著者
中村 聡史 小松 孝徳
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.1402-1412, 2013-04-15

スポーツの試合の録画視聴を楽しみにしているユーザにとって,Web上で遭遇してしまう試合結果などのネタバレ情報は楽しみを減退させる忌むべきものである.本稿では,こうしたネタバレ情報との遭遇を防ぐための表現手法を4つ提案し,実装を行った.また,表現手法の有効性について評価実験をベースとして検討を行った.Seeing the final score of a sports match on the Web often spoils the pleasure of a user who is waiting to watch a recording of this match on TV. This paper proposes four information clouding methods to block spoiling information, and describes implementation of a system using these methods as a browser extension. We then experimentally investigate the usefulness of the methods, taking into account their differences, differences in the variety of content, and differences in the user's interest in sports.
著者
秋山 広美 小松 孝徳 清河 幸子
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.23, pp.1-7, 2011-03-10

ユーザの発するオノマトペには 「何かを表現したいがうまく言語化して表現できないモヤモヤとした印象」 が込められていると言われている.すなわち,オノマトペを入力として扱えるシステムを開発することは,そのようなモヤモヤとした意図を直接的に扱えるため,ユーザの認知的な負担の軽減につながると考えられる.そこで,本研究ではこのようなシステムの構築に向けて,オノマトペの印象を客観的手法に基づき数値化する方法を提案することとした.具体的には,ユーザに対する質問し調査の結果をもとに,オノマトペを構成する音の印象を表現する属性の抽出と属性値の設定,およびその属性値を組み合わせることでオノマトペの印象を表現する方法を提案した.Onomatopoeias are usually used in the case that one cannot describe certain phenomena or events literally, and it is said that user' intuitive intentions are embedded in the onomatopoeias. Therefore, an interface system which can utilize the onomatopoeias as input information could comprehend such users' intuitive intentions and would contribute in reducing users' cognitive loads during their interaction with the interface systems. The purpose of this study is then to objectively generalize the onomatopoeic expressions by assigning certain numerical values in each attributes to these expressions to support users' intuitive expressions especially for applying for the interface system.
著者
小松孝彰 著
出版者
森田書房
巻号頁・発行日
1936
著者
平田 佐智子 中村 聡史 小松 孝徳 秋田 喜美
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

「近畿圏出身者はオノマトペの使用頻度が他地域よりも高い」という素朴理論に対して、発言者の出身地域によってオノマトペ使用頻度が実際に異なるのかどうかを検討した。データとしては、過去20年分の国会会議録の発言内容に含まれるオノマトペと、発言者の出身地情報を用いた。その結果、オノマトペ全体としては地域差があまり見られないが、ある種類のオノマトペにおいて顕著な地域差が見られることがわかった。
著者
小松 孝徳 小林 一樹 山田 誠二 船越 孝太郎 中野 幹生
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.263-270, 2012 (Released:2012-08-30)
参考文献数
16
被引用文献数
1

Expressing the confidence level of a system's suggestions by using speech sounds is an important cue to users of the system for perceiving how likely it is for the suggestions to be correct. We assume that expressing confidence levels by using human-like expressions would cause users to have a poorer impression of the systems than if artificial subtle expressions (ASEs) were used when the quality of the presented information does not match the expressed confidence level. We confirmed that this assumption was correct by conducting a psychological experiment.
著者
小松 孝徳 鈴木 健太郎 植田 一博 開 一夫 岡 夏樹
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.121-138, 2003-03-01 (Released:2008-10-03)
参考文献数
21
被引用文献数
3

The effects of the speaker's adjustment of the teaching strategy and the use of paralanguage information of speech to acquire its meaning were clarified by means of experiment: In the experiments, two subjects played a game of Pong: one of the subjects (operator) could not understand linguistically what the other one (teacher) was saying. The results of these experiments revealed the following. First, the teacher's high-pitched voice drew attention of the operator's current action. Second, the process of meaning acquisition can be regarded as reinforcement learning based on a multi-reward system (i.e., a positive reward for correct actions and a negative reward for incorrect actions, given in the form of the teacher's high-pitched voice). Finally, mutual adaptation between the subjects was observed, that is, the subjects learned to respond appropriately to each other's behavior. It is concluded that the above three phenomena are important to the process of meaning acquisition and can be viewed as the basic requirements to enable the acquisition of meaning of unknown speech, and to construct an adaptive sound interface, which can provide a natural interaction enviromnet for its user.
著者
平田 佐智子 小松 孝徳 中村 聡史 秋田 喜美 澤井 大樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.185, pp.1-6, 2013-08-16

オノマトペ(擬音語・擬態語)は表現力豊かな言葉であるとされており、その性質や応用可能性について明らかにされつつある。本研究は、オノマトペが言語コミュニケーションにおいて果たす役割を検討するため、地域によってオノマトペの使用頻度が異なるのか、またどのような人に対して用いられるのか、どのような伝達内容に対して用いられるのか、を調べるため全国規模の調査を行った。結果として、主観的な使用頻度には地域差は無いものの、オノマトペの地域差に対する根強い信念が存在すること、またオノマトペが親密性の高い間柄で用いられる点や、触覚や視覚情報を伝達する際に最も多く使用されることがわかった。
著者
由良 晋也 戸塚 靖則 大井 一浩 馬渕 亜希子 由川 哲也 出山 文子 大廣 洋一 後藤田 章人 松樹 隆光 岡田 和樹 山口 泰彦 小松 孝雪 井上 農夫男
出版者
The Japanese Society for Temporomandibular Joint
雑誌
TMJ : journal of Japanese Society for Temporomandibular Joint : 日本顎関節学会雑誌 (ISSN:09153004)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.200-204, 2002-08-20

咬合力と関節内圧との相関関係を明らかにする目的で, クローズド・ロック症例と顎関節症状のないボランティアの咬合力と関節内圧を同時に測定したので報告する。<BR>対象は, クローズド・ロック症例4名4関節と顎関節症状のないボランティア4名4関節である。プレスケール50HタイプRを用いて咬合力を測定し, 動脈圧モニタリング用のトランスデューサーを用いて関節内圧を測定した。<BR>咬合力と関節内圧との間の相関係数は, クローズド・ロック症例とボランティアのいずれも0.7以上 (0.710~0.954), 決定係数は0.5以上 (0.504~0.910) であった。これらの結果から, 咬合力と関節内圧との関係は, 直線的な正の相関関係であることが示された。回帰係数は, 被験者により差のあることが示された (15.3~270.9)。<BR>関節内圧は咬合力の増加に伴って上昇することから, 強い噛みしめが顎関節に負荷を加える因子の一つであることが明らかとなった。
著者
小松 孝徳 森川 幸治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. ICS, [知能と複雑系] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.137, pp.71-78, 2004-10-28
参考文献数
7

円滑なコミュニケーションを行っている二者間には,自ら表出した情報が相手のそれに対して相互的に同調していく「引き込み現象」がよく観察される.そこで本研究では,人間が簡便に表出できる音声の「発話速度(話速)」に注目し,人間同士の対話状況において話速に関する引き込み現象が観察されるのか,また,インタラクションの相手が人工物となった場合で観察されるのかを確認する実験を行った.まず,人間同士の対話における話遠の引き込み現象の有無を観察するために,英会話の教材のような10種類の原稿を10人の被験者同士で交互に読みあっている際の話遠を計測した.その結果,録音された計90発話の約63%にあたる57発話において,相手の話速に自分の話速を合わせようという『話遠の引き込み現象』が観察された.続いて,あらかじめ録音された様々な話速の音声を再生する自動応答システムと被験者とが同様の対話文を読みあう実験を行った結果,27人の被験者の計243発話のうち約76%における186対話において,話速の引き込み現象が観察された.
著者
山中 美沙 藤村 謙次郎 寺田 和正 小原 伸夫 宮崎 清 嘉村 聡志 小松 孝 筒井 智子 兵藤 裕貴 宮原 寿明
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.294-297, 2019-03-25 (Released:2019-05-16)
参考文献数
11

目的:整形外科手術は手術手袋のピンホール発生率が他の科よりも高率であるとする報告4)8)10)がある.今回,当院整形外科手術での術者と助手における手術手袋のピンホール発生状況について調査したので報告する.方法:2017年11月から2018年3月までの当院での人工股関節全置換術(THA),人工膝関節全置換術(TKA),腰椎・胸椎椎弓切除術(除圧),腰椎・胸椎椎体後方固定術(固定)における術者と第一助手(助手)の手術手袋を調査した.結果:手袋の片方でも穴あきがあれば「ピンホールあり」とした場合,術者ではTKA(100%),固定(62%),THA(35%),除圧(20%)の結果であった.部位は,術者,助手ともに非利き手の母指,示指で多かった.考察:今回の調査においては,人工物を挿入するTKA・THA・固定でピンホール発生率が高かった.手術部位感染や医療者側の感染対策において,二重手袋及び手術中の定期的な外側手袋の交換は必須の事項と考えられる.
著者
三木 文雄 生野 善康 INOUE Eiji 村田 哲人 谷澤 伸一 坂元 一夫 田原 旭 斎藤 玲 富沢 磨須美 平賀 洋明 菊地 弘毅 山本 朝子 武部 和夫 中村 光男 宮沢 正 田村 豊一 遠藤 勝美 米田 政志 井戸 康夫 上原 修 岡本 勝博 相楽 衛男 滝島 任 井田 士朗 今野 淳 大泉 耕太郎 青沼 清一 渡辺 彰 佐藤 和男 林 泉 勝 正孝 奥井 津二 河合 美枝子 福井 俊夫 荒川 正昭 和田 光一 森本 隆夫 蒲沢 知子 武田 元 関根 理 薄田 芳丸 青木 信樹 宮原 正 斎藤 篤 嶋田 甚五郎 柴 孝也 池本 秀雄 渡辺 一功 小林 宏行 高村 研二 吉田 雅彦 真下 啓明 山根 至二 富 俊明 可部 順三郎 石橋 弘義 工藤 宏一郎 太田 健 谷本 普一 中谷 龍王 吉村 邦彦 中森 祥隆 蝶名林 直彦 中田 紘一郎 渡辺 健太郎 小山 優 飯島 福生 稲松 孝思 浦山 京子 東 冬彦 船津 雄三 藤森 一平 小林 芳夫 安達 正則 深谷 一太 大久保 隆男 伊藤 章 松本 裕 鈴木 淳一 吉池 保博 綿貫 裕司 小田切 繁樹 千場 純 鈴木 周雄 室橋 光宇 福田 勉 木内 充世 芦刈 靖彦 下方 薫 吉井 才司 高納 修 酒井 秀造 西脇 敬祐 竹浦 茂樹 岸本 広次 佐竹 辰夫 高木 健三 山木 健市 笹本 基秀 佐々木 智康 武内 俊彦 加藤 政仁 加藤 錠一 伊藤 剛 山本 俊幸 鈴木 幹三 山本 和英 足立 暁 大山 馨 鈴木 国功 大谷 信夫 早瀬 満 久世 文幸 辻野 弘之 稲葉 宣雄 池田 宣昭 松原 恒雄 牛田 伸一 網谷 良一 中西 通泰 大久保 滉 上田 良弘 成田 亘啓 澤木 政好 三笠 桂一 安永 幸二郎 米津 精文 飯田 夕 榊原 嘉彦 螺良 英郎 濱田 朝夫 福山 興一 福岡 正博 伊藤 正己 平尾 文男 小松 孝 前川 暢夫 西山 秀樹 鈴木 雄二郎 堀川 禎夫 田村 正和 副島 林造 二木 芳人 安達 倫文 中川 義久 角 優 栗村 統 佐々木 英夫 福原 弘文 森本 忠雄 澤江 義郎 岡田 薫 熊谷 幸雄 重松 信昭 相沢 久道 瀧井 昌英 大堂 孝文 品川 知明 原 耕平 斎藤 厚 広田 正毅 山口 恵三 河野 茂 古賀 宏延 渡辺 講一 藤田 紀代 植田 保子 河野 浩太 松本 慶蔵 永武 毅 力富 直人 那須 勝 後藤 純 後藤 陽一郎 重野 秀昭 田代 隆良
出版者
The Japanese Association for Infectious Diseases
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.914-943, 1987
被引用文献数
2

Clavulanic acid (以下CVAと略す) とticarcillin (以下TIPCと略す) の1: 15の配合剤, BRL28500 (以下BRLと略す) の呼吸器感染症に対する有効性と安全性をpiperacillin (以下PIPCと略す) を対照薬剤として, welI-controlled studyひこより比較検討した.<BR>感染症状明確な15歳以上の慢性呼吸器感染症 (慢性気管支炎, びまん性汎細気管支炎, 感染を伴った気管支拡張症・肺気腫・肺線維症・気管支喘息など) およびその急性増悪, 細菌性肺炎, 肺化膿症を対象とし, BRLは1回1.6g (TIPC1.5g+CVA0.1g) 宛, PIPCは1回2.0g宛, いずれも1日2回, 原則として14日間点滴静注により投与し, 臨床効果, 症状改善度, 細菌学的効果, 副作用・臨床検査値異常化の有無, 有用性について両薬剤投与群間で比較を行い, 以下の成績を得た.<BR>1. 薬剤投与314例 (BRL投与161例, PIPC投与153例) 中, 45例を除外した269例 (BRL投与138例, PIPC投与131例) について有効性の解析を行い, 副作用は293例 (BRL投与148例, PIPC投与145例) について, 臨床検査値異常化は286例 (BRL投与141例, PIPC投与145例) について解析を実施した.<BR>2. 小委員会判定による臨床効果は, 全症例ではBRL投与群78.8%, PIPC投与群79.4%, 肺炎・肺化膿症症例ではBRL投与群 (79例) 82.1%, PIPC投与群 (73例) 79.5%, 慢性気道感染症症例ではBRL投与群 (59例) 74.6%, PIPC投与群 (58例) 79.3%の有効率で, いずれも両薬剤投与群間に有意差を認めなかった.<BR>3. 症状改善度は, 肺炎・肺化膿症症例では赤沈値の14日後の改善度に関してPIPC投与群よりBRL投与群がすぐれ, 慢性気道感染症症例では胸部ラ音, 白血球数, CRPの3日後の改善度に関してBRL投与群よりPIPC投与群がすぐれ, それぞれ両薬剤投与群間に有意差が認められた.<BR>4. 細菌学的効果はBRL投与群68例, PIPC投与群57例について検討を実施し, 全体の除菌率はBRL投与群75.0%, PIPC投与群71.9%と両薬剤投与群間に有意差は認められないが, Klebsiella spp. 感染症においては, BRL投与群の除菌率87.5%, PIPC投与群の除菌率16.7%と両薬剤群間に有意差が認められた. また, 起炎菌のPIPCに対する感受性をMIC50μg/ml以上と50μg/ml未満に層別すると, MIC50μg/ml未満の感性菌感染例ではBRL投与群の除菌率69.6%に対してPIPC投与群の除菌率94.7%とPIPCがすぐれる傾向がみられ, 一方, MIC50μg/ml以上の耐性菌感染例ではPIPC投与群の除菌率12.5%に対して, BRL投与群の除菌率は66.7%と高く, 両薬剤間に有意差が認められた.<BR>5. 副作用解析対象293例中, 何らかの自他覚的副作用の出現例はBRL投与群5例, PIPC投与群11例で, 両薬剤投与群間に有意差は認められなかった.<BR>6. 臨床検査値異常化解析対象286例中, 何らかの異常化が認められた症例は, BRL投与141例中45例 (31.9%), PIPC投与145例中28例 (19.3%) で, 両薬剤投与群間に有意差が認められた. 臨床検査項目別にみると, GPT上昇がBRL投与140例中26例 (18.6%), PIPC投与140例中14例 (10.0%), BUN上昇がBRL投与128例中0, PIPC投与127例中4例 (3.1%) と, それぞれ両薬剤投与群間での異常化率の差に有意傾向が認められた.<BR>7. 有効性と安全性を勘案して判定した有用性は, 全症例ではBRL投与群の有用率 (極めて有用+有用) 76.3%, PIPC投与群の有用率の74.8%, 肺炎・肺化膿症症例における有用率はBRL投与群81.0%, PIPC投与群75.3%, 慢性気道感染症症例における有用率はBRL投与群70.0%, PIPC投与群74.1%と, いずれも両薬剤投与群間に有意差は認められなかった.<BR>以上の成績より, BRL1日3.2gの投与はPIPC1日4gの投与と略同等の呼吸器感染症に対する有効性と安全性を示し, とくにβ-lactamase産生菌感染症に対しても有効性を示すことが確認され, BRLが呼吸器感染症の治療上有用性の高い薬剤であると考えられた.
著者
小松 孝徳 山田 誠ニ
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.79(2008-HCI-129), pp.35-42, 2008-07-31

著者らは,ユーザがインタラクション前のエージェントに対して予測した機能と,実際のエージェントとのインタラクションにてユーザが感じた機能との差を 「適応ギャップ」 として定義し,適応ギャップの値がユーザのインタラクションに対する様々な側面に与える影響について調査を行っている.本稿では,適応ギャップの値が,特にユーザの主観的な側面にどのような影響を与えているのかを実験的に調査し,その結果を考察した.
著者
中村 聡史 鈴木 正明 小松 孝徳
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.32-39, 2014-09-12

綺麗な文字を書くということに日本人の多くは興味を持っている.さて,綺麗な文字とはどのような文字だろうか?本研究では,人の手書き文字をフーリエ級数展開によって数式化し,その式の平均を計算することによって,平均的な文字を生成することを可能とした.また,その平均文字を利用した実験により,実際に書いた文字よりユーザの平均的な文字が高く評価されること,ユーザの平均文字より全体としての平均文字高く評価されることを明らかにした.さらに,ほとんどの人が自身の文字を高く評価する傾向があることも明らかにした.
著者
小松 孝徳 中村 聡史 鈴木 正明
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2014-HCI-159, no.7, pp.1-9, 2014-07-28

「ひらがなはカタカナよりも丸っこい」 ことを客観的に示すために,文字を平面曲線としてとらえた上でそれを数式化し,そこから抽出した曲率を用いて文字の丸さを表現する手法を提案した.この結果をもとに,文字における数式表現および曲率の利用可能性をいくつか提案し,その将来性について議論する.
著者
中村 聡史 鈴木 正明 小松 孝徳
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.12, pp.2599-2609, 2016-12-15

綺麗な文字を書くということに日本人の多くは興味を持っていると考えられる.さて,綺麗な文字とはどのような文字だろうか?本研究では,人の手書き文字をフーリエ級数展開によって数式化し,その式の平均を計算することによって,平均的な文字を生成することを可能とした.また,その平均文字を利用した実験により,実際に書いた文字よりユーザの平均的な文字が高く評価されること,ユーザの平均文字より全体としての平均文字が高く評価されることを明らかにした.さらに,ほとんどの人が自身の文字を高く評価する傾向があることも明らかにした.Almost Japanese are interested in handwriting beautiful characters. Here, what is beautiful handwritten character? In this paper, we proposed a method to generate average handwritten characters by using Fourier series expansion. Then, an experimental test showed that user's average characters are more beautiful than user's handwritten characters. Another test showed that average characters of users are more beautiful than each user's average characters and that almost all users evaluate own average characters highly.
著者
小松 孝徳 九鬼 望
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.23, 2009

筆者らの先行研究において,あるタスクに従事しているユーザに対して,エージェントがしりとりにと誘った場合,そのエージェントがCGの場合よりもロボットであった場合の方が,しりとりに応じる割合が有意に高いことが明らかになった.そこで本研究では,エージェントがCGであった場合でもユーザがしりとりに応じる要因として,ロボットとのインタラクション経験およびキャラクタ設定の有無に注目し,その影響を考察した.
著者
小松 孝昭 谷口 勲 小林 さゆき 酒井 良彦 高柳 寛
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.308-311, 2009 (Released:2013-05-15)
参考文献数
4

症例は75歳, 男性. 1970年僧帽弁狭窄症にて僧帽弁交連切開術施行. 1982年人工弁置換術(Björk-Shiley弁)を施行し, 以後外来通院中. 2003年9月より黄疸が出現し, 10月下旬外来受診. RBC 193万/mm3, Hgb 6.1g/dL, Ht 18.8%, LDH 15,058 U/L, I-Bil 8.38mg/dLにて入院. 溶血性貧血を呈していたが, 諸検査で肝胆道系, 血液疾患は否定した. 心エコー図検査で人工弁周囲より逆流を認め, 人工弁機能不全が貧血の原因と考えた. 11月下旬再度弁置換術を施行. 弁周囲は脆弱で, 後交連近傍の縫合線の3分の1が弁輪部組織と離開しており, この部分の異常血流が赤血球破砕をきたし, 溶血性貧血が生じたと診断した. 人工弁の可動性異常はなかった. 術後貧血は改善を認めた. 人工弁置換による溶血性貧血を認めた症例を経験したので報告する.