著者
湯沢 質幸 沼本 克明 小倉 肇 清水 史 二戸 麻砂彦 岡島 昭浩 佐々木 勇 肥爪 周二 蒋 垂東
出版者
京都女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

成果の中心は次の4点にまとめられる。(1) 既に実験的に研究開発し終えた、日本漢字音データベース(大字音表)の根幹となるソフト及びデータについて、それが実用に十分耐えうるかどうかを実践形式を取り入れて検証したこと。(2)((1)を踏まえて)実用に耐えうるソフトの完成度を高めるとともに、それにのっとって日本漢字音研究における基礎中の基礎となる韻鏡データを実用に耐えうるまでに再構築し、一定の完成度に達したデータベースを作成したこと。(3) 将来における大字音表の発展・拡充を目指した基礎的な調査、研究作業を行うことができたこと。すなわち、近い将来における大字音表への複数資料の字音データ掲載を目指して一部資料について日本漢字音の整理を行えたこと。また、同様に、日本漢字音資料の発掘や調査、及び研究を行えたこと。(4) 国内外の漢字音研究者の研究の便宜を図って、実用に耐えうる『韻鏡』データを載せた日本漢字音データベースをインターネット上に公開したこと。
著者
清水 健太郎 小倉 裕司 後藤 美紀 朝原 崇 野本 康二 諸富 正己 平出 敦 松嶋 麻子 田崎 修 鍬方 安行 田中 裕 嶋津 岳士 杉本 壽
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.12, pp.833-844, 2006-12-15 (Released:2009-03-27)
参考文献数
53
被引用文献数
2

腸管内には多彩な細菌群がバランスを保ち共存しており,腸内環境を整えると同時に生体へ豊富なシグナルを送り続けている。腸管は,侵襲時の主要な標的臓器(target organ)であり,腸内細菌叢の維持は腸上皮におけるバリア機能の維持と感染防御の点で極めて重要と考えられる。しかしながら,急性期重症病態の腸内細菌叢や腸内環境に関する検討はほとんどされていない。われわれは,SIRS患者の腸内細菌叢と腸内環境の変化を明らかにし,近年注目されているシンバイオティクス(synbiotics)療法(“善玉”生菌+増殖物質)の有効性を評価した。研究結果を含め,侵襲時の腸管機能と腸管内治療に関して総説する。(1) SIRS患者において,腸内細菌叢および腸内環境は著しく崩れる。「善玉菌」であるBifidobacteriumとLactobacillusは健常人の1/100-1000程度に減少し,「病原性」を有するブドウ球菌数は,健常人の100倍程度に増加した。腸内細菌叢の崩壊と同時に,短鎖脂肪酸の産生は減少し,腸管内pHは上昇した。このような腸内環境の悪化は腸内細菌叢をさらに崩す(“腸内環境の悪循環”)と考えられる。(2)シンバイオティクス療法は,SIRS患者の腸内細菌叢および腸内環境を維持し,経過中の感染合併症を減少させる。シンバイオティクス投与により,BifidobacteriumとLactobacillusが高く維持され,腸管内の短鎖脂肪酸,pHも保たれた。また腸炎の発生だけでなく,肺炎や菌血症の合併を有意に減らした。シンバイオティクス療法が感染症の合併を防止するメカニズムに関しては,今後の検討を要する。(3)現在,急性期重症病態に対する標準化された腸管内治療は存在しない。シンバイオティクス療法は,腸内細菌叢を保持し,腸内環境と腸管機能を保つ点で生理的であり,重症患者の臨床経過を改善する有望な腸管内治療法と考えられる。
著者
小倉 尚
出版者
Waseda University
巻号頁・発行日
2005-02

制度:新 ; 文部省報告番号:甲2002号 ; 学位の種類:博士(工学) ; 授与年月日:2005/3/15 ; 早大学位記番号:新3935
著者
小倉鏗爾 著
出版者
錦正社
巻号頁・発行日
1938
著者
尾根田 倫太郎 秋田 佳記 何 岩彬 竹林 陽 小倉 拓人 鈴木 貴之
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.506-523, 2019-07-15

近年,ブロックチェーン技術に注目が集まっており,EthereumやHyperledger Fabricなどを始めとするさまざまな種類のブロックチェーン基盤ソフトウェア☆1がリリースされている.一方で,それらのソフトウェアがどのような業務特性に適しているかについての情報や,ブロックチェーン技術の課題としてよく挙げられる1秒あたりの取引性能(スループット等)等々の情報について,各ソフトウェアを調査,検証し,比較した論文は少なく,社会に情報が不足していると言える.そこで我々は,さまざま存在するブロックチェーン基盤ソフトウェアについて,どのような業務特性に適しているか,どう使い分ければよいか社内で標準化することを最終目的に,まずは各ソフトウェアの内部アーキテクチャの調査と性能の検証を行った.本稿はその成果を論文として公開するものである.
著者
小倉 和夫
出版者
公益財団法人 日本財団パラリンピックサポートセンター
雑誌
日本財団パラリンピックサポートセンターパラリンピック研究会紀要 (ISSN:24326100)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.1-18, 2017 (Released:2019-08-02)
参考文献数
8

Impacts of the close linkage of the Paralympic Games with the Olympic Games can be analyzed in terms of the brand values, social recognition, athletes’ achievements and accessibility or social inclusion. All these aspects can be stringent on the identity of the Paralympics as distinct from the Olympics. This in turn leads us to the analysis or assessment of the use of the well-established Olympic brand for promoting Paralympic “values” of the impact of the highly competitive skill of Olympians on to the skill of Paralympians, of the social inclusion of the disabled as the result of the increased social exposure of the Paralympics, of the treatment of the persons of grave impairment, and finally of the social perception for different modalities for overcoming disabilities.
著者
松村 暢隆 小倉 正義 竹澤 大史 緩利 誠 石川 裕之 石隈 利紀
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

発達障害や学習困難のある児童生徒について、広義の2E教育の観点から、得意や興味等の「認知的個性」を捉えて、それを活かして苦手を補う特別支援の方策を探った。認知的個性の自己チェックリストを開発して、それが通常学級の学習で有用なこと、また発達障害や学習困難な生徒の学習・生活支援に活用できることを示した。併せて、2E教育の多様な形態や可能なカリキュラムの変革について調査、考察した。
著者
高野 純 伊集院 俊郎 佐久間 大輔 前田 昌隆 東郷 泰久 小倉 雅 永野 聡 瀬戸口 啓夫 小宮 節郎
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.447-450, 2016-09-25 (Released:2016-12-06)
参考文献数
8

第4.5手根中手関節(以下CM関節)は,第4.5中手骨長軸方向への外力が加わった時に脱臼骨折を起こしやすい.2010年から2015年までの6年間に当院にて治療を行なった第4.5手根中手関節の脱臼骨折は6例であった.そのうち保存治療1例,フォローアップ出来なかった1例を除外し手術を行った4例を対象とした.脱臼骨折の原因として,右尺側Rolando骨折1例,左尺側Bennett骨折1例,有鈎骨体部骨折1例,有鈎骨体部骨折と有頭骨骨折,第3中手骨基部骨折を合併するもの1例であった.観察期間は平均2年8ヶ月(9ヶ月~5年1ヶ月)であった.結果は,整復位は良好で全例に骨癒合が得られた.尺側Bennett骨折や尺側Rolando骨折は優位に握力低下がおこりやすいと言われているが,当院の症例でも尺側Rolando骨折1例で握力低下を認めた.解剖学的正確な整復と手術による強固な固定が必要である.
著者
小倉 慈司
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.178, pp.353-404, 2012-03-01

近世前期に諸善本の副本作成事業や古写本収集を行なった後西天皇の収集書について、それが霊元天皇を経て、中御門天皇と有栖川宮職仁親王に引き継がれていく過程を明らかにする。寛文六年に後水尾法皇の命を承けて後西上皇が霊元天皇に諸記録新写本を七〇合進上したが、その中には古写本や文学書は含まれておらず、上皇の手許に残された。それらも含めた後西上皇蔵書は、貞享二年の上皇崩御後に霊元天皇が接収し、さらに再整理を行なって自らの蔵書中に組み込んだ。なお、後西上皇は蔵書の一部を皇子幸仁親王や近衛基煕に賜与している。後西天皇が禁裏本の副本作成作業を行なった理由について、従来は、禁裏の火災に備えるためと考えられていたが、実際には、譲位後も自分の手許に置くことができる蔵書を増やすためであったと考えられ、霊元天皇に進上した以外の書物については、最終的には一部を除いて幸仁親王(もしくは八条宮尚仁親王)に譲るつもりであったと考えられる。霊元天皇は後西上皇旧蔵書を接収した後、史書については分類して寛文六年後西上皇進上本に加える作業を行なったが、完全にその作業が完了しないまま、譲位後五年を経て東山天皇に譲った(未整理部分は手許に残す)。しかしその後も必要に応じて禁裏より箱を戻して書物を取り返すこともあった。一方、文学書は譲位後もそのまま仙洞にて管理していた。霊元法皇崩御後には、中御門天皇へは、後西上皇旧蔵書中より分置された分や霊元天皇新収書も含めてかなりの量の史書・文学書が贈られているが、それらの中には他の皇子女に一旦形見分けされた後に中御門天皇に献上されたものも含まれていた。有栖川宮職仁親王に対しては、享保12~14年頃と崩御後の二度にわたって書籍が賜与されている。これらの書籍の中には霊元法皇が意図的に選別して職仁親王に贈ったものと、崩御後、偶然的要素によって職仁親王の手に渡ることになったものとがあった。
著者
小倉 毅 須貝 静 小倉 譲
出版者
中国学園大学/中国短期大学
雑誌
中国学園紀要 = Journal of Chugokugakuen (ISSN:13479350)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.21-30, 2008-06-16

いきがい対応型デイサービス利用者140名に調査をした結果,前期高齢者に旅行希望が多く,国内外に関係なく観光ツアーに希望が多かった。また,国内旅行においては,夫婦や家族と旅行するより,「気のおける友人」と楽しい旅行をしたいという要望が強い。逆に海外旅行では,夫婦や家族といった身内との旅行を望んでいる。また,オーダーメイドの手作り旅行や目的地のみを設定する旅行では,兄弟や親戚,ご先祖様の供養にお墓参り,思い出の地に行きたいといった希望がある。旅行日程は「2泊3日」が最も高く,次いで「1泊2日」,「日帰り旅行」である。旅行中の心配事については,「目的地までの移動時間・手段を考えると体力に不安,荷物を運ぶのが不安,トイレが近いので,休憩回数・時間がきになる。また,後期高齢者になるほど,付き添い者がいてほしい」という結果がでた。これらの結果をもとに,「長崎に単身赴任中の息子に会いに行きたい」と願う89歳(男性)のエスコートヘルパー旅行を実施した。長崎で息子に会えた喜び,観光,希望のかなった食事に満足して,「一生懸命遊び,人生を楽しむことこそ生きがいである」という本人の人生観に基づいた旅行が実施できた。今後の課題として,旅行先の移動手段,お手洗いの整備状況,入浴・食事の手配と介助方法,疾患状況を把握するためのアセスメント技術,さらには,旅行者の「生きがい感(人生観)」を理解する技術,車いすの操作方法,準備物の運搬方法を確立する必要がある。
著者
五月女 華 小倉 明夫 浅井 歩実 藤生 敦哉
出版者
公益社団法人 日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術学会雑誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.74, no.9, pp.861-868, 2018

<p>Capillaries are the most basic and important blood vessel of the circulatory systems. The evaluation of the blood flow may contribute to many studies in future. We evaluated the capillary blood flow change of lower limb muscle over time before and after the exercise used by magnetic resonance imaging-intravoxel incoherent motion (MRI-IVIM) obtained perfusion information. Furthermore, we examined an association between the muscle pain after the exercise and the diffusion weighted image (DWI) indexes. DWI was imaged using multi-b values for a thigh and calf muscles. MRI was performed just after an exercise test, 3, 6, and 24 hours later, and the IVIM index and diffusion index were calculated. Furthermore, we interviewed the degree of the muscle ache 24 hours later. As a result, pseudo diffusion coefficient (D*) and f value as IVIM index increased after-exercise as compared with pre-exercise and decreased in 3 hours later. A similar tendency was found in the apparent diffusion coefficient and the diffusion coefficient as diffusion index. Furthermore, all indexes increased in after exercise from before exercise and decreased with time passed and increased again 24 hours later. In conclusion, IVIM could obtain capillary blood flow information, and it was suggested to contribute for sports medicine in future.</p>
著者
小倉 長雄 林 龍二 荻島 太一 阿部 雄幸 中川 弘毅 竹花 秀太郎
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, pp.519-523, 1976
被引用文献数
1 6

Tomato fruits were harvested at mature green stage and stored at 4, 20, 33&deg;C and room temperature. The ethylene production by these fruits during the storage was studied along with carbon dioxide production.<br> At room temperature, a marked increase in ethylene production preceded the respiratory climacteric rise.<br> At 33&deg;C, respiratory rate declined progressively and ethylene production was greatly reduced during the storage. When the fruits were transferred to room temperature, ethylene production was recovered to a half level of production at room temperature.<br> At 4&deg;C, respiratory rate was repressed to low level and ethylene production was barely detectable during the storage. A large amount of carbon dioxide and a small quantity of ethylene were produced after the transfer to room temperature.<br> Ethylene treatment (50 ppm) at 20&deg;C, caused mature green fruit to ripe earlier and to cause the climacteric rise in respiration also more rapidly. At 4 and 33&deg;C, however, changes in respiratoy rate and progress of ripening were not observed.
著者
小倉 加奈代 田中 唯太 西本 一志
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.15, pp.1-8, 2012-01-12

大皿料理が食卓で共有されると,場の一体感が生まれ,一見すると円滑かつ楽しいコミュニケーションが繰り広げられる.しかし,実際には,言葉をかわす範囲は限定的であり,さらには,日本特有の食文化である 「遠慮のかたまり」 からわかるように,個々人の意思疎通が必ずしもうまくいっているわけではなく,大皿を介した食卓でのコミュニケーションは,さらなる拡がりの余地が残されていると言える.そこで本研究では,大皿のとりわけに 「お酌」 行為を取り入れ,個々人のインタラクション機会を増加させるというアプローチをとることで大皿を介した食卓コミュニケーションの潜在可能性を引き出す試みを行った.We seem to enjoy conversations because we have integrated feelings when we share platter-foods. But we have a limitation of communications. In addition, we can't communicate freely as we know "the last piece we are waiting for someone to eat" as a Japanese food culture. We have a room for expanding and activating communications. In this study, we try to adapt 'oshaku' when we serve a food from big plates because we make many chances to communication and we draw possibilities of communication on platter-mediated communication.
著者
文 康一 土井 智晴 小倉 庸敬 山本 孝次 葭谷 安正 松浦 由貴
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp._2A1-Q12_1-_2A1-Q12_2, 2011

The small tricycle type electric vehicle: MEGURU-1 was made by the Yodogawa Manufacturing Ltd. in Osaka Prefecture Moriguchi City in 2009 fiscal year. In this year, the Yodogawa company and Osaka Pref. College of Technology will produce a second model of the vehicle. In this paper, we show that development and evaluation of MEGURU-2. MEGURU-2 is the motorcycle with sidecar in the security standard of the road transport vehicle in Japan. We design the body of MEGURU-2 to suit the security standard of the road transport vehicle in Japan. The power source of MEGURU-2 is the sealed lead acid battery. It is important that knowledge of basic performance of the use battery. There we research the charge and discharge performance.
著者
小倉 一朗 岡崎 祐一
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.457-458, 2009

我々はミリメートル~サブミリメートルサイズの小型機械形状を高精度に測定する,微細形状計測装置を開発している.本装置は形状精度や真円度を総合的に計測するため多軸を持つが,計測システムの精度保証のためには各軸の平行度・直交度の精度評価が重要となる.本研究ではマスターボールと変位センサからなる装置主軸の回転中心測定システムを用いて,回転主軸と直進軸の平行度を高精度に求める手法を提案する.