著者
ジメネス フェリックス 加納 政芳 吉川 大弘 古橋 武
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.A-F93_1-10, 2016-05-01 (Released:2016-05-13)
参考文献数
33
被引用文献数
3

This paper reports feasibility of collaborative learning with educational-support robots between human. We designed a robot to prompt the constructive interaction. Constructive interaction has been regarded as a foundation of collaborative learning. Constructive interaction occurs when two students are solving the same question. Therefore, the robot is designed that alternately perform the speaker motion and listener motion to occur constructive interaction with human.In the speaker motion, the robot explains a solving method to the partner and solves a question. Moreover, the robot improves its accuracy rate as learning progress. In the listener motion, the robot does not solve a question and paying attention to a partner who is solving the questions. The robot learns while solving a question issued by learning system with a college student. The college students learned in the learning system with the robot for one month and were videoed during that time to see how they learned. This results of the study suggest that robot, which alternately solves the question with a human and improves its accuracy rate as learning progress, prompts learners to learning by constructive interaction with robot in collaborative learning. This constructive interaction indicates that learners alternately solve the question with robot and listen to robot's speaking. However, learners interest in robot decrease when robot improves its accuracy rate at 100% and performs the same action. Additionally, the screen agent, which is designed same action as robot, does not prompt some learners to learning by constructive interaction because they feel lousy that screen agent could not solve the question correctly, so they ignore what the screen agent says. The same situation was occurred in some learners learning with robot
著者
青山 秀明 家富 洋 池田 裕一 相馬 亘 藤原 義久 吉川 洋
出版者
東京大学経済学会
雑誌
經濟學論集 (ISSN:00229768)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.46-58, 2012-07

論文/Article
著者
吉川 宏
出版者
北海道大学法学部
雑誌
北大法学論集 (ISSN:03855953)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.66-157, 1963-08

4 0 0 0 OA 鳴門秘帖

著者
吉川英治 著
出版者
大阪毎日新聞社[ほか]
巻号頁・発行日
vol.前編, 1927
著者
西 智弘 武見 綾子 吉川 幸子 荒木 亜紀子 宮森 正
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.341-345, 2013 (Released:2013-07-17)
参考文献数
10

【背景】がんサロン(以下, サロン)の開催の多くは日中に限られており, 夜に開催しているサロンと比較検討を行った報告はない. 【目的】昼と夜のサロン開催時間での参加人数, 参加理由の差などを比較検討し, 昼のサロンの問題点を探索的に検討する. 【方法】2012年7月~12月にサロンを, 一方は14時, 一方は18時から各2時間開催し, 参加者へのアンケートをもとに検討を行った. 【結果】延べ69名が参加し, 昼は22名(32%), 夜は47名(68%)であった(p=0.004). アンケートは55名から回収し, 回収率は80%. 60歳未満は昼8名(40%)であったのに対して, 夜は21名(60%)と多い傾向にあった. 参加時間の選択理由について昼は「特になし(55%)」が, 夜は「仕事の都合(34%)」が最多であった. 【考察】日中のサロン開催は若い働く世代が参加しにくい傾向があり, 夜のサロン開催は有用である可能性がある.
著者
吉川 欣亮 設楽 浩志 野口 佳裕 STEVE Brown 奥村 和弘
出版者
東京農業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

新規難聴モデルマウスの樹立およびそれを応用した難聴発症機構の解明を目指し、ポジショナルクローニングおよび分子間相互作用解析に基づき研究を実施した結果、以下の主要な成果を得た。1)2種の難聴モデルマウスの発症原因遺伝子が共通してMyosinVIであることを明らかにした。2)発現解析および蛋白質相互作用解析に基づき、4.1BおよびGelsolinが感覚毛伸長に機能することを明らかにした。3)SansおよびWhrlinの2重変異マウスの表現型から両者が有毛細胞上の感覚毛の平面細胞極性に機能することが示された。
著者
木村 勝彦 大楽 和正 山田 昌久 卜部 厚志 荒川 隆史 高田 秀樹 大野 淳也 向井 裕知 岡田 憲一 平岩 欣太 赤羽 正春 吉川 昌伸 吉川 純子 西本 寛 三ツ井 朋子
出版者
福島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

縄文時代の木柱に年輪酸素同位体分析を加えた年輪年代学的解析を加えることで、新潟県青田遺跡の集落ではBC477年前後とBC530年前後の2回、それぞれ短期間に集中的に10棟以上の建物が建てられたことが明らかになった。縄文の建物に実年代がついたのは初めての成果であり、さらに廃棄層やクリの初期成長の変化などを加えて実年代をつけた詳細な解析が実施できた。また、現生の森林での実験を加えた詳細な花粉分析により、青田遺跡集落の数十m近傍にクリ林が存在していて、人為的な維持管理がなされていたことが確実になった。
著者
近田 文弘 李 秉潰 吉川 佳弥乃
出版者
日本植物分類学会
雑誌
植物分類・地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.68-74, 1989-07-30

夜来香の花の構造について,特に雌蕊,雄蕊,副花冠の発生に注目して観察した。夜来香は中国南部の広東省を中心に分布しており,約10種が記載されているTelosma属のタイプ種である。夜来香は淡黄色の小花を葉腋に沢山つけるつる植物で,花には甘い香りがあり,広東省ではサラダや油炒めにして食するという。夜来香の花の形態についてはすでに著者の一人李秉滔が記載しているが,顕微鏡レベルでの固体発生は観察されていない。夜来香の雌蕊は他のガガイモ科植物と同様に二心皮性で,柱頭は大きく縦断面では台型である。胎座式は亜周辺胎座で,胚珠の数はイケマなどより多い。雄蕊先端の葯は二室性で,花粉塊はガガイモ科内では進んだ型といわれる双花粉塊となる。雌蕊と雄蕊も共に最初は指状の突起として発生を始める。副花冠は花系の背面の縦に並んだ二つの突起として発生し,花の発生の後期に急速に発達して上部が二枚に分れた弁状の副花冠となる。夜来香の花は花冠が良く発達し,副花冠や肉柱体をその花冠の中に包み込んでいるが,副花冠や肉柱体の構造は,これらが裸出しているイケマの花と同様である。
著者
吉川 日出行
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.582-587, 2008-12-01

情報爆発時代に即したファインダビリティとはなにか。そもそもユーザが情報をさがす際にはどのようなシーンがありどのような行動を取っているのだろうか?本稿ではユーザの情報検索行動に注目し,検索シーンをいくつかに分類して各シーンの特徴を考察する。次に各シーンにおけるファインダビリティを向上させるための手段(ツール)について検討を行う。また,検索エンジンの利用時のプロセスとその際の支援ポイントについても分析している。ユーザの情報検索行動は常に変化するものであり,ファインダビリティ向上のためには,シーン毎の特徴やプロセス毎のニーズに合わせた支援方法を検討することが肝要である。
著者
佐野 友美 吉川 徹 中嶋 義文 木戸 道子 小川 真規 槇本 宏子 松本 吉郎 相澤 好治
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.115-126, 2020-05-20 (Released:2020-05-25)
参考文献数
26
被引用文献数
2

目的:医療機関における産業保健活動について,現場での事例をもとに産業保健活動の傾向や実施主体別の分類を試み,現場レベルでの今後の産業保健活動を進めていくための方向性について検討した.対象と方法:日本医師会産業保健委員会が各医療機関を対象に実施した「医療機関における産業保健活動に関するアンケート調査」調査結果を活用した.自由記載欄に記載された現在取り組んでいる産業保健活動の記述内容を対象とし,複数名の専門家により各施設の産業保健活動の分類を試みた.特に,1.個別対策事例(具体的な取り組み事例・産業保健活動の主体)2.産業保健活動の取り組み方を反映した分類の2点に基づき分類を行い,各特徴について検討した.結果:有効回答数1,920件のうち,581件の自由記載があり,1,044件の個別の産業保健活動が整理された.1.個別対策事例のうち,具体的な取り組み事例については,個別対策毎の分類では「B労務管理・過重労働対策・働き方改革(35.7%)」,「Cメンタルヘルス対策関連(21.0%)」,「A労働安全衛生管理体制強化・見直し(19.3%)」等が上位となった.また,施設毎に実施した取り組みに着目した場合,「B労務管理・過重労働対策・働き方改革関連」と「Cメンタルヘルス対策関連等」を併せて実施している施設が施設全体の13.2%に認められた.産業保健活動の主体による分類では,「a:産業保健専門職・安全衛生管理担当者(71.7%)」が最も多く,「b:現場全体(18.4%)」,「c:外部委託(2.4%)の順となった.2.産業保健活動の取り組み方を反映した分類では①包括的管理(42.0%)が最も多く,②問題別管理(23.8%),③事例管理(16.5%)の順となった.考察と結論:医療機関における産業保健活動として,過重労働対策を含む労務管理・働き方改革,メンタルヘルス対策への取り組みが多く実践されていた.特に,メンタルヘルスにおける一次予防対策と過重労働における一次予防対策を併せて実施している点,外部の産業保健機関,院内の各種委員会,産業保健専門職とが連携し産業保健活動が進められている点が認められた.厳しい労働環境にある医療機関においても,当面の課題に対処しつつ,医療従事者の健康と安全に関する課題を包括的に解決できる具体的な実践が進められつつある.また,各院内委員会や外部専門家との連携によりチームとして行う産業保健活動の進展が,益々期待される.
著者
浅田 拓史 吉川 晃史 上總 康行
出版者
日本原価計算研究学会
雑誌
原価計算研究 (ISSN:13496530)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.154-166, 2016 (Released:2017-04-17)
被引用文献数
4

本稿では,株式会社小松製作所における経営改革事例の分析を通じて,その成功要因として,経営者による危機意識の醸成とビジョンの提示,TQC による現場知識の存在とSVM 管理の親和性,結節点としての会計部門の役割を明らかにした。とりわけ会計部門がナレッジ・エンジニアとして行為することが知識創造としての管理会計変化を促進することを示した。
著者
川口 哲 堺 登志子 児玉 光顕 上山 博史 木内 淳子 吉川 清
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR CLINICAL ANESTHESIA
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.359-362, 1986-11-15 (Released:2008-12-11)
参考文献数
8

マイルズ手術後の膀胱内結石の50歳の患者に対してペルカミンS®による脊椎麻酔を施行しT6以下に十分な麻酔が得られたにもかかわらず priapism を呈した症例を経験した.患者の陰茎は, 脊椎麻酔の効果が薄れるにつれ改善傾向を示し麻酔施行後約2.5時間で元の状態に復帰した. 一週間後, 笑気-酸素-ケタミンによる全身麻酔に変更し手術を行ない得た. ケタミンは持続滴下を行ない1mg/kgの時点で手術操作を開始し, 総量2mg/kgを静注したが priapism の発生は認められなかった.
著者
中尾 充宏 吉川 敦 横山 和弘
出版者
九州大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005

研究分担者がそれぞれの分担課題に関して恒常的に検討を続け、以下のような研究実績を得た。1.中尾は、前年度に引き続き非線形楕円型境界値問題および定常Navier-Stokes方程式の解に対する数値的検証法の改良・拡張について検討し、特に本年度は、以下の成果を得た。(1)楕円型方程式の検証に関して、double turning pointの検証法を定式化し具体例を与えた。 (2)非凸領域上の定常Navier-Stokes方程式で記述されるStep-flow問題に対してその解の精度保証付きで計算することに成功した。 (3)特異随伴作用素をもつ楕円型問題に対する有限要素解の構成的なL-2誤差評価について、Aubin-Nitscheの技巧を用いない計算機援用的方法により数値的に評価する知見を得た。 (4)空間3次元熱対流問題の精度保証に関して、新たな分岐解の検証定式化とその実例を与えた。2.吉川は、ソボレフ空間の計算可能構造について、数値解析における有限要素法との関連を見込むために、ソボレフ関数の近似と近似の評価の管理を帰納的関数により行う手法について知見を得た。3.横山は、制御におけるパラメータ値の決定の最適化問題に対して、記号的代数的手法を適用し、大域的最適値を正確に求めることに成功した。数学研究応用では、逆ガロア問題において数値計算による証明を行い、さらに分解体計算では代数的近似を利用した高速化を実現した。
著者
吉川 勝秀 本永 良樹
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
建設マネジメント研究論文集 (ISSN:18848311)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.371-376, 2006-12-05 (Released:2010-06-04)
参考文献数
12

首都圏での自然と共生した流域圏・都市の再生に資することを目的として, 水と緑の環境インフラの変遷および現状を把握し, 今後の都市計画, 国土計画における活用について考察した. 首都圏における環境インフラはこの百年間で大きく喪失したが, 今なおまとまった緑や都市の骨格となりうる河川・水路が残されていることを示した. そして, 首都圏の水と緑の環境インフラの保全・再生では, これまでは取り上げられていない中川・綾瀬川流域の河川網や水田を例に, それらが保全・再生すべき自然環境として認識されてよいことを示した.
著者
吉川 敏之
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.118, no.3, pp.184-189, 2012-03-15 (Released:2012-08-03)
参考文献数
10

Today's portable computing devices are suitable for geological field surveys because digital field data are easily stored and shared. However, most specialized systems for this purpose are expensive and require specific software and/or hardware. Widespread use of such systems would require readily available hardware and software. As a case study, a portable computer and software for general use were tested in a geological field survey, yielding the following results. The advantages of using a digital device were text input using a clipboard extension utility, sketching over a digital photograph, GPS assistance, and the portability of reference data. Disadvantages include the lower quality of route maps, difficulty in sketching by hand, limited battery life, and the need to protect the device from water and dust. Despite these limitations, the use of portable computing devices is already advantageous in some cases and has the potential for greater convenience during field work.
著者
吉川 琴子 谷地森 秀二 加藤 元海
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.329-336, 2017 (Released:2018-02-01)
参考文献数
12

ニホンカワウソは1979年に高知県須崎市の新荘川で目撃された個体を最後に,現在では絶滅種とされている.これまでの報告では,目撃日時や場所に関する情報の蓄積が乏しかったため,1979年に目撃されたニホンカワウソに関する行動範囲や個体数などの詳細はわかってない.本研究では,須崎市教育委員会生涯学習課に保管されていたニホンカワウソの資料を電子化して保存するとともに,可能な限り目撃情報の日時と場所を特定し情報を整理した.新荘川周辺で時間や場所を特定できた目撃情報は276件あり,そのうち1979年の情報が111件であった.1979年は,短期間に首に身体的な特徴をもった個体ともたない個体が局所的に同時に見られた.加えて,同時期に人慣れしている個体としていない個体が局所的に見られたことから,この時期に目撃されたニホンカワウソは行動的にも特徴が異なっていた.1974年にはメスの個体,1975年にはオスの個体が新荘川周辺で生存していたことがわかっている.ニホンカワウソの寿命は10–15年と推定されていることから,1979年の新荘川周辺には複数個体生存していた可能性が示唆される.
著者
吉川 ひろみ
出版者
日本作業科学研究会
雑誌
作業科学研究 (ISSN:18824234)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.1-9, 2023 (Released:2023-07-06)
参考文献数
30

本論の目的は,作業科学と幸福との関連を考えることである.まず,作業療法士である筆者の疑問から,どのように作業を考えてきたかを紹介する.作業の意味についての議論を 8 側面で整理することができる.まず感情を揺さぶる作業は意味がありそうだ.作業は手段にもなるし目的にもなるし,両方のこともある.作業を通して人,物や場所,時間を超えたつながりを感じる.アイデンティティとつながる作業もある. 作業は健康に影響を与える.ある作業を生活に取り入れると生活が組織化される.作業には時代や文化が作り出す社会的意味がある.作業をどの分類として語るかにより何らかの意味を帯びる.そして,前野氏による幸福の 4 因子が,上記の 8 側面とどのように関連しているかを考える.最後に,作業の類似語である労働についての考えを参照し,作業科学が個人の幸福を超えて,社会のビジョンとして作業的公正を目指していることに言及する.
著者
吉川 衛
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.118, no.5, pp.629-635, 2015-05-20 (Released:2015-06-11)
参考文献数
21
被引用文献数
7

近年, 日常診療において副鼻腔真菌症に遭遇する機会が増加してきているが, その理由として, 患者の高齢化はもとより, 糖尿病患者の増加や, ステロイド, 免疫抑制薬, 抗悪性腫瘍薬などの使用により免疫機能の低下した患者の増加などが考えられる. さらに, 副鼻腔で非浸潤性に増殖した真菌に対する I 型・III 型のアレルギー反応や T 細胞応答などにより病態が形成される, アレルギー性真菌性鼻副鼻腔炎のような特殊な副鼻腔真菌症も報告されるようになった. 急性および慢性浸潤性副鼻腔真菌症の治療は, 外切開による拡大手術が第一選択となり, 手術による病巣の徹底的な除去と, 抗真菌薬の全身投与を行う. 慢性非浸潤性副鼻腔真菌症の治療は, 抗真菌薬の全身投与は不要で, 手術により真菌塊を除去した上で病的な粘膜上皮を切除すると予後は良好である. アレルギー性真菌性鼻副鼻腔炎の治療は, 現在のところ手術療法が第一選択で, 術後のステロイドの全身投与が有効とされている. このように, いずれのタイプにおいても副鼻腔真菌症では手術治療が中心となるため, 耳鼻咽喉科医が的確に診断し, 治療を進めていくことが求められる. 2014年4月に「深在性真菌症の診断・治療ガイドライン2014年版」が刊行され, 副鼻腔真菌症について治療アルゴリズムが示されている. 非浸潤性以外の副鼻腔真菌症はどれも発症頻度の高い疾患ではないため, エビデンスレベルの高い報告は国内外を問わず存在しなかったが, これまで蓄積された報告に基づくこの治療アルゴリズムが, 今後の診療の指標となると考える.