著者
宮内 浩文
出版者
日本酪農科学会
雑誌
ミルクサイエンス (ISSN:13430289)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.243-252, 2007 (Released:2014-03-15)
参考文献数
54

Probiotics are traditionally defined as live microorganisms that may beneficially affect the host by changing the balance of the intestinal microflora. Additionally, recently probiotics are known to exert physiological effects by modulating directly the immune responses. There are many mechanisms by which probiotics can enhance the host's health. The administration of probiotics to humans is expected to have effects on the prevention of infections, diarrhea, allergy and many other diseases. In the intestinal tract, bifidobacteria are the predominant microorganisms and one of the sources of antiinfective components in immature infants. Therefore, this review introduces current findings about the antiinfective and immunomodulatory effects of bifidobacteria.
著者
松井 康輔 宮内 拓史 木村 穣 海堀 昌樹
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.301-305, 2018-12-15 (Released:2019-02-01)
参考文献数
10

外科手術後における身体活動性の早期回復を目指すには,運動療法のみならず運動直後の栄養摂取を含めた栄養管理を併用するリハビリテーション栄養の取り組みが重要である.当院では肝癌患者に対し,健康運動指導士が個々にあった運動プログラムを提供し,積極的に身体を動かすことにより,術後の体力回復をより早期に改善することで体力維持を可能とさせる研究を行ってきた.そこで,障害肝を併存している肝癌患者を対象にBCAA製剤投与運動療法群(n=25),および術前後運動療法および栄養指導運動群(n=25),術前後栄養指導のみの対照群(n=26)の3群に分類し運動療法の有効性を検討したところ,障害肝合併の肝細胞癌患者に対して術前術後6ヵ月間の運動療法およびBCAA製剤投与により脂肪量の減少による体重の減少,またインスリン抵抗の改善効果を認めたものの,骨格筋量には影響を示さなかった.肝臓疾患患者に対しては日常安静重視ではなく,逆に積極的な運動療法を推奨するべきであると考える.
著者
宮内 翔子 諸岡 健一 辻 徳生 宮城 靖 福田 孝一 倉爪 亮
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.410, pp.143-148, 2014-01-26

本研究では,幾何特徴量を保存しつつ,生体組織の三次元表面メッシュモデルを目標曲面へ写像する方法を提案する.この写像は,自己組織化可変モデル(Self-organizing Deformable Model: SDM)の変形法に基づいており,組織表面上の特徴点を,目標曲面上の特定の位置へ移動させることが可能である.これまで,脳表モデルを対象とし,写像前後でモデルの三角パッチの面積比を保存する等面積写像法を構築した.本発表では,我々の写像法を拡張し,パッチの角度を保存する等角写像法を提案する.これにより,等面積か等角,あるいはこれら両方を保存しつつ,モデルを目標曲面上へ写像することが可能となる.両方の性質を保存することにより,任意の頂点間の相対位置関係が保存できる.脳表以外の組織モデル,特に球面へ歪みなく写像することが難しい組織に対しても,本手法は,各組織の形状特徴に適した目標曲面へ写像できる.また,この写像結果を用いることで,頂点数の異なる複数の同一組織モデルを,同じ頂点数と位相構造を持ち,かつ元モデルより均一なメッシュで再構築することができる.特徴点の位置を制御しつつ,元モデルを歪みの少ないメッシュ構造で再構築できていることを,複数の実験を行い検証した.
著者
小林 みどり 宮内 美樹 武藤 伸明 中村 義作
出版者
静岡県立大学
雑誌
経営と情報 : 静岡県立大学・経営情報学部/学報 (ISSN:09188215)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.15-27, 2009-03

本論文では「一般化アダマール行列」を新しく定義し,いくつかの次数についてそれらを構成する.一般化アダマール行列を重回帰分析の計画行列へ適用すると,効率的な解析ができることを示す,さらに,実験計画法の構造式を一般化し,一般化アダマール行列を適用することで,線形関係を持つ因子も解析が可能になることを示す.
著者
藤本 忠明 京 正晴 宮内 由起夫 真山 滋志
出版者
Japanese Society for Plant Cell and Molecular Biology
雑誌
植物組織培養 (ISSN:02895773)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.177-180, 1990 (Released:2010-04-30)
参考文献数
14
被引用文献数
1 2

マリーゴールド (Tagetes patula L.) で確立された組織培養系カルスのヘキサン抽出物中に高い殺線虫活性が検出された. 異なるホルモン条件下で誘導, 継代されたカルス系統間で, その殺線虫活性は大きく異なった. 最も高い活性は0.1ppmのNAAを含むMS寒天培地上で誘導, 継代された緑色カルスにおいて見られた. その殺線虫活性およびα-ターチオフェン含量は試験管内栽培された植物体の根においてみられるものに匹敵した. いくつかの異なる系統のカルスのヘキサン抽出物を, HPLC分析した結果, 殺線虫活性はおもにα-ターチオフェン含量に相関するものの, α-ターチオフェン以外の殺線虫物質の存在をも示唆した.
著者
宮内 建弥 ジメネス フェリックス 吉川 大弘 古橋 武 加納 政芳
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第34回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.415-418, 2018 (Released:2019-01-09)

近年、教育現場においてサポートを行う、教育支援ロボットに対する注目度が高まっている。従来研究において、ロボットは学習者に対して問題の解き方や学習方法の教示のみを行う。しかしながら、学習者がロボットから教示を受けるだけでは、学習者は問題に対して熟考することが難しい。そのため、学習者は問題に対する応用力や、学習に対する探求心の向上を促せない可能性がある。そこで本研究では、認知的徒弟制理論に基づく教育支援ロボットを開発する。教育学の分野において、認知的徒弟制理論に基づき、教師が学習者に対して支援をすることで、学習者の応用力や探求心の向上が促せると報告されている。本稿では、認知的徒弟制理論に基づくロボットが学習支援を行うことで、中学生に及ぼす効果について検討する。
著者
宮内 佐夜香
出版者
中京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は近世・近代の日本語における逆接接続詞の発達を調査することを目的としたものである。主な対象は「ソレダガ」「ダケド」などの指示詞や断定辞と接続助詞を構成要素とする接続詞的形式であり、近世後期から明治期において、どのようにその形態と機能が推移したのかを明らかにした。また、このような分析の前提として、接続助詞の使用状況を精査することが重要であるため、近世上方語の逆接の接続助詞の使用実態を記述し、近世後期については江戸語・東京語との対照を行った。また、近年整備されつつある近世・近代資料のコーパスを活用し、本研究課題の成果と関連する接続助詞を指標とした文体研究を行った。
著者
宮内 大策 藤原 一繪
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 (ISSN:03896633)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.69-74, 2007
被引用文献数
1

大分県大分市の埋立地に造成された植栽後30 年を経過した環境保全林で,常緑広葉樹24 本(クスノキ,アラカシ,タブノキ,ホルトノキ,マテバシイ)を伐倒し,幹の直径や樹高を測定したのち,幹重・枝重・葉重を秤量し,相対生長関係を作成した。同林内で胸高直径測定可能な樹木を対象に毎木調査をおこない,伐倒調査で作成した相対生長関係を適用して,二酸化炭素固定量推定の礎となる地上部現存量の推定を行った。その結果,地上部現存量は327.3(幹:230.1,枝:82.3,葉:14.9)t/ha と推定され,日本の常緑広葉樹林の50~60 年生の既往研究と同程度の地上部現存量であることが分かった。
著者
加部 勇 古賀 安夫 幸地 勇 宮内 博幸 蓑添 葵 桑田 大介 堤 いづみ 中川 雅文 田中 茂
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.306-313, 2015 (Released:2015-12-18)
参考文献数
24

目的:国内では一般の産業現場において耳音響放射検査 (OAEs) は普及しておらず,実際の騒音職場での使用報告がほとんどない.本調査は,国内製造業の事業場で,騒音に曝露する作業者を対象にOAEsと最小可聴閾値(HTs)との関連を検討した.対象と方法:金属製品製造業の2事業場において騒音職場の作業者(曝露群)34名(平均年齢40.6±9.4歳)と,非騒音曝露作業者(コントロール群)9名(49.0±14.3歳)を調査対象とした.対象者毎に作業環境測定(ENM)と,騒音個人曝露測定(PNM)を同時期に実施した.騒音曝露による聴覚影響の評価指標として,作業開始前後の0.5 kHz,1 kHz,2 kHz,4 kHzと8 kHzのHTsおよび2 kHz,3 kHzと4 kHzの歪成分耳音響放射検査 (DPOAEs) を行った.HTs,OAEs,ENMとPNMの結果の曝露群と非曝露群の比較,作業前後の比較,NIHL有無の比較は,Student’s t検定を用いた.HTs,OAEs,ENMとPNMの結果の関連についてPearson相関係数を求めた.結果:ENMおよびPNMは,騒音曝露群がA測定(LAeq)84.5±4.1 dB (A),B測定(LAMAX)89.5±6.3 dB (A),時間加重平均(LTWA)83.4±4.7 dB (A),一秒率(LAE)153.1±15.7 dB (A),コントロール群がLAeq53.2±2.6 dB(A),LAMAX56.4±2.4 dB (A),LTWA67.8±5.6 dB (A),LAE119.5±5.6 dB (A)となり,騒音曝露レベルは曝露群が有意に高かった.作業前後のHTs,OAEsは,両群とも差は無かった.両群とも騒音曝露レベルのLAeq,LAMAX,LTWA,LAEとその影響指標であるHTs,OAEsに相関がみられなかったが,HTsとOAEsとの間には相関をみとめた.NIHLをみとめた群は,NIHLのない群に比べて,HTsおよびOAEsが有意に低下していた.結論:作業前後のHTsと OAEsの相関をみとめた.今後,日本の産業現場でも騒音性難聴のスクリーニング検査や騒音曝露作業者の聴力管理としてOAEが用いられることが期待される.
著者
宮内 肇 川中 淳子 栗栖 佳子
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌A(基礎・材料・共通部門誌) (ISSN:03854205)
巻号頁・発行日
vol.135, no.7, pp.403-408, 2015
被引用文献数
1

"Iwami-kagura" is the traditional dance arts in the western Iwami district of Shimane. It is dance performance about many topics "The Izumo myth". It is special dance with story characteristics and a dynamic movement. The crisis of the tradition by the local depopulation has become a serious problem these days. And young children tend to keep away from a physical science. Therefore we suggest "Iwami-kagura robot performance contest" in this study. This contest is that performance groups of handmade robots compete on the basis of the theme of the Iwami-kagura. In this way we can let young children show an interest in local traditional arts and technology through manufacturing.
著者
宮内 哲
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.84, pp.69-76, 1991

本稿は,古来,諸民族が作ってきた多様な櫃(チェスト)のデザインの社会的側面を検討したものである。1櫃と財貨との結び付きは強く,櫃が金庫や基金を意味したり,お金を管理する空間や人の職能を指したり,さらには自由人という身分の象徴とされたことなどを指摘した。2婚礼の際,財産の分与として櫃を持参する習俗は多くの国でみられる。それらの櫃には,家族の豊かさや身分を反映するといった社会的機能の発現が強く認められる。結果,櫃のデザインを豪華簡素という階層的なものとしている。そして,櫃の数や豪華さが婚礼行列や儀式とともに重視された。3一般的には櫃は衰退した。とはいえ,相撲界や神社の祭祀では使用されつづけている。それは,櫃を担って運ぶパレードの社会的機能が,失われていないからだと考えられる。以上のように,櫃は社会的機能の大きな用具であり,実用的機能とのバランスの上に存立していることを指摘した。
著者
田中 方士 渡辺 隆 宮内 義浩 伊良部 徳次 村上 信乃
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.105-107, 1994-02-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
8

慢性腎不全で内シャントによる血液透析を受けている356例571手術につき, そのシャント閉塞の危険因子につき検討を行った. 検討した因子は, 手術時年齢, 性別, 原疾患, Ht値である.全体での5年開存率は68%, 10年では57%であった. 性別, Ht値は, シャント開存に関係なかったが, 原疾患 (糖尿病), 手術時年齢はシャント開存に影響を与えた.
著者
藤本 崇司 熊沢 健一 梅原 有弘 高岡 和彦 宮内 竜臣 矢野 有紀 猪瀬 悟史 横溝 肇 吉松 和彦
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.1062-1065, 2009 (Released:2010-12-30)
参考文献数
12
被引用文献数
2 1

症例は28歳の男性,下痢,腹痛を主訴に来院.急性腸炎の診断で入院した.入院時の腹部超音波検査,CT検査で腸重積症を疑い,さらに注腸造影検査で確定診断し,非観血的に整復,腹痛は消失した.翌日施行した大腸内視鏡検査では盲腸に潰瘍と発赤を伴う浮腫状病変を認めたが,腸重積の原因となるような病変はなかった.入院後も下痢が継続したため便培養検査を行ったところO-157陽性で,前記内視鏡所見はO-157大腸炎によるものと確認した.下痢は入院当初からのホスホマイシン投与で軽快し,第8病日に再び施行した内視鏡検査では前記の病変は著明に改善していた.以上より,本症例の腸重積はO-157による大腸炎が原因と考えた.O-157感染症に合併した腸重積症の報告はほとんどが小児例で,成人ではきわめて稀であるため報告した.

1 0 0 0 OA 修補殉難録稿

著者
宮内省 編
出版者
吉川弘文館
巻号頁・発行日
vol.中篇, 1933
著者
森本 康裕 佐伯 仁 牧野 朝子 松本 聡 岡 英男 宮内 善豊
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR CLINICAL ANESTHESIA
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 = The Journal of Japan Society for Clinical Anesthesia (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.135-139, 1999-03-15

各種の医療用エアゾル剤を用いて,麻酔ガスモニター測定値への影響について検討した.フロンガスを含むメプチン<sup>®</sup>エアーでは,ブリューエルケアー1304で,エタノールを含むニトロール<sup>®</sup>スプレーでは,オメダ5250で測定値が影響を受けた.ミオコール<sup>®</sup>スプレーには,代替フロンHFC134aとエタノールが含まれており,オメダ5250とブリューエルケアー1304ともに影響を受けた.アルティマMM206は今回検討したエアゾル剤に関して最も影響を受けにくいモニターであった.麻酔ガスモニター使用中にエアゾル剤を使用する際は,エアゾル剤中に含まれる噴射剤の成分とモニターの測定原理に注意する必要がある.