著者
カク金慶 天野直紀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.609-611, 2013-03-06

現在、店舗内の盗難を防止するために、多くの店舗で防犯カメラが利用されている。しかし店舗内の盗難事件は必ずしも減っていない。その原因としては、防犯カメラが店内を歩き回る人物を容疑者として特定することが困難だという点がある。 本研究ではコンビニエンスストアなどの店舗内の盗難の監視システムを提案する。 人体認識技術を用いて容疑者の歩き方と振る舞いを記録し、照合する。そしてそのデータを複数の店舗で連携することで、モデルのデータが豊かになり、効率よく容疑者を特定することができると考える。
著者
天野 真輝
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究ではマルチホップ・メッシュネットワークの具体的な事例として,ノードに音響センサを搭載したセンサーネットワークを取り上げ,アプリケーションをベースとして通信や情報処理の手法を解析および提案した.平成19年度の主要な研究成果としては1.平成18年度に開発したセンサーノード間の無線通信プログラムライブリを作成することで,拠点ノードへ情報を集中転送させるスター型の通信構造を可能とした.この通信プログラムを用いることで,センサーノードを空間的に複数配置して広範囲の音声情報計測を可能とした.2.単一のセンサーノードによって計測された足音情報に対して,3つの特徴量を提案し歩行者数の推定との関係を解析した.提案した特徴量はそれぞれ・計測時間内パルス数:計測時間8[s]内において,一定のしきい値を超えた信号の総数・1パルス信号の強度平均:時間0.125[s]内に含まれる一定のしきい値を超えた信号列を1パルスとして考え,1パルスに含まれる信号強度の平均を取ったもの・全信号平均強度:一定のしきい値を超えた信号に関する平均強度を考えた.計測時間内パルス数および1パルス信号の強度平均は歩行人数に対して比例関係があり,全信号平均強度は無相関であった.このため前者2つの特徴力が歩行者数の推定の指標となる.結果として単一のセンサーノードで得られる局所的な足音情報によって歩行者数の推定が可能となった.さらに局所的な処理手法の提案によって通信負荷を増加させることないシステムの構築ができた.
著者
天野 浩
出版者
日本結晶学会
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.202-204, 1997-04-28 (Released:2010-09-30)
参考文献数
13

Recent development of gallium nitride (GaN) based crystals was reviewed. Use of low temperature deposited buffer layer is essential for the growth of device-quality GaN on highly-mismatched substrate.
著者
天野 信
出版者
日本印度学仏教学会
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.345-339, 2013-12-20
著者
天野 伸治郎
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

海洋環境汚染物質として有機スズに着目した。有機スズ(TBT)は船底の生物の付着を防ぎ船舶の燃費改善を目的に船底塗料として近年使用されてきた。しかし環境ホルモン様作用があることが明らかになって現在日本では使用が禁止されている。しかし近隣諸国ではいまだに使用されているため日本近海の汚染は依然として深刻である。健全な海域環境を維持することは海洋に囲まれた日本においては非常に重要な事項である。そこで生物の遺伝子発現プロファイルを確認することで海洋の有機スズ汚染をモニタリングすることを模索した。海産動物ホヤ類は脊策動物に分類され、無脊椎動物から脊椎動物への進化の過程上に存在する生物と考えられている。それゆえホヤの研究を通して脊椎動物における原始的かつ共通な生物学的システムの存在を明らかにできると予想される。また定着生物であることから遺伝子プロファイルにその海域の汚染状況を反映することが期待できる。現在、海産生物で大規模なマイクロアレイが開発されているのはカタユウレイボヤのみであることからカタユウレイボヤを用いた海洋汚染検出システムの構築を試みた。前年度までにTBT被曝により特異的に発現が亢進すると思われる遺伝子14個と抑制される遺伝子28個を確認した。それらの遺伝子がTBTの濃度及び被曝時間に関連してどのような発現変動が見られるかをRT-PCR法を用いて確認した。またそれらの遺伝子の組織特異性をWhole Mount in situ Hybridaization法を用いて確認した。さらに海水中の有機スズ濃度が高い韓国沿岸のホヤと日本沿岸のホヤの体内に残留する有機スズ濃度を比較してみたところ韓国産のホヤで明らかに高く、またそれに相関して発現が亢進しているとみられる遺伝子1個と抑制されている遺伝子1個を確認した。結果、これらの遺伝子を使用しての海洋の有機スズ汚染の検出の可能性が示唆された。
著者
天野 英晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.36, pp.31-36, 2005-05-04
被引用文献数
5

リコンフィギャラブルシステムは, 処理アルゴリズムを書き換え可能なハードウェアデバイス上で直接実行することにより, 柔軟かつ高性能な処理を実現する.一方, 動的リコンフィギャラブルシステムは, 処理中にハードウェアを動的に変更することにより, 高い面積効率の実現を可能とする.これらのシステムはその柔軟性から将来, ソフトウェア無線に応用されることが期待されている.本年度からソフトウェア無線研究会同様, リコンフィギャラブルシステム研究会も第1種昇格を果たした.本稿では, これらのシステムを概観し, 最近の研究動向を簡単に紹介する.
著者
西村 克信 工藤 知宏 天野 英晴
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.1644-1654, 1998-06-15
被引用文献数
5 3

Pruning Cacheは,大規模なCC?NUMA型並列計算機においてディレクトリを動的に構成する手法である.この方法は,ページ単位で共有関係を管理したり,更新型のプロトコルを用いるなど,データ共有を行うプロセッサ数が多い場合に特に有効である.さらに,システムが階層型結合網を持つ場合,縮的階層ビットマップディレクトリ法(RHBD:Reduced Hierarchical Bitmap Directory)を組み合わせて用いることにより,互いの弱点を補うことができ,より高い性能を得ることができる.トレースドリブンシミュレーションによる評価の結果,多くのアプリケーションプログラムにおいて,32エントリ2wayの構成で75%以上のヒット率を実現することが分かった.さらに大規模な階層型結合網を持つシステムに関して確率モデルにより評価した結果,従来の1対1転送の方式に比べて転送容量の点でほぼ等しく,レインテンシの点で有利であることが分かった.The pruning cache directory method is proppsed for dynamic hierarchical directory management on large scale CC-NUMA systems in which a node aggressively shares data with other nodes.By a combination with RHBD(Reduced Hierarchical Bitmap Directory) method,dynamic directory is queckly formed and managed with a small additional hardware.Trace driven simulation shows that the hit ratio of the 2-set associative cache with 32 entries is more than 75% in most of applications.From the probabilistic simulation of a large system,it appears that the combination of the pruning cache and the RHBD achieves better latency and bandwidth than those of traditional directory management methods bassed on 1-to-1 message passing.
著者
天野 敦雄
出版者
大阪大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2009

細胞内ロジスティクス機構と歯周病菌と細胞侵入の関連について検討を加えた。歯周病菌Porphyromonas gingivalis(Pg)は歯周細胞に侵入する.歯肉上皮細胞内に侵入したPgはまず初期エンドソームのマーカーであるFYVEと共局在を示し,その局在は経時的に減少した.その後,細胞内のPgの約半数がLAMP1(ライソソームマーカー)と共局在を示した.また,同じく感染1時間後,細胞内のPgの約70%はトランスフェリンレセプターと共局在を示し,その局在は経時的に減少した.このことから,歯肉上皮細胞内に侵入したPgはまず初期エンドソームに存在し,ライソソームで分解を受ける菌がいる一方,エンドサイトーシス経路へとソーティングされる菌がいる可能性が示された.また,エンドソームから細胞膜へのリサイクリングを制御するRabファミリーGTPaseであるRab11,およびアクチン細胞骨格系の再構成を制御するGTPaseであるRalAとPgとの共局在が観察された.RabllとRalAのドミナントネガティブ型(Rabll^<25N>,RalA^<27N>)とPgとの共局在を検討したところ,野生型と比較し,その共局率は減少した.さらに,RabllとRalA遺伝子のRNAiノックダウンにより,細菌の細胞培養液中への脱出の減少と細胞内の生菌数の増加がみられた.さらに,リサイクリング小胞の細胞膜への繋留因子であるエキソシスト複合体の1つであるSec5,Sec6およびExo84遺伝子のRNAiノックダウンを行ったところ,細胞培養液中の生菌数の減少,並びに細胞内の生菌数の増加がみられた.これらの結果より,歯肉上皮細胞に侵入したPgの一部はRabllとRalAが制御するリサイクリング経路ならびにエキソシスト複合体利用して細胞外へ脱出し,さらに近接細胞へ再侵入し,歯周組織の感染拡大を果たしていることが示唆された.
著者
赤崎 勇 橋本 雅文 天野 浩 平松 和政 澤木 宣彦
出版者
名古屋大学
雑誌
試験研究
巻号頁・発行日
1987

1.前年度に引続き、GaNの高品質MOVPE結晶成長条件下でZnを添加することによりMIS構造に必要な抵抗率の高いi層を実現し、MOVPE法による高性能MIS型青色LED(発光効率0.3%)を実現した。2.カソ-ドルミネッセンス(CL)法によりZn添加GaNの発光微細特性及び発光スペクトルを評価した結果、「GaH表面微細構造」と「発光波長及び発光強度」の間に密接な関係があることを見出し、面内で均一な青色発光を得るための成長条件を明らかにした。3.MOVPE法によりMg添加GaNの結晶成長を行い、以下の結果を得た。(1)Mg濃度はMg原料流量に対し線形的に制御できる。(2)Zn添加の場合と異なりMgの添加効率は基板温度によらず一定である。(3)Mg濃度を制御することにより室温のPL測定において青色発光(440〜460nm)を得た。(4)電子線照射処理を施すことにより、青色発光強度が1桁以上も増加すること、かつp形GaN(正孔濃度〜10^<16>cm^<-3>)が得られることを見出した。(5)pn接合形LEDを試作し、その発光スペクトルを測定したところ、青紫色及び紫外発光が観測された。以上の結果、Mg添加はGaN系短波波長発光素子の作製に極めて有効な方法であることが明らかになった。4.GaN上にGaAlNを成長させヘテロ接合の作製を行った結果、GaAlN層にクラックが発生することが分かった。このクラック発生はGaAlN層の組成及び膜厚を制御することにより抑制できることが明らかになった。またこのクラック抑制技術に基づきGaNとGaAlNの多層構造を作製した結果、表面平坦性の優れた多層膜が得られた。
著者
藤井 輝久 高田 昇 日笠 聡 酒井 道生 竹谷 英之 櫻井 嘉彦 花房 秀次 小阪 嘉之 天野 景裕 嶋 緑倫 吉岡 章
出版者
The Japanese Society on Thrombosis and Hemostasis
雑誌
日本血栓止血学会誌 = The Journal of Japanese Society on Thrombosis and Hemostasis (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.446-453, 2006-08-01
被引用文献数
1

8施設の血友病患者の入院医療コストを集計し, その特徴と診断群分類(DPC)点数表の導入に対する問題点を考察した. 2002年4月から2004年3月までの8施設における患者の各入院に対し, 血友病の種類, 体重, インヒビターの有無, 手術の有無, 入院日数, 請求点数などを集計した. さらにそれらのデータからそれぞれの因子により請求点数を解析し, どの因子が請求点数に関与しているか統計学的検定を行った. 入院日数, 請求点数は施設間にばらつきがみられ, 施設別1日あたりの平均医療コストは最少が124,110円, 最大が222,080円であった. 体重別では25kg未満127,280円, 25-50kg 210,720円, 50-75kg 280,861円, 75kg以上526,958円で有意差がみられた. インヒビターの有無(524,416円, 147,534円)でも有意差がみられた. 2004年度の血友病類縁疾患のDPC導入案と比較すると, 全施設で病院側の赤字になることが分かった. 以上より, 血友病患者の入院医療コストは患者の体重や状態により多種多様で, 安易にDPCを導入することは問題と思われた.
著者
前川 要 五十川 伸也 千田 嘉博 亀井 明徳 天野 哲也 狭川 真一
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

緊急発掘に伴う中世遺跡の発掘調査資料は膨大である。まず、土器・陶磁器を中心とした詳細な編年体系ができつっある。時間軸はおおよそ、最低50年単位で理解できうる状況になってきている。また、一方では遺跡整備に伴い、全国で城館・城下町遺跡・港湾都市遺跡の資料が急激に増加してきている。さらに、加えて高速道路など大型開発に伴い広域を空間的に認識できる遺跡も増加して、中世村落構造を認識できるようになってきている。しかしながら、研究はそれぞれが分断されており、様式論的に同時期の様相を把握する機会は従来全く無かった。ここで総合的研究を実施することにより、日本史側から投げかけられた問題提起を受け止め、民衆史のみならず、海運史、北方史、周辺民族史などに関連して考古学から歴史像の再構築を行うことが可能となる。以上のような現状において本課題は、研究の発展段階の観点からみて成長期にあり、総合研究を実施することにより研究の一層の発展が期待で切る領域と予想されるため企画調査を実施することを目的とした。特に、2回の会議を通して次の3項目について検討した。1.特定領域として研究申請する意義についてさらに申請が可能か否か、2.研究項目が適切か否か、3.追加あるいは削除する項目があるか否か(1)平成14年6月15・16日:総括班が東京御茶ノ水で集まり、研究領域の目的・意義、研究項目の妥当性について検討した。(2)平成14年9月29・30日頃:国立歴史民俗博物館にて全体会議の招集。共同研究者から、意見聴取。(3)平成14年10月初旬頃:特定領域研究へ申請のため、総括班が東京近郊で集まり書類作成のための意見聴取を行った。(4)同下旬頃:申請書類提出のため平成15年度発足特定領域申請書および特定領域申請書概要の印刷準備。(5)平成14年11月頃:特定領域研究(A)「中世考古学の総合的研究」として申請書類を提出した。
著者
三松 謙司 大井田 尚継 西尾 知 堀井 有尚 野中 倫明 越永 従道 宗像 敬明 富田 涼一 天野 定雄 福澤 正洋
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.1023-1028, 1998
被引用文献数
13 14

目的 : 1971年1月から1996年12月までの25年間に経験した小児腸重積症713例について年齢, 性差, 症状, 診断, 治療方法, そして重積型式, 重積原因疾患, 再発に関して臨床的に検討した.結果 : 年齢は平均15.2カ月で男児に多く, 症状では, 腹痛, 嘔吐, 血便の三主徴が半数に認められた.非観血的整復率は平均61.0%であったが, 発症から12時間以内では平均83.7%と高く, 早期診断, 早期治療が重要であると思われた.観血的整復術施行例において, Hutchinson法のみ施行した症例が71.2%, 腸管切除例は11.5%であった.重積型式は, 回腸結腸型, 回腸回腸結腸型が多く, また重積原因として器質性疾患によるものは2.4%と少なく, 器質性疾患のうちではMeckel憩室が10例と最も多かった.結論 : 再発率は観血的整復後の4.0%に比べ, 非観血的整復後は10.0%であった.このことは, 高圧浣腸による不完全整復と器質性疾患が関与している可能性が考えられた.
著者
天野 皓己
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

昨年度までの研究結果をふまえ、本年度は茨城県の富栄養淡水湖(北浦)において高アナモックス活性地点が形成される要因を底層水中の硝酸イオン濃度に注目して検討した。2005年8月から2007年10月まで行った長期観測のデータ解析およびアナモックス細菌の16S rRNA遺伝子を標的とした定量PCR法によるアナモックス細菌数の定量を行い、環境因子との関係を解析した。上記の期間中、おおむね2ヶ月に1回程度北浦のKU3, KU4およびKU6の3定点において堆積物を採取し、(1)アナモックスおよび脱窒の潜在活性測定、(2)水質測定、(3)定量PCR法によるアナモックス細菌数の定量を行った。結果、アナモックス潜在活性は季節によらずKU3地点で最も高く、ついでKU4地点でKU3地点の1/2から1/3、そしてKU6地点では0に近い値であった。底層水中のNO_3^-濃度を測定した結果、KU3地点では通常250μM以上であったがKU4地点では半減し、KU6地点ではさらに低い濃度であった。堆積物間隙水中のNO_3^-濃度も同様にKU3>KU4>KU6の順に減少した。アナモックス細菌数は16S rRNA遺伝子コピー数としてKU3地点では堆積物1cm^3あたり3.8-6.0×10^7コピーとKU4地点の2倍、KU6地点の25倍のコピー数が検出された。ここで、KU3地点における季節変動を調査した結果、底層水中のNO_3^-『濃度は夏季、特に6月に減少し、2006年、2007年ともに60μM以下であった。堆積物間隙水中のNO_3^-濃度も同様に夏季に減少した。一方、アナモックス潜在活性は他の季節と比べてやや低いものの、両年6月にも検出された。また、アナモックス細菌の全細菌に対する存在比も両年6月に減少する傾向は認められず、アナモックス細菌は常に存在していた。以上の結果から、KU3地点ではアナモックス細菌群集が安定に維持されていることが明らかとなり、高いNO_3^-濃度条件を経験することがアナモックス細菌群集形成要因の一つである可能性が示唆された。
著者
天野 和孝 鈴木 政憲 佐藤 時幸
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.106, no.4, pp.299-307, 2000-04-15
被引用文献数
8 15

鮮新世における日本海への暖流の流入した層準を明らかにすべく, 秋田県の天徳寺層産の軟体動物群を検討した.天徳寺層は岩相的に下部, 中部, 上部に細分される.本層の時代は本層中部から抽出された石灰質ナンノ化石より鮮新世中期のNN16帯下部から中部と判断される.天徳寺層から産出した軟体動物群中には鮮新世〜更新世前期に日本海側で生息した大桑・万願寺動物群の特徴種と中新世塩原型動物群の残存種2種が含まれる.また, 多くの寒流系種に加え, 天徳寺層の基底部および中部から15種もの暖流系種が新たに認められた.暖流系種の産出状況から, 天徳寺層基底部および中部堆積時には, 薄い暖流が冷水塊上を流れていたと思われる.
著者
天野 雅郎 小関 彩子 佐藤 和正 永井 邦彦
出版者
和歌山大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

21世紀は、大学の激動の時代である。この研究は、そのような大学の激動の時代において、大学の再生の可能性を教養教育の視点から考察したものである。そのために、この研究では日本の近代の教養教育が、これまで辿って来た歴史を振り返り、それをヨーロッパの教養教育の理念と比較しながら、その影響関係や齟齬について吟味し、さらに加えて、21世紀の新しい教養教育の可能性について、理論と実践の双方向から、教育哲学による提言を行なったものである。