著者
太田篤志
雑誌
感覚統合障害研究
巻号頁・発行日
vol.9, pp.45-63, 2002
被引用文献数
8
著者
江藤 一洋 太田 正人 井関 祥子 飯村 忠彦 池田 正明 中原 貴
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2001

1.神経堤細胞の細胞増殖/細胞死制御の分子機構Twist遺伝子を欠失したマウスは胎齢12日にて胎生致死となることが報告されている。しかしながら、頭部神経堤細胞が遊走を開始し最終到達部位にて細胞増殖および細胞分化を解析することは可能である。そこで、Twist-/-胚を用いて細胞増殖、細胞死、細胞分化、パターニングへの影響を解析したところ、細胞増殖の抑制及び細胞死の亢進、細胞分化の抑制、神経分布パターニングの異常を観察した。特に、細胞死の亢進は顕著であり、その影響で細胞分化の抑制が生じる可能性が強く示唆された。2.頭部神経堤幹細胞による組織再生への応用の可能性の検討細胞とscaffoldによる歯周組織のin situ tissue engineering近年、医学研究では細胞移植が注目を浴び、今後自家の細胞を利用したcell-based-therapyは、臨床医学において中心的な役割を担うと考えられている。われわれは、歯周組織のcell-based therapyの可能性を検討するため、自家の歯根膜細胞とcollagen sponge scaffoldを組み合わせて、歯周組織のin situ tissue engineeringを試みたところ、これまでに行われている細胞播種実験に比較して有意に実験的に作製した露出歯根面周囲の歯周組織における新生セメント質の形成が確認された。3.頭部神経堤幹細胞の遺伝子プロファイリングの試み分離細胞の潜在的分化能や、微小組織における多数の遺伝子発現を同時に解析することにより、頭蓋顎顔面領域の間葉に存在すると考えられる頭部神経堤幹細胞を同定する方法の開発が必要となった。現在、マウスの神経上皮の初代培養による頭部神経堤細胞の分離法とマイクロアレイ解析法を組み合わせ、神経堤幹細胞で発現する遺伝子のプロファイリングを行っているところである。
著者
本田 亜起子 片平 伸子 別所 遊子 太田 貞司
出版者
一般社団法人 日本地域看護学会
雑誌
日本地域看護学会誌 (ISSN:13469657)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.61-70, 2012-08-31 (Released:2017-04-20)

目的:経済的理由による介護保険サービス利用の手控えが高齢者やその家族の健康や生活に与える影響と,それに対する介護支援専門員(以下,CM)の対応を明らかにすることである.方法:神奈川県A市のCMを対象とし,自記式質問紙調査(1次調査)を行い,152人の回答について統計的に分析した.調査内容は,(1)対象者の基本属性,(2)経済的な問題がある利用者の把握,(3)介護保険サービスの手控えと影響およびCMの対応であった.さらに,1次調査の回答者のうち18人に半構成的面接調査(2次調査)を行い,質的帰納的に分析した.結果:1次調査:経済的理由から介護保険サービスを手控えている利用者を担当している者は71人(46.7%)であり,手控えによる影響には「本人の健康状態の悪化(52.1%)」「家族の介護負担の増加(47.9%)」等があった.2次調査:経済的理由には,「生活保護基準は超える低所得」「本人の意思」「親族の事情」等があった.CMの対応としては,「通常業務を超える活動」「他職種との調整・協力」「地域ネットワークの活用」等があった.結論:CMの約半数は経済的理由によるサービス利用の手控えが利用者の健康状態悪化や介護負担増加を引き起こした事例を経験していた.CMは手控えの影響を最小限にするために工夫していたが,保健福祉専門機関による支援体制の強化も求められる.
著者
柴崎 幸次 小山 奈緒子 太田 晶 陸 雅然
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.28-33, 2010

「清須市あいでんてぃてぃ」は、平成20年度、愛知県立芸術大学柴崎幸次研究室が清須市より受託した研究事業の略称である。平成17年〜21年に4つの町が合併して誕生した清須市の地域特性と魅力を再評価するための調査研究と、そこから見つけ出された清須を象徴する作品により構成されている。元々、別の町民であった清須市民が、合併による新しい市を知ることや街としての一体感を共有するために、調査によって見出された清須の個性を、1)風景と人のイラストレーション、2)現況写真を含む聞き取り調査によるブログサイト、3)美濃路の旧町名を表現したフラッグのグラフィックデザイン等の作品にまとめ表現した。
著者
對馬 宣道 栗田 明日香 大森 聖 菊地 萌 鈴木 波 前田 亮輔 太田 能之 吉田 達行 中尾 暢宏 田中 実
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.343-348,図巻頭1p, 2014-03

日本ウズラの卵の斑紋は,極めて特徴的であり人々の目を惹くため,1960年代の研究者たちの興味は,もっぱら卵管の卵殻腺部からの色素分泌と,卵殻表面への色素沈着に向けられていた。また,これらの研究者が,対象とした日本ウズラの卵殻色素と言えば,独特の斑紋の形成に深く関与しているプロトポルフィリンであった。そのため,1970年以降も日本ウズラの卵殻色素に関する研究は,プロトポルフィリンに着目したものばかりであった。そのなかで,Pooleは日本ウズラ卵の卵殻色素としてプロトポルフィリンの他に,ビリベルジンが存在することを指摘している。彼はその論文のなかで,日本ウズラの卵を割って内側(卵殻膜側)を観察したとき,卵殻内側の色が薄茶色をしているものと,緑色をしているものの2つに大別できることを示している。さらに,彼は内側の色が緑色をしている日本ウズラ卵殻から抽出した溶液を用いて,その吸収スペクトルをとったところ,プロトポルフィリンのピーク(波長415nm)以外に,波長680nm付近に異なるピークが存在することを見出した。Pooleは,この波長680nmにピークを示す物質をビリベルジンであろうと推測している。最近,日本ウズラの卵殻腺部からの抽出液を用いて,質量分析を行った研究によると,卵殻腺部にはプロトポルフィリンの他に,ビリベルジンが存在することが明らかにされている。
著者
太田 彩子 森長 真一 熊野 有子 山岡 亮平 酒井 聡樹
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.234, 2004

これまでの研究では、集団間では送粉者が異なることによって、花の香りが異なることが知られている。しかし、花の香りは以下の要因でも変化しうるのではないだろうか。<br>1. 個体サイズ:個体サイズによって繁殖形質(花冠の大きさ等)が変化することがあるため。<br>2. 花齢:訪花要求量が変化するため。<br>3. 昼夜:送粉者が変化することがあるため。<br>そこで本研究では、花の香りが個体サイズ・時間(花齢・昼夜)に依存して変化するのかどうかを調査した。今回は、香りの強さに特に着目して解析を行った。<br>・ 実験方法<br>ヤマユリ(ユリ科・花寿命約7日)を用いて以下の調査を行った。<br>1. 香りの個体サイズ依存変化<br>2. 香りの時間依存変化<br>3. 送粉者の昼夜変化<br>4. 繁殖成功(送粉者の違いの影響をみるため、昼/夜のみ袋がけ処理を行い、種子成熟率・花粉放出率を比較)<br>・結果<br>1. 個体サイズが大きいものほど花の香りは強くなる傾向にあった。<br>2. 昼に比べ夜の方が香りは強くなるが、花齢が進むにつれて香りは弱くなる傾向にあった。<br>3. 昼にはカラスアゲハ、夜にはエゾシモフリスズメが訪花していた。<br>4. 種子成熟率・花粉放出率共に、昼夜での違いはなかった。<br> 今後はGC-MSを用いた香りの成分分析を行う予定である。これらの結果を統合することにより、個体サイズ・時間に依存した花の香りの適応戦略を明らかにしていきたい。
著者
太田 有美
出版者
日本小児耳鼻咽喉科学会
雑誌
小児耳鼻咽喉科 (ISSN:09195858)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.316-320, 2015 (Released:2016-03-31)
参考文献数
7

言語獲得前の小児に対する人工内耳手術においては,術後のハビリテーションに工夫を要する。成人と異なり小児は言葉で答えてはくれないため,言語聴覚士は患児の行動・反応をみてマップの作成や調整をしなければならない。セラピーに乗せるためには,興味を持つおもちゃを用いて条件付けをし,患児と“やりとり”ができるようにしなければならない。小児の人工内耳ハビリテーションを行うには,子供の遊びに付き合う根気強さ,行動・反応を見極める観察眼,発達の程度や個性に合わせて関わり方を変えられる柔軟性,保護者や療育施設の先生との連携をするコミュニケーション能力が必要である。言語獲得前の小児の場合,人工内耳手術はスタートであり,その後のハビリテーション・療育が言語発達ひいては社会性の発達に極めて重要である。
著者
權 偕珍 太田 麻美子 照屋 晴奈
出版者
一般社団法人 アジアヒューマンサービス学会
雑誌
Journal of Inclusive Education
巻号頁・発行日
vol.6, pp.41-55, 2019

社会における障害理解を促進し共生社会を実現するためには、障害を人間の多様性として捉え、多様な人材を社会で活用するというダイバーシティの観点(日本経済団体連合会, 2002)から障害理解教育を考える必要がある(權・太田, 2018)。また、障害理解は人間理解そのものであり、障害理解の社会的向上を図るために次世代を担う生徒に対する教育が不可欠である(芝田, 2013)ため、次世代の教育者である教員養成課程の学生を対象とした障害理解教育カリキュラムの開発が必要である(權・太田, 2018)。そこで、本研究では、現在カリキュラムの要素として挙げられている理念的領域と方法論的領域の内容を設定する事を目的とする。そのために、①. ダイバーシティ教育の観点に基づく障害理解教育カリキュラムに必要な理念的要素を設定する。また、②. ①で行われた結果を基に、現在日本の国立教員養成大学で行われている障害に関する授業のシラバスを収集し、設定した理念的内容と方法論的内容と対応分析する。
著者
太田 猛彦 塚本 良則 城戸 毅
出版者
THE JAPANESE FORESTRY SOCIETY
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.383-390, 1985

<br>丘陵性自然斜面における雨水移動機構を解明するため,多摩丘陵に試験斜面を設け,土層中の水分変化を観測した。これより斜面全体にわたる等サクション線図と等水理水頭線図を作製し,その時問的変化を追跡 して,斜面内の雨水移動の実態を,降雨の開始からそのピーグ,終了,乾繰過程に至るまでに生起する各種の水文事象について詳細に説朗した。なかでも,不飽和浸透流の実態飽和側方流の諸相,復帰流の役割等が明らかになった。また,これらの解析を通して,斜面に生起する大帯の現象が基盤地質の影響をうけていることを示し,とくに,斜面頂部に存在する厚いローム層の役割について以下の点を指摘した。 1) 大きな土湿不足をもつた め,降雨流出に対していわば負のソースエリアとして働く。 2) 大量の雨水を一時貯留し,おそい直接流出に貢獣する。 3) 急傾斜部以下に生起する諸水文現象の支配要因となる。
著者
柴田 昌典 太田 匡宣 青木 隆成 多和田 英夫 谷口 信吉
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.40, no.7, pp.589-594, 2007-07-28 (Released:2008-11-07)
参考文献数
18

維持透析患者100名 (慢性腎炎55名, 糖尿病性腎症45名) と対照患者137名の皮膚の色調をコニカミノルタ社製の分光測色計CR-400®で定量的に測定した. 透析患者では有意に皮膚の明度が低く (p<0.01), この低下と年齢とは相関がなかったが, 維持透析の継続期間の長さとは有意の相関がみられた (p<0.01). 糖尿病性腎症による患者にくらべ, 慢性腎炎の患者の皮膚の明度は有意に低かった (p=0.0005). 維持透析患者にみられる皮膚の色素沈着が糖尿病性腎症患者では軽度である理由は不明であるが, インスリンがMSH代謝へ及ぼす影響の可能性につき述べた.
著者
太田 時男
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.10, no.11, pp.896-900, 1989-12-20 (Released:2009-08-07)
参考文献数
6
被引用文献数
1

1989年3月23日にユタ大学とサザンプトン大学の2人の研究者によってアナウンスされたcold fusion(常温核融合)の可能性は,comfusion(condenced matter confinement nuclear fusion)と呼ばれ,もし実際に起りうるとすれば今世紀有数のトピックスとなる。一方,ミュオン核融合の研究は10年以上の歴史を持ち,ブリガムヤング大では,これに類似の現象が観測されたと主張する。 本稿は水素エネルギーの立場から,金属水素化物と重水電解系の界面でのダイナミックな非平衡系で核融合が可能なことを提唱する。この現象は,まだよく知られていないこともあって,特に今日までのcold fusion研究の経緯について述べ,理解を容易にした。 要点はcold fusionは優れて表(界)面の特徴的現象でsurfusionとも呼ばれてよいことも併せて提案した。
著者
伊藤 太二 山﨑 俊介 太田 一樹 大村 正史 親泊 政一
出版者
日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.63-68, 2015
被引用文献数
1

合成洗剤の好気性・嫌気性微生物分解や, 合成樹脂等に使用される酸化防止剤の酸化・加水分解などにより生成されるノニルフェノールは, 内分泌攪乱化学物質の一つである。このため, 食品へのノニルフェノール混入によるヒト内分泌系に対する攪乱作用の検証とその分子機構の解明が重要である。これまでにノニルフェノールは, 男性生殖器系 (精巣・前立腺) を主な標的とし, 雄の親マウスへの投与により, F1およびF2の雄マウスでの精巣・前立腺の縮退や精子分化不全が報告されている。本研究では, 前立腺でのAndrogen受容体 (AR) による転写活性化にも必要なヒストンアセチル化酵素AIB1のホルモン受容体結合領域に対して, ノニルフェノール存在下で結合するタンパク質をヒト正常前立腺cDNAライブラリーから探索して, ヒトタンパク質NPR1 (<u>N</u>onyl<u>p</u>henol <u>R</u>eceptor <u>1</u>) を単離した。<i>in vitro</i>での分子間相互作用解析の結果, NPR1はノニルフェノールを高い特異性で結合した。従って, エストロゲン受容体を介した機構に加え, NPR1を介した新たな内分泌攪乱機構の存在が示唆された。
著者
阿知波 秀彦 布川 修 杉山 友康 小林 徹 太田 直之 草野 國重
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学研究発表会 発表講演集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.2191-2192, 2003

鉄道沿線の切取斜面や自然斜面において、降雨や地震の影響で小規模な崩壊が発生することが想定される場合は、崩壊が発生しても崩土が線路内に流入しないように線路際に柵などを施工し防護することが多い。しかし、崩壊の規模や崩土の衝撃力などを予測する手法は確立していないため、崩土により線路際の防護工が破壊され災害に至るケースが見られる。そこで、本研究では、崩土の運動を把握することを目的として、小型模型による崩土の流下・衝撃実験を行った。本稿では、模型実験の概要と実験で得られた衝撃波形のパターン、および衝撃力のピーク値と崩土の厚さ、長さ等との関係について述べる。
著者
早乙女 梢 太田 祐子 服部 力 柿嶌 眞
出版者
日本菌学会
雑誌
日本菌学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.21, 2007

<I>Polyporus</I>(タマチョレイタケ属)は,担子菌類サルノコシカケ科の一属であり,子実体が有柄で結合菌糸骨格菌糸の未分化な2菌糸型の種が広く含められている.このため,本属は子実体の外形が多様な種が包括されており,属内には子実体の外部形態に基づいた<I>Polyporus</I>, <I>Favolus</I>, <I>Melanopus</I>, <I>Polyporellus</I>, <I>Admirabilis</I>及び<I>Dendropolyporus</I>という6つの形態グループが設けられている(N&uacute;&ntilde;ez and Ryvarden, 1995).<BR>本研究は現在1つの属として扱われている<I>Polyporus</I>の分類学的な妥当性を検証する事を目的とし,本属22種52菌株及び近縁属10属15種18菌株を用い,LSUnrDNA領域, <I>rpb2 </I>遺伝子領域及び<I>atp6</I>領域による分子系統解析を行った. <BR>解析の結果,系統樹上には8個の単系統群が検出され,そのうち2単系統群には本属菌と近縁属菌が含まれていた.したがって, <I>Polyporus</I>は単系統群ではないことが明らかとなった. <BR>属内の各グループの系統関係については, <I>Polyporellus</I>グループの種は同一クレードを形成した.一方, <I>Polyporus</I>グループと<I>Melanopus</I>グループの種は複数のクレードに含まれ,これら2グループは単系統なグループではなかった.なお, <I>Favolus</I>グループ, <I>Admirabilis</I>グループと<I>Dendropolyporus</I>グループの種については系統的な位置を特定することができなかった. <BR>以上の結果から, <I>Polyporus</I>は単系統群ではなく,また形態的にも遺伝的にも多様な種が含まれており,分類学的再構築が必要であることが明らかになった.
著者
江嵐 充治 野口 昌邦 福島 亘 太田 長義 小矢崎 直博 北川 裕久 宮崎 逸夫 山田 哲司 中川 正昭
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.53, no.7, pp.1522-1527, 1992
被引用文献数
1

最近,乳房切断術後,直ちに広背筋皮弁や腹直筋皮弁など自家組織を用いて乳房再建術を行う一期的乳房再建術が普及しつつあるが,予後に関する報告を見ない.今回,これら自家組織を用いて乳房再建を行った83例と乳房切断術のみを行った153例の生存率と非再発生存率を比較検討した.その結果,一変量解析で5年生存率および非再発生存率は乳房再建症例でそれぞれ92%, 90%,非乳房再建症例でそれぞれ92%, 86%であり,いずれも両群間に有意差を認めなかった.更に多変量解析で両群症例の背景因子を補正し検討したが,両群間に有意差を認めなかった.従って,一期的乳房再建術の有無は乳癌の予後に影響を与えないことが示唆された.