著者
金子 元久 矢野 眞和 小林 雅之 藤村 正司 小方 直幸 山本 清 濱中 淳子 阿曽沼 明裕 矢野 眞和 小林 雅之 濱中 淳子 小方 直幸 濱中 義隆 大多和 直樹 阿曽沼 明裕 両角 亜希子 佐藤 香 島 一則 橋本 鉱市 苑 復傑 藤墳 智一 藤原 正司 伊藤 彰浩 米澤 彰純 浦田 広朗 加藤 毅 吉川 裕美子 中村 高康 山本 清
出版者
東京大学
雑誌
学術創成研究費
巻号頁・発行日
2005

本研究は、1)日本の高等教育についての基礎的なデータを大規模調査によって蓄積し、その分析をおこない、2)それをもとに各国の高等教育との比較分析を行うとともに、3)その基礎にたって、日本の高等教育の課題を明らかにすること、を目的とした。とくに大規模調査については、(1)高校生調査(高校3年生4000人を、その後5年間にわたり追跡)、(2)大学生調査(127大学、約4万8千人の大学生について学習行動を調査)、(3)社会人調査(9千事業所、2万5千人に大学教育の経験、評価を調査)、(4)大学教員調査(回答者数約5千人)、(5)大学職員調査(回答者数、約6千人)、を行い、それをデータベース化した。
著者
吉川 徹
出版者
Japan Society of Family Sociology
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.61-64, 2009

「教育格差」が広く報道され,その原因を家庭の経済力のばらつきが大きくなったことに求める議論を多く見かけるようになった。しかしこのような経済学的な解釈を強調しすぎると,背後にある社会学的な構造への目配りを欠くことになりかねない。私たちは,もともとこのトピックが階級・階層の「教育機会の不平等」という命題と重なりをもつことを想起すべきだろう。<br>こうした目配りをしつつ,家族社会学から「教育格差」を見直すとき,重要なキーワードとなるのは母親学歴である。なぜならば,これが子育ての志向性,ジェンダー,文化資本,女子就労などの多くの「戦略的」な概念の結節点にある変数だからである。とくにいま,この母親学歴の分布が,過去の高学歴化の帰結として大卒・非大卒に二極化しつつある現状には注目する必要があるだろう。要するに「教育格差」という現象は,近年の母親学歴の分断に起因する部分と考えることができるのである。
著者
岡部 貴博 吉川 大弘 古橋 武
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.18, no.5, pp.689-700, 2006-10-15
被引用文献数
3 5

現在,多くの病院では,医療従事者が勤務中に遭遇したヒヤリとしたこと,ハッとしたことをレポート形式で報告する制度が採用されている.このレポートはインシデントレポートと呼ばれており,事故の種類や発生場所などのメタデータと,大部分は自由記述の文章で記されている.インシデントレポートには,ヒューマンエラーを起こしやすい状況や,病院のシステムの改善点,事故の要因などの様々な重要な情報を含んでいることが多いため,インシデントレポートを解析することは医療事故を防止するための対策を発見するのに有用である.しかしこれまでは,定量化しやすいメタデータ部分を用いて,事故の発生件数の推移や,業務別の報告件数の割合を分析したり,病棟や部署での報告件数を比較するだけにとどまっている.そのため,事例の大まかな傾向をつかむことはできても,各事例の中に含まれている重要な情報の解析はできていない.一方で近年,自由記述の文章から有益な情報を抽出する,テキストマイニングに関する研究が盛んに行われている.本論文では,メタデータと語句の共起情報を利用したテキストマイニング手法を提案し,インシデントレポート解析への適用を行う.提案手法は,メタデータを最上位とする階層構造で表現されたキーワードグラフを作成する.また,解析者が能動的に解析したい項目を掘り下げていけるという特徴を持つ.実際のインシデントレポートを対象とした評価実験により,提案手法の有用性を検証する.
著者
山本 秀男 吉川 厚
出版者
一般社団法人国際P2M学会
雑誌
国際プロジェクト・プログラムマネジメント学会誌
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.73-81, 2008-12-26

ナラティブアプローチとマンガ技法を組み合わせた教材を用いて、実務家(本学会会員)を対象に研修を行ったところ、高い満足度が得られた。参与観察により、研修のフェーズによってグループ討論の牽引者が異なることがわかった。また、課題解決の判断材料が主に背景情報と登場人物の表情であること、判断基準は受講者の過去の体験に依存することが定性的に確認できた。受講者の想像力を引き出し、研修効果を高めるためには、複数のシナリオが矛盾なく存在する物語の設計と現実感のある描画技法が重要である。
著者
大前 清嗣 小川 哲也 吉川 昌男 新田 孝作 大塚 邦明
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.46, no.9, pp.915-921, 2013 (Released:2013-10-05)
参考文献数
21
被引用文献数
1 1

透析患者において高カリウム(K)血症は心臓突然死の危険因子と考えられている.一方,心疾患合併患者では低K血症が致死性不整脈の誘因とされている.今回われわれは透析患者における血清K(SK)と心血管死との関連をコホート研究により検討した.当院外来透析databaseに登録された症例を対象とした.対象症例について心血管死をend pointとし2010年10月まで追跡しCox比例ハザード法により生命予後関連因子を抽出した.対象を透析前SKで層別化(SK≦4.5, 4.5<SK≦5.0, 5.0<SK≦5.5, 5.5 mEq/L<SK)し,説明変数には層別化したSKのほか,年齢,性別,合併症,透析歴,透析前後の血圧,生化学,末梢血検査値を用いた.Database登録の309例中data不備を認める16例と転院により追跡不能となった33例を除外した.解析対象の260例は男性149名,女性111名,平均年齢68.8歳で透析期間は5.6年であった.原疾患はDMが89名,心疾患合併が97名で全体の透析前SKは4.97 mEq/Lであった.平均観察期間3.3年で心血管死は43名であった.抽出された予後悪化因子は高齢,長期透析,血液濾過の施行,糖尿病,心疾患の合併,SK低値,CRP高値であった.層別化したSKのうちSK≦5.0 mEq/Lの2群が予後不良と関連しHazard比はSK≦4.5 mEq/Lで6.377,4.5<SK≦5.0 mEq/Lで2.733であった.透析患者においてSK高値が予後良好と関連し透析前SK>5.0 mEq/Lに保つ必要性が示唆された.
著者
吉川 高雄 小島 昭 大谷 杉郎 安田 榮一
出版者
THE CARBON SOCIETY OF JAPAN
雑誌
炭素 (ISSN:03715345)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.173, pp.148-153, 1996-07-30 (Released:2011-07-05)
参考文献数
28

In the paper, we prepared the carbon fibers/epoxy resin composites using modified carbon fibers by a new surface modification method named photo-oxygenation. Effects of the surface modification of carbon fibers on the properties of the composites and matrix resin have been studied through the estimation of color and dynamic viscoelastic properties of the composites. The obtained results are as follows.(1) Color and the dynamic viscoelastic properties of the composites change with carbon fibers' surface modified or not. So it is seen that the surface modification of reinforcing fibers changes not only the interphase but also the structure of matrix resin and its curing behavior.(2) The color properties and crosslinking density of the matrix resin are linearly related, so the color properties will be able to be applied for the quality control as curing estimation.
著者
松本 光司 吉川 裕之
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.96, no.11, pp.2456-2464, 2007 (Released:2012-08-02)
参考文献数
5

ヒトパピローマウイルス(HPV;human papillomavirus)は現在90以上の型が分離されているが,HPVの型によって感染部位と生じる疾患が異なる.子宮頸癌の90%以上からHPV DNAが検出され,我が国ではHPV16,18,31,33,35,52,58型の7タイプがとくにハイリスクである.海外ではワクチンがすでに市販されており,ワクチンによる感染予防が現実のものとなってきた.
著者
小西 葉子 芝池 亮弥 鄭 舒元 曹 洋 吉川 正俊
出版者
情報ネットワーク法学会
雑誌
情報ネットワーク・ローレビュー (ISSN:24350303)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.1-23, 2023-11-17 (Released:2023-11-17)

本稿は、法学の研究者と情報学の研究者が共同して、差分プライバシーを社会実装する際の法的課題を検討することを通じて、「高度化するデータ活用と個人情報保護の均衡を保つ」という社会的要請に応える研究の成果を示す。差分プライバシーとは、攻撃に対して返されるクエリ結果にノイズを付加することを要求し、プライバシー保護技術の安全性を定義する指標である。確率的意味を持つパラメーターによりプライバシー保護の程度が左右されることから、法的評価が困難な差分プライバシー技術であるが、本稿は差分プライバシーを用いたプライバシー保護の意義と限界に着目し、その法的な位置づけを明らかにする。研究手法としては、米国の国勢調査において実装された差分プライバシーをめぐる法的紛争の検討や、日本法との接続の観点から、高度な技術的手段に求められる透明性の水準・性質などの諸問題に迫る。
著者
衣笠 真理恵 吉川 ひろみ
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.564-571, 2023-10-15 (Released:2023-10-15)
参考文献数
27

脳卒中発症後3週から1年の作業遂行の質の推移について明らかにするため追跡調査を行った.遂行の質は発症後3週→1年の期間で統計上有意に向上していたが,一般的な機能回復曲線とは異なり上がり下がりを繰り返していた.個々のデータを見ると,心身機能が改善しても遂行の質が低下した者もあり,その逆もあった.6ヵ月→1年の期間は統計上有意な変化が見られなかったが,16名中6名の遂行の質が臨床上有意に向上しており,心身機能の低下した者が3名含まれていた.発症半年以降も遂行の質は改善するケースがあることが示唆された.遂行の質に着目することで,今まで捉えられなかったクライエントの変化を捉えることができる可能性がある.
著者
酒井 浩二 吉川 秀樹 徳田 仁子 松本 しのぶ 千葉 晃央 西川 潤 中木 直子 高見 茂
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2023, no.3, pp.180-187, 2023-10-16 (Released:2023-10-16)

大学設置基準改正で,2019年度から大学は学部等が連携して編成する教育課程「学部等連係課程」を置くことができるよう制度化された.本稿では,学部等連係課程の特色を概観し,本学で設置された学部等連係課程「人間健康学群」を事例として,設置の背景,連係学部,教育プログラムの特徴を概説する.社会課題の発見・解決力を修得して社会で活躍するための教育課程として,学部等連係課程の効率性と有効性を考察する.