著者
福見 良平 堀内 悦夫 福山 寿雄 秋好 広明 天野 勝司
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会四国支部紀事 (ISSN:0915230X)
巻号頁・発行日
no.13, pp.12-14, 1976-12-25

第2報において,牛ふんの多量施用がナス・甘藷の生育.収量に及ばす影響について報告したが,本報ではダイコン・トマトについて試験を行ったので,その結果の概要を報告する。
著者
天野 真志
雑誌
研究報告デジタルドキュメント(DD)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.4, pp.1-6, 2012-07-12

2011年3月11日に発生した東日本大震災は,東北地方から北関東一帯にかけて甚大な被害をもたらした.それとともに,各地に遺されていた歴史資料も被害をうけることになった.これらの歴史資料は,震災によって様々な被害をうけ,消滅の危機に瀕している.NPO法人宮城歴史資料保全ネットワークは,これらの歴史資料を消滅の危機から救済するために,宮城県を中心として活動をおこなっている.本報告では,東日本大震災にともなう歴史資料保全活動の経過について,宮城歴史資料保全ネットワークの活動を中心に紹介する.さらに,活動の現状と課題について検証し,今後の活動についての展望を示す.The 2011 Great East japan Earthquake and Tsunami Disaster brought about serious damage all over East Japan.Simultaneously, the Historical Materials left behind to every place also received damage. These Historical Materials are on the verge of the disappearance. Nonprofit organization Network for Preserving Historical Materials in Miyagi is carrying out activity which relieves the historical materials by which it was hit by Miyagi Prefecture. This report introduces the relief activities of the historical materials after the 2011 Great East Japan (Tohoku) Earthquake and Tsunami Disaster. Furthermore, it verifiers about the present condition and the subject of activity.
著者
天野 完 西島 正博 新井 正夫
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.37, no.11, pp.2291-2299, 1985-11-01
被引用文献数
2

局麻剤が胎児心拍数・新生児neurobehaviorに及ぼす影響を妊娠正期正常分娩例を対象として検討し以下の結果を得た. 1.bupivacaine 35mg硬膜外投与後60分までに12.1%(12/99block)にominous patternが出現し2block後が母体低血圧に,5block後がuterine hyperactivityに起因する変化と思われた. 2.lidocaine200mg旁頚管内投与後30分までに27.7%(13/47block)にominous patternが出現したが母体低血圧に起因する変化はなく4block後30.8%の変化はuterine hyperactivityが誘因と思われた. 3.局麻剤投与後の胎児心拍数変化はいずれも一過性で変化のみられた群とみられない群で臍帯動脈血ガス分析で有意差はみられなかつた. 4.Amiel-Tison et al.のNACS(Neurologic Adaptive Capacity Scoring)による新生児neurobehaviorの評価では生後3〜6hで低スコアの傾向がみられるものの生後4日目には局麻剤投与群と無麻酔群での差はみられなかつた. bupivacaineの臍帯静脈血レベルは154.4±24.5ng/ml(UV/MV0.26)で生後4日自には71%の例で10ng/ml以下であつた. 妊娠正期正常例では局麻剤投与によりhypoxic stressが負荷され得るが一過性であり臨床的には何ら問題はない.しかしながらIUGRなどfetal reserve低下例では慎重な産科麻酔法の選択,より厳重な胎児管理が必要になるものと思われる.
著者
天野 成昭
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.351-354, 1996-04-15
著者
高砂 敬一郎 矢満田 健 牧内 明子 近藤 竜一 沼波 宏樹 花岡 孝臣 町田 恵美 宮澤 正久 吉田 和夫 青木 孝學 羽生田 正行 天野 純
出版者
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.13, no.5, pp.627-631, 1999-07-15
被引用文献数
4 3

症例は75歳, 女性.1992年3月21日, 左下葉の肺硬化性血管腫に対して核出術を施行した.術後, 外来で経過観察されていたが, 手術より約4年後の1996年5月, 胸部X線写真上, 左上下肺野に腫瘤陰影が多数認められ, 擦過細胞診で肺硬化性血管腫と診断された.本症例はその臨床経過より再発と考えられた.従来より肺硬化性血管腫の手術術式は核出術が一般的であったが, 核出術施行後の局所再発症例の報告や本症例を考えると, 可能であれば部分切除術以上の術式の選択が必要と思われた.また, まれではあるが再発を念頭においた術後の経過観察が必要と思われた.
著者
天野 文雄 中川 真 山口 修 山路 興造 吉川 周平 谷村 晃 林 公子 山崎 正和
出版者
大阪大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1988

民族芸能の「翁」の意義は、それ自体の価値とともに、能の「翁」研究の資料たる点にある。その両者を兼ね備えている民族芸能の「翁」には奈良豆比古神社翁舞、兵庫県加東上鴨川住吉神社翁舞、神戸市車の大歳神社翁舞などがあるが、後の二者についてはすでに詳細な調査報告がなされているので、このたびは奈良豆比古神社の翁舞を主たる調査対象としたものである。従って、この調査の目的は次のごとくであった。(1)奈良豆比古神社翁舞の歴史と現況の把握。(2)能の「翁」および民俗芸能の「翁」の中における位置づけ。(1)については、奈良豆比古神社および同社翁講所蔵の未紹介史料の発掘があり、それらの文献をもとに聞き取り調査をも併せ行った結果、寛政以後の翁舞や翁講の動向をある程度把握することができた。また、実績報告書にも報告したように、同翁舞の現況についても、所作と音楽を中心に詳細に分析し、記録化することができた。これは平成元年時の詳細な記録として、将来その評価はきわめて高いものとなることは必至と言える。(2)については、奈良豆比古神社の翁舞は上鴨川住吉神社や神戸市大歳神社の翁舞と同系であり、江戸期に南部の薪猿楽や春日若宮おん祭において「翁」を独占的に演じていた「年預」の系譜を引く「翁」であることが判明した。年預は室町期以前の猿楽座の上座衆(翁の上演構をもつ長老座衆)の末裔であり、「翁」という芸能の伝承力の強さ、民族芸能の「翁」の位置と意義について、新たな認識が得られた。
著者
上田 剛士 天野 佳正 相川 正美 町田 基
出版者
一般社団法人 日本環境化学会
雑誌
環境化学 (ISSN:09172408)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.155-159, 2010 (Released:2010-12-24)
参考文献数
16
被引用文献数
3 2

The adsorption mechanisms of nitrate ion on chemically and physically treated activated carbon (AC) were investigated. The commercial activated carbon (NORIT R1 EXTRA) was first de-ashed with both acids of HCl and H2F2. The de-ashed AC was then treated with nitric acid to introduce acidic functional groups on the surface, subsequently outgassed at different temperatures of 600, 800 and 1000 °C in helium flow to eliminate acidic functional groups. Also, the out-gassing treatment at different temperatures of 500, 700 and 1000 °C was conducted for the de-ashed AC to increase Cπ electon site on the graphene layer. The results obtained in this study showed that the introduction of acidic functional groups on the surface of AC could be achieved through acid treatment with nitric acid. Carboxylic and lactonic groups could be completely removed by out-gassing under the temperature over 800 °C. Also, Cπ electron site was increased accompanying to higher temperature in the process of out-gassing. The surface acidic functional groups such as carboxylic and lactonic groups prevented the adsorption of nitrate ion, while no interruption for the adsorption of nitrate ion by phenolic hydroxyl group was observed contrastive to carboxylic and lactonic groups. The amount of nitrate ion adsorbed on the carbon could be increased with the expansion of basic site.
著者
佐久間 美紀 天野 佳正 町田 基
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会論文誌 (ISSN:18835856)
巻号頁・発行日
vol.22, no.6, pp.337-343, 2011 (Released:2012-01-17)
参考文献数
27
被引用文献数
2 3

原料のモウソウチクを短冊状の竹チップにし,窒素気流中,500℃,昇温速度25℃/minで管状炉を用いて2時間炭化し竹炭を調製した。次にカリウムを多く含む灰分を残した状態の調製した竹炭を180℃,280℃および380℃で2時間空気酸化した。細孔特性はBET法,αs-plot法およびt-plot法にて,表面官能基はBoehm滴定にて求めた。表面積は未酸化竹炭が250m2/gであったのに対し,180℃の空気酸化で340m2/gに,380℃で680m2/gまで増大した。細孔容積は380℃の空気酸化により未酸化竹炭の0.16mL/gが0.31mL/gまで発達した。また380℃で空気酸化を行った竹炭は,1000℃での脱気処理によっても表面積・細孔容積ともに微増した。竹炭の表面官能基量は空気酸化により増加し,酸化温度の上昇に比例して増加した。380℃の空気酸化により表面官能基 (特にカルボキシル基) は未酸化竹炭の0.02mmol/Lから1.19mmol/Lまで増加した。低温炭化に続く空気酸化により,未酸化竹炭と比較して表面積・細孔容積ともに大きく,表面官能基の豊富な竹活性炭を調製できることを明らかにした。
著者
鯉渕 道紘 松谷 宏紀 天野 英晴 D.FrankHsu Henri Casanova
雑誌
ハイパフォーマンスコンピューティングと計算科学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.85-92, 2012-01-17

メニーコア並列アプリケーションと高性能計算機の大規模化が進むにつれて性能への通信遅延の影響が大きくなってきている.そのため,高性能計算システムでは高次元スイッチを用いた低遅延トポロジの活用が重要となりつつある.そこで,本研究では,典型的なトポロジにランダムなショートカットリンクを加えたトポロジを探求する.N 台の次数kのスイッチで構成されたトポロジにおいてランダムなショートカットリンクは,直径を理想値である logk N に近づけ,平均距離,トポロジの拡張性,耐故障性をスモールワールド効果により改善する.グラフ解析の結果より,ランダムなショートカットリンクは,規則的にショートカットリンクを付加した場合と比べて,直径と平均距離を最大 8 倍改良することが分かった.また,フリットレベルシミュレーションの結果より,ランダムなショートカットリンクは遅延を 35% 削減し,ハイパーキューブなどの同じ次数を持つ規則的なトポロジと同程度のスループットを達成した.
著者
山浦 悠一 天野 達也
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.261-276, 2010-07-31
被引用文献数
6

マクロ生態学は、大きな時空間スケールで生物の個体数・分布・多様性を扱う分野である。近年、人類が引き起こしている地球規模での環境変化が生物多様性に及ぼす影響が注目を集めるなか、マクロ生態学の重要性が認識されつつある。本稿では、まずマクロ生態学で扱われてきた課題とマクロ生態学の特徴を整理する。そして、マクロ生態学を発展させるための有望なアプローチの一つとして、生物の生態的特性の活用を挙げる。生態的特性とは、生物の形態的・生理的・表現的な特徴ことのを指し、生物の行動や環境への反応、資源(生息地)要求性、生態系内での機能、他の生物に及ぼす影響力なども含まれることもある。生態的特性を活用することにより、マクロスケールでの生物-環境の関係性の理解・予測が促進されるだろう。マクロ生態学の今後の課題として、局所生態学との統合や時間的視点の考慮などが挙げられるが、生態的特性の活用はこれら課題の解決に大きく貢献するだろう。人類が地球上で優占する現在、生物多様性を理解、予測、保全するうえで、マクロ生態学の更なる発展が望まれる。
著者
鈴木 圭 小川 博 天野 卓 安藤 元一
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.13-18, 2008-06-15
被引用文献数
3

ニホンモモンガPteromys momongaの巣箱利用率から本種の環境嗜好性を評価した。丹沢山地に548個の巣箱を設置し樹上性哺乳類全般の利用状況を調べた。巣箱利用率の高まる8月から10月における巣箱内の痕跡から,林相,水場の遠近および標高が本種の巣箱利用度に及ぼす影響を検討した。本種の巣箱痕跡率は広葉樹・モミの天然林において0.4%,スギ・ヒノキ人工林で0%,および天然林と人工林がパッチ状に混在する林で3.9%であった。一般線形モデルによる解析を行ったところ,本種は天然林と人工林の混在する環境を好んで生息し,水場の遠近や標高による影響は見られなかった。他方,山地林に普遍的に生息する樹上性ノネズミであるヒメネズミApodemus argenteusはこれらの環境要素に対して嗜好性を示さなかったことから,上記の嗜好性がニホンモモンガの特徴であることが推察された。
著者
天野 昭子 矢野 秀治
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.425-430, 2006-11-20
被引用文献数
4 3

市販のフェニトロチオン測定キット(高感度タイプ)およびイミダクロプリド測定キットを用い,キュウリ測定時のマトリクス効果について調査した.キュウリの実試料では,薬剤の低濃度添加の場合に回収率が150%を超え,実用的でほない結果となった.キュウリ果実を,外果皮を含む果托,中果皮および種子を含む胎座に分け,各抽出物が測定値に与える影響を見たところ,果托の抽出物が吸光度値を大きく抑制していた.これはフェニトロチオンの測定で特に顕著であった.試料の希釈調製液を限外濾過膜で処理したところ,回収率は大きく改善された.
著者
吉見 真聡 長名 保範 岩岡 洋 西川 由理 小嶋 利紀 柴田 裕一郎 岩永 直樹 舟橋 啓 広井 賀子 北野 宏明 天野 英晴
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.45-58, 2007-02-15
被引用文献数
4

確率モデル生化学シミュレーションアルゴリズム(SSA)は,定義した生化学システムの確率的挙動を厳密に計算できるアルゴリズムとして知られている.しかし,SSA の実行には膨大な計算時間が必要であり,高速な実行環境が求められている.本論文では,高速実行の一手法として,Xilinx 社のFPGA(XC2VP70-5)を用いて,SSA(First Reaction Method)を実行する回路を実装,評価した結果について述べる.高速化は,パイプライン化した演算ユニットを使い,複数スレッドのシミュレーションを同時に実行することで実現する.シミュレータ回路は,中間データをBlockRAM に保持し対象の生化学システムごとの回路再構成を要しない,実用的な構造になっている.ベンチマーク的に定義できる生化学システムTIS,D4S で評価した結果,Xeon 2.80 GHz による実行と比較して,TIS では約83 倍,D4S では約95 倍のスループット向上が可能であることを確認した.This paper discusses an FPGA implementation and evaluation of a Stochastic Simulation Algorithm (SSA) called the First Reaction Method. SSAs are widely known as rigorous methods for simulating the stochastic behaviors of various biochemical systems, but also as CPU-hogging applications due to vast repetition of the algorithm. This work accelerates the execution by achieving high throughput with concurrent simulations of highly utilized pipelined arithmetic units. For upgrading practical utility, the design stores intermediate data in a BlockRAM so that reconfiguration is unnecessary for different target biochemical systems. Benchmark results on an FPGA (Xilinx XC2VP70-5) have shown that the circuit provides throughput of approximately 83 times and 95 times compared to software execution on Xeon 2.80 GHz when it was evaluated with biochemical models called TIS and D4S, respectively.
著者
洞口 治夫 柳沼 寿 松島 茂 金 容度 近能 善範 天野 倫文
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

産業クラスターの知的高度化とグローバル化とについての実証的調査研究は、イノベーションの創出に関するアクターの多様性に関する研究として進化した。産業クラスターにおける企業間の協業と分業に焦点をあてた調査によって、組織間の共同研究と新たな組織の形成という課題が重要性を増していることが明らかになった。産業クラスターにおける現地調査は、名古屋、福岡・北九州、シリコンバレー、富山などで行った。産業集積に着目して調査を行うと、必ず「産業」の枠を超えた組織間関係の重要性を発見し、また、地域という距離的凝集性を超えたグローバル化したネットワークの存在を知ることになった。日本の産業クラスターで追求されている技術と経営の方向性は、「ものづくり」を基盤としながら、さらにイノベーションを求める姿勢であった。イノベーション創出への姿勢は、具体的には、複数の企業による共同特許の取得として定量的に把握できる。トヨタは、その共同特許の取得に最も熱心な企業であった。従来、イノベーションと産業集積との関係については、後者が前者の苗床となるという漠然とした研究しかなく、必ずしも明確なものではない。マーシャルのいう外部経済は、必ずしもイノベーションを誘発しない。シュンペーターのいう「新結合」は、経済社会における生産要素の定常状態を仮定した論理である。結合されるべき要素それ自体が「開発」される可能性を論理的に排除しているのだが、本研究においては、生産「要素」それ自体が、企業の研究所と大学、あるいは、研究開発機関との共同研究によって増加していることを明らかにした。また、シュンペーターは「新結合」を遂行するのは企業家の役割であるとしていたが、企業の研究開発担当者、大学の研究者、企業家、公設試験機関など、多様性をそなえたアクターが、既存の要素技術を組み合わせる作業に従事していることも明らかになった。