著者
小林 恵美子
出版者
金沢大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

日米大学生より収集したデータの分析結果は以下の通りです。まず第一に、Haganのパワー・コントロール理論とHofstedeの不確実性減少という概念を使って、11種類の逸脱行為に従事する頻度は、日米グループ共に男子学生の方が高いこと。又その性別間差異は、日本人学生の方が米国人白人学生よりも小さく、背景には、日本人男子学生の逸脱行動を控える傾向が強く作用していると仮説を立て、統計的に立証しました。尚この調査結果を記した論文は、修正し米国の某学術雑誌に再提出する予定です。続いて、分化接触/社会学習理論について、3本論文を執筆しました。まず初めに、Tittleの"Shells of Illusion"とHofstedeの不確実性減少という概念を基に、仲間の逸脱行動が自身の逸脱行動に及ぼす影響は、日米グループ共に男子学生の方が強いこと。又その性別間差異は、日本人学生の方が小さく、背景には、日本人男子学生が仲間の逸脱行動に感化されにくい傾向が強く働いていると仮説を立て、統計的に立証しました。次に、Hofstedeの不確実性減少という概念を使って、日本人学生が米国人学生よりも逸脱行動を控える傾向は、逸脱行動に従事する仲間の数が少ないことに起因すると仮説を立て、統計的に立証しました。最後に、仲間の逸脱行動と逸脱支持の姿勢が自身の姿勢に影響を及ぼし、果ては自身の行動に作用するという因果関係を日米で比較検証しました。Hofstedeの個人主義という概念を用いて、仲間の逸脱行動と逸脱に対する姿勢が自身の姿勢にもたらす影響の度合いは、日本人学生の方が大きいこと。一方、自身の姿勢が行動に及ぼす影響度は米国人学生の方が大きいと仮説を立て、統計的に立証しました。これら3本の論文は、学術雑誌に投稿すべく、現在、米国人共著者が推敲しております。
著者
寺川 直樹 原田 省 板持 広明 谷口 文紀 林 邦彦 小林 浩 百枝 幹雄
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

世界初の前方視的研究「本邦における子宮内膜症の癌化の頻度と予防に関する疫学研究」を企画した。全国の医療施設から約2, 000名の子宮内膜症患者の登録を得て、患者データを解析した。登録患者からの癌発生は7例報告されており、患者登録および解析を継続している。分子生物学的研究としては、卵巣チョコレート嚢胞と卵巣明細胞腺癌組織から上皮細胞群を捕捉したのちに、網羅的遺伝子発現の検討を行い発癌に関与する遺伝子群を検索した。線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)-2遺伝子の卵巣癌組織での発現増強に注目して機能解析を行った。
著者
小林 敏孝 篠沢 隆雄
出版者
足利工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

H16年度において、睡眠の数学モデルによって、睡眠時間が昼間の行動と密接な関係にあることを推定した。H16年度〜17年度にかけて、15名の被験者に睡眠日誌と行動量計(アクチグラフ)を約2週間記録してもらい、彼らの自覚的な睡眠覚醒リズム(SWR)と活動休止リズムを測定した結果、睡眠時間が6時間以下のshort sleeper (SS)では、昼間の活動量が常に高かかった。これに反して9時間を超えるlong sleeper (LS)の昼間の活動量は変動が大きく、SSに比べて低かった。17年度〜18年度にかけて、企業の中高年(38才〜59才)の会社員に対して、睡眠時間が比較的短い6名を選び、彼らに睡眠ポリソムノグラフ(PSG)等を3夜連続で記録した。その結果、平均睡眠時間が5時間半以下の者はREM睡眠の持続が悪く、精神的なストレスが過多であった。また、性格傾向を質問法(YGテスト)で検討した結果、SS群とLS群の間には大きな差異は認められなかった。しかし、面談による被験者の性格傾向としてSS群は快活、多弁の被験者が多く、LS群は物静かな印象を強く受けた。性格傾向に関しては詳細な検討が必要と考えている。以上の3年間の結果から、short sleeperの行動上特徴として、昼間の活動量が常に高いこと、さらに中高年では精神的なストレス過多にある可能性が高いことが明らかになった。これは、昼間の活動を高める性格に関与する性格遺伝子が睡眠時間を決定している遺伝子の有力な候補の可能性が高いことを意味する。3年間の研究期間においてshort sleeperの精神生理的な特徴の同定に多くの時間を要したために、遺伝子の同定に着手できなった。今後、平均睡眠時間が5時間前後でしかも昼間の活動量が高く昼寝の習慣がない群を選び、昼間の活動が高い性格に関与する遺伝子の同定を試みる。
著者
三野 陽子 小林 一郎
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.24, 2010

今日,生活習慣病などの有病者が増加しており,国民の健康改善への意識が向上している.そこで本研究では健康管理の一つとして,食事に注目した.個人のスケジュールを考慮しカロリー摂取量を制限したレシピの候補を選択し,更に線形計画法を用いて栄養バランスの良い健康面に配慮したレシピを推薦する手法を提案する.また,推薦された食事を食べなかった場合など様々な状況にも柔軟に対応し,レシピ推薦を行う.
著者
臺丸谷 政志 小林 秀敏 PEARSON James Todd PEREZ Jose Luis 斉藤 文護
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.64, no.623, pp.2417-2423, 1998-07-25
被引用文献数
1

The present study is concerned with the estimation of power in Karate-doh. The measuring method and numerical estimation for impact forces produced by Karate-doh hand techniques such as Syutoh-uchi, Tettsui-uchi and so on, are discussed by experiments (by means of Tameshi-wari) and numerical simulations. In the beginning, an impact experiment of simply supported concrete beams was conducted to examine the impact response and the impact breaking of the concrete beam. And then Tameshi-wari of simply supported concrete beams was performed. In order to understand the mechanism of impact breaking of concrete beams by Karate-doh hand techniques, a numerical simulation was also carried using a dynamic finite element method with a Newmark-β method. The impact force generated between the hand and the concrete beam was estimated to be beyond 4.5 kN. It was also found that a reaction at both ends of the beam was almost never generated by virtue of the dominant modes of bending deformation of the beam. This indicates that, by means of Tameshi-wari, the impact breaking of the concrete beam floating in air is quite within the bounds of possibility. Therefore Tameshi-wari for concrete beams suspended in air was also tried and achieved the predicted results.
著者
小林 裕章 金子 剛 西本 紘嗣郎 内田 厚
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.749-752, 2009-12

Pheochromocytoma occurs in 0.1 to 5.7% of patients with type 1 neurofibromatosis (NF1). Radiological findings of pheochromocytoma are often similar to those of neurofibroma ; therefore, any pheochromocytoma should be excised in hypertensive patients with NF1. A 60-year-old male patient with NF1 was referred to this hospital for an incidentally discovered right adrenal mass, 7×6 mm indiameter. The patient had multiple benign tumors and suffered from hypertension for 4 years. Laboratory findings showed increased serum and urine catecholamine levels. Magnetic resonance imaging (MRI) revealed a high signal intensity on T2-weighted images, which was enhanced by gadolinium contrast. The mass was positive for 131 I-metaiodobenzylguanidine (MIBG) scintigraphy. A laparoscopic adrenalectomy was performed. A histopathological diagnosis of pheochromocytoma was made. The patient's post-operative course was uneventful, and blood pressure was normalized. Screening of the adrenal tumor is strongly recommended for NF1 patients with hypertension, since any unfavorable events due to catecholamine such as cardiomyopathy and fatal arrhythmia can be avoided by adequate surgical intervention.
著者
小林 隆志 村木 太一 直井 聡 横田 治夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.88, no.3, pp.715-726, 2005-03-01
被引用文献数
9

我々はこれまでに, 講義や研究発表などで使用されるプレゼンテーションの資料と動画をメタデータによって統合し蓄積する手法と, その統合されたデータの特性にあった適合度指標を利用した検索手法であるUPRISE (Unified Presentation Slide Retrieval by Impression Search Engine)を提案してきた.本論文では, UPRISEを適用した蓄積検索システムを実現するために, 多様なコンテンツを格納し検索できるメタデータ定義とその抽出方法を議論し, UPRISEを用いた統合コンテンツの蓄積検索の実現方法に関して議論する.また実際に蓄積検索システムのプロトタイプを作成することでその有効性を確かめる.
著者
小林 巌雄 立石 雅昭
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.37, pp.53-70, 1992-03-15
被引用文献数
8

新生代の新潟地域に分布する新第三系〜下部更新統の層序の資料を整理し, 対比を再検討した。これらの資料に加えて, 堆積相・化石相に基づき, 8つの時代の古地理図を描き, 古環境の概略を論じた。1. 前期中新世(18 Ma)の三川期:佐渡・岩船-津川地域で陥没盆地として発生した陸上の堆積盆に主に安山岩〜流紋岩の火砕岩類と砕屑岩類が堆積した。冷涼な気候であった。2. 前期/中期中新世(16-15 Ma)の津川-七谷期:著しい海進が広域に起こり, 暖流で洗われた多島海の海域が出現した。気候は温暖となり, 暖流系の各種生物群が生息した。後半に下部浅海ないし半深海へと変わった。3. 中期中新世の中頃(14-13 Ma)とその後半(11-9 Ma)の寺泊期:海が深くかつ拡大し, 温帯水域の海洋へと推移した。当時深海下にあった頸城地域に広大な海底扇状地が成長し, 佐渡〜新潟油田地域の北部では珪藻質軟泥が厚く堆積した。さらに, 玄武岩質の海底火山が佐渡地域などで噴出した。4. 後期中新世(7 Ma)の椎谷期:堆積盆の東側に当たる脊梁地域および海域全体に起きた大きな変動は, 古海洋に様ざまな変化をもたらした。地球規模の変動もこの時代に起こり, その影響もうけて海洋・陸上生物群が変化した。とくに, 北北東-南南西方向のトラフが成長し, 東側がらもたらされた粗粒堆積物で埋積された。5. 前期鮮新世(4 Ma)の西山期前半:脊梁山地側の隆起が進行したが, 一方海盆は再び拡大し, 暖流が流入する縁海としての日本海が顕在化した。海底の火山活動が活発化した地域もあった。6. 後期鮮新世/前期更新世初頭(3-1.5 Ma)の西山期後半〜灰爪期前半:東側の隆起と南側の海退が急速に進行し, 陸地が広く現れた。寒流の影響も受けはじめ。南方系の生物群とともに北方系の生物群が渡来した。海底の一部が隆起帯を形成したり, 佐渡・弥彦地域などでは陸地が出現した。7. 前期更新世(1 Ma)の灰爪期後半:新潟堆積盆地の中部・現在の日本海域を除いて, 新生代の堆積盆が陸化し, 扇状地や海岸平野が出現した。海水準変動による海進と海退が繰り返され, 暖期には南方系の海棲動物が北上した。
著者
小林 照明 猿橋 具和 澤田 郁郎 横山 貴大
出版者
石油技術協会
雑誌
石油技術協会誌 (ISSN:03709868)
巻号頁・発行日
vol.82, no.5, pp.355-364, 2017 (Released:2019-05-15)
被引用文献数
1

The D/V Chikyu greeted 11 years operation in 2016. Chikyu expeditions were always targeted to the most challenging and extreme areas which never experienced before. CDEX has overcome technical difficulties caused by the deep water, high current, high temperature and the deep drilling, and achieved world scientific and technical outcomes. This paper look back the establishment of the CDEX operation scheme from the early stage and the technical experiences of the Chikyu's deep sea drilling for 11 years. CDEX would continue to challenge to the new era of the next 10 years.
著者
小林 美和 山元 修
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
Journal of UOEH (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.219-224, 2002-06-01 (Released:2017-04-11)
被引用文献数
2 2

農業従事者に発症したスポロトリコーシス2例を供覧し, 当科で経験した11例についてまとめた. ガーデニングが流行していることから, 都市部においても, 趣味で土いじりを行う人での発症の増加が予想される. 本症を一種の職業性皮膚疾患として捉えたうえで, 農作業中の感染経路としての外傷予防を, 農家や趣味で農作業を行う人に呼びかけるとともに, 「カビ」による感染症についての啓蒙も必要である.
著者
小林 慶行
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.76-87, 2012-03-30 (Released:2012-06-29)
参考文献数
10

ラニナミビルオクタン酸エステル(イナビル®)(1)は吸入型インフルエンザ治療薬として第一三共で見出され、2010年10月に販売を開始した。その構造上の特徴はノイラミニダーゼ阻害剤・ラニナミビル(2)の側鎖C-9位の水酸基にオクタン酸を導入したプロドラッグという点である。このプロドラッグ化は薬効の劇的な改善を生み、"治療が1回で完結"するという大きな特徴を生み出した。本稿では、ラニナミビルオクタン酸エステル(1)の創製までの道のりと、その薬効プロファイルについて紹介する。
著者
遠藤 雅人 小林 龍太郎 有賀 恭子 吉崎 悟朗 竹内 俊郎
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.887-892, 2002-11-15 (Released:2008-02-01)
参考文献数
23
被引用文献数
4 4

航空機を用いた微小重力環境下におけるティラピア稚魚(TL : 3-4 cm)の行動観察を行い,近赤外光(発光波長880±40 nm)照射時に正常遊泳する個体について,その姿勢保持機構の解明を試みた。近赤外光照射時に正常遊泳した個体は55個体中,6個体(10.9%)であった。これら正常遊泳個体の腹部側に近赤外光を照射した結果,全ての個体が反転し,背光反射を示した。また,微小重力暴露中の正常遊泳時間に対する背光反射行動を示した時間の割合は74.4±22.5%(n=6)であった。以上の結果から,一部のティラピアは近赤外光を感知し,微小重力下で姿勢保持をしていることが明らかとなった。
著者
小林 薰 柊 幸伸
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.183-187, 2023-04-01 (Released:2023-03-13)
参考文献数
8

Women who suffer out-of-hospital cardiac arrest receive cardiopulmonary resuscitation (CPR) and automated external defibrillator (AED) less frequently than that of men. Understanding the public perception on the necessity of the occurrence of life-saving disparities for fair intervention application to individuals with injuries and sickness is needed. The participants were undergraduate students of the university. Anxiety and irritability towards bystander CPR and AED operations were investigated. The participants of the analysis were 368 individuals (153 men and 215 women), of which 80.4% of men and 95.8% of women had anxiety about life-saving procedures. Regarding AED operation, 90 (58.8%) men and 74 (34.4%) women hesitated on removing clothing from a woman with injury or sickness. The reasons on women with injury and illness were less likely to be suitable with AEDs involved anxiety about life-saving procedures, litigation issues, and posting and spreading on social networking sites (SNS). Particularly, if men intervened with women with wounds, the main limitations were the risk of the act developing into a lawsuit and gaze of others, namely SNS. Bystander anxiety towards life-saving procedures was found to be strongly expressed by women. It also became evident that early recognition of cardiac arrest was not performed for patients with injuries 20–30% of the time. Training specifically for women with wounds and sickness may reduce sex differences in bystander CPR and AED application.
著者
倉橋 ともみ 小林 洋介 白浜 功徳 渡邉 峰守 中野 浩 浅岡 峰雄
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.12-18, 2020-02-29 (Released:2020-02-29)
参考文献数
20

目的:当地区で救急救命士の処置が拡大された2015年度以降,来院時低血糖の症例に対し救急車内で血糖測定・ブドウ糖溶液投与が行われなかった理由を検討した。方法:2015年度からの3年間に当院救急外来に救急車で来院,15歳以上で来院時血糖値70mg/dL 未満の患者を対象に,救急車内のJapan Coma Scale(以下JCSと略す),血糖測定・ブドウ糖溶液投与の有無,来院時血糖値などを調査した。結果:対象は397例で,血糖測定50例,ブドウ糖溶液投与は8例に行われた。ブドウ糖溶液未投与389例のうち297例が血糖未測定であり,その74.7%はJCS Ⅱ桁未満であった。救急車内の血糖値が50mg/dL 以上の17例すべてで来院時さらに血糖値が低下した。結論:JCS Ⅱ桁未満,血糖値50mg/dL 以上でも血糖測定・ブドウ糖溶液投与が可能になるようプロトコールの再検討が必要である。
著者
小林 亜津子
出版者
学校法人 北里研究所 北里大学一般教育部
雑誌
北里大学一般教育紀要 (ISSN:13450166)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.27-38, 2016-03-31 (Released:2017-01-12)
参考文献数
17

本稿では、まず看護ケアにとって「家庭」がもつ固有の意味を確認したうえで、これまで家族が担ってきたプライベートなケアという役割を、看護師が家庭のなかで果たすことから生じる、訪問看護における様々な混乱について論じる。それをふまえて、こうした「混乱」を最小限にとどめ、理想的なケア実践を行うために、訪問看護師は「自律の尊重」を提唱し、患者の前では「お客(guest)に徹するべき」という規範を自らに課していることを明らかにする。さらに、この「自律の尊重」が、施設内看護の場面以上に複雑な様相を呈し、訪問看護師が患者の決定に「寄り添う」か、専門職としての権威を示すかという倫理的選択に向き合わざるを得ない場面について論じていく。そこから浮かび上がってくるのは、訪問看護とは、患者と看護師がそれぞれ「主(host)」と「客」を演じあうという独特のパワーバランスの上になりたつケア実践であり、そのことが在宅ケア特有のモラルジレンマをカモフラージュするための「戦略」となっているということである。