著者
荒木 秀明 佐々木 祐二 猪田 健太郎 武田 雅史 赤川 精彦 太田 陽介 末次 康平
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.35 Suppl. No.2 (第43回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C0983, 2008 (Released:2008-05-13)

【目的】近年、MRIの普及により脱出型または遊離型ヘルニア症例の多くが数週間もしくは数カ月の内に、症状とヘルニアそのものが消失することが報告され、積極的保存療法が提唱されている。われわれは、難治性の椎間板ヘルニアに対して吉田らの提唱する椎間板加圧療法を用いて良好な結果を得ているが、今回は非観血的に椎間板の変性を目的として温熱効果を持たせた超音波療法の効果を理学検査とMRIを用いて検討したので報告する。【方法】対象は罹病期間が3ヶ月以上で、MRI画像にてT1、T2強調でともに低信号を呈する腰痛症例である。治療肢位は棘突起間を開くように両側股関節を屈曲位での側臥位とした。超音波治療はIto社製超音波治療器を用いて、周波数1MHz、100%の連続波、強度は1.0~1.5W、5分間行った。理学療法は超音波照射後、たんぱく質の変性により髄核の縮小が起こり、椎体間の不安定性が惹起されることが予測される。この不安定性に対する安定化を目的に、多裂筋、腹横筋それと骨盤底筋の共同収縮練習を背臥位、座位、立位へと段階的に進めた。その際、疼痛が出現しないように配慮した。治療効果を判断するため各種理学検査とMRIの変化を翌日、4、8、12週間後に測定した。【結果】MRI画像は超音波照射翌日、L5/S1レベル以外ではほとんどの症例でT2強調画像は炎症反応を示す高信号に変化した。ヘルニア塊の経時的変化は、4週後に軽度縮小傾向を認め、8週後にはさらに縮小し、12週後には顕著に縮小していた。加圧療法と比較すると縮小の程度は遅いものの縮小傾向が観察された。理学検査では、翌日ほとんど変化は認められなかったが、4週後には症状は軽減し、職場復帰が可能な程度であった。12週後においても症状の改善は維持されていた。【考察】過去約20年間、腰痛症例に対する治療法は積極的な手術療法から化学的酵素療法や経皮的椎間板切除術を経過し、積極的な保存療法へと移行してきている。しかし、臨床においてはこれらの治療法を駆使しても治療に抵抗する難治性の症例に遭遇する。今回、積極的保存療法に抵抗する難治性の椎間板ヘルニアに対して、椎間板の主たる構成要素であるたんぱく質を融解させることで、炎症を惹起させ、マクロファージによる吸収を促進することを目的に超音波照射を施行した。結果は仮説を肯定するように炎症を予測させるMRI画像の変化と、経時的なヘルニア塊の縮小、消失を確認できた。画像の変化に伴い理学検査においても改善が確認された。【まとめ】積極的保存療法に抵抗する難治性椎間板ヘルニア症例に対して、非観血的な中間療法として温熱効果を持たせた超音波療法を紹介した。画像所見、理学検査所見とも良好な結果を得ることができた。今後は、症例数を増やし、レベル毎の違い、照射後の副作用の有無、長期間の予後を含め検討していきたい。
著者
功刀 浩 太田 深秀 若林 千里 秀瀬 真輔 小澤 隼人 大久保 勉
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.177-181, 2016

近年,緑茶の飲用頻度が高いとうつ病など精神疾患のリスクが低いことが指摘されている。緑茶特有の成分であるテアニン(L-theanine:N-ethyl-L-glutamine)は,グルタミン酸に類似したアミノ酸で,リラックス効果があることが知られていた。筆者らは動物実験により,テアニンはprepulse inhibition[PPI]で評価した感覚運動ゲイティング障害を改善する効果があるほか,持続的投与では強制水泳テストの無動時間を減少させ,海馬での脳由来神経因子の発現を高めるなど抗うつ様効果も認める結果を得た。健常者を対象にテアニン(200mgまたは400mg)を単回投与するとPPIが上昇することを見いだした。慢性統合失調症患者に8週間投与したところ,陽性症状や睡眠を改善する効果がみられた。大うつ病患者に対する8週間のオープン試験では,うつ症状,不安症状,睡眠症状に加えて認知機能の改善が観察された。以上から,テアニンは多彩な向精神作用をもち,統合失調症やうつ病といった精神疾患に対して有用である可能性が示唆された。
著者
永井 宏達 市橋 則明 山田 実 竹岡 亨 井上 拓也 太田 恵 小栢 進也 佐久間 香 塚越 累 福元 喜啓 立松 典篤 今野 亜希子 池添 冬芽 坪山 直生
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.36 Suppl. No.2 (第44回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.E2S2007, 2009 (Released:2009-04-25)

【目的】加齢に伴い、筋力、バランス機能、柔軟性、敏捷性といった運動機能の低下がみられ、特に、バランス機能は加齢による低下が顕著であるとされている.近年、高齢者に対するバランストレーニング効果に関する報告が散見されるが、ゆっくりとした動きでのバランストレーニングと素早い動きでのバランストレーニングのどちらの動作速度でのバランストレーニングが効果的であるかは明らかではない.そこで本研究は、施設入所高齢者に対して素早い動きのバランストレーニング(RBT)と、ゆっくりとした動きのバランストレーニング(SBT)の二種類を実施し、その効果の違いを明らかにすることを目的とした.【対象と方法】対象はケアハウスに入所している高齢者41名(男性5名、女性36名、平均年齢:81.9±6.8歳)とし、RBT群(17名:80.8±7.0歳)とSBT群(24名:82.5±6.7歳)に対象者を分類した.なお、対象者には研究についての説明を行い、同意を得た.バランストレーニングとして、片脚立位、前方・左右へのステップ動作、椅子からの立ち上がりなどからなる20分程度の運動プログラムを週2回、8週間実施した.これらのトレーニングを、RBT群には、バランスを保ちながらできるだけ素早く特定の姿勢をとらせ、その後姿勢を保持するようにし、SBT群にはゆっくりとした動きで特定の姿勢まで移行させるように指導した.なお、2群のそれぞれの運動回数および運動時間は統一した.バランス能力の評価として、開眼・閉眼片脚立位保持時間、立位ステッピングテスト(5秒間での最大ステップ回数)、静止立位時の重心動揺面積(RMS)、前後・左右方向の最大随意重心移動距離をトレーニング前後に測定した.2群間のトレーニング効果を比較するために、反復測定二元配置分散分析を行った.【結果と考察】2群間のベースラインのバランス機能に有意差はみられなかった.二元配置分散分析の結果より、トレーニング前後で主効果がみられたバランス項目は、立位ステッピングテストであった(p<.05).このことから、立位でのステップ動作は、バランストレーニングを行う動作速度にかかわらず改善することが明らかになった.また、前後方向の最大随意重心移動距離に交互作用がみられたため (p<.05)、RBT群、SBT群それそれで対応のあるt検定を行った結果、RBT群においてはトレーニング後に前後方向の最大随意重心移動距離の有意な改善がみられたが(p<.05)、SBT群では変化がみられなかった.本研究の結果より、施設入所高齢者においては、素早い動きを伴うようなバランストレーニングを行う方がより多くのバランス機能を改善させる可能性が示唆された.【結語】施設入所高齢者におけるバランス機能向上には、素早い動きのトレーニングが有用である可能性が示唆された.
著者
宮下 浩二 小山 太郎 太田 憲一郎 谷 祐輔 岡棟 亮二
出版者
一般社団法人 日本アスレティックトレーニング学会
雑誌
日本アスレティックトレーニング学会誌 (ISSN:24326623)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.55-60, 2018

<p>プレシーズンにおいて投手の肩外転筋力の日常的な変動の実態を明らかにするため,大学野球の現場で投手の肩外転筋力を継続的に測定した.肩外転筋力は1日目96±18N,2日目101±16N,3日目103±18N,4日目108±16N,5日目113±17Nだった.1日目と4日目および5日目の間に有意差が認められ(p<0.01),また2日目と5日目の間にも有意差が認められた(p<0.05).今回の結果は試合期に向けたプレシーズンにみられる投手の肩の特徴とも考えられる.</p>
著者
大坪 公士郎 毛利 久継 山下 要 牧野 勇 田島 秀浩 太田 哲生 井上 大 蒲田 敏文 池田 博子 全 陽 渡邊 弘之
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.114, no.4, pp.700-709, 2017-04-05 (Released:2017-04-05)
参考文献数
30

症例は67歳,男性.心窩部痛,背部痛の精査目的に施行したEUSにて体部主膵管狭窄と尾側膵管拡張,MRCPにて尾部主膵管拡張を認めたが,CT,MRI,EUSでは腫瘤は認めなかった.内視鏡的経鼻膵管ドレナージ下の連続膵液細胞診にて腺癌細胞が検出され,膵体尾部切除術を施行したところ,膵体尾部の主膵管を中心に上皮内癌がみられた.分枝膵管には膵上皮内腫瘍性病変が散見され,微小浸潤癌の合併も認めた.
著者
吉澤 文寿 太田 修 浅野 豊美 長澤 裕子 李 東俊 金 鉉洙 薦田 真由美 金 慶南 金 恩貞 李 洋秀 山本 興生 ミン ジフン 成田 千尋 李 承宰 李 洸昊 金 崇培
出版者
新潟国際情報大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

この研究では、日韓国交正常化問題資料の整理及び刊行作業を行った。そして、日本、韓国、米国などの公文書館、資料館で収集した資料を用いて、韓国からの研究者の協力を得て、研究会、パネルディスカッション、シンポジウムを開催した。その結果、日韓国交正常化交渉で議論された請求権および歴史認識問題に関する論点について、国交正常化以後の時期を含めた展開を視野に入れつつ、日米韓三国それぞれの立場から、相応の責任が生じているという一定の見通しを提示することができた。
著者
山本 向三 飯塚 万利子 赤坂 江美子 馬渕 智生 梅澤 慶紀 太田 幸則 松山 孝 小澤 明 藤井 光子 川端 寛樹 渡邉 治雄 古屋 由美子 黒木 俊郎 谷 重和
出版者
医学書院
雑誌
臨床皮膚科 (ISSN:00214973)
巻号頁・発行日
vol.59, no.12, pp.1161-1164, 2005-11-01

要約 62歳,女性.神奈川県宮ヶ瀬の山林にハイキング後,右膝に吸血したヒルに気付いた.その14日後より吸血部に紅斑と,同部の疼痛が出現し,38℃台の発熱も認め,さらに2日後には,吸血部を中心に環状に紅斑が拡大した.また,全身に発疹が出現し,頭痛,関節痛,全身倦怠感などの全身症状も伴っていた.セフェム系抗生剤点滴を行い,これらの症状は改善した.なお,Lyme病抗体価は陰性であった.皮膚症状としての環状紅斑,また全身症状を呈したヒル咬傷は稀と思われた.
著者
加藤 勇夫 太田 結隆 越島 一郎
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会誌 (ISSN:24320374)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.60-80, 2019 (Released:2019-03-23)
参考文献数
35
被引用文献数
1

日本社会が現在の生活の質を維持し、今後、深刻化する少子高齢化社会に対応するためには、既存社会システムの破壊と再生(革新)による労働生産性の向上と、この革新を支えるイノベータの育成が急務である。また、イノベータの育成には、プログラムを機敏にマネジメント(機敏に意思決定)するための基盤となるマネジメント方法論として、リーン&アジャイルプログラムマネジメントの開発と実施が必要であると考えている。本稿では、このリーン&アジャイルプログラムマネジメントを実現するために、これまでのイノベーションプロセスを再考し、イノベータが革新を完遂するためのマネジメントフレームワークを提案する。
著者
太田 結隆 加藤 勇夫 加藤 瑠人 越島 一郎 橋本 芳宏
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会研究発表大会予稿集 2019 春季 (ISSN:24320382)
巻号頁・発行日
pp.458-475, 2019 (Released:2019-05-13)
参考文献数
5

日本社会が抱えている問題の一つに重要インフラを支える制御システムを対象にしたサイバー攻撃のリスクがある。もしこのリスクが発生してしまうと、プラントの安全を確保するためには、OT側が実施すべき安全対応とIT側が実施すべきセキュリティ対応が連携して事態にあたる必要がある。インシデントレスポンスをP2Mの構図で考えると、OT側はSafeプロジェクトを実施主体であり、IT側はSecプロジェクトの実施主体と捉えることができる。この二つのプロジェクトを統括するにはプログラムマネジメントが不可欠である。このため、本稿ではP2Mフレームワークを援用して重要インフラにおけるサイバーインシデントマネジメントを議論する。
著者
福地 晋輔 吉田 茂二郎 溝上 展也 村上 拓彦 加治佐 剛 太田 徹志 長島 啓子
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.93, no.6, pp.303-308, 2011 (Released:2012-03-13)
参考文献数
27
被引用文献数
2 6

宮崎南部森林管理署管内に設定されている系統的配置法によるオビスギ密度試験地 (1972年設定) の測定データをもとに, 植栽密度が単木と林分単位の成長ならびに林木形質に与える影響を明らかにするとともに, 低コスト林業に向けた植栽密度について考察した。試験地は, Nelder (1962) が考案した円状のもので, 1箇所に2反復, 計2プロットがあり, 各プロットはha当たり376∼10,000本の範囲で10段階の植栽密度があり, 各密度区は36本の試験木からなる。解析の結果, 極端な高密度と同低密度では林木形質や目標サイズに達するまでの時間などから, ともに望ましくないことがわかった。利用上, 形質にこだわらない場合であれば, 高密度区ではha当たり蓄積が高いために有利であるが, 1,615本の植栽密度区以上ではほぼ一定であった。一方, 形質を求める場合は, 高密度の植栽では形質が悪く, 逆に低密度では良形質材の林分材積量が低かった。これらから, 植栽密度区6 (範囲は約2,000∼2,800本) の中間的な植栽密度が望ましいことが示唆された。
著者
山田 善大 太田 賢 水野 忠則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.72, pp.73-78, 1997-07-25
参考文献数
4

モーバイル環境にて利用されることを前提とした電子会議システムとしてPARCAE[1]が提案されている。これは、部分非同期会議を行うためのシステムであり、リアルタイムに会議発言を行う同期ユーザと発言情報の参照を主とする非同期ユーザの双方が混合した状態での利用を目的としている。本報告では、モーバイル電子会議サーバに蓄積された発言情報に対して効率的な参照方式を与えることで、非同期的なユーザの同期会議への迅速な参加をうながすことを目的とするダイジェスト情報の抽出・参照方式について述べる。PARCAE (Partial Asynchronous Conference system for wireless AccEss) [1] that tele-conference system for mobile environment was proposed. PARCAE is a system that to do partial asynchronous conference, and aim at mixture of Synchronous-user (realtime-speeching on synchronous conference) and Asynchronous-user (mainly, seeing speeches when he/she accessed to conference). This paper describes the method of extracting and viewing speech-data which was stored by mobile tele-conference server. We think this method will support user's quick joining in synchronous conference.
著者
太田 健児
出版者
日仏社会学会
雑誌
日仏社会学会年報 (ISSN:13437313)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.95-112, 2001-10-27 (Released:2017-06-09)

L'etude de la moralite chez Durkheim a commence par La science positive de la morale en Allemagne (1887), et s'est accompli dans Determination du fait moral (1906), par consequent nous devrions poursuivre ces vingt ans de recherche pour saisir l'essence de sa theorie. Premierement, nous citons la methodologie positive dont Durkheim a ete inspire a travers l'ethique de W. M. Wundt (1832-1920). Selon Durkheim, le travail des philosophes consistait, jusque-la, a etablir la liste des vertus: Ils en deduisaient la morale pour accuser les realites. Mais l'important n' etait-il pas de "observer" et de decrire l'etre moral de l'etre? Deuxiemement, nous citons que Durkheim a defini le "fait moral" qu'il a decouvert par l'observation. C'est le fait moral qu'il a manifeste comme antithese contre la these des philosophes passees. Nous pouvons ainsi constater que ce fait moral est en effet equivalent aux "deux elements de la moralite" dans ses premiers ouvrages. Mais cela avait ete echappe a l'attention jusqu'aujourd'hui par les etudes sur Durkheim.
著者
太田 健児
出版者
日仏社会学会
雑誌
日仏社会学会年報 (ISSN:13437313)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.39-55, 1999-12-20 (Released:2017-06-09)

L'etude sur la morale chez Durkheim a converge vers l'analyse de la fonction morale qu'implique la religion. Nous pouvons le voir dans Les formes elementaires de la vie religieuse. Presentee en tant que l'analyse des tribus australiens, cette oeuvre vise en effet a resoudre les problemes dans le domaine philosophique et a reviser l'histoire de la philosophie. Nous devrions donc reexaminer la sociologie de Durkheim du point de vue de l'histoire de la philosophie orthodoxe.
著者
森口 弘美 井口 高志 太田 啓子 松本 理沙 モリグチ ヒロミ イグチ タカシ オオタ ケイコ マツモト リサ Moriguchi Hiromi Iguchi Takashi Ohta Keiko Matsumoto Risa
出版者
同志社大学社会学会
雑誌
評論・社会科学 = Social science review (ISSN:02862840)
巻号頁・発行日
no.123, pp.83-99, 2017-12

研究ノート(Note)本稿では,知的障害者と一緒に取り組んだ調査活動を紹介し,インクルーシブリサーチの観点から検討を加えた。その観点とは,1)言語だけに頼らない多様な方法を用いること,2)知的障害者のポジティブな変化,3)障害のない人の変化である.今後我が国においては,知的障害者が自らの権利や差別といった問題をテーマとした調査研究にアクセスしたり,そのプロセスに参加したりできる状況を作っていく必要がある.In this paper, we introduce the research activity "What kind of cafeteria everyone likes to go?" in which we tried to research with people with intellectual disabilities, and reconsider the research activity in some aspects related to Inclusive Research. The aspects are 1) Various methods not limited to languages, 2) positive change of people with intellectual disabilities, 3) change of people without disabilities. In Japan, few inclusive research has been done. It is necessary to make people with intellectual disabilities to be able to access and participate in researches on their own rights or discrimination.