著者
太田 伸一郎 橋本 邦久 仲田 祐 佐藤 博俊 斎藤 泰紀 薄田 勝男 菅間 敬治 佐川 元保 佐藤 雅美 永元 則義 今井 督 須田 秀一
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.122-130, 1986
被引用文献数
9

自験例13, 222件の気管支造影像で発見された気管支分岐異常71例, 85件について検討した。分岐異常は, 中枢気道に関係する区域支までの異常に限定し, 右B^7の欠如・左B^7の存在・左右Bは分岐異常にいれなかった。分岐異常の出現頻度は0.64%であり, 右上葉の異常が全体の75.3%を占めていた。転位気管支の頻度は過剰気管支の7.2倍であり, 気管気管支が全体の31.8%を占め最も多かった。中支から上葉区域支が分岐していたものが10例あり, そのうち8例は, 残る上葉区域支も気管気管支で異常分岐であった。極めて稀な分岐異常としてdouble right tracheal bronchusの1例を経験した。気管支分岐異常に合併した奇形(ASD, 頸肋, 肋骨欠如)を検討し, これら奇形の発症時期と気管支の発生時期とが符合していたことから, 胎生5週初めから6週末までの子宮内環境が気管支分岐異常の発生誘因になりうると考えられた。
著者
沼田 光紗 下嶋 美恵 都築 朋 木下 俊則 太田 啓之
出版者
日本植物生理学会
雑誌
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集 第52回日本植物生理学会年会要旨集
巻号頁・発行日
pp.0713, 2011 (Released:2011-12-02)

Phosphatidate phosphohydrolase 1/2 (PAH1/2)はphosphatidic acid (PA)を脱リン酸化しdiacylglycerolを生成する可溶性型のホスファチジン酸ホスファターゼであり、脂質の代謝において重要な役割を果たしている。pah1pah2二重変異体では、phosphatidylcholine、phosphatidylethanolamine、PAといったリン脂質が増加する (Nakamura et al. 2009 PNAS)。PAは脂質代謝において中心的な役割を果たす代謝中間体であり、高等植物ではストレス応答にかかわるabscisic acid(ABA)のシグナル伝達物質としても重要であることが知られている。 そこで本研究ではPAH欠損変異体を用いて、ABAに関与する様々なストレス応答の解析を行った。その結果、pah1pah2ではABA濃度依存的に、野生株に比べ著しく発芽率が低下し、少なくとも発芽においてpah1pah2はABA高感受性であることが明らかになった。しかしその一方で、ABA感受性について葉の気孔開口阻害についても調べたが、pah1pah2と野生株では差が見られなかった。したがって、ABAシグナル伝達を介したストレス応答におけるPAHの役割は、種子発芽時と葉の気孔閉鎖においては異なることが示唆された。
著者
太田 健一郎 深澤 良彰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.570, pp.73-80, 2001-01-16
参考文献数
7

デザインパターンに始まるソフトウェアパターンの流れはPLoPなどの活動と共に多種多様なパターンを生み出した。しかしながら、パターンの概念がほとんど知られておらず、パターンがほとんど存在しないと考えられている分野も存在する。それらの分野では標準、規則、マニュアルなどの既存の概念を組み合わせれば十分であると考え、パターンの発掘、共有の必要性を感じていない場合も多い。しかし、これら従来の概念では解決できない領域が存在し、そこで発生する問題を解決できる候補となるのがパターンなのである。本稿ではパターン一般に関し、パターンの持つ各種の特性を分析し、その特性を従来の概念のものと比較、検討し、パターンに最も適した領域とはどこなのかを探る。
著者
太田 淳子 小澤 浩之 愼 宏太郎
出版者
昭和大学・昭和歯学会
雑誌
Dental Medicine Research (ISSN:18820719)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.170-174, 2008-11-30 (Released:2012-08-20)
参考文献数
7

患者は初診時年齢24歳6か月の女性.左側第一小臼歯から第二大臼歯まで連続する片側性鋏状咬合と著しい叢生を伴うAngle II級1類症例であった.治療としては, 上顎の歯列弓幅径の縮小と下顎歯列弓幅径の拡大により左側の鋏状咬合の改善を行った.その際, 上顎は歯列弓縮小用のポーター型装置, 可撤式スライディングプレートおよびアーム付きリンガルアーチを順に使用し, 下顎はポーター型拡大装置を使用した.これらの装置は, 片側性鋏状咬合であることを考慮し左右で異なるforce systemになるようデザインに工夫を施した.左側大臼歯の咬合が回復した後はパラタルアーチ, cross elasticsおよびヘッドギアを使用し, 左側の咬合の維持と安定に努めた.また, 上顎両側第一小臼歯および下顎左側第二小臼歯を抜去し治療した.その結果, 機能的な咬合の安定と個性正常咬合を得ることができた.
著者
高梨 祐明 豊島 真吾 小野 浩司 田村 博明 太田 智彦 金光 幹雄
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.60, pp.274-276, 2009

ナミハダニは落葉果樹の樹上と下草を季節的に異動することが知られている。樹冠下にナミハダニの増殖に好適な草種が繁茂している環境では、除草によって生息場所を失ったナミハダニの移動分散を助長し、樹上密度を上昇させたり、殺ダニ活性のある除草剤を使用することにより、樹上のナミハダニ密度を低減できるという報告もある。ナミハダニは現在、広範囲な薬剤に対する感受性低下が問題となっており、効果が不十分な殺ダニ剤の残効期間を少しでも長く保つため、再増殖の原因となる移入を遮断することが重要である。そのため、主な移入源となる株元雑草をハダニとともに除去できる技術があれば、殺ダニ剤散布の削減に繋がり、IPMの推進に貢献するものと期待される。そこで、雑草とハダニを同時に防除する方法として、株元雑草のバーナー処理を行い、その後のナミハダニ樹上密度に及ぼす影響を評価した。なお本研究は(独)農研機構交付金プロジェクト研究「東北地域における農薬50%削減リンゴ栽培技術体系の確立」の一環として遂行されたものである。
著者
服部 修一 太田 岳洋 木谷 日出男
出版者
Japan Society of Engineering Geology
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.359-371, 2003-02-10 (Released:2010-02-23)
参考文献数
16
被引用文献数
8 15

鉱山跡地の掘削残土処分地などからの強酸性で重金属を含む湧水による周辺河川の汚染や, 土木工事における岩盤掘削に伴う酸性水浸出による汚染が報告されている. これらの問題は, 岩石に含まれる黄鉄鉱が酸化・分解することに起因する.東北新幹線八甲田トンネルは旧鉱山分布域に位置し, 岩石に黄鉄鉱が含まれるため, 掘削残土からの酸性水浸出による周辺環境の汚染が懸念される.本論文では, 簡易溶出試験, 全岩化学組成分析, 帯磁率測定の結果から, 八甲田トンネルに分布する岩石の溶出特性を把握し, 酸性化にかかわる岩石の判定手法を検討した. 岩石の溶出特性については, 黄鉄鉱の分解による硫酸の溶出が明らかとなり, 泥岩ではそれに引き続き方解石などのCa鉱物の分解による中和作用が働くことがわかった. 岩石の溶出特性と化学組成や帯磁率の関係から, (1) 帯磁率 (火山岩のみ), (2) 簡易溶出試験の1時間後の溶出水pH, (3) 全岩硫黄含有量, (4) 全岩S/Caモル比 (泥岩のみ) により岩石の酸性化にかかわる判定が可能であることが明らかとなった.
著者
太田 響子 林 裕子 松浦 正浩 城山 英明
出版者
Sociotechnology Research Network
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.24-39, 2008
被引用文献数
1 1

本稿は,新奇性の高い環境技術を社会に導入する政策プロセスにおいて,分野横断的ネットワークと民間主体の公共的企業家機能の果たす役割とその特性を検証する.具体事例として,温暖化対策が比較的遅れている住宅部門における面的なCO?排出削減の取り組みである,太陽熱セントラルヒーティングシステムを採用した集合住宅建設のプロセスを扱う.分析からは,新技術を社会に導入するプロセスにおいて,多様なステークホルダーが,(1)分野横断的(マルチセクター)なネットワークを構築することが必要であり,その際,(2)特に民間主体が公共的企業家精神(アントレプレナーシップ)を備えている場合があること,これらの要因の戦略的なマネジメントが社会導入の鍵であることが明らかになった.
著者
箕田 泰大 太田 亮平 横尾 昇剛 益子 暁弐
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.289-292, 2015

<p>本研究では奥日光エリア温泉施設を対象に、未利用エネルギーの一つである温泉熱を利用した排熱回収による給湯・冷暖房ヒートポンプ(以下HP とする)システムを導入した施設を実測し、結果を分析することで温泉熱利用システムの有用性を見出す。また一次エネルギー量・CO2排出量削減率の算出を行い、システム導入による直接的効果について検証する。</p>
著者
熊本 忠彦 太田 公子
出版者
The Japanese Society for Artificial Intelligence
雑誌
人工知能学会論文誌 = Transactions of the Japanese Society for Artificial Intelligence : AI (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.310-318, 2006-11-01
参考文献数
12
被引用文献数
7 5

Impression-based music retrieval helps users in finding musical pieces that suit their preferences, feelings, or mental states from the huge volume of a music database. We have therefore developed an impression-based music retrieval system that enables this. Users are asked to select one or more pairs of impression words from the multiple pairs presented by the system and estimate each of the selected pairs on a seven-step scale in order to input their impressions into the system. For instance, if they want to locate musical pieces that will create a happy impression, they should check the radio button ``Happy'' in the impression scale, ``Very happy -- Happy -- A little happy -- Neutral -- A little sad -- Sad -- Very sad,'' where a pair of impression words with a seven-step scale is called an ``impression scale'' in this paper. The system would measure the distance between the impressions of every musical piece in a user-specified music database and the impressions inputted by the user, and determine candidate musical pieces to be presented as retrieval results. In this paper, we define the form of vectors that numerically express impressions of musical pieces, and propose a method of generating such a vector from a musical piece. The most significant attribute of this method is that it uses n-gram statistics of information on pitch, strength, and length of every tone in that musical piece as features extracted from it. We also present the results of evaluating the performance of the system.
著者
河島 則天 太田 裕治 谷崎 雅志 中澤 公孝 赤居 正美
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.222-227, 2003-07-01 (Released:2010-02-25)
参考文献数
11

脊髄損傷者用の交互歩行装具 (Advanced Reciprocating Gait Orthosis: ARGO) に膝関節屈曲-伸展動作を実現するための動力機構を装備した. 第12胸髄完全損傷者による試歩を行ったところ, 通常のARGO使用時の歩行速度, 股関節運動を減ずることなく歩行遊脚期における膝関節動作が実現され, この動作に伴って膝関節の動作に関与する下肢麻痺筋の活動電位の振幅・位相に変化が認められた. 本研究の結果は, 脊髄損傷者の装具歩行における膝関節動作の実現が, 麻痺筋およびそれを支配する脊髄運動ニューロンの活動励起による神経生理学的な効果を生ずる可能性を示唆するものであった.
著者
齋藤 政彦 山田 泰彦 太田 泰広 望月 拓郎 吉岡 康太 野海 正俊 野呂 正行 小池 達也 稲場 道明 森 重文 向井 茂 岩崎 克則 金子 昌信 原岡 喜重 並河 良典 石井 亮 藤野 修 細野 忍 松下 大介 阿部 健 入谷 寛 戸田 幸伸 中島 啓 中村 郁 谷口 隆 小野 薫 ラスマン ウェイン 三井 健太郎 佐野 太郎
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2012-05-31

不分岐な不確定特異点を持つ接続のモジュライ空間の構成,リーマン・ヒルベルト対応の研究により,対応するモノドロミー保存変形の幾何学を確立した.また,混合ツイスターD加群の理論の整備,可積分系の幾何学的研究において種々の成果を得た.高次元代数幾何学においては,端末的3次元射影多様体のある種の端収縮射の分類や, コンパクトケーラー多様体の標準環の有限生成性などの基本的結果のほか,モジュライ理論,シンプレクテック多様体に関する種々の成果を得た.量子コホモロジーの数学的定式化や,ミラー対称性の数学的理解についても大きな成果を得た.また,代数多様体の層の導来圏に関する研究においても種々の成果を得た.
著者
田中 秀幸 太田 快人 沖村 祐亮
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.253-261, 2011 (Released:2011-12-19)
参考文献数
24

This paper studies linear-time-invariant (LTI) modeling of a twin-rotor MIMO system based on the dynamical models derived from the first principles and identification experiments, motivated by building LPV (Linear Parameter Varying) models. The present method proposes using the states of the first-principle-model and the identification-model. Continuous-time local LTI models with a consistent state are obtained in the frequency domain. It is also shown that an LPV model is computed from the local models.
著者
太田 伸之
出版者
日経BP社 ; 1985-
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.393, pp.110-112, 2015-04

「高品質と低価格」が代名詞のメード・イン・ジャパン。その輝きが薄まりつつある中で、期待を集めるのがクールジャパンだ。アニメやファッション、和食などは世界での認知度は高まっているが、産業規模としては伸びしろがある。

1 0 0 0 OA 諺苑

著者
太田全斎 著
出版者
養徳社
巻号頁・発行日
1944