel forces from NOBUYORI (信頼) to GOSHIRAKAWA. (8) The SHINZEI family’s isolation is due to the fact that the main characters in the nine-day incident were anti-SHINZEI groups. (9) The account of the incident was re-written 25 or 26 days afterwards, but this was not done to conceal GOSHIRAKAWA’s intentions but to water down the extent of TUNEMUNE (経宗) and KOREKATA’s (惟方) participation.
著者
池永 満生 吉川 勲 古城 台 加藤 由美子 綾木 歳一 梁 治子 石崎 寛治 加藤 友久 山本 華子 原 隆二郎 Ikenaga Mitsuo Yoshikawa Isao Kojo Moto Kato Yumiko Ayaki Toshikazu Ryo Haruko Ishizaki Kanji Kato Tomohisa Yamamoto Hanako Hara Ryujiro
出版者
宇宙開発事業団
雑誌
宇宙開発事業団技術報告 = NASDA Technical Memorandum (ISSN:13457888)
巻号頁・発行日
pp.306-338, 1994-10-20

HZE(高エネルギー重荷電粒子)および宇宙放射線の遺伝的影響を調べるため、ショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)の成虫雄と幼虫をスペースシャトル/エンデバー号(STS-47)に搭載し、雄の生殖細胞(精子やその元となる精原細胞など)に起こる伴性劣性致死突然変異と、幼虫の翅原基体細胞に起こる染色体のつなぎかえによる突然変異を調べた。用いた系統は、標準的な野生株(Canton-S)と放射線高感受性株(mei-41)である。各系統で、成虫雄は200匹ずつ、幼虫は約6000匹ずつを搭載し宇宙環境に曝すとともに、ほぼ同数を地上対照群として、宇宙飛行群と同じ環境条件(温度と湿度)で飼育した。宇宙飛行は約8日間であった。帰還した雄のハエは、伴性劣性致死突然変異を調べるため、検出用系統の処女雌に交配し、次々世代で致死遺伝子を保有しているX染色体を検出した。宇宙飛行群の致死遺伝子をもった染色体頻度は、地上対照群の頻度に比べて、野生株では2倍、放射線高感受性株では3倍高かった。幼虫は、帰還時にほとんどが蛹になっており、翌日より徐々に羽化が始まった。羽化した成虫は、順次70%アルコールで貯蔵し、後に翅標本を作成して、染色体突然変異由来の翅毛変異スポットを調べた。野生株では、宇宙飛行群と地上対照群の頻度は、ほぼ同じであった。放射線高感受性株から分離してくるMuller-5個体における頻度は、地上対照群に比べて宇宙飛行群では、1.5倍高かった。しかし、放射線高感受性個体における宇宙飛行群の頻度は、地上対照群に比べて有意に低い頻度を示した。地上対照群に比べて、宇宙飛行群の劣性致死突然変異の高頻度は、生殖細胞において、放射線と微小重力の突然変異誘発作用への相乗効果を示唆している。しかし、この相乗効果は、体細胞の染色体突然変異誘発作用に対しては観察されなかった。
著者
古屋 俊樹 木野 邦器
出版者
日本醸造協会
巻号頁・発行日
vol.113, no.2, pp.64-70, 2018 (Released:2018-05-28)
著者
木村 栄理子 深町 加津枝 古田 裕三 奥 敬一 柴田 昌三
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
日本造園学会 全国大会 研究発表論文集 抄録
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.51, 2007

本研究は、京都市嵯峨嵐山における竹林景観の管理状況の実態と、景観保全施策について明らかにし、景観保全施策が景観を良好に保つためにどのような役割を果たしているか検証した。対象地の竹林の管理状況と景観保全施策とを比較検討した結果、古都保存法による買取制度により、景観上重要な私有地の竹林を行政所有とになり、竹林の消失が抑制されていた。しかし、竹林景観を適正に管理する体制は確立しておらず、一部の地元住民の有志に頼った管理がなされているにすぎなかった。また、厳しい景観保全施策の対象外の地域において、竹材や筍生産林として管理が行なわれ、竹林景観として維持されていること等が明らかになった。
著者
工藤 真哉 対馬 伸晃 澤田 善章 斎藤 文匡 本村 文一 高島 徹 古川 利有 鈴木 唯司 黒滝 日出一 増森 二良 渡辺 耕平 稲積 秀一
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.82, no.10, pp.1594-1602, 1991-10-20 (Released:2010-07-23)
参考文献数
15
被引用文献数
2 2

1983年10月より1989年6月までの間に弘前大学泌尿器科で膀胱移行上皮癌と診断定れ, BCG膀胱内注入療法をうけた120症例における副作用をまとめるとともに, 重篤な合併症とBCG投与との関連性について検討を加えた. 局所的には, 頻尿, 排尿痛などの膀胱刺激症状が102例 (85.0%), 血膿尿が46例 (38.3%) だった. 全身的には, 発熱が43例 (35.8%), 血清GOT, GPT値異常が9例 (7.5%), 全身倦怠感が3例 (2.5%) だった. 重篤な合併症としては, 膀胱容量が50ml以下の高度萎縮膀胱が4例に, 難治性関節炎が2例に, 間質性肺炎が1例に認められた. 高度萎縮膀胱の4例ともに, BCG膀注前後に膀胱部分切除術を施行定れており, 3例はBCG膀注回数が10回以上であった. 低膀胱容量状態に加え, BCG膀注回数が多いことが萎縮膀胱の誘因となることが推. 定れた. また, 4例中2例は非可逆性であり, 組織学的には, 筋層の線維化がより高度であったが, 結核性変化は認めず, 可逆性か否かは線維化の程度により決まると思われた. 難治性関節炎の2例ともに, 関節穿刺液の結核菌培養は陰性で, 非特異的炎症反応だった. 重篤な間質性肺炎の1例は, 気管支鏡生検組織において, 肺胞中隔の著明な線維化とリンパ球浸潤を認めたが, 結核性変化は認めず, BCGに対する過敏性反応が病因であると考えられた.
著者
古賀 裕之 谷口 忠大
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.144-156, 2014 (Released:2014-11-14)
参考文献数
19

本稿では話し合いにおいて,参加者の自由な発話タイミングを阻害することなく,均等な発話を促すことのできるコミュニケーション場のメカニズムとして発話権取引を提案する.発話権取引では参加者に等しい数の発話権が与えられ,これを自由に行使することで参加者は話し合いに参画することができ,また,発話権は自由に融通しあう事ができる.このメカニズムの特徴を実験に基づいて検討した.また,経済学的な考察を与えた上で,付加的な要素として発話振興券を導入し,その導入効果を実験に基づき評価した.発話権取引は,話し合いにおいて誰かが司会を行う負担を減らし,また,意思表示や理由に関する発言数を増やすことが分かった.
著者
武田淳子 松本 暁子 谷 洋江 小林 彩子 兼松 百合子 内田 雅代 鈴木 登紀子 丸 光惠 古谷 佳由理
出版者
千葉大学看護学部
雑誌
千葉大学看護学部紀要 (ISSN:03877272)
巻号頁・発行日
no.19, pp.53-60, 1997-03
被引用文献数
8

本研究は,小児科外来受診中の2歳から6歳の小児を対象として,採血時に小児がとる対処行動の特徴を明らかにする事を目的とした。28名のべ33の採血場面を観察し,以下の結果が得られた。1.処置前・中・後と経過がすすむにつれて小児のとる対処行動は減少した。2.処置の全経過を通して自己防衛行動が最も多く,中でも目で見て確認する行動が最も多かった。3.2〜3歳の年少幼児に比して4〜6歳の年長幼児は,処置時にとる対処行動数が多く,多様であった。4.処置に主体的に参加する行動を示した小児は,泣かずに処置を受けていた。
著者
古島 義雄
出版者
福山大学経済学研究会
雑誌
福山大学経済学論集 (ISSN:02884542)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.1-26, 2014-03

公表された数値から推計すると、銀行が直接あるいは与信者として関与するシャドーバンキングの規模は10~20兆元であり、15兆元とするとGDPの29%、預金の16%である。シャドーバンキング拡大の第1の背景は2004年から法律が整備され、2007年に導入された自己資本比率規制、BIS規制にある。第2は、金融政策であり、人民元の為替レートを米ドルに実質的に固定する為替政策によって、介入額が大幅に増加し、その財源を準備預金に頼ってきた結果、高率の預金準備を回避するためにも、オフバランス取引が選好された。第3は、資本市場の不振であり、2007年に株価はピークを付けた後、株式の新規発行はほとんど不可能となった。一方、リーマンショック以降の景気刺激策として、地方政府の財政出動が行われ、その資金調達の多くが銀行借り入れによるものと推測される。かくして、すべての当事者にとってオフバランスとすることが有利となり、通常の銀行業務をオフバランス化した結果、シャドーバンキングが急増してきたと推測される。
著者
古田 和久
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.80, pp.207-225, 2007-05-31 (Released:2018-07-01)
参考文献数
27
被引用文献数
1

This paper examines the impact of social class and a variety of attitudes regarding society and education on attitudes toward educational expenditures. In Japan, the rapid rise of educational participation rates has been strongly supported by household expenditures. The scale of private funding is very large in comparison with other countries, and not only high income parents, but also low income ones, make expenditures for their children’s education. Therefore, the following question arises: what motivates Japanese people to give education to their children? Previous research on economics and the sociology of education has focused on investment and consumption. However, considering that the motives for educational expenditures are complex and are influenced by a variety of characteristics of parents, including attitudes on society and education, this paper investigates attitudes toward educational expense using data from the 2003 National Survey on Work and Daily Life. In order to identify significant patterns in many variables, decision tree analysis is used as a data mining techniques.Following a brief introduction of decision tree analysis, the technique is applied to delineate the key features that distinguish between people who are eager to pay their children’s educational expenses and those who are not. First, the data indicate that many people believe that parents should pay for nearly all of their children’s educational costs. Second, decision tree analysis reveals that the most important factor influencing the payment of educational expenses is not the benefit of education, but rather the recognition of educational inequality in contemporary Japanese higher education. People who perceive educational opportunities as being equal are more willing to pay for their children, because they believe that there is stiff competition for educational credentials. Third, investment and consumption are important factors for people who believe there is educational inequality. As a result, the motive for making educational expenditures depends on attitudes toward society and education.On the other hand, the group that showed most strongly negative attitude is people who believe that educational opportunities are closed by family income and that their own subjective social status is low, and that education does not play a central role for achieving high income and social status. This finding suggests that at present, educational costs are very heavy, and that if the burden of tuition fee and other educational expenses clearly brings an awareness of educational inequalities according to family income, many people will perceive education as being meaningless for them.