著者
吉澤 小百合 吉川 厚 寺野 隆雄
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.24, 2010

文章を論理的に書くことは難しい。論理的に書かせる手段として,他人が読み,問題点を指摘するピアリヴューは効果的であるとされている。ピアレビューを支援する場合の問題点を明らかにするために,外国語のピアレビューを課題の知識の有無による差をみることにより論理的な指導に必要な要素を考察する。
著者
阿部 裕輔 鎮西 恒雄 磯山 隆 満渕 邦彦 松浦 弘幸 馬場 一憲 河野 明正 小野 俊哉 望月 修一 孫 艶萍 今西 薫 吉澤 誠 田中 明 内山 賢一 藤正 巌 渥美 和彦 井街 宏
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.21-26, 1997-02-15
被引用文献数
7

1/R制御により、完全置換型人工心臓ヤギで532日の長期生存を得た. 術後経過としては、ポンプ内に血栓を生じたため、左右の血液ポンプを交換したこと、胸部の圧迫壊死層から出血をきたし、貧血の状態となったことなどがあったが、制御は順調に継続できた. 生存期間を通して、血行動態は安定し、右心房圧も低値に保たれていた. 血液生化学データ上も異常は見られず、ホルモン値にも異常は見られなかった. 剖検時に腹水はなく、肉眼的には肝臓病変も見られなかった. また、心拍出量は、大動脈圧とは関係が見られず、総コンダクタンスと相関が見られ、術後2週間および出血後2週間はヘマトクリット値と逆比例の関係が見られたが、それ以外の時期にはヘマトクリット値や総タンパク値とはあまり関係がないなどの興味深い所見も得られた. 本研究により、1/R制御の生理的な長期安定性が確認できた.
著者
永原 陽子 粟屋 利江 鈴木 茂 舩田 さやか 阿部 小涼 今泉 裕美子 小山田 紀子 尾立 要子 小林 元裕 清水 正義 前川 一郎 眞城 百華 濱 忠雄 吉澤 文寿 吉田 信 渡邊 司 津田 みわ 平野 千果子 浅田 進史 飯島 みどり 板垣 竜太 大峰 真理 後藤 春美 高林 敏之 旦 祐介 津田 みわ 中野 聡 半澤 朝彦 平野 千果子 溝辺 泰雄 網中 昭世 大井 知範 柴田 暖子
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、「植民地責任」概念を用いて、脱植民地化過程を第二次世界大戦後の植民地独立期に限定せず、20世紀の世界史全体の展開の中で検討した。その結果、第一次世界大戦期の萌芽的に出現した「植民地責任」論に対し、それを封じ込める形で国際的な植民地体制の再編が行われ、その体制が1960年代の植民地独立期を経て「冷戦」期にまで継続したことが明らかになった。
著者
大渕 正博 藤井 中 鈴木 理恵 吉澤 睦博 近藤 正芳 尾崎 文宣 森 保宏
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.29, no.73, pp.1215-1220, 2023-10-20 (Released:2023-10-20)
参考文献数
14

The authors conducted a questionnaire survey for the purpose of analyzing how severe the disasters are assumed in BCP and which measures are being taken. We have analyzed priority of risk countermeasures and content of countermeasures. In this paper, ratio of cumulative number of respondents to the questionnaire to the total number of respondents is regarded as subjective probabilities of restoration periods or frequencies of assumed disasters. In this way, we regard the recovery performance of facilities or the frequency of assumed disasters as a subjective probability that quantitatively evaluates how people think, and propose them as assumed curves.
著者
吉澤 弥生
出版者
関西社会学会
雑誌
フォーラム現代社会学 (ISSN:13474057)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.122-137, 2019 (Released:2020-05-29)
参考文献数
38
被引用文献数
1

「アートプロジェクト」はアーティストが中心となって地域の人々などと共に制作・実施するもので、2000年以降日本各地に広がった現代アートの一形式だ。里山の廃校、まちなかの空き店舗などを舞台に多様な形態で行われている。これらの広がりは、アーティストが自らの表現と発表の機会を追求する動きと、地域活性、産業振興、社会包摂などの社会的文脈でアートを活用しようとする文化政策の動きが合致したことで生まれた。なかでも国際芸術祭は地域活性の核として期待されている。そして実際、地域の特性や課題に向き合いながら、固有の資源を発掘し、新たな価値を生み出したプロジェクトもある。こうしたアートの手段化には批判もあるが、多様なアクターの協働によって日常生活の中からアートが立ちあがる過程を明らかにすることがまず重要である。一方で現場には、プロジェクトの参加に関する住民の合意形成、現場を支えるスタッフの長時間労働、働き方と就労形態の不合致、低賃金、社会保障の不在といった問題とキャリア形成の困難が存在する。これは日本社会全体にも見られる「自発性」「やりがい」を盾にした低賃金・無償労働の圧と共通するものだ。今後はこれらの問題と向き合いつつ「なぜアートなのか」を問い続けながらのプロジェクト実施が望まれる。2020年に向けて文化政策におけるアートの手段化は一層進むが、成果主義では測れない価値を表現する評価方法も必要だ。
著者
長尾 毅彦 井田 正博 元良 健一 新井 健史 吉澤 寿 小林 美紀 有馬 留志 石川 みずき 片山 泰朗 横地 正之
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.514-518, 2006-12-25 (Released:2009-06-05)
参考文献数
10
被引用文献数
2 1

目的:脳梗塞急性期において, Susceptibility-Weighted Image (SWI)を用いた高分解能3D MR Venographyにより,造影剤を使用しない脳循環評価を試みた.方法:発症24時間以内の皮質を含む急性期脳梗塞21例を対象とし,3D FLASH法TE=40msecで撮像した,撮像時間は約5分30秒.この方法は,脳組織中のoxy-Hbと静脈のdeoxy-Hbの磁化率差を強調させた撮影法である.臨床情報を伏せた状態で,塞栓子による血管閉塞部位,静脈灌流障害の有無をSWI上で読影し,他の撮像方法と比較した.結果:17/21例で静脈灌流異常によるIncreased BOLD sign(IBS)を認め,misery perfusionを反映する所見と考えた.IBS所見は,T2強調画像で血管性浮腫を認める時期には消失した.13/21例で,動脈主幹部に低信号を呈する塞栓子を検出しえた.結論:脳梗塞急性期において,SWIは非侵襲的に頭蓋内の灌流状態を評価可能であり,その所見はmisery perfusionを反映するものであると考えられるため,SWIで異常を認めた症例には,perfusion imageの適応を検討すべきである.同時に,この撮像法は塞栓子検出やmicrobleeds評価に関しても有用と思われた.
著者
吉澤 浩志
出版者
日本神経心理学会
雑誌
神経心理学 (ISSN:09111085)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.301-310, 2016-12-25 (Released:2017-01-18)
参考文献数
27

左側頭葉にはWernicke領野とその周囲皮質,弓状束の一部,側頭葉前方部など,言語に重要な領域を数多く含む.それぞれの部位の損傷により特徴的な失語型をとり,失語症に伴って独特の読み書き障害を呈する.また局所脳損傷による純粋な読み書き障害の責任病巣として,従来から左角回を中心とする神経回路が重視されてきた.しかし本邦において,左側頭葉後下部損傷に伴う漢字に特異的な失読失書が数多く報告され,欧米圏からも語彙性失読失書の部位と想定された側頭葉下部がvisual word form areaとして数々の臨床報告と機能画像解析が示されてきた.以上から漢字と仮名は処理経路が異なることが明らかとなり,日本語における読み書きの二重回路説が提唱された.
著者
吉澤 聡史
出版者
日本ペストロジー学会
雑誌
ペストロジー (ISSN:18803415)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.29-32, 2021-03-25 (Released:2022-03-25)
参考文献数
17

岡山市内において水分を含んだたばこの吸い殻に双翅目昆虫の幼虫が発生していることが発見された.これらの幼虫を室内(15〜20°C)で飼育した結果,5種の成虫が羽化してきた.これら5種の同定結果はナガサキニセケバエCoboldia fuscipes (Meigen)(ニセケバエ科),ナミクロコバエDesmometopa varipalpis Malloch(クロコバエ科),クロヒメイエバエFannia prisca Stein(ヒメイエバエ科),ワラベヒメイエバエF. pusio (Wiedemann),トウヨウクキイエバエAtherigona orientalis Schiner(イエバエ科)であった.
著者
野崎 淳夫 飯倉 一雄 坊垣 和明 吉澤 晋
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.67, no.557, pp.73-79, 2002-07-30 (Released:2017-02-04)
参考文献数
14

A lot of paints, adhesives and chemical materials which are known to emit gaseous chemical pollutants are being used in buildings. These building materials are potential sources of indoor chemical substances. Bake-out has been as one mitigation method for such elevated formaldehyde concentrations. The bake-out procedure could increase the transfer of indoor chemical substance from sources to the outdoor. The bake-out hypothesis is that this source depletion is sufficient to cause formaldehyde emission rates to be significantly less than they would have been without bake-out. So, this study was conducted 1) to establish the bake-out procedure and evaluation methods used with test pieces and an environmental chamber, 2) to determine the effectiveness of the bake-out on formaldehyde reduction, and 3) to analyze the relationship between specification of building parts and the reduction effectiveness on the sources by the bake-out. From our results, it turned out that the emission rate of formaldehyde was decreased by 6.54〜55.6% after bake-out in a temperature of 38℃ for the period of 72 hours. And, if we wish to determine the effectiveness of bake-out on the VOCs, further experiments used by chambers should be needed.
著者
筈井 俊輔 吉澤 剛
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.4-17, 2023-03-20 (Released:2023-06-02)
参考文献数
30

2000年代以降,組織ルーチン研究においてはFeldman‌ &‌ Pentland(2003)をはじめとする,組織活動のダイナミクスを行為や実践の局面に収斂させる方法が主流になっている.本論文ではその問題点を指摘し,批判的実在論に基づいて組織ルーチンを捉え直す.そして,新たに得られた「重層的ダイナミクス」という視野が経営の実践にどのような示唆をもたらすのか,インフラ構築の切り口から考察する.
著者
三浦 美佐 吉澤 亮 大和田 滋 平山 暁 伊藤 修 上月 正博 前波 輝彦
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.221-226, 2021-02-18 (Released:2021-04-14)
参考文献数
14

維持透析 (HD)患者は時間的制約,体調不良,易疲労性などにより不活動下に置かれ,合併症の増悪,サルコペニア・フレイルという悪循環に陥りやすい.本邦の多くの透析施設において,患者に軽負担で実施可能な電動エルゴメーターが採用されているが,その身体機能に与える影響を負荷量可変型エルゴメーターと比較検討した報告は少ない.そこで,本研究の目的を,外来透析患者に対する透析中の12週間の運動を,電動エルゴメーターと負荷量可変型エルゴメーターで比較検討することとした.週3回HDを行っている歩行可能な平均年齢71.5±1.6歳の患者15名を,負荷量可変型エルゴメーター (Tex)群8名と電動式エルゴメーター (Elex)群7名に振り分け,透析中の運動を各人の身体能力に応じ,週3回,12週間実施した.介入後にTex群のみが,下肢筋力,運動耐容能が有意に増加した.よって,運動様式により異なる影響があることが示唆された.
著者
吉澤 孝之
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.162-165, 2023-04-28 (Released:2023-04-28)
参考文献数
11

呼吸困難は呼吸器疾患の終末期に最も多く出現しその対応に最も苦慮する症状である.非がん性呼吸器疾患終末期の難治性呼吸困難に対する緩和ケアは基礎疾患に対する標準的治療が最大限おこなわれることが必須条件である.標準的治療が最大限おこなわれてもなお呼吸困難が持続・悪化するようなら症状緩和のための非薬物療法を上乗せする.非薬物療法による緩和ケアをおこなっても症状緩和が困難な場合には,薬物療法としてオピオイドや抗不安薬の使用が考慮される.
著者
吉澤 昌恭
出版者
広島経済大学経済学会
雑誌
広島経済大学経済研究論集 = HUE Journal of Economics and Business (ISSN:03871436)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.61-86, 2004-12

はじめに 1. 構造改革か需要創出か 1.1. 林文夫 1. 2. 吉川の林批判 1. 3. 野口VS.林 2. ウイクセル,フイッシャー,ケインズ 2.1. 間接的メカニズムとウィクセル 2.2. フィッシャーの2つの著作における3つの要因 2.3. ケインズ「有効需要の原理」と間接的メカニズム 3. マネタリスト 3.1. 岩田規久男 3.2. 野口旭 3.3. 森永卓郎 3.4. 原田泰 4. ケインジアン 4.1. 吉川洋 4.2. 小野善康 4.3. リチヤード・クー 5. 需要不足と需要喚起 5.1. 「需要不足」を組み込んでいない体系VS. 「需要不足」を組み込んだ体系 5.2. 閉じた体系としてのマネタリズム 5.3. どうすれば需要を喚起できるか?
著者
川端 博子 藤田 佳穂 吉澤 知佐
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.71, no.8, pp.514-522, 2020 (Released:2020-09-02)
参考文献数
7

ジャケットの裏地の用い方が, 動作機能面での快適性に及ぼす影響について考察することを目的とし, ジャケットの着用感評価と衣服圧計測を行った. Mサイズの4枚のジャケット (素材と伸び率の異なる裏地をつけた3枚と裏地なし) で, 裏地の効果を比較した. 次に, MとSサイズのジャケットの着用実験より, 動作性を維持する裏地の条件について考察した. 結果は, 以下のとおりである. (1) 裏地なしジャケットでは衣服圧は最も低いにもかかわらず, 動作のしやすさ, 着脱のしやすさ, 質感のよさで裏地つきのジャケットより評価が低かった. (2) Mサイズで裏地違いの3枚のジャケットの比較より, 柔らかく平滑なキュプラレギュラー裏地のジャケットでは, 衣服圧の低減とともにすべりの良さ, 動きやすさで高い評価が得られた. ポリエステルストレッチ裏地を用いたジャケットの評価が低かったのは, 伸長性よりも袖すべりのよさが動きやすさに効果を与えるためと考えられる. (3) キュプラレギュラー裏地のSサイズジャケットとポリエステル裏地のMサイズのジャケットには, 着用感評価と衣服圧に差は見られなかった. ジャケットの動作快適性を維持し, 衣服圧を抑えるには, 伸縮性よりもすべりがよくせん断特性の小さい裏地の使用がふさわしいことが明らかとなった.
著者
佐藤 英夫 岩島 明 河辺 昌哲 中山 秀章 吉澤 弘久 下条 文武 鈴木 榮一
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.491-495, 2005-05-31 (Released:2017-11-10)
参考文献数
16

睡眠時無呼吸症候群(以下SAS)の胃食道逆流症(以下GERD)合併頻度を,QUEST問診票を用いて検討した.QUESTは4点以上をGERD合併ありと判断した.PSG(Polysomnography)検査を実施した84例中の73例にAHI(Apnea Hypopnea Index)≧5 (/hr) のSASを認めた.QUEST 4点以上が25例(34.2%)あり,GERD合併の有無で2群に分けたときAHI,脳波上の短時間覚醒指数(以下Arousal Index),BMIなどに有意差はなかった.AHI≧20かつQUEST≧4点の17例中,11例がCPAP治療を開始した.CPAP治療を開始した4週間後のQUEST得点は7例で無症状(0点)となった.残る4例はプロトンポンプ阻害薬(PPI)の内服を追加して,症状の消失が得られた.SASによる胸腔腹腔内圧較差開大をCPAP治療が改善して,胃酸逆流を抑制する機序が関与すると考える.SASには高頻度にGERDが合併することから積極的な問診と治療追加が望まれる.
著者
浅野 豊美 池田 慎太郎 金 敬黙 李 鍾元 木宮 正史 磯崎 典世 山内 康英 太田 修 林 夏生 吉澤 文寿 西野 純也 金 敬黙 小林 玲子 藤井 賢二 長澤 裕子
出版者
中京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

日韓米三国の資料からなる『日韓国交正常化問題資料集』を刊行し、また新規公開資料を利用した最初の本格的な実証研究を、法政大学出版局から『歴史としての日韓国交正常化』上・下、2分冊として、日本学術振興会の出版助成により刊行することが確定した。さらに、研究成果の社会的還元のため、「日韓国交正常化の現代的意味」と題した公開シンポジウムを、東京大学において朝日新聞・東亜日報の後援を得て開催した。また、2008年日本国際政治学会年次大会日韓合同部会の正式企画を担当・運営し、新たな問題提起と専門研究者との討論を行った。国外の国際学会であるアメリカアジア学会(AAS)では韓国の研究協力者と合同しパネルを組織し、日韓米三国の研究者による討論の場を作って報告した。