著者
辻 浩史 望月 昭英 保坂 愛 吉澤 利弘 玉岡 晃
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.328-332, 2008
被引用文献数
3

症例は62歳女性で意識障害のため入院した.入院後,意識はすみやかに改善したが,血液検査で炎症所見,髄液蛋白高値をみとめた.頭部MRI上,拡散強調画像,T<sub>2</sub>強調画像にて脳梗塞様高信号域が散在していた.抗生剤,抗ウィルス薬を投与したが炎症反応は改善せず退院した.退院後,亜急性に異常行動が出現し,しだいに活動性が低下したため,再入院した.炎症反応の増悪と,頭部MRIにて脳梗塞様高信号域の増大をみとめた.脳生検にて,intravascular lymphomatosis(IVL)と診断し,rituximab併用多剤化学療法にて寛解しえた.RituximabはIVL治療において重要な追加薬剤となる可能性がある.<br>
著者
吉澤 拓也
出版者
日本結晶学会
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.75-76, 2021-05-31 (Released:2021-06-05)
参考文献数
10
著者
坂田 克彦 中村 芳樹 吉澤 望 武田 仁
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.82, no.732, pp.129-138, 2017 (Released:2017-02-28)
参考文献数
20
被引用文献数
1 3

Studies have previously been undertaken on the prediction of perceived spatial brightness aimed at achieving designs that take account of a feeling of brightness of space, and various estimation models and factors affecting the prediction of perceived spatial brightness are known. In this study the authors focused their attention primarily on factors other than average brightness to explain perceived spatial brightness in nonuniform luminance distribution with the aim of proposing an index which encompasses existing knowledge while being based on simple quantities. The authors set 32 different lighting conditions in an office with north-facing windows and measured the luminance images for each condition. They then asked subjects to evaluate the perceived brightness from two seats, one with the windows in sight and with no windows in sight, thereby providing 64 different luminance distribution and estimation value samples. Ten contrast images of different spatial frequency were decomposed from each luminance image by wavelet transformation symlet6, then AD (ambient directivity, low spatial frequency) and CD (contrast detail, high spatial frequency) were defined on the basis of each variance of contrast image. The authors used multiple regression analysis to obtain a multiple regression equation to explain spatial brightness using three variables: average luminance, or NB value; AD; and CD. AD lowers spatial brightness, while CD raises it. The estimated accuracy was greater than that achieved using a conventional equation. After considering the above, the authors suggested NSB (Natural scale of Spatial Brightness), a spatial brightness prediction model based on luminance contrast.
著者
石栗 太 榮澤 純二 齊藤 康乃 飯塚 和也 横田 信三 吉澤 伸夫
出版者
一般社団法人 日本木材学会
雑誌
木材学会誌 (ISSN:00214795)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.383-388, 2006 (Released:2006-11-28)
参考文献数
14
被引用文献数
4 4

小径丸太の土木資材への有効利用のために,異なる樹齢と地上高から採取された同程度の直径を持つヒノキ材の木材性質(丸太の気乾密度,ピロディン打込み深さ,年輪幅,容積密度及び縦圧縮強さ)を調べた。試料には,16年生林分の間伐材の地上高1.2 m部位から採取した丸太と64年生林分の主伐時に発生した地上高約18 m以上の林地残材から採取した丸太を使用した。16年生の丸太は,64年生の丸太の約 1/2 の年輪数から構成されていた。容積密度の平均値は,16年生と64年生でそれぞれ,0.39及び0.51 g/cm3 を示し,64年生の方が高い値を示した。16年生及び64年生ともに,ピロディン打込み深さと辺縁部の容積密度との間に負の相関関係が認められた。縦圧縮強さは,いずれの部位においても,16年生の試料と比較して64年生の試料の方が大きい値を示した。これらの結果から,強度が要求される土木資材等への利用にあたっては,同程度の直径であっても,樹齢や採取位置が異なると強度特性が大きく異なることに留意する必要がある。
著者
吉澤 卓哉
出版者
公益財団法人 損害保険事業総合研究所
雑誌
損害保険研究 (ISSN:02876337)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.1-63, 2017-08-25 (Released:2019-04-10)
参考文献数
101
被引用文献数
3

本稿は,直接請求権のない示談代行商品の意義を確認したうえで,直接請求権のない示談代行商品が弁護士法72条に抵触しないかどうかを検討するものである。検討の結果,たとえ直接請求権が存在しなくても,保険者が実施する示談代行は同条に抵触しないことが明らかになった。なぜなら,賠償責任保険における責任関係と保険関係との強い牽連性があり,たとえ責任関係の拘束力が認められないとしても,保険法で賠償保険金に対する先取特権が被害者に付与されたことからすると,同条における他人性を排除する程度に強い本人性が保険者に認められると考えられる。また,仮に本人性が認められないとしても,正当業務行為として違法性が阻却されると考えられるからである。 わが国において,保険者による示談代行は,自動車保険から個人向け賠償責任保険全般へと拡がり始めたが,未だ企業向け賠償責任保険では導入されていない。示談代行制度が保険契約者にとっても被害者にとっても有用だとすると,直接請求権の存否にかかわらず,必要に応じて事業者向け賠償責任保険にも導入していくべきであるが,直接請求権を設けないで示談代行制度を導入することは,法的にも実務的にも可能だと考えられる。
著者
荒牧 央 村田 ひろ子 吉澤 千和子
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.69, no.6, pp.62-82, 2019 (Released:2019-07-20)

NHKが1973 年から5 年ごとに行っている「日本人の意識」調査の最新の調査結果から、政治、ナショナリズム、日常生活、基本的価値観などを紹介する。主な結果は次のとおりである。・選挙やデモ、世論などの国民の行動・意見が、国の政治に影響を及ぼしていると感じる人が、調査開始以降、長期的に減少している。・天皇に対して「尊敬の念をもっている」という人は2008年以降増加しており、今回は41%で「好感をもっている」や「特に何とも感じていない」を上回り、45年間で最多となった。・在留外国人の増加を背景に、外国人との接触も増加傾向にある。ただ、外国との交流意欲は低下している。・仕事と余暇のどちらを優先するかについては、70年代には《仕事優先》が最も多かったが、80年代から90年代前半にかけ《仕事・余暇両立》が増加し最多になった。・職場、親せき、近隣の3つの人間関係において、密着した関係を望む人が長期的に減少している。・生活全体の満足度は長期的に増加している。今回は「満足している」が39%で、「どちらかといえば、満足している」を含めると92%の人が満足している。全体を通してみると、この45年間で、どの質問領域でも意識が変化しているが、特に家庭・男女関係で変化が大きい。一方、「年上の人には敬語を使うのは当然だ」「日本に生まれてよかった」などは多くの人に共有されている意識であり、割合もほとんど変化していない。
著者
吉澤 睦博 鬼丸 貞友 畑中 宗憲 内田 明彦 中澤 明夫 難波 伸介
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
地震工学研究発表会講演論文集
巻号頁・発行日
no.24, pp.1149-1152, 1997

1995年1月17日の兵庫県南部地震で被災した人工島に立地するLPGタンク群の1つのタンクについて、二次元有効応力解析法により、タンク基礎および周辺地盤の変状について検討した。また、今後の耐震設計の資料を得る目的で、液状化対策としての締固めによる地盤改良の効果を検討するため、タンク外周の改良幅と改良深さをパラメーターとする解析も実施した。その結果、地盤改良による過剰間隙水圧の抑制や沈下の低減の効果を確認し、かっ、さらに有効に沈下を抑制するためには、タンク外周の改良幅を増やすよりも埋立層の改良深度を増やす方が有効であることがわかった。
著者
岡田 洋二 首藤 亜紀 丘島 晴雄 吉澤 清良 大澤亜 貴子 紅林 佑介 大瀧 純一
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌 (ISSN:03685829)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.107-114, 2013 (Released:2013-01-29)
参考文献数
14
被引用文献数
1

唐辛子の辛味成分であるカプサイシン(capsaicin,CAP)の抗酸化活性部位を特定することを目的に,CAPの主要骨格であるグアヤコール構造を有する3種化合物の抗酸化活性( kinh) を速度論的に比較検討した。また,CAP分子表面上の静電ポテンシャルエネルギーの最大値(maximam potential energy,MPE)を分子軌道計算で求めて同様に検討した。速度論的に求めたグアヤコール誘導体のk inh値は4.4×10 3 ~ 1.2×10 4 M-1sec -1で,CAPでは5.6×10 3 M-1sec -1とほぼ同じ値であった。また,グアヤコール骨格を持たずCAPのacetamide部位を有するN -benzylacetamideには抗酸化活性が全く認められなかったことから,CAPの抗酸化活性を有する部位はグアヤコール骨格部分のフェノール性水酸基であることが推測された。この結果は,CAP分子表面上のMPEを分子軌道法に基づいた計算の結果からも確認することができた。以上,速度論的研究と分子軌道法に基づいた計算結果より,CAPの抗酸化活性部位はそのフェノール性水酸基であることが強く示唆された。
著者
阿部 誠 新沼 大樹 吉澤 誠 杉田 典大 本間 経康 山家 智之 仁田 新一
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.11-17, 2014-02-10 (Released:2014-05-22)
参考文献数
22

Because of simplicity, subjective evaluation methods with questionnaires have been used conventionally to assess biological effects of viewing visual images. However, these methods have low objectivity and low reproducibility, and it is difficult to evaluate the effects as a time series. On the other hand, physiological indices based on such as electrocardiography, photoplethysmography, and electroencephalography have commonly been used to evaluate the effects objectively and continuously. However, physiological indices may include psychological effects as well as physiological effects, which have been considered little in the conventional studies. In this study, therefore, in order to remove the psychological effects from the physiological indices as much as possible and to extract the physiological effects such as eye strain or visually induced motion sickness, we performed the experiment in which the same video was shown multiple times to subjects with an expectation of attenuation of the psychological effects by adapting to the experiment. From the experimental result, a physiological index related to correlativity of the baroreflex system was increased significantly with the repeat count of the experiment. The comparison between the physiological index and the questionnaire on psychological state has suggested that this fact was caused by a decrease in not only stress or anxiety to the experiment but also a decrease in concentration or a reduction of interests in the video image.
著者
内橋 隆 吉澤 俊介
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.112-117, 2015-03-10 (Released:2015-03-24)
参考文献数
36

Silicon surface reconstructions with metal adatoms are two-dimensional systems with atomic-scale thickness. We have successfully measured the superconducting transition of a representative silicon surface reconstruction Si(111)-(√7×√3)-In by electron transport measurement. In this article, we report our results together with the experimental techniques and future prospect for surface superconductors.
著者
吉澤 淑
出版者
日本味と匂学会
雑誌
日本味と匂学会誌 (ISSN:13404806)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.211-218, 2000 (Released:2018-05-30)
被引用文献数
1

ビール、ワイン、清酒の原料、製造法の違いが成分組成や香味に及ぼす影響の大きさについて考察し、それらの相違が結果として飲酒形態や酒質評価、表現へも大きく影響していることを述べ、具体例として、コク、キレの2評価用語をとりあげ、その評価する内容が三者で異なること、例えばワインではキレという表現は用いられない理由を考察し、更にアルコールの香味への働きが三者で異なることを述べた。
著者
吉澤 隆志 藤沢 しげ子
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.35-39, 2009 (Released:2009-04-01)
参考文献数
11
被引用文献数
1

〔目的〕自己学習授業と従来授業における授業意識の比較と,学習意欲との相関を検討した。〔対象〕某A専門学校理学療法学科学生(116名)とした。〔方法〕自己学習授業と従来授業とを実施し,授業意識アンケート結果について因子分析を行い,両者を比較した。また,学習意欲アンケート結果との相関を調べた。〔結果〕自己学習授業における因子分析結果のうち第1因子(自ら授業に取り組む姿勢)および第3因子(クラスメイトとの交流)は,従来授業よりも下位尺度得点が高かった。また,第1因子は主に内発的動機づけ,第3因子は学院への適応度との相関が見られた。〔結語〕自己学習授業は,内発的動機づけや学院への適応度を高めることの出来る授業形式であると考えられた。
著者
鈴木 絢子 秋山 今日子 西尾 陽平 田丸 精治 亀尾 由紀 中野 仁志 野口 慧多 寺田 豊 下田 宙 鈴木 和男 渡部 孝 吉澤 未来 後藤 慈 佐藤 梓 池辺 祐介 佐藤 宏 前田 健
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
no.39, pp.1-12, 2012 (Released:2014-01-30)

イヌジステンパーウイルス(Canine distemper virus;CDV)は食肉目動物に致死的な感染を引き起こす。イヌでの致死的な感染はワクチン接種により減少しているが,野生動物での流行は拡大している傾向さえ見受けられる。更には,中国ではヒトと同じ霊長類であるサルに流行し,多くのサルが犠牲となったばかりか,国内の検疫所でも見つかっている。本項では最近国内の野生動物で発生した事例を中心に紹介する。
著者
鈴木 絢子 秋山 今日子 西尾 陽平 田丸 精治 亀尾 由紀 中野 仁志 野口 慧多 寺田 豊 下田 宙 鈴木 和男 渡部 孝 吉澤 未来 後藤 慈 佐藤 梓 池辺 祐介 佐藤 宏 前田 健
雑誌
山口獣医学雑誌 (ISSN:03889335)
巻号頁・発行日
no.39, pp.1-12, 2012-12

イヌジステンパーウイルス(Canine distemper virus;CDV)は食肉目動物に致死的な感染を引き起こす。イヌでの致死的な感染はワクチン接種により減少しているが,野生動物での流行は拡大している傾向さえ見受けられる。更には,中国ではヒトと同じ霊長類であるサルに流行し,多くのサルが犠牲となったばかりか,国内の検疫所でも見つかっている。本項では最近国内の野生動物で発生した事例を中心に紹介する。