著者
池本 英志 砂川 正隆 片平 治人 世良田 紀幸 小林 喜之 樋口 毅史 岡田 まゆみ 清野 毅俊 久光 直子 久光 正
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.213-221, 2015 (Released:2015-11-07)
参考文献数
28

経皮的神経電気刺激(transcutaneous electrical nerve stimulation:TENS)は,皮膚に導電性電極をあて,電気刺激を生体に与えることで様々な治療効果が得られる,非侵襲的な治療法である.鍼やTENSなどを用いた刺激療法の鎮痛作用には,ゲートコントロール説,下行性疼痛抑制系の賦活,内因性オピオイドの関与などいくつかの作用機序が報告されている.本研究では,ラットアジュバント関節炎モデルを作製し,TENSの慢性炎症性疼痛に対する鎮痛効果を検証するとともに,内因性オピオイドの関与について検討した.1) TENSの鎮痛作用の検証.7週齢のWistar系雄性ラットを使用し,Control(Con)群,Control+TENS(TENS)群,アジュバント関節炎(AA)群,AA+TENS (AAT)群の4群に分けた.関節炎は右足底に完全フロイントアジュバント0.1mlを皮下投与して誘発した.Con群には同部位に生食を投与した.TENS(4Hz,30分)は週3回,14日間にわたって実施し,その間,足容積,機械刺激ならび熱刺激に対する逃避閾値を測定した.関節炎の誘発によりAA群の足は腫脹し,足容積が有意に増大した.TENSによってこの腫脹は抑制されなかったが,機械的刺激及び熱刺激に対する逃避閾値は,AA群ではCon群と比較し有意に低下し,AAT群ではその低下が有意に抑制された.2) 内因性オピオイドの関与の検討.同種ラットをCon群,AA群,AAT群,AAT+naloxone (AAT+N)群の4群に分けた.AAT+N群には,μオピオイド受容体拮抗薬ナロキソン(3mg/kg)をTENS開始30分前に皮下投与した.先の実験と同様に逃避閾値を測定し,脊髄μオピオイド受容体の変化を組織学的に検討した.その結果,ナロキソンの前投与はTENSの鎮痛作用を有意に減弱させた.またAA群の脊髄後角ではμオピオイド受容体の発現が有意に増加したが,TENSによってその増加が有意に抑制された.4Hzの低周波TENSは慢性炎症性疼痛に対し鎮痛作用を示したが,その作用はμオピオイド受容体拮抗薬の前投与によって減弱した.また脊髄では,AA群の脊髄後角の浅層にμオピオイド受容体の発現が増加したが,AAT群ではこの増加が有意に抑制された.以上より, TENSはμオピオイド受容体を介して,慢性炎症性疼痛に対し鎮痛作用を示したと考えられる.低周波TENSは慢性炎症性疼痛に対し有用であり,鎮痛効果の発現には内因性オピオイドが関与していることが示唆された.
著者
原 久仁子 小林 正敏 秋山 康博
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.118, no.3, pp.231-240, 2001 (Released:2002-09-27)
参考文献数
28
被引用文献数
2 2

骨粗鬆症治療薬は一般に単剤での処方だけでなく, 数種類の薬剤が併用されることが多いが, その根拠となるデータは非常に少ない. ビタミンK2(メナテトレノン, K2)と1α(OH)ビタミンD3(D3)はいずれも臨床で骨粗鬆症治療薬として広く用いられている. そこで卵巣摘除ラットを用いて両薬剤の併用の意義を検討した. フィッシャー系20週齢雌性ラットを偽手術あるいは卵巣摘除し, 卵巣摘除ラットをさらに対照, K2, D3, K2+D3の4群(n=10)に分けた. 全てのラットを個別ケージで制限給餌により飼育し, K2はメナテトレノン(MK-4)約37mg/kgを混餌投与, D3は1α(OH)D3を0.3μg/kg週3回, 8週間経口投与した. 8週後の血漿中カルシウム(Ca), 無機リン, アルカリホスファターゼ活性, オステオカルシン, 1,25(OH)2D3, 副甲状腺ホルモン(PTH), MG-4濃度および大腿骨の骨密度と3点曲げ骨強度を測定した. 卵巣摘除による血漿中各パラメータへの影響は認められなかった. D3群は単独, 併用ともに血漿中Caは高値を, PTHは低値を示した. 全骨領域および海綿骨領域の骨密度は卵巣摘除により骨端部ではそれぞれ偽手術群の81%, 41%に, 骨幹部ではそれぞれ96%, 86%に減少した. K2, D3の各単独群は骨端部全骨領域の骨密度, 骨幹部海綿骨領域の骨密度, 骨塩量の低下を抑制した. K2+D3群では単独群で作用を示したパラメータの他に骨端部での全骨領域および海綿骨領域の骨塩量の低下を抑制した. またK2+D3群は骨端部海綿骨領域の骨密度, 骨塩量, 骨幹部の皮質骨厚でD3群に比して有意に高値を示した. 骨強度はK2+D3群でのみ対照群に比して最大荷重は有意に高値を, 剛性は高値傾向を示した. すなわちK2+D3群が骨端部, 骨幹部のいずれのパラメータにおいても一番高い値を示した. 以上, K2とD3との併用投与はそれぞれの単剤投与に比してより大きな薬効が期待できることが示唆された.
著者
濵砂 良一 川井 修一 安藤 由起子 伊東 健治 倉島 雅子 西村 敬史 山口 隆正 吉村 誠 小林 とも子 村谷 哲郎 松本 哲朗
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.85, no.1, pp.1-7, 2011-01-20 (Released:2015-04-06)
参考文献数
14
被引用文献数
3 1

Real-time PCR 法を用いてChlamydia trachomatis(クラミジア)およびNeisseria gonorrhoeae(淋菌)を検出するAbbott RealTime CT/NG assay(realtime 法:アボットジャパン)の有用性を,女性子宮頸管スワブ検体,女性初尿検体,男性初尿検体を用いて検討した.対象は北九州市内の産科・婦人科施設,泌尿器科施設,皮膚泌尿器科施設を受診し,子宮頸管炎または尿道炎が疑われた患者,女性88 名,男性100 名である.これらの検体をBD プローブテックET CT/GC(プローブテック:日本べクトン・ディッキンソン)と比較した.クラミジアに対する全検体の陽性一致率は97.1%(66/68),陰性一致率は99.0%(206/208),淋菌に対する全検体の陽性一致率は100%(33/33),陰性一致率は100%(243/243)であった.女性の子宮頸管スワブでは3 検体の不一致例が,男性初尿では1 検体の不一致例があった.女性初尿においては2 検査間の不一致例はなかったが,子宮頸管スワブと初尿との間にrealtime 法で3 症例,プローブテックで4 症例の不一致があった.realtime 法とプローブテックの不一致例のうち3 検体でアプティマCombo 2 クラミジア/ゴノレア(富士レビオ)による再検査を行い,すべて陽性であった.女性では子宮頸管スワブ,初尿のいずれかのうち2 つ以上の検査で陽性の場合,男性では初尿で2 つ以上の検査で陽性の場合,「真のクラミジア陽性」症例と仮定すると,realtime 法における子宮頸管スワブ,女性初尿,男性初尿の感度はそれぞれ94.4%,77.8%,97.4%であった.これに対しプローブテックではそれぞれ88.8%,77.8%,100%であった.淋菌に対する感度はいずれの検査でも100%であり,realtime 法は女性の子宮頸管スワブ,男性の初尿を用いると,淋菌,クラミジアに対してプローブテックと同等かそれ以上の有用性を示した.
著者
小林 拓
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.118, no.3, pp.229-234, 2021-03-10 (Released:2021-03-10)
参考文献数
35

炎症性腸疾患の診断や治療方針の決定において内視鏡はgold standardであるが,より非侵襲的なモニタリングの手法としてバイオマーカーが注目されている.便中カルプロテクチンは,炎症性腸疾患の診断,内視鏡的重症度との相関,治療効果判定,再燃予測など,さまざまな場面においてその有用性が報告されている.大腸癌スクリーニングに汎用されている便潜血反応検査も,特に潰瘍性大腸炎の内視鏡的活動性をもよく反映することが示されているほか,近年では血清leucine-rich glycoprotein(LRG),尿中プロスタグランジンE主要代謝産物(PGE-MUM)などの有用性も報告されている.
著者
堀 進悟 副島 京子 篠澤 洋太郎 藤島 清太郎 武田 英孝 木村 裕之 小林 正人 鈴木 昌 村井 達哉 柳田 純一 相川 直樹
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.29, no.Supplement5, pp.11-14, 1997-12-20 (Released:2013-05-24)
参考文献数
6

近隣救急隊の1994年12月から1996年4月まで16ヵ月間の出場記録を調査し,浴室内で発生した急病の調査を行った.浴室の急病は43例で当該期間の全救急件数の0.19%を占めていた.年齢は77±10歳と高齢者に多く,男女比は24例対19例と男性に多かった.診断は心肺停止26例(60%),失神(前駆症)14例,脳血管障害3例であった.各群とも高齢者が多く,明らかな年齢差を認めなかった.浴室急病の発生時期は,心肺停止のみならず,いずれの群も12-3月の厳寒期に集中していた。心肺停止は自宅浴室の発生が26例(100%)で,公衆浴場における発生は認めなかった. 一方, 非心肺停止例では自宅浴室が12例,公衆浴場が5例であった(p<0.01).さらに浴室内の発生場所を検討すると,心肺停止は浴槽内が22例(85%),洗い場が4例,非心肺停止では浴槽内が7例,洗い場が7例,不明が3例であった(p<0.01).溺水の有無を検討すると,心肺停止では21例に,非心肺停止では2例に溺水を認めた(p<0.01).すなわち,心肺停止は非心肺停止例と比較して自宅浴室の浴槽内で発生しやすく,溺水をともない易いことが示された.本研究により,公衆浴場よりも自宅浴室が心肺停止の危険をもたらしうることが示された.すなわち,身近に救助者がいれば入浴急死は防止できる可能性が示唆された.
著者
柴田 清 葛生 伸 黒田 光太郎 小林 志好 小林 信一 塚本 公秀 英 崇夫 原田 昭治
出版者
公益社団法人 日本工学教育協会
雑誌
工学教育 (ISSN:13412167)
巻号頁・発行日
vol.69, no.6, pp.6_48-6_53, 2021 (Released:2021-12-05)
参考文献数
29

Liberal arts education is attracting great interest in term of source of innovation to comprehend social needs and acceptance of technologies. However, the engineering has not been sufficiently included in the conventional liberal arts education, despite of its significance in modern society. To incorporate engineering in the liberal arts education, the following approaches are discussed. Engineers should learn social science and humanities to understand social needs and to enhance communication skills, and acquire generic engineering principle which is common in all engineering field. General public should develop technological literacy to ascertain the possibilities and limits of technology. Public, including engineers, should know nature of engineering to communicate each other, and obtain ability to identify the risk and benefit of technology.
著者
島田 瑞穂 土井 寛大 川端 寛樹 山内 健生 安藤 秀二 小林 由美江 廣瀬 芳江 周藤 史憲 藤原 由佳子 齊藤 美穂 菊池 広子 小松本 悟 室久 俊光 島野 智之
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.53-56, 2023-06-25 (Released:2023-06-30)
参考文献数
18

During the 3-year period (2020–2022), 49 cases of tick bites were presented to the Japanese Red Cross Ashikaga Hospital in Tochigi Prefecture, Japan. More than 60% of all tick bites between March and September occurred within two months (May and June). Amblyomma testudinarium was responsible for 40 cases among all the tick bite cases. Specifically, 41 individuals of this species (39 nymphs/2 adult females) were linked (The point estimate was 0.79 with a 95% confidence interval of 0.67–1.00). There were 38 cases of tick bites in Ashikaga City, and 23 of which occurred in the vicinity of the patients’ houses (gardens and fields). Suspected cases of Tick-associated rash illness (TARI) were first recorded in the Japanese Red Cross Ashikaga Hospital in May 2020, in a total of five cases ( i.e., the patients were aged 50 years or older). TARI is indicative of repeated tick bites, which points to the permanent settlement of the A. testudinarium in and around Ashikaga City. Therefore, we believe that greater efforts should be implemented towards the detection of tick-associated infections in this area, including Severe fever with thrombocytopenia syndrome virus for which A. testudinarium is considered as a major vector.
著者
佐藤 寿祐 土屋 昭夫 小林 則之 木村 純一 林 英昭 小林 博 保母 良基 鴨井 久一
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.752-757, 1986-06-28 (Released:2010-08-25)
参考文献数
7
被引用文献数
3 1

クマザサ原形質溶液が歯周疾患に対して効果があるか, また, 歯周治療に応用できるかどうかを検討した。口腔内の環境因子である唾液内微生物において, その殺菌効果および乳酸生成抑制効果について調べた。臨床的には, 実験的歯肉炎および中等度歯周疾患においてプラーク付着状態, 歯肉溝滲出液量, 歯肉の炎症状態を診査し, また, 口腔内規格写真撮影によって観察測定した。その結果, クマザサ原形質溶液の濃度が高くなるにつれて, 殺菌効果および唾液内微生物の乳酸生成抑制効果が認められた。含嗽または投与により, 実験的歯肉炎ではプラーク付着抑制には有意な効果はみられなかったが, 歯肉溝滲出液量の減少傾向および歯肉の炎症に対する阻止効果が認められた。
著者
小林 秀樹 松永 恒雄 梅干 野晁
出版者
The Remote Sensing Society of Japan
雑誌
日本リモートセンシング学会誌 (ISSN:02897911)
巻号頁・発行日
vol.22, no.5, pp.612-624, 2002-12-31 (Released:2009-05-22)
参考文献数
31
被引用文献数
2

本研究では,まずTOMS/PAR法の基礎検討により,Ruvに対するRsの影響と,標高の変化に伴うPARclearの変化が無視できないことを指摘し,改良TOMS/PAR法を提案した。また,TOMS/PAR法と改良TOMS/PAR法でのPAR推定精度の違いを気象庁の観測値を用いて検証し,後者の場合,より妥当なPAR推定値が得られる事が確認できた。さらにMODISのFPARプロダクトとTOMS/PAR法及び改良TOMS/PAR法によるPAR推定値を用いてAPARを算出し,APAR推定誤差がNPP推定誤差に与える影響を評価した。その結果,ランダム誤差は最大で年間NPPの4%程度,バイアス誤差が4-6%(MODIS/FPAR+改良TOMS/PAR法),8-9%(MODIS/FPAR+TOMS/PAR法)であった。これらの検討から,TOMS/PAR法,改良TOMS/PAR法ともに,既往研究における年間NPPのモデル間のCVよりは小さく,現在のAPAR推定値は全球NPP推定値の算出に対して十分な精度を持っていることが示された。しかし,年間NPPの全球推定にあたって,不確実性を低減させるためには,様々な地表面の紫外線反射率の影響を受けにくい改良TOMS/PAR法を用いた方がより信頼できる値を得られる。
著者
小林 周平 陳 昱儒 井手 一茂 花里 真道 辻 大士 近藤 克則
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.235-242, 2023-04-15 (Released:2023-04-25)
参考文献数
37

目的 高齢者の歩行量を維持・増加させることには多くの健康上望ましい効果が期待できる。しかし,健康日本21(第二次)中間評価では,高齢者の歩数が目標値まで達成できなかったことが報告されている。そのため,従来とは異なるアプローチに建造環境(街路ネットワーク,施設や居住密度,土地利用など人工的に造られる環境)を通じた身体活動量や歩数の維持・増加をもたらすゼロ次予防が注目されている。本研究では,建造環境の1つである生鮮食料品店の変化と歩行時間の変化との関連を明らかにすることを目的とした。方法 日本老年学的評価研究(JAGES)が27市町の要介護認定を受けていない65歳以上を対象に実施した自記式郵送調査データを用いた2016・2019年度の2時点での縦断パネル研究である。目的変数は,歩行時間の2時点の変化(増加あり・なし)とし,説明変数は追跡前後の徒歩圏内にある生鮮食料品(肉,魚,野菜,果物など)が手に入る生鮮食料品店の有無の2時点の変化を5群にカテゴリー化(なし・なし:参照群,なしとわからない・あり,あり・あり,あり・なしとわからない,その他)したものである。調整変数は2016年度の人口統計学的要因,健康行動要因,環境要因,健康要因の計14変数とした。統計分析は,ロバスト標準誤差を用いたポアソン回帰分析(有意水準5%)で歩行時間の増加なしに対する歩行時間の増加ありとなる累積発生率比(cumulative incidence rate ratio:CIRR)と95%信頼区間(confidence interval:CI)を算出した。分析に使用する全数のうち,無回答者などを欠測として多重代入法で補完した。結果 歩行時間の増加ありが13,400人(20.4%)だった。追跡前後で徒歩圏内の生鮮食料品店の有無の変化が「なし・なし」(6,577人,10.0%)と比較した場合,「なしとわからない・あり」(5,311人,8.1%)のCIRRは1.12(95%CI:1.03-1.21)だった。結論 徒歩圏内の生鮮食料品店が増加していた者で,高齢者の歩行時間が増加した者の発生が12%多かった。暮らしているだけで歩行量が増える建造環境の社会実装を目指す手がかりを得られたと考える。
著者
戎井 章 田畠 健治 兼廣 春之 今田 千秋 小林 武志
出版者
日本水産工学会
雑誌
日本水産工学会誌 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.143-149, 2003 (Released:2018-07-02)
参考文献数
25
被引用文献数
5

The performance of biodegradable plastics in seawater at various locations was examined. The seawater was sampled in the pier of Tokyo University of Fisheries, the mouth of Tama river, the mouth of Edo river, the mouth of Kyuedo river, Sagami bay and the offing in Boso peninsula. In this study, we used two samples of biodegradable plastics, polycaprolactone (PCL), and poly (3-hydroxybutyrate-co-3-hydroxyvalerate) [p (3HB/V)]. The biodegradability of their films in seawater was assessed by monitoring the time-dependent changes in the biochemical oxygen demand (BOD). The films were rapidly degraded in seawater sampled in Tokyo bay and BOD-biodegradability of their films was 42 and 92% for 7 and 23days respectively. BOD-biodegradability of films in seawater sampled in other area was Iower than that sampled in Tokyo bay. The study using the scaming electron microscope showed the films decomposed by the microorganism. The PCL-degrading microorganisms were isolated from the seawater and designated R-1, R-2 and R-3. Physiological and phylogenetic characters of these microorganisms were examined. These results show that strain R-1 was identified as Pseudomonas studomons, and strains R-2 and R-3 belong to the genus Pseudomonas. Biodegradation of PCL monofilament fiber by isolated bacteria, strain R-1 was investigated. Tensile strength of PCL monofilament was rapidly reduced to 50% for 2 days.
著者
葛谷 健 中川 昌一 佐藤 譲 金澤 康徳 岩本 安彦 小林 正 南條 輝志男 佐々木 陽 清野 裕 伊藤 千賀子 島 健二 野中 共平 門脇 孝
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.385-404, 1999-05-30 (Released:2011-03-02)
参考文献数
47
被引用文献数
86

糖尿病は, インスリン作用の不足による慢性高血糖を主徴とし, 種々の特徴的な代謝異常を伴う疾患群である. その発症には遺伝因子と環境因子がともに関与する. 代謝異常の長期間にわたる持続は特有の合併症を来たしやすく, 動脈硬化症をも促進する. 代謝異常の程度によって, 無症状からケトアシドーシスや昏睡に至る幅広い病態を示
著者
小林 卓 大井 三代子
出版者
実践女子短期大学
雑誌
実践女子短期大学紀要 = The bulletin of Jissen Women's Junior College (ISSN:13477196)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.121-142, 2013-03-19

「戦後の図書館学教育と女性司書」として、鬼頭當子(きとう まさこ)への聞き取りによるオーラル・ヒストリーの研究を行った。鬼頭が、実践女子専門学校から、実践女子大学図書館、慶應義塾大学図書館学科、国際基督教大学図書館とすすみ、館長になるプロセスをおいながら、「結婚、出産と仕事」、「全面開架とサイン」「UTLAS、大学教育」などを聞き取ることにより、鬼頭の歩んできた道がライブラリアン一筋の生き方であると同時に、戦後女性の生き方であることを浮かび上がらせた。
著者
小林 馨
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科放射線学会
雑誌
歯科放射線 (ISSN:03899705)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.10-16, 2022 (Released:2022-10-04)
参考文献数
54

In the present study, we reconsider the pioneers of the intraoral radiography. In intraoral radiography, the bisecting-angle technique was first published by Weston Andrew Valleau Price in 1904, and Antoni Cieszyński devised the same method in 1907. The paralleling technique was first used by Charles Edmund Kells in 1896. Then, in 1911, Franklin W. McCormack introduced the long-distance technique into the paralleling technique and published his findings in 1920. It was integrated and improved, and was popularized by Gordon M. Fitzgerald as a long cone paralleling technique between 1947 and 1950. The author proposes that the above should be the established theory in Japan.
著者
小林 亮
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.236-241, 2015-04-10 (Released:2015-05-26)
参考文献数
19
被引用文献数
1
著者
小林 廉
出版者
日本教材学会
雑誌
教材学研究 (ISSN:0915857X)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.51-60, 2013 (Released:2020-03-20)
参考文献数
14

The purpose of this paper is to design a unit “Sequence” for realizing “Mathematization”. For attaining the purpose, this paper draws out viewpoints for realizing “Mathematization” from realizing “emergent modeling” theory. The conclusions of this paper are as follows.1) We were able to draw out three viewpoints of instructional design; realizing “mathematical reality”, “model”, and the reflex relationship between the two. We were able to design a unit “Sequence” for realizing “Mathematization” by using those viewpoints. 2) The unit “Sequence” designed in this paper suggests improvements on traditional methods of instruction on this unit. We have to intend for students to reinvent a method of inquiring “Change” using a recursion form.
著者
小林 貞一
出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.98, no.1, pp.34-48, 1989-02-25 (Released:2009-11-12)
参考文献数
43
被引用文献数
1 2

In Japan 14 species in 21 genera of Carboniferous trilobites were known in 1980 and 22 species in 11 genera of the Permian ones in 1984. Adding a few species described since then, the Permo-Carboniferous trilobites of Japan total about 70 species at present. They are described from 18 horizons, namely 11 and 7 horizons respectively for the Carboniferous and Permian ones. They are compared with the faunas of the Mongolian geosyncline, Hwangho and Yangtze basins and Southeast Asia. While the Mongolian sea retreated from the west side through the periods, the route of migration was maintained toward the Mediterranean sea through the Himalayan geosyncline until the end of the Palaeozoic era. Some trilobites of Japan reveal relationship further toward the Australian and North American sides.