著者
坂本 道子 Michiko SAKAMOTO
出版者
聖隷クリストファー大学
巻号頁・発行日
2020

元資料の権利情報 : CC BY-NC-ND
著者
刀祢 和樹 都澤 拓 工藤 謙輔 佐々木 幾星 WEI-CHUAN CHIANG HSIN-MING YEH 中村 乙水 米山 和良 坂本 崇 阪倉 良孝 菊池 潔 河邊 玲
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
pp.22-00026, (Released:2022-12-29)
参考文献数
25

薩南海域におけるカンパチ成魚の遊泳行動を取得し,台湾東部海域の既往知見と比較した。薩南海域の個体は台湾東部の個体よりも移動範囲が狭く,放流した海域の近傍に留まり続けていた。海域間で滞在深度は異なっていたが経験水温は同程度であった。核DNAのITS領域とmtDNAのcytochrome b領域の塩基配列情報を用いて標識個体の種判別を試みたところ,形態的にはカンパチであるにも関わらず,ヒレナガカンパチと同様のcytochrome b領域のPCR-RFLPパターンを示す個体が見られた。
著者
花田 匡利 及川 真人 名倉 弘樹 竹内 里奈 石松 祐二 城戸 貴志 石本 裕士 坂本 憲穂 迎 寛 神津 玲
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.93-98, 2022-12-26 (Released:2022-12-26)
参考文献数
20

近年,間質性肺疾患に対する呼吸リハビリテーションに関する報告が集積され,診療ガイドラインにおいても弱いながら推奨されるレベルに位置付けられている.しかし,不均質な病態かつ,難治性疾患という本疾患の基本的特徴は呼吸リハビリテーションに様々な影響を及ぼし,COPDを対象として確立されたエビデンスの高いプログラムを適用できないことも少なくない.そのため今後,従来の呼吸リハビリテーションとは異なる疾患特異的な方法論の確立,さらには維持プログラムのあり方が重要な課題となる.
著者
村上 和雄 堀 美代 坂本 成子 大西 淳之
出版者
公益財団法人国際科学振興財団
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究は、瞑想や祈りなど人類が社会生活の営みに取り入れてきた宗教性が健康にもたらす効果を、アロスタティックな心身変容と捉えて実証した。仏教の護摩行を実践した僧侶は炎症関連,脂肪酸代謝関連,NK細胞調節関連の遺伝子が発現増加し、呼吸やアミノ酸代謝、脂質代謝などの代謝産物の変動が見られた。一方、ヨーガ瞑想の実験では、熟練度で遺伝子発現プロファイルが異なっていた。しかし、ヨーガの経験の有無に関係なく、ネガティブな感情が低下し、がん抑制関連の遺伝子発現やケトン体の生合成や分解に関わる代謝産物などが変動した。また、護摩行とヨーガ瞑想ともに未経験の被験者において即時的な効果が引き出されることも分かった。
著者
山根 和也 伊尾 阿佑美 宇佐美 利恵 大西 麻美 小笠 ひかる 栗木 るえ子 小柳 美咲 齋藤 かおり 鷹見 正貴子 中島 千里 坂本 君代 小田 美紀子 Kazuya YAMANE Ayumi IO Rie USHAMI Mami OONISHI Hikaru OGASA Rueko KURIKI Misaki KOYANAGI Kaori SAITOU Makiko TAKAMI Chisato NAKASHIMA Kimiyo SAKAMOTO Mikiko ODA
出版者
島根県立大学出雲キャンパス
雑誌
島根県立大学出雲キャンパス紀要 = Bulletin of the University of Shimane Izumo Campus (ISSN:2187199X)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.37-48, 2014

保健師学生と住民との協働活動により、壮年期の住民を対象に運動を取り入れた生活習慣病予防のキャンペーンや健康教室を実施した。本研究の目的は、壮年期の住民の健康意識向上を促すために必要とされる支援方法を明らかにすることである。活動の周知方法は、回覧板が最も効果的であり、知人からの紹介も多数見られた。また、教室参加者のうち45.5%が子ども連れであった。このことから、壮年期の特性を考慮し、子どもや職場、サークルなどをきっかけにした支援が有効な方法であることが明らかとなった。また、地域の核となる人と協働活動を行うことで、より壮年期の住民のニーズや視点に沿った活動を展開できることが明らかとなった。
著者
坂本 慎一
出版者
慶應義塾福澤研究センター
雑誌
近代日本研究 (ISSN:09114181)
巻号頁・発行日
no.20, pp.175-203, 2003

福沢諭吉は文明開化の第一人者とされる。彼は欧米文明を本格的に輸入した最初の世代であり、そのことをもって評価されることが多い。しかし、彼のこの業績をたたえるあまり、明治維新以前の日本がまったくの無学であったと解釈することは正しくない。維新以前の日本における学問の蓄積は、欧米文明の理解に役立ったはずである。福沢自身もこの事実ははっきりと認めている。従来余り注目されてこなかった彼自身の言葉として次のようなものがある。今日我日本人にしてよく洋書を読み、其巧なるは決して西洋人に譲らざる者多し。其然る由縁は何んそや。吾人の始て洋書を学びたるは僅に数年前のことなれども、字を読み義を解するの教育は遙に数十百年、父母祖先の血統に之を伝へたる欺、若しくは全国一般読書推理の空気に浴したるものにして、其横文を読むの力は本来無一物より始造したるに非ず、唯僅に縦行文に代るに横行文を以てし、縦に慣れたる資力を横に変形したるものゝみ。福沢が言うには、明治の日本人が巧みに洋書を解釈できるのは、維新以前に日本人が培ってきた学問の蓄積が存在するからである。この「縦に慣れたる資力」があるからこそ、明治以降の日本人は「西洋人に譲らざる」実力を有していた。この解釈は、福沢自身にも当てはまる。「縦に慣れたる資力」とは、福沢の場合、蘭学修行を始める前に蓄積した学問であった。彼にとってはこの知性こそ、ウェーランドやバックル、ギゾー、J ・S ・ミルなどの政治・経済思想を価値あるものと判断し、活用せしめた原動力であった。従来の福沢思想研究は非常に精緻なものもあるが、彼が影響を受けた和漢書も視野に入れた研究は多くない。これまでは、主に西洋思想から福沢の思想を解析する方法が主流であった。本稿では、福沢における西洋思想の影響は決して否定しないが、彼が洋書と出会う前に影響を受けた政治思想に焦点を当てたい。福沢は自分自身の漢学について、次のように証言している。殊に私は左伝が得意で、大概の書生は左伝十五巻の内三、四巻でしまうのを、私は全部通読、およそ十一度び読み返して、面白いところは暗記していた。それで一ト通り漢学者の前座ぐらいになっていたが、体の学流は亀井風で、私の先生は亀井が大信心で、余り詩を作ることなどは教えずに寧ろ冷笑していた。ここで福沢が言う「先生」とは、独学で亀井学派になった白石照山である。福沢は、十九歳までこの白石の塾で亀井流の左伝学を学んでいた。漢学者の前座にまでなっていたことから考えても、福沢におけるこの思想の影響は注目に値する。亀井学はその難解さゆえか、戦後日本における漢文学でもあまり分析の対象になっていない。租裸学の一派として扱われてしまうことがほとんどである。戦後の左伝学においても、亀井の貢献は忘れられている。福沢はその生涯において、「一身独立して、一国独立す」という思想を主張し続けた。明治二年に個人的書簡で述べ、『学問のすゝめ』や『文明論之概略』ではその詳細な内容を展開し、『通俗民権論』や『通俗国権論』でも同様のことを説いた。さらに最晩年に書いた『福翁百話』の序言でも「一身一家の独立能く一国の基礎たるを得る」と述べている。福沢の思想は状況により主張の力点が異なるなど、その本質を捉えにくい面もあるが、国家の独立こそ、生涯にわたってこだわり続けた思想であると言ってよい。洋書から福沢思想を分析するこれまでの研究では、福沢の言う「国の独立」はどのような源泉から来たものか解明できなかった。彼が読んだとされる洋書の中に、「国の独立」を中心課題とする思想家は、まだ発見されていない。この事実を踏まえれば、彼自身が「やかましい先生に授けられて本当に勉強しました」と述べる亀井流左伝学の影響は分析する必要がある。以下、最初に亀井流左伝学を紹介し、この学問と福沢思想の類似性を指摘したい。
著者
坂本 眞一
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.326-329, 2018-06-01 (Released:2018-12-01)
参考文献数
14
著者
古屋 英治 名雪 貴峰 八亀 真由美 古海 博子 篠原 隆三 二村 隆一 金子 泰久 坂本 歩
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.553-561, 2002-11-01 (Released:2011-08-17)
参考文献数
14
被引用文献数
8 7

【目的】肩こりに及ぼす円皮鍼 (PTN) の効果をプラセボ円皮鍼 (P) を対照とした臨床試験 (CCT) で検討した。【対象及び方法】肩こりを有するボランティア男女合計53名を対象にした。PTNもしくはPの施術部位は後頚部、肩上部、肩甲間部の圧痛点で、3日間継続留置した。評価は3日後の肩こりの自覚及び施術前、施術直後、3日後の肩こり程度のVAS値とした。【結果】「肩こりがある」はP群25名中23例に対しPTN群は28名中12例に減少 (p<0.01) した。肩こりのVAS値はP群の施術前55.2±17.5、直後46.5±19.7、3日後45.9±21.7に対しPTN群の施術前52.5±20.7、直後40.5±22.4、3日後34.2±19.7となり、PTN群の直後 (P<0.05) 、3日後 (P<0.01) で減少した。【結論】円皮鍼の継続留置は肩こりを改善することが示唆された。
著者
坂本 佳津子 制野 勇介 細川 つばさ 植野 杏樹 前田 佳子 越後 尚子 黒澤 寛史
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.29, no.5, pp.555-558, 2022 (Released:2022-09-01)
参考文献数
4

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴い,当院PICUでは面会制限と,その対策として遠隔面会を実施した。この影響について質問紙調査を実施し,PICU看護師60名中40名(回収率67%),患者家族51名中25名(回収率49%)から回答を得た。約90%の回答者が面会制限を肯定的に捉えていたが,家族は子どもと会えない不安を,看護師は看護ケアの不十分さを感じていた。遠隔面会は,視覚情報が得られたことや,普段は行えない両親以外の面会ができたことなどから有用であった。一方で,視覚情報の提示だけでは家族の不安軽減には不十分であり,さらなる工夫が必要と考えられた。
著者
亀山 晶子 樫原 潤 山川 樹 村中 昌紀 坂本 真士
出版者
産業・組織心理学会
雑誌
産業・組織心理学研究 (ISSN:09170391)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.165-177, 2021 (Released:2022-04-29)

Recently, a case of depression called “modern-type depression” (MTD), which has different characteristics from melancholic or traditional-type depression (TTD), has been discussed. At the workplace, it has been suggested that employees with MTD are regarded as a problem, so this study examined the characteristics of impressions and attitudes toward MTD compared to those regarding TTD among supervisors and coworkers. Survey participants were 245 managers and 208 non-managerial employees from Japan. They read two vignettes that described fictitious employees with either TTD or MTD, and completed items regarding their impressions and attitudes toward these employees. Results indicated the following: (a) both managerial and non-managerial employees recognized there were employees similar to those described in the MTD vignette in society, especially among the youngest generations; (b) both managerial and non-managerial employees had more negative impressions and attitudes toward employees with MTD compared to those regarding employees with TTD; and (c) managers were more likely to attribute the cause of MTD to the employee’s personality and have lower sense of familiarity and understanding toward MTD characteristics. It is suggested that there are less understanding and support for MTD in the workplace and countermeasures for these problems are required.
著者
高橋 研太郎 諸橋 一 坂本 義之 小山 基 村田 暁彦 袴田 健一
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.72, no.8, pp.2046-2049, 2011 (Released:2012-02-25)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

症例は62歳,女性.平成22年4月に急性腎不全と意識障害を伴った腸閉塞症にて緊急開腹術を施行したが,明らかな閉塞性病変を認めなかった.術後に意識障害の原因はグリホサート誤飲によるものと判明し,内科的治療で腹部症状と中毒症状は改善した.しかしグリホサート誤飲後1カ月後に再び腸閉塞を発症し,小腸造影と腹部CT検査で小腸重積が疑われた.保存的治療で軽快が得られないため,6月に再手術を施行した.Treitz靱帯から80cmと230cmの2カ所の小腸で,口側腸管が肛門側腸管に嵌り込んだ腸重積を認めた.腸管は炎症性に壁肥厚しており,重積部に腸管の強い癒着を認めた.口側の重積は用手的整復後に狭窄形成術を行い,肛門側の重積は小腸部分切除術を行った.グリホサート中毒後に発症した成人腸重積症の報告例は,検索しうる限りでは本邦初の極めて稀な症例であったが,遅発合併症の1つとして留意する必要があると思われたので報告する.
著者
前田 章太郎 東郷 香苗 石黒 武蔵 井上 貴之 坂本 武彦 菅野 公寿 近藤 充弘
出版者
一般社団法人 日本臨床薬理学会
雑誌
臨床薬理 (ISSN:03881601)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.167-175, 2019-07-31 (Released:2019-08-24)
参考文献数
33

Background: The use of big data/real-world data (BD/RWD) is expected to be a new option for evidence generation in drug development. Pharmaceutical companies are considered to be a group of key drivers to promote widespread use of BD/RWD in Japan. However, little is reported about the current status of the use of BD/RWD for drug development in Japan.Objective: This study was conducted to reveal the current usage of BD/RWD by pharmaceutical companies in Japan and their current organization structure, with the aim to gain insight on the challenges and future perspective of BD/RWD in Japan.Methods: A questionnaire survey was conducted on 66 pharmaceutical companies affiliated with Japan Pharmaceutical Manufacturers Association from 16 to 31 October 2018. The survey consisted of two parts: Questionnaire 1 investigated the current usage of BD/RWD in drug development in Japan, and Questionnaire 2 investigated the current organization structure.Results: Of 52 companies that responded to Questionnaire 1, 30 companies (57.7%) were currently using BD/RWD for drug development in Japan for various purposes, 29 of which (96.7%) planned to continue using BD/RWD. Of 28 companies that responded to Questionnaire 2 and currently using BD/RWD, 9 companies (32.1%) had established divisions or organizations for internal management of BD/RWD, and 14 companies (50.0%) had standard operation procedures or guidance for handling legal and regulatory aspects associated with the use of BD/RWD for drug development in Japan.Conclusion: BD/RWD is currently used for various purposes in drug development in Japan. However, the proportion of companies currently using BD/RWD for drug development is limited to approximately 50%. Proactive involvement of pharmaceutical companies toward the use of BD/RWD for drug development in Japan together with further industry-government-academia harmonization for environment improvement are awaited.
著者
篠原 明男 山田 文雄 樫村 敦 阿部 愼太郎 坂本 信介 森田 哲夫 越本 知大
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.335-344, 2013 (Released:2014-01-31)
参考文献数
38
被引用文献数
2

アマミトゲネズミ(Tokudaia osimensis)は奄美大島に生息し,性染色体がXO/XO型(2n=25)という特異的な生物学的特性を持っているが,絶滅に瀕している.そこで本研究ではアマミトゲネズミの保全および将来的な実験動物化を目的として,その長期飼育を試みた.鹿児島県奄美大島で捕獲されたアマミトゲネズミ7個体(雌6個体,雄1個体)を,一般的な実験動物と同様の飼育環境(環境温度23±2°C,湿度50±10%,光周期L:D=12h:12h)に導入し,実験動物用の飼育ケージ,給水瓶,床敷きを用いて飼育した.飼料はスダジイ(Castanopsis sieboldii)の堅果,リンゴおよび実験動物用飼料を給与した.導入した7個体のうち6個体は937~2,234日間生存し,平均して4年以上(1,495.8±434.3日)の長期飼育に成功した.体重変動,飼料摂取量,摂水量および見かけの消化率の結果から,本研究に用いた実験動物用飼料はアマミトゲネズミの長期飼育に適していると考えられた.また,中性温域は26°C以上である可能性が示唆された.さらに,本種は飼育下においても完全な夜行性を示すことが明らかとなった.本研究によりアマミトゲネズミの終生飼育には成功したものの,飼育室下における繁殖の兆候は一切観察されなかった.今後,アマミトゲネズミの保全および実験動物化を目的とした飼育下繁殖には,飼育温度条件の見直しが必要であると考えられる.
著者
高野 慶輔 坂本 真士 丹野 義彦
出版者
Japan Society of Personality Psychology
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.12-22, 2012
被引用文献数
6

自己注目は,自己に注意を向けやすい特性とされ,非機能的な側面である自己反芻と機能的側面である自己内省の2種類があることが知られている。こうした自己注目の機能性・非機能性に関する議論の多くは個人内の認知・感情の問題に焦点を当てて行われてきており,社会的・対人的な要因との関連はあまり検討されてこなかった。そこで,本研究では,自己注目の機能的・非機能的側面から,自己受容および自己開示との関連を検討した。大学生122名を対象として質問紙調査を実施し,自己反芻・自己内省の傾向,自己受容感,および不適切な自己開示の傾向を測定した。構造方程式モデリングによる分析の結果,自己反芻は,不適切な自己開示と直接的に関連するほか,低い自己受容感を媒介して,不適切な自己開示と間接的に関連していた。一方で,自己内省は,高い自己受容感を媒介して適切な自己開示と関連していることが示された。以上の結果から,自己反芻と自己内省は自己・対人プロセスの中で異なった役割を果たしており,心理的適応に影響を及ぼしていると考えられる。
著者
北村 弥 飯岡 昭子 森田 美智子 坂本 邦樹 桐山 保夫 伊藤 和男
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.726-731, 1982 (Released:2010-06-04)
参考文献数
11

加齢とともに発生頻度が増加する老人性血管腫について統計的観察をおこない, 次の結論を得た。1. Ruby spotの最少発症年令は9歳であり, 加齢とともにその発症頻度は増加した。2. Venous lakeは30歳代より発生しはじめ, 加齢とともにその発症頻度は増加した。Venous lakeを有した54人中53人が下口唇に発症していた。本症と消化管性潰瘍や肝疾患との関連は明らかではなかった。3. Angiokeratoma scroti Fordyceは30歳代以上の者の16.8%に認められた。
著者
比嘉 聖 帖佐 悦男 坂本 武郎 渡邊 信二 関本 朝久 濱田 浩朗 野崎 正太郎 前田 和徳 中村 嘉宏 舩元 太郎
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.458-461, 2007 (Released:2007-11-27)
参考文献数
3

脛骨に発生した骨線維性異形成(OFD)に対し,腫瘍切除後の巨大骨欠損をβ-TCPのみにて補填した3症例(男性1例,女性2例,手術時平均年齢14歳11か月)を経験したので報告する.【方法】腫瘍をen blocにボーンソーにて切除し,β-TCPにて骨欠損を補填し,不安定性への対処としてギプス固定またはplateにて固定した.【考察】OFDに対する治療において,単純掻爬骨移植では再発例が多いというのは以前より報告されていることであり,拡大切除を選択している施設も多い.当科でも同様であるが,骨欠損部が大きくなり自家骨のみでは補填困難である.当科ではBone bankのシステムも確立しておらず,症例が若年者であり採骨のリスクを考えβ-TCPのみで対処した.今回の症例ではβ-TCPは骨に置換され現時点では副作用も認められないので巨大骨欠損に対する補填材料として有用と考えられた.