著者
赤星 俊樹 吉澤 孝之 岩城 基 村上 正人 高橋 典明 橋本 修
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.215-219, 2009-12-28 (Released:2016-10-07)
参考文献数
11

COPDにおける終末期の定義は,明確に示されていない.一般に,終末期とは「疾患の進行に伴う症状に対して治療は可能であるが,原疾患に対しては治療による効果が期待できない状態」と定義され,およそ余命6ヵ月と予測される時期である.COPDの終末期では,高度な呼吸困難や運動耐容能の低下がみられ,医学的のみならず社会的問題をも含有することが多い.本稿では,こうした諸問題と終末期医療や緩和ケアの重要性について述べたい.
著者
鍋谷 圭宏 永田 松夫 齋藤 洋茂 滝口 伸浩 池田 篤 貝沼 修 早田 浩明 趙 明浩 外岡 亨 有光 秀仁 栁橋 浩男 河津 絢子 實方 由美 掛巣 孝則 羽田 真理子 福原 麻后 近藤 忠 佐々木 良枝 前田 恵理 吉澤 直樹 内山 友貴 上野 浩明 高橋 直樹 山本 宏
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.1299-1305, 2014 (Released:2014-12-20)
参考文献数
12
被引用文献数
2

食道がん外科治療は「高リスク患者に対する高度侵襲手術」であり、特に高齢者では、日本外科代謝栄養学会ESSENSEプロジェクトの基本理念である「侵襲反応の軽減」、「身体活動の早期自立」、「栄養摂取の早期自立」、「周術期不安軽減と回復意欲の励起」を心掛けた手技と管理が必要である。近年、高齢食道がん患者に対する根治切除術も低侵襲化され、「身体に優しい」治療になりつつある。しかし、70歳以上の高齢者では、術後合併症が多い傾向で、食事開始後退院まで時間を要し、経腸栄養継続の意義が高いことが示唆された。高齢者では、oncological(がん治療としての有効性を踏まえた手術選択)、physical(肉体的)、mental(精神的)、social(社会的)な援助が適切に行われ、全人的支援があってこそ、「心にも優しい」術後早期回復が可能になると思われる。そのためには、NST・精神科医や医療ソーシャルワーカーなどを含めた多職種連携が必須である。
著者
小林 浩 吉田 昭三 春田 祥司 重富 洋志 吉澤 順子 野口 武俊
出版者
奈良県立医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

子宮内膜症からの癌化機序として遺伝子不安定性等を検討した。繰り返す月経血の逆流による酸化ストレスにより、子宮内膜症自体に遺伝子変異が生じており、脱落膜化機能に関連した遺伝子群がメチル化され発現低下していた。これはすでに子宮内膜症患者の正所子宮内膜においてもその発現変化を確認できた。毎月おこる月経血に含まれるヘモグロビンによるヘムや鉄により酸化ストレスによりG→T変異を起こし遺伝子変異が惹起された。元来胎児期から子宮内膜に遺伝子変異を有していると推定された女性が、生後に繰り返す出血により広範囲な遺伝子変異が発生し、鉄による酸化ストレスの影響を受けて子宮内膜症から発がんする機序を検討した。
著者
飯島宗享 吉澤傳三郎編
出版者
理想社
巻号頁・発行日
1968
著者
鈴木 幸子 福田 達男 荒金 眞佐子 吉澤 政夫 森本 陽治 安田 一郎 伊田 喜光
出版者
日本生薬学会
雑誌
生薬學雜誌 : shoyakugaku zasshi : the Japanese journal of pharmacognosy
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.28-31, 2006

In order to realize the cultivation of Asiasarum sieboldii from the seed, the growth condition of the embryos and germination conditions of the seeds were studied. Although the embryos of the seeds soon after harvest were immature and undifferentiated, they grew to differentiate into cotyledons and radicles during storage in wet sand at room temperature, and germinated with rooting 120 days after harvest. The optimum temperatures for growth of the embryos and the germination of the seeds were shown to be 15-20℃, whereas more than 90% success rate was obtained in about 60 days on the germination test in petri dishes. On the other hand, the optimum temperature for seedling emergence is thought to be 8-10℃, since the germinated seeds planted in a sowing bed sprouted in the early spring after lower temperature in winter.

1 0 0 0 OA 反PDCA論

著者
吉澤 剛
出版者
研究・技術計画学会
雑誌
年次学術大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.26, pp.347-350, 2011-10-15

一般講演要旨
著者
吉澤 潤治
出版者
一般社団法人 日本薬剤疫学会
雑誌
薬剤疫学 (ISSN:13420445)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.105-111, 1999-05-31 (Released:2011-02-28)

Post-marketing surveillance (PMS) of ethical drugs has been institutionalized in Japan. The framework of the PMS consists of : 1) collection of information related to the drug, 2) evaluation and analysis of that information, and determining the correspondence, 3) reporting the information and filing of applications of Reexamination/Reevaluation to the Ministry of Health and Welfare (the Koseisho), and finally 4) dissemination of information to medical and pharmaceutical professionals. Although a sphere of strict regulations is imposed for conducting these tasks, pharmaceutical companies comply with these regulations and execute post-marketing surveillance with an aim toward the true objective of the PMS, which is to “secure the proper use of ethical drugs”. In order to accomplish this objective, nothing is more important than for medical representatives (MR) to collect as much accurate information as possible, and for post-marketing surveillance management to conduct a precise evaluation and analysis of the collected information and then to feed back the pertinent information to medical and pharmaceutical professionals. With this in mind, pharmaceutical companies can be considered as conducting post-marketing surveillance systematically.
著者
吉澤 知恵 佐藤 浩一郎 寺内 文雄
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.448-449, 2018 (Released:2018-06-21)

現在市販されている積み木は対象年齢が子供に限られる傾向がある。本研究ではより立体的な造形を大人も楽しめる積み木の製作を目的とした。既存製品がどのような積み方ができるかを明らかにするため、対象年齢、積み方の2点に関して調査を行った[。その結果、積み方の方法を増やすことで、より立体的な造形を楽しめる積み木が作れるのではないかと考えられた。そのため、重心の偏りと積み木の表面の摩擦力、形状に着目をし、試作及び制作を行った。最終的に重心の偏りと積み木の表面に凹凸を彫った積み木を製作した。製作した積み木を実際に体験してもらい、感想に関してテキスト分析した。その結果、より難しい積み方に挑戦する人が多く、直感的にではなく考えながら積む傾向があることや、ゆらゆらと揺れつつもバランスを保てること、表面の模様が印象的であることが判明した。積み方のバリエーションを増やすことで、大人も立体的造形を楽しめる積み木を作れる可能性を示すことができた。今後の展望として、家族で楽しむことができるため、親子のコミュニケーションにつながることが期待される。
著者
吉澤 悠喜 山下 和樹 岩井 信彦
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48100880, 2013

【はじめに、目的】 自転車エルゴメーターは、ペダルの重さや回転数を変えることにより運動負荷量を調節できる。下肢の整形外科疾患において荷重制限の指示がなされている場合があり、体重計などで荷重値の測定は容易に行える。しかし、エルゴメーターにて下肢の運動を行う場合、足底にどの程度荷重されているか不明である。そこで今回、エルゴメーターの仕事量・回転数を変化させ足底にかかる荷重値を計測したところ、部分荷重期における患者の負荷設定を考慮する際の一助になる結果が得られた。若干の考察を加えてここに報告する。【方法】 対象者は健常男性10名で、年齢27.4±5.1歳、体重62.8±6.7kgである。自転車エルゴメーターはコードレスバイク65i(セノー株式会社製)を用いた。サドルは下死点のペダル上に足部を置き膝屈曲30°となる高さとした。足底にかかる荷重値の計測には両足部に靴式下肢荷重計(ANIMA社製、ゲートコーダMP-1000)を装着し、トークリップで足部を固定せず、ペダル上の足底位置は第2中足骨頭がペダルの中心に位置するように設置した。負荷設定は、仕事量を25w・75w・125w、回転数を20回転・50回転・80回転とし、各々を組み合わせた計9通りを実施、荷重値を計測した。なお、回転数の計測はメトロノームを設定し、その音に合わせて駆動させることにより調整した。ペダリング時間は各々30秒間とし、中間10秒間の荷重値を計測し、各対象者の利き足の荷重値を採用した。9通りのペダリング順は乱数表を用いてランダムに行い、各ペダリング間の休息は5分間とした。各々の負荷設定で計測された荷重値を記録するとともに、被験者毎の最大荷重値における体重比を算出した。【倫理的配慮、説明と同意】 対象者には本研究の目的・内容について説明し、本研究で得た情報は本研究以外には使用しないこと、拒否しても一切不利益が生じないことを説明し、同意を得た。【結果】 10名の被験者のうち体重比が最大であった症例の値のみ記載する。25w時、20回転で20.1%、50回転で26.1%、80回転で26.2%であった。75w時、20回転で35.4%、50回転で37.1%、80回転で51.1%であった。125w時、20回転で33.2%、50回転で56.1%、80回転で59.9%であった。 荷重値は、25w時、20回転で7.6±3.1kg、50回転で11.3±2.9kg、80回転で13.3±2.8kgであった。75w時、20回転で13.1±4.5kg、50回転で15.0±4.4kg、80回転で16.1±5.5kgであった。125w時、20回転で15.3±5.3kg、50回転で24.2±4.1kg、80回転で22.0±4.9kgであった。【考察】 エルゴメーターにおける仕事量は、ペダルの回転に対する接線方向に加わる力(回転トルク)と回転数によって求められる。よって、仕事量・回転数の変化に伴って回転トルクや足底にかかる荷重値も異なってくる。体重比において、上記結果のように体重比が1/3を超える設定は75w以上の時であり、中には1/2を越える者も存在していた。このことから、今回と同程度の体重であれば、部分体重負荷1/3荷重までと指示されている患者でも25w程度での設定ではエルゴメーターの使用ができる可能性が示唆される。また、体重比2/3を超える荷重値は存在しなかったことより、部分体重負荷2/3荷重以上が許可されている患者であれば125w程度の負荷設定でも使用できる可能性があることがわかった。ただし、これらはあくまで体重比であり、体重の違いによって比率が異なる。今回の被験者より体重が小さければ体重比は大きくなってしまうため、体重の考慮が必要である。またペダルから下肢の各部位へどのような力が加わっているのかということも考慮に入れる必要がある。本研究により健常男性がエルゴメーターを駆動した場合、どの程度足底に荷重されているかが明らかになったことで、整形外科疾患において早期からエルゴメーターを使用していくことへの一助になったと考える。 さらに今後は被検者数を増やし、また仕事量や回転数をより詳細に分割した設定で行うことで、その荷重値の傾向性を検証する必要があると考える。【理学療法学研究としての意義】 自転車エルゴメーター駆動中の足底にかかる荷重値を知ることは、部分荷重期の患者にエルゴメーターを使用する際の負荷設定を考える上で、一つの指標になると考える。
著者
沼畑 恭子 赤岩 靖久 吉澤 健太 乗峯 苑子 尾上 祐行 宮本 智之
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.190-194, 2019 (Released:2019-04-25)
参考文献数
15
被引用文献数
1 2

症例は29歳男性,生来健康.頭痛と発熱が増悪し当院搬送.体温38.3°C,項部硬直著明,脳脊髄液検査で初圧500 mmH2O,細胞数増加,髄液糖/血糖比0.027,クリプトコッカス抗原陽性からクリプトコッカス髄膜脳炎と診断し抗真菌薬治療で症状改善を認めていた.第18病日に全身痙攣,右視野暗点を認め,頭部MRIで両側大脳皮質に散在性の病変が新たに出現した.脳脊髄液中のクリプトコッカス抗原価は低下したがIgG indexは上昇し,症状の増悪,病巣の拡大はクリプトコッカスの病勢悪化ではなく,免疫反応による遅発性増悪と考えステロイドパルス療法を施行し改善した.遅発性増悪に対してステロイド治療は有効である.
著者
永野 敬子 勝谷 友宏 紙野 晃人 吉岩 あおい 池田 学 田辺 敬貴 武田 雅俊 西村 健 吉澤 利弘 田中 一 辻 省次 柳沢 勝彦 成瀬 聡 宮武 正 榊 佳之 中嶋 照夫 米田 博 堺 俊明 今川 正樹 浦上 克哉 伊井 邦雄 松村 裕 三好 功峰 三木 哲郎 荻原 俊男
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.111-122, 1995-02-25 (Released:2009-11-24)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

近年の疾病構造の欧米型への移行が指摘される中, 日本人における痴呆疾患の割合はアルツハイマー病の比率が脳血管性痴呆を越えたともいわれている. 本邦におけるアルツハイマー病の疫学的調査は, アルツハイマー病の原因究明に於ける前提条件であり, 特に遺伝的背景を持つ家族性アルツハイマー病 (FAD) の全国調査は発症原因の究明においても極めて重要であると考える.私たちは, FAD家系の連鎖分析により原因遺伝子座位を決定し, 分子遺伝学的手法に基づき原因遺伝子そのものを単離同定することを目標としている. 本研究では日本人のFAD家系について全国調査を実施すると共に, これまでの文献報告例と併せて疫学的検討を行った. また, 日本人のFAD家系に頻度の高いβ/A4アミロイド前駆体蛋白 (APP) の717番目のアミノ酸変異 (717Va→Ile) をもった家系の分子遺伝学的考察も行った.その結果, FADの総家系数は69家系でその内, 平均発症年齢が65歳未満の早期発症型FADは57家系, 総患者数202人, 平均発症年齢43.4±8.6歳 (n=94), 平均死亡年齢51.1±10.5歳 (n=85), 平均罹患期間6.9±4.1年 (n=89) であった. APP717の点突然変異の解析の結果, 31家系中6家系 (19%) に変異を認めた. また各家系間で発症年齢に明らかな有意差を認めた. 1991年に実施した全国調査では確認されなかった晩期発症型FAD (平均発症年齢65歳以上) 家系が今回の調査では12家系にのぼった.FADの原因遺伝子座位は, 現在のところ第14染色体長腕 (14q24.3; AD3座位), APP遺伝子 (AD1座位) そのもの, 第19染色体長腕 (19q13.2; AD2座位), 座位不明に分類され, 異なった染色体の4箇所以上に分布していることとなる. 日本人のFAD座位は, APPの点突然変異のあった6家系はAD1座位であるが, 他の大部分の家系ではAD3座位にあると考えられている. 今回の解析結果より, 各家系間の発症年齢に差異があることからも遺伝的異質性の存在を示唆する結果を得たが, FAD遺伝子座位が単一であるかどうかを同定する上でも, 詳細な臨床経過の把握も重要と考えられた.
著者
吉澤 文寿 太田 修 浅野 豊美 長澤 裕子 李 東俊 金 鉉洙 薦田 真由美 金 慶南 金 恩貞 李 洋秀 山本 興生 ミン ジフン 成田 千尋 李 承宰 李 洸昊 金 崇培
出版者
新潟国際情報大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

この研究では、日韓国交正常化問題資料の整理及び刊行作業を行った。そして、日本、韓国、米国などの公文書館、資料館で収集した資料を用いて、韓国からの研究者の協力を得て、研究会、パネルディスカッション、シンポジウムを開催した。その結果、日韓国交正常化交渉で議論された請求権および歴史認識問題に関する論点について、国交正常化以後の時期を含めた展開を視野に入れつつ、日米韓三国それぞれの立場から、相応の責任が生じているという一定の見通しを提示することができた。
著者
谷口 眞子 中島 浩貴 竹本 知行 小松 香織 丸畠 宏太 斉藤 恵太 柳澤 明 長谷部 圭彦 原田 敬一 佐々木 真 吉澤 誠一郎 鈴木 直志 小暮 実徳
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は、国民国家が形成される19世紀を中心とし、軍人のグローバルな移動による人的ネットワークと、軍事関連書の翻訳・流通・受容という分析視角から、軍事的学知の交錯を研究するものである。日本・フランス・ドイツを主とし、オランダ・オスマン帝国・清朝を参照系と位置づけ、軍人と軍事関連書(人とモノ)の移動から、軍事的学知(学知)に光を当てることにより、軍事史的観点からみた新たな世界史像を提起したい。
著者
吉澤 裕子
出版者
旭川大学保健福祉学部
雑誌
旭川大学保健福祉学部研究紀要 = The journal of Faculty of Health and Welfare Science, Asahikawa University (ISSN:18837247)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.1-5, 2019-03-31

本研究は,看護学生が学習課題や実習といったストレッサーに耐えられるような自己教育力の向上を目指した取り組みである。学生5~6人のグループ(グループ群)による授業のリフレクションと教員の介入(教員介入群)によるリフレクションの効果を,3分類14項目の側面から検証した。その結果,グループ群では14項目のうち13項目において,教員介入群では全項目において理論的中央値より有意に差があることが分かった。このことから,リフレクションが「創造的な学習」「コミュニケーション力」「学習に対する自覚的姿勢」の3分類において効果的であることが示唆された。また,グループ群と教員介入群の比較を行ったところ,グループ群よりも教員介入群の方がリフレクションの自己評価が高いことが明らかとなった。しかし,このリフレクションの目的は,学習効果の自覚的意識ではなく,自己教育力を養うことにある。そこで,自由記述を概観したところ,学習意欲が低く私語に流れる学生がいるなど,受身的傾向が強く,知識の定着や学びを深めるという自覚の希薄さが感じられる学生もみられた。また,グループディスカッションのねらいを理解して取り組んでいたとは言い難く,主体的な学びに繋がらない学生がいることも明らかとなった。これらのことから,本研究において,自己教育力を養うためにリフレクションの効果はあるものの,クラス全体の学習意欲を上げるなど参加型授業としての工夫が課題であることが分かった。
著者
真山 武志 吉澤 伸介 外山 博視 佐々 義子
出版者
一般社団法人日本リスク研究学会
雑誌
日本リスク研究学会誌 (ISSN:09155465)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.4_3-4_10, 2009

New method of Risk Communication on Genetically Modified Organisms (GMO) is needed for improvement of public acceptance in Japan. We introduce the practice for improvement of Bio Card Game (BCG) on GMO based on DEMOCS, Card Game developed in UK. DEMOCS has some purposes in addition to method of Risk Communication and the process is complex for players. We tried to improve BCG for simple rule and easy process. In conclusion, BCG on GMO composing of only 10 cards was expected to be suitable method of Risk Communication and effective way of PE (Public Engagement) on GMO by two trails.
著者
王 敬銘 東 マスミ 吉澤 結子
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.58-62, 2011

植物揮発性オキシリピン類は,生体防御を始め,さまざまな生物活性を示すことが知られている.ヒドロパーオキシリアーゼ(HPL)は,植物揮発性オキシリピン類の生合成に重要な酵素である.本研究では,植物揮発性オキシリピン類の生物意義をより詳細に解析する新しい試みとして,その生合成を阻害する化合物の探索を行った.合成した12種類イミダゾール系化合物のHPL阻害活性を検討の結果,化合物3{1-[2-benzyloxy-2-(2,4-dichlorophenyl)-ethyl]-1H-imidazole}が明瞭な阻害活性を示した.そのIC50は約39μMであった.また,化合物3とHPLの結合活性を調べた結果,そのKdは約13.5μMであることが明らかとなった.
著者
西林 仁昭 中島 一成 吉澤 一成 坂田 健
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究代表者らがこれまでに達成した知見を踏まえて、「温和な反応条件下でのアンモニア合成反応法の開発」と「温和な反応条件下でのアンモニアの分解反応の開発」に取り組んだ。前者では、トリホスフィン(PPP)型三座配位子やPCP型ピンサー配位子を持つ窒素架橋2核モリブデン錯体を設計・合成し、それらを触媒として利用した触媒的アンモニア生成反応を検討した。その結果大幅な触媒活性の向上を達成した。後者では、フェロセニルジホスフィンを配位子として有する窒素架橋2核モリブデン錯体の設計・合成に成功し、酸化還元による架橋窒素分子の窒素―窒素三重結合の開裂及び再結合を可逆的に制御できることを見出した。