著者
坂本 大吾 橋本 浩二 米本 清 柴田 義孝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.18, pp.7-12, 2000-02-09
参考文献数
3
被引用文献数
2

本論文では、災害時に有効な情報ネットワークシステムについての基本的考察を行う。まず第一に、現在のシステムの問題点、災害情報ネットワークシステムに要求される必要条件を考察する。これらの問題点を改善と必要条件を考慮するため、モバイル環境を基本に、GPSなどの新しい技術との融合し、災害時であっても被災地の住民が情報の発信と収集ができ、さらに被災地外の人々もインターネットを利用することにより、被災地の情報を入手可能な情報通信システムを提案する。特に、被災者の安否情報や各避難所で必要な救援物資の情報を、被災地外にすばやく公開し、また災害発生直後から、被災者一人一人に安全確保のための適切な情報を配信できる情報通信手段を考察する。最後に、被災者の安否情報を、被災地に構築した無線通信網を使って収集し、インターネットを通して広く公開可能なプロトタイプシステムの設計について述べる。In this paper, disaster prevention information network for earthquake, mountain explosion, hydraulic bore, are discussed. System requirements and functionalities for there systems are analyzed. We proposed a new information network system based on radio and wireless communication to satisfy those requirements, including GPS function, Internet information multicast function, bidirectional communication function. Various types of source information when disaster happened to be collected or broadcasted are pricisely discussed. Finally a prototyped system based on radio and wireless network is discussed.
著者
佐藤 真理子 小島 みさお 豊島 泰生 坂本 紀子 田村 照子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.477-485, 2006 (Released:2007-10-12)
参考文献数
20
被引用文献数
1 2

The comfort of sanitary napkins was examined by means of a questionnaire and through a wearing test. In the wearing test, the microclimate, both the temperature and humidity inside and outside of sanitary napkins, were measured every 10 seconds for 2h. Subjects consisted of 15 young healthy women who sat on chairs for 60 min, then stood and walked for 3 min, and again sat for 57 min under the experimental condition of 26°C and 60% RH. The results obtained were as follows: 1) The questionnaire showed that more than 60% of the subjects complained of sultriness discomfort during the menstruation period; 2) The wearing test showed that a high-humidity climate was formed in the space between the napkin and the skin, which caused subjective discomfort; 3) The correlation between the discomfort from the sanitary napkins and the difference in absolute humidity inside and outside of the napkins suggested that the discomfort from napkins could be reduced by a freer flow of water vapor.
著者
胡 思已 坂本 龍一 近藤 正章 中村 宏 新 善文
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2018-OS-144, no.5, pp.1-7, 2018-07-23

Linux 系 の OS は積極的に開発されており,デバイスドライバの実装スピードも早く,最新のデバイスを安定動作させることが可能であることから,様々な機器に搭載される OS として広く用いられている.一方で,NetBSD は安全で高い移植性を備えた OS であり,アプリケーションやプロトコルスタックの実装にも頑健性があるなど優れた点も多い反面,Linux に比べて最新のデイバスをサポートしていないなどの課題もある.そのため,最新のデバイスにおいて NetBSD がサポートする頑健なプロトコルスタックを用いることは容易ではない.そこで,NetBSD のカーネルをユーザレベルのプロセスとして実装し,NetBSD のプロトコルスタックやアプリケーションを Linux から利用するための Rump kernel が開発されている.これまで,Rump kernel 利用時の通信性能については十分に評価がされておらず,また通信性能の改善に関しても十分に検討されてこなかった.そのため,本稿ではまず,Rump kernel 利用時の通信性能を評価した.その結果,ネイティブな Linux の通信性能に比べて非常に低い性能しか得られないことがわかった.そこで,Rump kernel 利用時の通信性能の向上手法を検討し,実装を行った.初期実装版で評価を行ったところ,Rump kernel を利用したデータ送信では,95.9% 程度の性能向上が得られることがわかった.
著者
杉浦 徹 櫻井 宏明 杉浦 令人 岩田 研二 木村 圭佑 坂本 己津恵 松本 隆史 金田 嘉清
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.623-626, 2013 (Released:2013-11-09)
参考文献数
19
被引用文献数
5 3

〔目的〕回復期リハビリテーション病棟における超高齢脳卒中患者の自宅退院に必要なADL条件を検討すること.〔対象〕85歳以上の脳卒中患者で,転帰先が自宅もしくは施設または療養病床である71名とした.〔方法〕自宅群(41名)と施設群(30名)の2群に分類し,これらの間で患者の基本的特性,退院時FIM得点を比較した.また,有意差の認められたFIM各合計点では,ロジスティック回帰分析とROC曲線からカットオフ値を算出した.〔結果〕自宅群と施設群の間で,年齢,発症から回復期入院までの期間,移動手段に有意な差が認められ,カットオフ値はFIM運動項目合計点で39点となった.〔結語〕新たなADL条件として,退院時FIM運動項目合計点が39点以下の場合,超高齢脳卒中患者の自宅退院は困難となる可能性がある.
著者
谷口 洋 坂本 剛 鈴木 重明
出版者
日本神経治療学会
雑誌
神経治療学 (ISSN:09168443)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.661-665, 2021 (Released:2022-04-28)
参考文献数
16

The effect of immune checkpoint inhibitors has become clear, and its indication is expanding. Contrary to its effects, immune related adverse events (irAE) have become a problem. Neurologic irAE are relatively rare, yet potentially fatal. Neurologists should make appropriate diagnoses and treatments.
著者
鹿毛 勇 坂本 義仁 高阪 廣作 藤田 栄
出版者
The Iron and Steel Institute of Japan
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.89, no.1, pp.188-195, 2003-01-01 (Released:2009-05-29)
参考文献数
26
被引用文献数
4 4

Atmospheric corrosion on the inhabited steel framed house was investigated with Fe-Ag galvanic type atmospheric corrosion monitoring (ACM) sensors. As the environmental conditions, temperature, humidity and currents of the ACM sensors were continuously measured in several parts of the house for five years. Corrosion rates of hot-dip galvanized steel sheet, Zn-5%Al coated steel and 55%Al-Zn coated steel for the light gauge steels were also determined on the basis of exposure tests. Service life of the galvanized steels and dew condensation in the house were discussed.Amount of deposited sea salt influences the corrosion resistance of the coated steels. Under the indoor conditions of the inhabited house, the amount of deposited sea salt was negligibly small. It is difficult to evaluate the corrosion resistance of coated steel sheets using convenient corrosion tests because of too much sea salt.
著者
坂本 猛 木村 洋明 大川内 一成 水田 悠介 林 未季
出版者
一般社団法人 日本接着学会
雑誌
日本接着学会誌 (ISSN:09164812)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.152-165, 2016-05-01 (Released:2018-03-29)
参考文献数
78
被引用文献数
1 2
著者
坂本 淳
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.8, pp.22-00326, 2023 (Released:2023-08-20)
参考文献数
19

自力で避難が難しい要介護者の自然災害による被災を避けるためには,介護施設をハザードに晒される場所に立地させないことが重要である.本研究では,全国の介護施設の災害リスク分析と,災害レッドゾーンに立地する施設の移転によるリスク軽減効果を評価する.主な使用データは,介護施設の位置情報,要介護者数,事業開始年,およびハザードマップである.その結果,洪水ハザード内にある施設の割合が,その他のハザードと比較して高いことがわかった.また近年は災害レッドゾーンに立地する施設の割合が高く,その施設の要介護者の避難を支援する職員数が十分でない可能性があることが把握できた.さらに,ハザードに晒される場所に立地する,2000年以前に事業が開始された施設の移転を促すことで,要介護者の安全を確保できる可能性がわかった.
著者
原田 勇希 坂本 一真 鈴木 誠
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.319-330, 2018-03-19 (Released:2018-04-06)
参考文献数
28
被引用文献数
18 5

本研究は, 中学生はいつ理科を好きでなくなるのか, 理科の好嫌の性差はいつ生じるのかを検討し, さらになぜ理科を好きでなくなるのかを期待-価値理論の枠組みから分析することを目的とした。本研究では, 期待の指標として各単元に対する統制感を, 課題価値認知の指標として各単元の学習内容に対する興味価値を測定した。分析の結果, (1)男女ともに中学校1年生で理科の好嫌が減退する。その後, 男子には明確な減退傾向はないものの, 女子では2年生でも顕著に減退すること, (2)理科の好嫌における性差は2年生から出現し, 3年生ではさらに拡大すること, (3)どの学年においても統制感と興味価値の両方が理科の好嫌に影響するが, 関連の様相は学年と単元によって異なること, (4)物理分野に該当する単元は他の単元と比較して統制感が低いことの4点が明らかになった。
著者
坂本 祐太 甘利 貴志 寄持 貴代 山田 徹 小野 美奈
出版者
日本ヘルスサポート学会
雑誌
日本ヘルスサポート学会年報 (ISSN:21882924)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.25-32, 2019 (Released:2020-01-11)
参考文献数
25

目的:地域在住高齢者の5 回立ち上がりテスト(Sit to Stand-5、以下、SS-5)におけるQuality Of Life (以下、QOL)低下のカットオフ値を算出する。方法:一次介護予防事業に参加した65 歳以上の参加者155 名を対象に、SS-5 とEuro QOL 5 dimension の項目で主観的にQOL を評価した。Euro QOL 5 dimension は項目を正常と低下の2 群とした。カットオフ値はReceiver Operating Characteristic曲線のAria under curve (以下、AUC)により算出した。結果:SS-5 のカットオフ値は、それぞれ「移動の程度」で10.0 秒(AUC=0.72)、「普段の活動」で10.0 秒(AUC=0.77)、「痛み/不快感」で8.3秒(AUC=0.77)であった。結論:この研究ではSS-5 のカットオフ値を検証した。SS-5 におけるQOL 低下のカットオフ値は下肢とQOL の関連を示し、運動の動機づけするための具体的な目標値となる可能性が有る。
著者
柴田 丸 山竹 美和 坂本 満夫 金森 政人 高木 敬次郎 岡部 進
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.481-490, 1975-07-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
26
被引用文献数
32 34

クマ笹Sasa albomarginata MAKINO etSHIBATAの乾燥葉の熱水可溶分画 (Folin) の急性毒性ならびに抗炎症, 抗潰瘍作用を検討し次の結果を得た.Folinのマウス経口投与によるLD50 (72時間) は109/kg以上であり, また0.2%Folin溶液の連続25日間自由摂取実験より, 症状, 体重変化ともに著変なく本分画の毒性はきわめて弱かった.圧刺激法によりFolin投与後2時間して有意の疼痛閾値の上昇がみられたが, 酢酸法では軽度の抑制がみられたにすぎなかった.また著明な正常体温下降, dextran足蹠浮腫抑制作用, carrageenin足蹠浮腫抑制作用を示し, とくにdextran足蹠浮腫実験において, Folinは局所適用によっても明らかな抑制を示した.しかし綿球法においてはなんらの乾燥肉芽重量の減少もみられなかった.Folinの十二指腸内投与で著明な胃液分泌量の抑制とpHの上昇がみられるとともに, Ulcer indexの減少傾向がみとめられた.幽門結紮-aspirin潰瘍および幽門結紮-caffeine潰瘍に対し, Folinの経口投与はそれらのUlcer indexの減少傾向を示した.FolinはBaSO4の腸管内移動に対しては著しい影響を与えなかった.
著者
坂本 友和 岸 浩史 山口 進 田中 裕久 松村 大樹 田村 和久 西畑 保雄
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.78-83, 2016-02-10 (Released:2016-02-23)
参考文献数
26
被引用文献数
2

We have developed direct liquid fuel anion exchange membrane fuel cell vehicles to deal with the global warming. Non-platinum group metals (PGM) catalyst has been researched to apply for both anode and cathode electrodes. A test driving was carried out for the fuel cell vehicle equipped with no precious metals as catalysts at SPring-8 in 2013. Here we introduce our results of advanced analysis for reaction mechanism and active site of non-PGM catalyst using synchrotron radiation X-rays at SPring-8.
著者
坂本 幸治 阿部 実
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.128, no.9, pp.598-601, 2008-09-01 (Released:2008-09-01)
参考文献数
5
被引用文献数
5 5

本記事に「抄録」はありません。
著者
和田 正信 坂本 誠 杉山 美奈子 松永 智
出版者
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.399-408, 2006 (Released:2008-01-25)
参考文献数
51
被引用文献数
6 4

Skeletal muscles induced to contract repeatedly respond with a progressive loss in their ability to generate a target force or power. This decline in function, referred to as muscle fatigue, has a complex etiology that can involve various metabolic and ionic factors. Of these, intracellular acidosis due to lactic acid accumulation has been regarded as one of the important causes of muscle fatigue that occurs with intense exercise. Recent surveys, however, have demonstrated little direct effect of acidosis on muscle function at physiological temperatures, and in fact several putative mechanisms by which intracellular changes can attenuate contractile function have been proposed. The most likely mechanisms to explain muscle fatigue include elevated inorganic phosphate concentrations that result from phosphocreatine breakdown, compartmentalized depletion of endogenous muscle glycogen and/or modification by reactive oxygen species that are produced extensively in contracting muscle fibers. This brief review seeks to examine how these three alterations contribute to muscular fatigue processes.
著者
坂本 一寛
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.174-179, 2013-12-05 (Released:2014-02-07)
参考文献数
24

脳·神経系は極めて複雑であり,取り組むべき問題は無尽蔵にある.しかしながら,それ故に,何を研究すべきか,焦点を絞りにくい面もある.本稿では,脳·神経系の本質に迫るために検討するに値すると思われる諸問題を,
著者
西田 憲記 久寿米木 亮 坂本 祐史
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.9, pp.718-729, 2016 (Released:2016-09-25)
参考文献数
35
被引用文献数
2

多くの骨粗鬆症性圧迫骨折 (以下OCF) は腰痛を主訴に発症し, 椎体高は減じても自然に軽快している. しかし, 偽関節形成や進行性椎体圧潰を引き起こし, 疼痛が遷延しADLの低下や神経障害を呈する症例も少なからず存在する. OCFの保存的治療は急性期治療と慢性期治療に分けられる. 偽関節形成や進行性椎体圧潰などの予防を目的とした急性期治療は安静, NSAIDsやコルセット治療を行う. 受傷後の画像診断で偽関節形成や進行性圧潰を早期に発見することがOCFの急性期治療に重要である. 骨粗鬆症治療薬として, ビスフォスフォネート製剤などを中心とした骨吸収阻害薬とテリパラチド製剤などを中心とした骨形成促進薬があり, それらの薬剤の功罪の理解が重要である. 保存的治療が無効で, 偽関節形成や進行性圧潰により疼痛の遷延や神経症状が出現する場合には手術治療が必要となる. 椎体形成術としてブロック型人工骨や骨セメントなどの充塡や椎体の圧を軽減するための穿孔術などが低侵襲手術として行われている. 最近では2011年に保険収載され, 近年多くの施設で治療可能となったBKP (balloon kyphoplasty) も椎体形成術の有用な手技と思われる. 刻々と変化する可能性のあるOCFに対して, 治療方法の利点と欠点を十分に吟味しながら治療にあたることが必要である.