著者
天野 絵里子 岡野 恵子 稲石 奈津子 今井 敬吾
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.83-91, 2015-05-01 (Released:2015-05-01)
参考文献数
2
被引用文献数
1

京都大学では,2011年度より研究推進に携わる専門職としてリサーチ・アドミニストレーター(University Research Administrator: URA)を任用し,学術研究支援室と8つの部局URA室,2つのユニット付きURAからなるURAネットワークを構築してきた。URAによる主要な研究推進業務の1つとして研究資金獲得支援があげられる。本稿では,URAネットワークで実施している科研費申請支援,人文・社会科学系(人社系)研究者のための支援,ICTを活用した情報の集約と分析について紹介する。また,支援業務の中で浮かび上がってきた,学内でのナレッジの共有,よりプロアクティブな支援の必要性,人社系研究支援の検討などの課題について述べる。
著者
山口 昭三郎 金古 善明 山岸 高宏 大山 良雄 天野 晶夫 新井 昌史 中村 哲也 長谷川 昭 倉林 正彦
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.92, no.1, pp.143-145, 2003-01-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

67歳,女性.クラリスロマイシンの投与を受けた後, torsades de pointesが頻発した.内服中止後に頻拍は消失し,本剤により惹起されたQT延長症候群と診断した.内服中止後も, QTc延長(0.51秒)とV2-6の二相性T波,イソプロテレノール,メキシレチン静注投与後のTU波の形態変化を認め,基礎に再分極異常の存在が示唆された.本剤は使用頻度の高い薬剤であり,投与後の経過に十分留意する必要がある.
著者
天野 由紀 西脇 祐司
出版者
日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.168-174, 2013 (Released:2013-09-28)
参考文献数
7
被引用文献数
9

Background: Eyelash extensions involve the attachment of synthetic eyelashes made of chemical fibers or other materials individually onto natural lashes. However, there are no uniform or well-established guidelines for this procedure. Consultations with ophthalmologists and local consumer centers regarding eyelash-extension-related skin and eye disorders have been increasing yearly throughout Japan. This study was conducted to obtain epidemiologic data on eyelash extensions and their related health problems among the Japanese. Methods: A web-based survey was prepared and conducted with questions regarding the basic characteristics of the study participants, their experience with eyelash extensions (including the number of procedures, frequency of extension, year of first extension, and years since the first extension), and any extension-related health problems. Data from 2000 women, aged 15 to 59 years and randomly selected from across the country in accordance with the demographic composition of Japan, were included in the analysis. Results: In total, 205 (10.3%) respondents reported having experienced eyelash extensions (average, 6.2 procedures; median, 3.0), with a peak among those aged 25 to 29 years and a larger proportion of those living in urban areas than in rural areas. Of these women, 55 (26.8%) experienced health problems such as ocular hyperemia, pain, and itchy swollen eyelids. Multivariate analysis revealed that short intervals of extensions were associated with health problems (multiadjusted odds ratio (95% confidence interval); 2.88 (1.09–7.61)). Conclusions: Eyelash extensions are a popular procedure, especially among urban, young women. However, attention must be paid to the potential health risks of the procedure.
著者
菊池 俊彦 石田 肇 天野 哲也
出版者
北海道大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

オホーツク文化の遺跡から大陸製の遺物が発見されることはオホーツク文化の大きな特徴であり、そのような大陸製の遺物には青銅製の帯飾りや鉄製の鉾、硬質土器などがある。それらは大陸の靺鞨文化・渤海文化・女真文化の遺跡に同一の遺物が発見されていることから、これらの文化とオホーツク文化の間に何らかの交流があって、その結果として大陸製品がオホーツク文化の文化圏にもち込まれたことを示している。本研究ではこうしたオホーツク文化と大陸の諸文化の間の交流について、遺物の上からその実態を明らかにすることを目的とした。その主要な研究成果は次のようにまとめることができる。1.青銅製帯飾りは靺鞨文化およびその中国側の同に文化、女真文化の遺跡から発見されており、したがってオホーツク文化と靺鞨文化・女真文化の間の交流が密接だったことを青銅製帯飾りがよく示している。2.鉄鉾は靺鞨文化・渤海文化・女真文化のいずれの遺跡からも発見されており、オホーツク文化にはこれらのどの文化からも鉄鉾がもたらされていた可能性がある。3.硬質土器は靺鞨文化にはなく、渤海文化と女真文化の特徴的である。オホーツク文化の硬質土器には渤海文化の硬質土器に類似のものと女真文化に類似のものとがある。4.オホーツク文化の人たちの人骨の計測データとアムール河下流域およびサハリンの諸民族の人類学研究のデータの対比によって、オホーツク文化人はニウ-フ民族やツングース系諸民族に極めて近いことが明らかとなった。
著者
夏原 由博 中西 康介 藤岡 康弘 山本 充孝 金尾 滋史 天野 一葉 李 美花 片山 直樹
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.231, 2020 (Released:2020-12-24)
参考文献数
47

本研究ではサギ類を水田の生物多様性の指標と位置づけ、環境保全型稲作によるサギ類の個体数増加の効果を検証することを目的とした。滋賀県野洲市、高島市、愛知県豊田市のそれぞれで、慣行農法による稲作水田と特別栽培または有機栽培の水田を選び、2014年から2016年まで昼行性サギ類(アオサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ)の個体数とその主要な餌となる魚類、オタマジャクシの個体数をトラップおよびすくい取りによって調査した。また、滋賀県で取り組まれている堰上式魚道の効果を検証するために、2016年に野洲で魚道水田と魚道の設置されていない水田の比較を行った。サギ類個体数と魚類個体数は慣行水田と比較して有機水田で多く、オタマジャクシ個体数は農法による差が認められなかった。有機水田は慣行水田で行われている輪作をしないことや農薬不使用のため魚類(主にドジョウ類)の個体数が多いことがサギ類を増加させたと考えられた。魚道の設置は魚類個体数を増加させ、ダイサギとチュウサギの個体数を有意に増加させたがアオサギは差が認められなかった。アオサギは稚魚より大きな餌を好むためと考えられた。また、オタマジャクシ個体数は魚道水田で少なかったが、カエルが魚類のいる水田を避けて産卵するか、卵やオタマジャクシが魚に捕食されたと考えられた。
著者
天野 宏司
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.100127, 2013 (Released:2014-03-14)

飯能市では,飯能アニメツーリズム実行委員会を組織し,アニメ「ヤマノススメ」を活用した誘客事業を展開しつつある。このような流れは,団体型・発地型観光の凋落傾向のなか,個人型・着地型観光に対する関心の高まりのなか,S.I.T.が浸透してきたと捉えることができよう。アニメ・ツーリズムとは,作品のファンが,作品世界に我が身を浸潤させようとする,いわゆる「聖地巡礼」が自発的かつ同時多発的に発生する事を指す。あるいは,観光地域の側で,その様なファンの来訪行為を体系化し,コントロールしようとすることも概念的には含まれよう。飯能市の場合,隣接する秩父市がアニメツーリズムで成功を収めたことをロールモデルとして,これに追隨しようとの意図も有している。報告者は,飯能アニメツーリズム実行委員会の一員として誘客イベントの企画から効果分析までを関わってきた。同時に,秩父市での取組にも関与してきたことから,報告ではこのの両者の取組を比較しつつ誘客効果について分析を行う。
著者
斯波 正誼 天野 文雄
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.23, no.10, pp.736-745, 1981-10-30 (Released:2009-04-21)
参考文献数
21

The report presents the summary of Stockholm Conference held on October 20-24, 1980 sponsored by IAEA, where current nuclear power plant safety issues were discussed.Some technical topics are reviewed that include (1) examining nuclear safety, (2) siting policy, (3) designing for safety, (4) operational safety, (5) emergency planning, and (6) risk assessment, small leak loss of coolant accidents.
著者
天野 治
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.48, no.10, pp.759-765, 2006 (Released:2019-04-05)
参考文献数
7
被引用文献数
2 2

石油は1次エネルギーの40%を占め, われわれの生活を豊かなものにしている。ところが, われわれ人類は, 石油をこの50年で半分使いつつある。それも取り出しやすい, 経済的なものから使っている。残っているものは, 取り出すためにエネルギーがかかるものである。得られるエネルギーを取り出すためのエネルギーで除したものがEPR (energy profit ratio, エネルギー収支比) である。EPR=1はエネルギーを得るのと, 取り出すためのエネルギーが同じことを意味する。これは, 益がない。取り出すためのエネルギーとして, そのためにかかるすべての項目を可能な限り算定する。燃料の採掘, 輸送, 発電所の建設, 運転, 補修, 廃炉, 廃棄物処理・処分までを含む。EPRが高いことは, 石油の代替として有力な候補となる。 ウラン濃縮に遠心分離法を用いた原子力発電はEPRが高い。従来のガス拡散法はウラン濃縮に莫大なエネルギーが必要となり, 人力エネルギーを大幅に増加させるため, EPRは低くなる。EPRを高めるには, 出力エネルギーを増加させることも有効な方法である。具体的には, 稼働率を向上させること, 定格出力を上げることである。 風力発電や太陽光発電のEPRは高くはない。これは, 風の強さ, すなわち出力エネルギーが定格の60%以下と低いことと稼働率が低いことによる (風力は風が吹いている間, 太陽光は日中のみ)。LNGは気体であり, 輸送のために液化するエネルギーを費やすので, 石油火力や石炭に比べてEPRは低い。
著者
天野 絵里子
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.268-272, 2016

This article introduces ideas and practices behind Kyoto University's Open Access Policy established in April, 2015. Kyoto University was the first Japanese university that implemented open access (OA) policies to make its scholarly articles freely accessible. This implementation has garnered wide media attention, encouraging other research universities to follow the same action. The article describes basic ideas behind Kyoto University's OA policy as well as recent developments in Japan. It also discusses what obstacles Japanese universities encounter as they endorse OA policy against multiple stakeholders in the academic publishing industry. It finally suggests what can be done to improve the whole OA system, especially in relation to potential conflicts over copyrights between universities and academic associations.
著者
高川 晋一 植田 睦之 天野 達也 岡久 雄二 上沖 正欣 高木 憲太郎 高橋 雅雄 葉山 政治 平野 敏明 葉山 政治 三上 修 森 さやか 森本 元 山浦 悠一
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.R9-R12, 2011 (Released:2011-12-09)
参考文献数
7
被引用文献数
8

全国的な鳥類の分布情報データを用いて,各種の分布を決める要因や生息数の増減に影響する要因等を探る上で,どのような生活史・生態・形態的な特性をもった鳥において変化が見られるのかを検討することは,効果的な解析手法の1つである.こうした解析を行なうためには日本産鳥類の形態や生態に関する情報が必要である.そこで,今回,海鳥類を除いた日本でみられる鳥類493種について,生活史や生態,形態の情報についてとりまとめ,データベース化した.このデータベース「JAVIAN Database(Japanese Avian Trait Database)」は,さまざまな研究を行なう上でも有用な情報と考えられるため,ここに公開した.
著者
岡 孝夫 天野 卓 林 良博 秋篠宮 文仁
出版者
Yamashina Institute for Ornitology
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.77-87, 2004-03-20 (Released:2008-11-10)
参考文献数
40
被引用文献数
1 4

セキショクヤケイ(G.gallus)の亜種認識に関する統一の見解は現在も得られていない。一般にセキショクヤケイの亜種は生息地,羽装,耳朶色などによって分類される。また,その広大な生息地にはさまざまな気候や植生が存在する。このような環境条件は草むらに身を隠す習性をもつセキショクヤケイの羽装に影響を与えている可能性が考えられる。さらに羽装は繁殖季節によって影響を受けやすい形質であり,また観察条件や観察者の主観によっても異なる。耳朶色に関しても,赤色と白色の2形質が亜種分類の基準にされてきたが,白耳朶は単一遺伝子により発現する形質ではないことが報告されている。従来の分類ではG.g.murghi,G.g.jabouilleiおよびG.g.bankivaの3亜種は大きさや羽装によって明確に分類されている。G.g.gallusとG.g.spadiceusの分類に関しては,G.g.gallusに完全白耳朶と不完全白耳朶の2型の存在が認められているが,現在ではそれらを一括してG.g.gallusとし,赤耳朶のG.g.spadiceusとは耳朶色のみによって区別している。タイとマレーシアのG.g.gallusにおいて,タイのG.g.gallusは完全白耳朶,マレーシアのG.g.gallusは不完全白耳朶を呈し,両者の生息地はG.g.spadiceusの生息地によって分断されている。もし白耳朶形質の完全,不完全を亜種分類の根拠とするならば,G.g.gallusはさらに2つのグループに分類することもできる。さらにmtDNA情報を用いたいくつかの研究においても,この分類を示唆する結果が報告されている。したがってセキショクヤケイの亜種分類は,これまでの形態学的手法を新たな視点で見直すとともに,最新の空間分析や分子遺伝学などの手法などを用いることが望ましいと考えられる。
著者
天野 宏司
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.100138, 2012 (Released:2013-03-08)

2011年第2四半期に放映されたアニメ『あの花の名前を僕達はまだ知らない』は,秩父市を舞台設定の参考にした作品である。秩父アニメツーリズム実行委員会はこの作品を観光資源化し,8万人・3.2億円の集客効果をあげ,コンテンツ・ツーリズムの成功を収めた。しかし,苦悩も生じる。2012年以降も引き続き誘客を図ることが期待される。制作サイドとの良好な関係のもと,さまざまな誘客イベント・PRが展開されていくが,本報告ではその効果の検証を行う。

10 0 0 0 OA 塩尻 : 随筆

著者
天野信景 著
出版者
帝国書院
巻号頁・発行日
vol.下, 1907