著者
坂本 潔 岩路 善尚 遠藤 常博
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.124, no.11, pp.1133-1140, 2004 (Released:2005-02-01)
参考文献数
26
被引用文献数
18 31

A simplified vector control is proposed as a driving method of permanent magnet synchronous motor (PMSM) for electrical household appliances. Control structure is simplified by eliminating the speed regulator and the current regulator from the conventional vector controller. Output voltage references are determined by feedforward-like calculation using motor parameters, rotation speed command, and current references. In the static characteristic, the proposed vector control method is almost equal to the conventional one, because the voltage references are calculated in the vector space. A practical estimate equation of rotor position is proposed, and the phase locked loop control approach is employed to drive PMSM without position and speed sensors. Design method of two control gains is given. Finally, the effectiveness of the proposed control is verified by simulation and experiments.
著者
丸山 悦子 坂本 薫 岡井 紀代香
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.224-230, 1995-11-20
被引用文献数
6

ジャポニカ米とインディカ米について, 調理特性を比較検討し, 炊飯時に流出する成分と食味特性との関係を明らかにする目的で実験を行い, 次のような結果が得られた。1. 白飯の官能検査による総合評価では, あきたこまちが最も好まれ, 次にコシヒカリ, きらら397, アスカミノリの順であった。ホシユタカ, A1-333はつやがなく, 硬く, 粘りやうま味が少なかったが, RINX-89は粘りがあり軟らかく, 独特の香りがあり, 硬さとうま味は総合評価と高い相関があった。2. 炊飯液のヨード呈色度は, ジャポニカ米よりホシユタカ, RINX-89, A1-333は高く, 溶出固形物量においても同様の傾向がみられた。また, RINX-89, A1-333はタンパク質は10%前後で比較的多い。3. 米粉のアミログラム特性値と官能検査の硬さ, 粘りとは有意に相関し, ホシユタカ, A1-333の糊化開始温度は高く, 最高粘度, ブレークダウン, 最終粘度はジャポニカ米とRINX-89が高い。4. 飯粒洗浄液の全糖, 還元糖量はジャポニカ米に多く, これは官能検査の総合評価とよく相関している。ホシユタカ, RINX-89, A1-333はβ-アミラーゼ分解限度が比較的高く, 米によって飯粒外層部の溶出でんぷんに構造的な違いがあるものと考えられる。5. 飯粒洗浄液の糖組成では, あきたこまち, コシヒカリには単糖, 二糖, 三糖類が多く含まれ, ホシユタカ, A1-333ではこれらの値がやや低い。6. 各種調理法による米飯のテクスチャーでは, 常法飯はホシユタカとA1-333が硬く, 付着性は小さいが, バターライスでは官能検査における差が小さく, インディカ米は, 常法飯よりもバターライスに適することを明らかにした。
著者
上田 祐也 清水 祐一郎 坂口 明 坂本 真樹
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.455-463, 2013-12-31 (Released:2017-02-01)
被引用文献数
4

In medical interviews, Japanese patients often use onomatopoeia such as "zuki-zuki" and "gan-gan" to express their pains or medical conditions. Using onomatopoeia when expressing pain enables simpler and more direct expressions than normal language as well as expresses the quantity (level/intensity) and quality (location/depth) of the pain. However, the subtle differences in characteristics of pain (such as quality), for example between "zeh-zeh" and "zero-zero", are difficult to grasp accurately. Although grasping these differences accurately is said to be critical, it depend on the level of skill of a doctor. So in this study, we constructed a system which supports communication between patients and doctors by evaluating meanings expressed by onomatopoeia. When a user inputs Japanese onomatopoeia, our system estimates quantities and qualities of pains using the relationships between the sounds used in the onomatopoeia and meanings expressed by 35 rating scales such as "sharp - dull", "strong - weak", and "deep - shallow". Visualizing of pains will help to compare between conventional onomatopoeic words such as "zeh-zeh" and novel words such as "zero-zero".
著者
片岡 英樹 山下 潤一郎 吉武 孝敏 坂本 淳哉 沖田 実
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11677, (Released:2020-01-28)
参考文献数
45

【目的】慢性疼痛に対する介入戦略では,痛みを生物・心理・社会モデルで捉え,不活動を是正しADLやQOL の向上に努めることが重要とされている。今回,慢性疼痛の介入戦略により脳卒中片麻痺後の肩関節痛(以下,HSP)が改善した症例を経験したので報告する。【方法】症例は脳梗塞左片麻痺の60 代男性で,約半年間続く強いHSP を訴えており,認知・情動的側面の問題も強く,中枢感作の状態であった。その他の評価から,HSP には麻痺側上肢の不使用,身体活動量のペーシング不良,趣味活動の遂行度・満足度の低下が関与していることが疑われた。【結果】介入として,患部の不活動の是正と趣味活動の成績向上を目指した運動療法とともに,麻痺側上肢の使用の促進と身体活動量のペーシングに関する教育指導を実施した。介入6 ヵ月後にHSP は消失し,その後6 ヵ月間も再発しなかった。【結論】本症例が呈していたHSP に対しては慢性疼痛の介入戦略が有効であった。
著者
黒田 栄喜 王 大超 西 政佳 坂本 甚五郎 佐川 了
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会東北支部会報 (ISSN:09117067)
巻号頁・発行日
no.51, pp.9-10, 2008-12-20

最近、一般品種よりも胚芽重が約2倍程度大きい巨大胚芽品種や良質良食味で直播適性の高い品種が育成され、コメの用途拡大や低コスト化に貢献することが期待されている。寒冷地向け巨大胚芽米品種として「恋あずさ」、また、倒れにくく直播向けの多収性品種として「萌えみのり」が品種登録された。本研究では、1980年代後半以降当地方の主要な普及品種である「あきたこまち」を基準品種として、「恋あずさ」および「萌えみのり」の生育特性および乾物生産特性について比較検討した。水稲。
著者
長元 法喜 水田 博志 坂本 憲史 坂田 浩章 久保田 健治 甲斐 功一 北川 敏夫 井上 誠一 沼田 亨 大島 隆志
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.1213-1216, 1988-04-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
7

Fifteen cases with ruptures of musculotendinous juncture of the medial head of the gastrocnemius muscle which occurred during sports activities were studied. Of these cases, 7 were males and 8 were females. The mean age was 36 years and 6 months with ages ranging from 15 to 56.Six of these cases were involved in track-and-field events, three in volleyball, two in softball, two in badminton, one in judo and one in recreational game. Prodromic symptoms such as dull aching of the affected leg were seen in 8 cases. All cases were injured in a position of the ankle joint in dorsiflexion with the knee joint in extension.Conservative treatments resulted in a satisfactory recovery of their activities of daily living in all cases.The results indicated that prophylactic stretching is of value for preventing this injury, especially in middle-aged players.
著者
横田 茉莉 西田 昌道 中原 慎二 坂本 哲也
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.498-503, 2018-06-30 (Released:2018-06-30)
参考文献数
11

急性アルコール中毒での救急搬送件数は,年々増加傾向にある。2015年1月1日〜2016年12月31日までに当院救急外来を受診した患者のうちエタノール血中濃度を測定した1,265例を対象とし臨床所見(意識レベル・嘔吐の有無,帰宅までに要する時間,輸液量)について検討を行った。男781例,年齢中央値30歳,エタノール血中濃度の中央値は219mg/dlであった。エタノール血中濃度と意識レベルはSpearman相関係数0.50で,弱い相関しか認められなかった。嘔吐の有無でエタノール血中濃度に差はなかった。輸液量,帰宅までの時間もエタノール血中濃度と相関は認められなかった。臨床症状からのエタノール血中濃度の予測は難しいことが示唆された。
著者
三浦 玲 梶原 健吾 八木 喜崇 坂本 和香奈 芹川 亜実 西山 景子 吉井 隆一 西口 佳彦 山本 紗友梨 中村 朋文 梶原 奈央 藤本 歌織 尾上 友朗 富田 正郎 向山 政志
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.395-399, 2018 (Released:2018-06-28)
参考文献数
14

本邦における2型糖尿病患者数は増加の一途をたどっている. メトホルミンの単独療法では低血糖のリスクは低く, 他の血糖降下薬にて懸念される体重増加も少ないうえに, インスリン抵抗性の改善を期待でき心血管保護作用もあいまって, その適応は増加している. メトホルミンの極めて稀な副作用として乳酸アシドーシスがあるが, 致死率が非常に高く迅速な対応を必要とする. 今回, われわれは53歳の患者におけるメトホルミンを原因とした重症乳酸アシドーシスに対し, 点滴加療を施行するも改善不十分であり, 血液透析にて救命することができた1例を経験したため報告する. 乳酸アシドーシスは発症すると重篤であるため, ハイリスク患者ではあらかじめ投与を避けることや, 脱水, シックデイ, 過度のアルコール摂取など患者への注意指導を行うことで発症自体を予防することが重要だが, 発症した場合は遅滞なく透析を含む積極的治療介入を検討する必要がある.
著者
出口 恭代 松田 崇 神野 俊介 坂本 典子 蕨野 博明 真木 徹 廣田 智也
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌 第25回東海北陸理学療法学術大会
巻号頁・発行日
pp.107, 2009 (Released:2010-04-21)

【はじめに】肩関節周囲炎は、有痛性の可動域制限と夜間痛が特徴である。今回、自己牽引で夜間痛を軽減できた症例を経験したので報告する。 【症例提示】60歳代男性。3年前に利き手の右肩痛を自覚、1年前より夜間痛が発生、運動時痛も悪化し整形外科を受診された。右肩関節周囲炎と診断され関節注射を受けたが軽減せず、半年後理学療法(以下PT)処方された。初期評価時は、夜間痛が毎晩生じ睡眠が中断され、腕をかかえて痛みに耐えている状態であった。部位は肩峰下と上腕骨前面に大別され、肩峰下の疼痛が特に強かった。圧痛は肩関節周囲すべての筋に認めた。自動運動時痛と可動域制限も強く、髪結いは困難、結帯動作は不可能、左腋窩に体温計を挟めなかった。職業のバス洗車も支障をきたし、趣味で続けていた野球も中断していた。 【治療経過】治療は週5回行い、筋スパズムを緩和し軟部組織や靭帯を伸張することで、除痛と可動域拡大を目指した。PT開始後6日目に自己牽引を指導した。方法はカルテンボーンのオートストレッチ法を参考にした。椅子坐位を取り左臀部に体重を移動する。右上肢を体側に垂らして座面の右端を握り、肘関節を伸展したままさらに手指屈筋に力を入れる。手指を支点に手関節背面が下がることで肩峰下が離解される。数日後、夜間痛で目覚めた際に自己牽引を行うとすぐに痛みを消失できると伝えられた。仰臥位のままベッド端を把持し引いても効果があると言われた。PT開始から20日で結帯動作や左肩への触知も可能となり、日常生活での運動時痛も消失した。睡眠中断も減り、夜間痛が生じても自己牽引で消失できる状態が約1月続いた。しかしその後、上腕骨に沿った夜間痛が多く出現し自己牽引でも軽減せず、現在もPT継続している。 【考察】夜間痛の発生原因は不明な点が多いが、肩峰下圧の上昇が関与しているとの報告が散見される。自己牽引で肩峰下滑液包が拡大し、圧を下げることができたと考えられた。この方法では特定部位の除痛効果しかなく根本的な治療とは言えない。しかし苦痛を緩和する自己調整法として有効ではないかと考えられ、今後さらに症例を重ね検討したい。
著者
吉川 俊明 坂本 慎介 堀 琴乃 楠本 寛 山本 康 服部 高資 佐多 宏太
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.56, no.655, pp.391-395, 2008 (Released:2008-08-27)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

In this paper, we propose the method for the measurement of required power and the adjustment of optimum gear ratio in take-off ground running. To get the values of required power and speed, we measured torque of the left side and the right side of pedals, RPM of pedals, and speed of the cockpit frame. In order to improve the take-off speed, some drums were applied, and the optimum gear ratio of the front drum to the rear drum was determined.
著者
土斐崎 龍一 飯場 咲紀 岡谷 貴之 坂本 真樹
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.124-137, 2015-01-06 (Released:2015-01-06)
参考文献数
51
被引用文献数
1 1

With the widespread use of online shopping in recent years, consumer search requests for products have become more diverse. Previous web search methods have used adjectives as input by consumers. However, given that the number of adjectives that can be used to express textures is limited, it is debatable whether adjectives are capable of richly expressing variations of product textures. In Japanese, tactile and visual textures are easily and frequently expressed by onomatopoeia, such as ``fuwa-fuwa'' for a soft and light sensation and ``kira-kira'' for a glossy texture. Onomatopoeia are useful for understanding not only material textures but also a user's intuitive, sensitive, and even ambiguous feelings evoked by materials. In this study, we propose a system to rank FMD images corresponding to texture associated with Japanese onomatopoeia based on their symbolic sound associations between the onomatopoeia phonemes and the texture sensations. Our system quantitatively estimates the texture sensations of input onomatopoeia, and calculates the similarities between the users' impressions of the onomatopoeia and those of the images. Our system also suggests the images which best match the input onomatopoeia. An evaluation of our method revealed that the best performance was achieved when the SIFT features, the colors of the images, and text describing impressions of the images were used.
著者
細田 真道 坂本 寛 村上 友規 花籠 靖 梅内 誠 毛利 忠 塩原 寿子 小川 智明 宮本 勝
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.3-15, 2020-01-15

活き活きとしたスマートシティを実現するためには,MaaS,イベント,施設などの運営者が多数の人の流れ(以下,人流)を把握することで,より最適な移動手段選択,混雑緩和,事故防止につなげることが重要である.本論文はこうした運営者が人流を把握することを目的とし利用者などの端末を測位する方法を提案,評価し有効性を示す.まず,従来測位方式および技術的課題を述べる.広く普及している人工衛星による測位方式は屋内測位が困難である.また,屋内測位できる方式であっても,端末が自身の測位をして結果をサーバなどに通知する必要があり,アプリケーションのインストールを要する.そこで,これらの課題を解決する新方式を提案する.提案方式は,通常の無線LAN端末が対象,端末にアプリケーション不要,端末が分散アンテナを用いたアクセスポイントに帰属するとアクセスポイントが端末を測位可能,歩行者動線取得可能という特徴を持つ.提案方式の1次元測位実験の結果,通常の無線LAN端末で,アプリケーション不要,歩行者動線取得,高精度測位(精度1m~5m)を実現した.最後に,フィールド実証としてこの提案システムを来場者が多数集まる展示会で動作させ,実フィールドでの有効性を明らかにした.展示会では来場者で混雑しても,提案方式のうちRTT(Round Trip Time)測位には大きな影響がなく,来場者から高い評価を得た.
著者
南波 宏介 白井 孝治 坂本 裕子
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
構造工学論文集 A (ISSN:1881820X)
巻号頁・発行日
vol.63A, pp.1163-1176, 2017 (Released:2018-06-08)

In the case of impact analysis to verify structural integrity of existing steel structures of nuclear power plants (NPPs) against tornado missiles, one of the strain-base criteria regarding aircraft impact on NPPs described by US Nuclear Energy Institute is currently used. However, the technical bases for this methodology are not disclosed. In this report, to clarify a way to decide the response values and the penetration conditions for a steel plate when a tornado missile crashes steel plate and verify an accuracy of design methodologies, impact tests with the pipe shaped missile of 50mm diameter and 4mm wall thickness were executed at impact velocity 49m/s.