著者
春日 志高 天野 洋
出版者
日本ダニ学会
雑誌
日本ダニ学会誌 (ISSN:09181067)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.31-42, 2000-05-25
参考文献数
15
被引用文献数
7 12

1999年3月8日から5月31日の期間に全国47都道府県を対象としてケナガコナダニ属のダニのホウレンソウ加害に関するアンケート調査を実施した.被害は北海道から九州までの広範囲で認められ, 施設栽培で早春と晩秋に発生するのが一般的だった.ケナガコナダニ属のダニはまれに大きな被害を引き起こすが, 季節的に限定された発生を示すため害虫としての重要性は比較的低く評価された.また, 最近5年間くらいで被害が認識されるようになった比較的新しい害虫であることが示された.被害傾向は「年によってまちまち」が50%, 「横ばい」が27.1%, 「年々増加」が18.8%, そして「年々減少」が4.2%だった.イナワラやモミガラの堆肥, 特に未熟堆肥の大量投入が発生を助長する傾向が認められた.さらに登録のある2薬剤の評価を求めたところ, DDVP乳剤の効果にばらつきが認められた.この原因は薬剤がダニの寄生する新芽部にかかりにくいためと考えられた.一方, DCIP粒剤の評価は比較的高かったが匂いが強いためか使用例は少なかった.郵送されたサンプルからダニを採取し同定したところ, ホウレンソウケナガコナダニが優占種であり, ホウレンソウ加害の主要種と考えられた.
著者
天野 和彦 金堀 利洋 中村 文信
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
国立大学法人筑波技術大学テクノレポート (ISSN:18818587)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.151-160, 2008

筑波技術大学保健科学部としては第1回、筑波技術短期大学視覚部時代からは通算で6回目のアメリカ研修を平成19年3月7日から同15日までの日程で行った。 研修期間の前半は大学間交流協定締結校のひとつであるニューヨーク州立大学バッファロー校(UB)を訪れた。訪問した学内の障害補償支援センターやニューヨーク州西部生活自立支援センターでは、高等教育機関やニューヨーク州・アメリカ国内における障害者支援や社会自立について理解を深めた。語学研修センターでは実際の授業に参加する機会を得た。 期間の後半は場所をニューヨーク市に移して、参加学生自らの立案により、東洋医学に関するプログラムを提供しているパシフィック・カレッジ・オブ・オリエンタル・メディスン(PCOM)を主たる研修先として訪問した。そこでは、アメリカ国内での東洋医学の現状と今後の展望などについて理解を深めた。
著者
天野 洋子 安里 葉子 新城 正紀 上田 礼子
出版者
沖縄県立看護大学
雑誌
沖縄県立看護大学紀要 (ISSN:13455133)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.36-44, 2001-02
被引用文献数
2

本研究の目的は、青年期にある者を対象として、彼らが自己開示し相談できる相手、尊敬している人、自己決定に際し大きな影響を受ける他者等をあきらかにし、今後の精神保健活動に役立てることにある。調査対象 平成12年7月、沖縄県の短期大学2年生(女子)47名である。 調査方法は質問紙法であり、(1)生き方、性の問題、結婚、困ったときなどに誰に、どのくらい、話をしたり相談したりするか(2)尊敬する人、結婚生活について考える際に影響を受けたものなどであった(調査票は1984年上田作成を用いた)。結果:1)、青年期にある者の自己開示の程度は項目によって誰にどの程度話すかに違いがあった。2)、彼らが全ての項目で最も自己開示できる相手は友人であった。友人に全部話すものの割合は、生き方57%、性の問題70%、結婚について68%、困っているとき85%であった。これは他の人たちに対する自己開示に比べ非常に大きな割合であった。 3)母親に何でも話せる者は生き方27%、結婚24%、困ったとき30%であり三項目とも第2位であった。4)全ての項目につき自己開示できる相手(少し話すも含めて)の平均は友人94%、母親58%、きょうだい55%、先輩38%、父親34%、親しくないが信頼できる人26%、先生20%、祖父母13%、親戚10%であった。5)性について自己開示する相手は友人93%、きょうだい41%、先輩36%、親しくないが信頼できる人23%、母親20%、先生14%、父親7%、親戚5%、祖父母0%であり母親、父親の割合は低かった。6)父親について 父親への相談は母親にくらべかなり順位は低かった。 しかし、結婚条件として求める事や、結婚したらどんな夫婦になりたいかなどにおいて子どもの考え方に父親は強く影響を及ぼしていることが明らかになった。 以上の結果から青年期にあるものの重要他者としては一位が友人、2位母親、きょうだい、先輩、父親の順であった。ゆとりがなく他者との信頼関係を築くのに努力を要し、きょうだいの数が減少してきている時代に、彼らが安心して自己開示できる人々に出会え豊かな人間関係を築けるよう周りの大人達の配慮が必要であることが示唆された。
著者
高木 省吾 渡邊 寛 福士 将 天野 憲樹 舩曵 信生 中西 透
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.29, pp.1-8, 2014-02-24

ボランティアコンピューティング (VC) で高い性能を実現するためには,多数の参加者を集める事が重要である.しかし,既存の VC システムでは,参加に際して専用ソフトウェアのインストール等の手間がかかり,参加の障害となっている.そこで本研究では,参加者が Web ブラウザで指定の URL にアクセスするだけで即座に VC に参加することができるような,Web ベースの VC プラットフォームを提案する.提案するプラットフォームでは,PNaCl 等の LLVM 技術を用いることで,C/C++ で記述された計算問題を Web アプリ化し,ブラウザ上で高速に実行することができる.性能評価として,PNaCl を用いて姫野ベンチマークを Web アプリ化した場合,ネィティブアプリと同等の実行性能を実現できることを確認した.In Volunteer Computing (VC) systems, volunteer participants can contribute their idle computing resources by computing a piece of the computation (job) in their idle time. In existing VC systems, participants must put an extra effort, e.g. installing a dedicated software to their computers and register their personal E-mail addresses, which will be barriers to join as a participant. This paper proposes a web-based VC platform, in which participants can join to VC system by just accessing a specified URL with Web browsers. By using LLVM techniques such as PNaCL, VC jobs become convertible as fast-acting Web applications. As the results of our experiments based on Himeno Benchmark, we show that the performance of PNaCl codes on a web browser is equivalent of native one.
著者
今田 啓介 酒井 洋介 大塚 智宏 鈴木 順 樋口 淳一 飛鷹 洋一 天野 英晴
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.75, pp.163-168, 2008-07-29

NEC により開発が進んでいる ExpEther は,PCI Express と Ethernet を統合するネットワークインタフェースである.本稿では,ExpEther を対象とする RDMA 通信機構を実装したネットワークインタフェースコントローラを利用するためのソフトウェア環境が RDMA 通信機構の性能に与える影響についての評価を述べる.実験用システムにおいて,RDMA 通信に必要な通信用バッファの Physical Buffer List (PBL) の取得に要する時間を測定した結果,1MByte の領域に対して 8.35μsec で済み,同じ領域に対するピンダウン処理の時間の半分程度であり,十分実用的であることがわかった.また PCI Express NIC に対するメモリアクセスをユーザレペルで行った場合のメモリアクセスレイテンシは 0.58μsec であり,カーネルを経由した場合と比べて 54.3% 削減できることを確認した.ExpEther by NEC is a network interface for a bridge between PCI Express and Ethernet for network connected virtual computer environment. In this paper, evaluation of the software environment which supports access to ExpEther network interface card (NIC) is described. On our experimental system, it takes 8.35μsec to get Physical Buffer List (PBL) for RDMA data transfer using 1MByte buffer. It is almost a half of time for pin-down the same memory area, and practical. The user-level memory access latency was 0.58μsec, and the overhead of using the kernel corresponding to 54.3% of execution time is removed.
著者
天野 敏之 玉木 徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.90, no.8, pp.2060-2069, 2007-08-01
被引用文献数
5

本論文では三次元物体の姿勢パラメータを二次元画像から高速に推定する方法として,EbC(Estimation-by-Completion)法を提案する.EbG法は,アピアランスベース姿勢推定を,画像に埋め込まれた情報トラックの復元という問題としてとらえ,固有空間法による学習結果をもとにBPLP法で画像補完することで情報トラックを復元し,パラメータ推定を実現する.また,画像補完とパラメータ推定の計算を2枚の画像(EbC画像対)に集約し,各パラメータの推定を画像の内積演算と簡単な三角関数のみで実現するため,パラメータ推定を高速に行うことができる.実験では,鉛直軸周りの回転と画像面での並進の3自由度の姿勢パラメータ推定結果を示し,EbC法の精度と計算コストについて述べる.
著者
天野 千恵
巻号頁・発行日
2013

Thesis (Ph. D. in Biological Science)--University of Tsukuba, (A), no. 6527, 2013.3.25
著者
宇山 智彦 平野 千果子 秋田 茂 前川 一郎 河西 晃祐 小沼 孝博 水谷 智 長縄 宣博 天野 尚樹 中山 大将
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-10-21

近代帝国の植民地および脱植民地化の歴史を、比較と関係性の視角から研究した。帝国権力と周縁・植民地社会を結ぶ媒介者・協力者の役割、植民地の知識人による近代化の試み、諸帝国の競存体制と植民地同士の関係、帝国・植民地における移民の位置づけ、帝国の暴力と反乱、第一次世界大戦とロシア革命のインパクト、脱植民地化をめぐる国際関係などを研究し、帝国論・植民地論の知見を現在の国際問題の分析にも応用した。全体として、帝国権力が国内外に作り出す格差構造と、植民地の被統治者の主体性の両方に目を配りながら、植民地史の多面性と今日的意義を明らかにした。
著者
天野 忠幸
出版者
鳴門教育大学
雑誌
鳴門史学 (ISSN:09141383)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.27-47, 2012
著者
天野 徹哉 玉利 光太郎 内田 茂博 伊藤 秀幸 田中 繁治 森川 真也
出版者
常葉大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では,人工膝関節全置換術(TKA)適用患者の身体機能と運動機能の測定を行い,(1)術後早期の機能回復を明らかにすること,(2)各機能の標準値について検討することを目的とした。本研究の結果より,術後14日目という短期間では,膝関節筋力・膝屈曲ROMと歩行速度は,術前機能まで回復しないことが明らかになった。また,各機能の関連因子を基に階級分けを行い,TKA前の身体機能検査と運動機能検査の標準値を算出した。本研究で得られた知見は,理学療法士が変形性膝関節症患者の機能低下を解釈する際の一助になるとともに,理学療法の効果判定をする際の目標値になると考える。
著者
天野修 草間薫編
出版者
学建書院
巻号頁・発行日
2006
著者
天野 修
出版者
Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.384-393, 2011-07-20
被引用文献数
8

Major salivary glands, parotid, submandibular and sublingual glands, secrete serous and mucous saliva via the proper excretory ducts connecting between oral cavity and glandular bodies. Discovery of the salivary ducts in 17th century established the concept of exocrine secretion as well as salivary glands. In more recent investigations have revealed the endocrine functions of salivary glands by a variety of cell growth factors produced by granular ducts. In the present review describes the macroscopic findings of human major salivary glands and the microscopic differences of human and rodent salivary glands.