著者
小野原 彩香
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は言語変化の微細な動態を明らかにするために、地域性、社会構造の異なる複数の小規模な地域を対象として、言語形式と言語外的要因との関係を定量的に明らかにし、言語動態を把握することを目的としている。以上の目的を達成するために最終年度(2016年4月1日~2016年9月30日)には、次のような調査・研究を行った。前年度に、はびろネット(滋賀県米原市柏原の市民グループ)と共同で行った米原市及び岐阜県関ヶ原町の語彙と文法に関するアンケート調査では行わなかったアクセント調査を行った。これは、当初予定していた通り、網羅的にデータを収集し、各側面の変化や伝播の違いを明らかにするためである。この調査では、昨年度行ったアンケート調査の地域と同一地域において、調査を行い、現在も継続中である。被調査者も前回のアンケート調査で対象とした祖父母世代、親世代、中学生世代の各世代を対象とし、調査内容は、名詞、形容詞、動詞、付属語アクセントである。また、前述の米原市及び岐阜県関ヶ原町の語彙と文法に関するアンケート調査のデータを用いて、言語変化と変化の要因についての定量的な分析を行った。このアンケート調査では、中学生、親世代、祖父母世代の3世代の言語使用状況について調査を行ったが、そのうち、祖父母世代から中学生世代への各質問項目の使用率の増減を言語変化率として利用した。この言語変化率と関連する要素として、先行研究で取り扱われてきた人口に関する要素、面積、年齢構成(高齢化率、15歳未満率)と、新たに土地の利用割合を選択し、言語変化率を目的変数、各言語外的要因を説明変数として、一般化線形混合モデルへの当てはめを行った。
著者
小野寺 誠 針谷 昌幸 金剛 力 新谷 政樹 何 祺
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.853, pp.17-00073-17-00073, 2017 (Released:2017-09-25)
参考文献数
19
被引用文献数
1

This paper proposes an advanced mesh generation technique that reuses the proven analysis models by similar sub-part search. The purpose of this development is to reduce interactive mesh improvement work time and to comply with the mesh specifications. The number of product specifications is increasing due to global business development and diversification of needs. Hence, the execution frequency of simulation is increasing. Therefore, it is necessary to reduce the working hours. Furthermore, quality improvement and standardization of analysis models are required because the general designers have learned to manage V&V. This technique consists of two distinctive techniques. First, it is the technique to search the sub-parts from newly design CAD where have similar shape with the archived feature sub-parts contained in the proven CAD models. In this technique, the similar sub-parts are retrieved from a CAD model described by boundary representation and made correspondence relation surface pairs of a retrieval model (proven model) and a target model (CAD of new design). A similarity score is based on the attributed graphs of a retrieval model and a target model. And, this score is calculated by a geometrical similarity and topological similarity. Second, mesh can be generated automatically by arranging and merging the mesh of similar sub-parts. Experimental results show that this technique can efficiency achieve mesh generation without interactive mesh improvement operation.
著者
小野 貴広 徳田 孝明 庄林 雅了 中 浩司
出版者
東北職業能力開発大学校付属 秋田職業能力開発短期大学校
雑誌
東北職業能力開発大学校附属秋田職業能力開発短期大学校紀要
巻号頁・発行日
vol.15, pp.40-44, 2010-03

近年組込みソフトウェア技術者の不足問題もあり、組込みに関する教育の取り組みは、クローズアップされている。組込みソフトウェアの人材育成を目的としているET ソフトウェアデザインロボットコンテスト(通称:ET ロボコン)に我々は魅力を感じ、昨年度から参加し今年度もそのコンテストへ学生と共にチャレンジすることにした。その結果「ソフトウェア開発技術の向上」、「チーム開発のノウハウの習得」、「一連の開発工程の体験」においての教育訓練効果が再度確認できた。また、今年度は、北海道・東北地区大会で総合優勝し、チャンピオンシップ大会では総合3 位という結果を得た。本稿では、情報技術科および電子情報技術科の教員が、昨年度のノウハウと反省を活かしながら、数ヶ月にわたり携わってきたこの取り組みについて報告をする。
著者
上村 健人 木下 峻一 永田 裕一 小林 重信 小野 功
出版者
進化計算学会
雑誌
進化計算学会論文誌 (ISSN:21857385)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.1-12, 2013 (Released:2013-03-02)
参考文献数
18
被引用文献数
1

This paper proposes a new framework of real-coded genetic algorithms (RCGAs) for the multi-funnel function optimization. The RCGA is one of the most powerful function optimization methods. Most conventional RCGAs work effectively on the single-funnel function that consists of a single big-valley. However, it is reported that they show poor performance or, sometimes, fail to find the optimum on the multi-funnel function that consists of multiple big-valleys. In order to remedy this deterioration, Innately Split Model (ISM) has been proposed as a framework of RCGAs. ISM initializes an RCGA in a small region and repeats a search with the RCGA as changing the position of the region randomly. ISM outperforms conventional RCGAs on the multi-funnel functions. However, ISM has two problems in terms of the search efficiency and the difficulty of setting parameters. Our proposed method, Big-valley Explorer (BE), is a framework of RCGAs like ISM and it has two novel mechanisms to overcome these problems, the big-valley estimation mechanism and the adaptive initialization mechanism. Once the RCGA finishes a search, the big-valley estimation mechanism estimates a big-valley that the RCGA already explored and removes the region from the search space to prevent the RCGA from searching the same big-valley many times. After that, the adaptive initialization mechanism initializes the RCGA in a wide unexplored region adaptively to find unexplored big-valleys. We evaluate BE through some numerical experiments with both single-funnel and multi-funnel benchmark functions.
著者
橘内 勇 小野沢 敏弘 山下 泉 鈴木 伸治 宮津 誠 井上 秀美
出版者
社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.82-84, 1986-03-18 (Released:2009-10-28)
参考文献数
4

変形性膝関節症(以下膝OA)患者および健常中高齢者に対し,膝伸展筋力増大を図る目的で同一方法による等運動性筋力訓練を行い,以下の結果を得た.1)4週間の訓練により最大膝伸展筋力は,健常成年男子は平均4.63kg・m,女子3.19kg・mの増加をみたが,老年女性では0.93kg・m,膝OA女性では0.50kg・mの微増にとどまった.2)老年女性および膝OA女性グループでは,3週以降はむしろ減少傾向が認められた.3)高齢者および膝OA例の筋力増強は,筋肥大によるものより神経性因子によるものが大きいと考えられる.4)筋機能の評価には最大収縮力だけでなく,持久力あるいは神経制御機能を含めた方法が必要となる.
著者
泉川 晴紀 花野 博司 石川 雄一 岡田 宏 小野 智弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.401, pp.59-64, 2015-01-22

筆者らは,スマートフォン上におけるクーポン配信と,プッシュメディアとしての移動体デジタルサイネージを組み合わせたO2O(Online-to-offline)サービスを検討している.具体的には,ユーザに対し,バス・電車等に設置した移動体デジタルサイネージによりクーポンの存在を告知してスマートフォン上のクーポン取得へと誘導し,広告配信元店舗へ送客するサービスである.この際,コンバージョンとなる,どの程度のユーザが期待した行動,つまり購買行動を行ったかを把握することがサービスの効果を定量的に評価する上で必要となる.そこで,本稿では,ユーザの購買行動の実施を,セルラ情報を用いて推定する手法を報告する.本手法は,クーポンの利用-スマートフォン画面上でのクーポンの表示やクーポンの電子的なモギリなど-の場所毎の割合が,誤利用を考慮しても対象店舗の場所で多くなるという仮説に基づき,クーポン利用時に収集した,場所毎に特徴を有するセルラ情報(基地局識別子や電波強度等)をクラスタリングし,クラスタサイズが大きいクラスタに分類されたセルラ情報を有するクーポン利用をコンバージョンと推定するものである.なお,本手法では,事前に対象店舗でのセルラ情報を収集する必要がない.初期評価の結果,誤利用場所が店舗より500m以上離れていれば,正しくコンバージョンを推定できることが分かった.
著者
箱石 開 小野里 雅彦 田中 文基
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2017年度精密工学会春季大会
巻号頁・発行日
pp.31-32, 2017-03-01 (Released:2017-09-01)

災害発生時は,住民の現在位置や道路の閉塞など,災害発生前に想定していた事前情報と異なる状況となる場合が多く,その差異により避難行動は様々な影響を受ける.中でも,災害時要援護者の避難支援においては,要援護者・支援者の現在位置や支援の可否等の点で差異が発生することが多く,これによる支援効率の低下や支援者の被災リスクの増加が懸念される.この差異をシミュレータ上で再現することで,避難行動への影響を評価し,考察する.
著者
小野 永貴
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.539-545, 2017-10-01 (Released:2017-10-01)

日本の大学における情報リテラシー教育は,大学図書館における利用者教育の発展形と,情報処理教育の一般教育化の2つの文脈がある。これらは異なる経緯や視点をもち,複数の組織から独立的に実施される場合が多い。一方で,現在の大学の現場では両者とも「情報リテラシー教育」という共通の目標語のもと展開されることがあり,本来は大学全体で接続的・統合的に実施されるべきと考える。本稿ではこれらの議論を振り返りつつ,両者の視点を接続・統合して実施された情報リテラシー科目の事例を解説する。そのうえで,小中高大が接続した情報リテラシー教育の実現にむけて,将来展望と課題を考察する。
著者
新井 健一 小野 諭
雑誌
情報処理学会研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.125(2003-AVM-043), pp.183-188, 2003-12-19

放送品質映像を効率的に編集・混合するための映像プラットフォームの構築について述べる.放送品質映像の伝送に際しての要求条件は,(l)品質:連続したノイズフリーな映像の保持,(2)同期:複数映像/音声の正確な同期の維持,(3)スムースフェールオーバ:伝送時のフェールオーバにおける映像/音声データと時間軸品質の確保,である. 本論文では,(1)品質と(2)同期に関して,非同期網を介して複数の放送品質映像の同時性と時間軸を保証して伝送させるために開発したUnisync映像伝送システムの有効性を,ATM技術を基盤としているJGN上に構築された長距離テストベッドを介して伝送されたSMPTE-314M映像の品質から評価したので報告する.品質評価は,最大8万kmの超長距離ATM伝送路を介して伝送された映像のPSNR(peak-signal to Noise Ratio)を測定することによって実施した.
著者
小野田 鶴
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.254, pp.152-154, 2005-11

パソコン塾などを経営するアルファスタジオ社長、松岡みどりは、今年6〜8月、"カリスマ教師と呼ばれる原田隆史の研修に参加した。初回、「契約2件」と目標を紙に書いた途端、背中を押されたように行動力を発揮し、目標を達成した。取材・文◎小野田鶴 A3用紙を前に、松岡みどりは呆ぼう然ぜんとしていた。 (私に足りないのはコレだ……) 2回目の研修も大詰め。
著者
小野瀬 直美 藤原 顯
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会秋季講演会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.17-17, 2003

低密度の小惑星上における衝突によるレゴリス形成過程を考えるために、空隙率が63%の石膏ターゲットに直径7mmのナイロン球を4.3km/secで衝突させ、高速度カメラを用いて破片速度を測定した。速度が測定されたのは0.02g以上の全ての破片、および0.0003g以上の破片のうちの約半数である。また、本実験において測定可能な破片速度は0.1から200m/sであり、小惑星上のレゴリス形成を論じる上で必要かつ十分である。各破片がターゲット表面を離れた時刻が破片の軌跡から求められた。この放出時刻をもとに、全破片は早期放出破片群と後期放出破片群(以降早期群、後期群と呼ぶ)の2つのグループに分けることができる。早期群の破片のうち大きなものはSpall破片であることが回収破片との対照から確認された。また、その速度-質量分布はNakamura and Fujiwara (1991) で示された衝突破壊における表面破片の速度質量分布と似た分布を示す(図.1)。一方で、後期群は速度-質量分布のグラフのうち、遅くて小さい領域に集中する。これらの破片群は、ターゲット表面とほぼ垂直に、クレーターのボウル部分から放出されており、その数は観測した全破片のうちの9割に上る。この遅くて小さな後期群はクレーター形成でのみ見られるもので、クレーターの底が抜けてしまう完全破壊時には見られない。画面上で得られた破片面積から求めた破片の質量分布を0度の衝突に関して足し合わせたものを図.2に示す。早期群と後期群は-0.3および-1.6という、異なったべき係数を持つ。衝突クレーター形成時の破片質量分布に見られる『折れ曲がり点』は、これらの破片群の重なり合いで説明できる。
著者
吉田 充 小野 裕嗣 亀山 眞由美 忠田 吉弘 箭田 浩士 小林 秀誉 石坂 眞澄
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.12, pp.822-825, 2002-12-15
参考文献数
5
被引用文献数
5 20

日本で市販されている加工食品32品目63製品について,<B>アクリルアミド</B>含有量をLC-MS/MS法及びGC-MS法で測定した.検出限界及び定量限界は,LC-MS/MS法でそれぞれ0.2, 0.8ng/ml, GC-MS法で臭素化誘導体としてそれぞれ12, 40ng/mlであった.RSDによる繰り返し精度は,LC-MS/MS法では5%以下,GC-MS法では15%以下であった.両法による分析値は高い相関(r2=0.946)を示した.<B>アクリルアミド</B>含有量は,<B>ポテトチップス</B>で439-1870μg/kg,<B>スナック</B>菓子で15-3540μg/kg,米菓で17-303μg/kg,即席麺.<B>ワンタン</B>では4-54μg/kgであった.
著者
小野 憲史
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.1132, pp.57-61, 2014-04-14

昨年のGDCで注目を集めた、OSにAndroidを使った新興ゲーム機は今回振るわなかった2)。クラウドファンディング「Kickstarter」で目標を大きく超える資金を集めた米OUYA社の「OUYA」は失速し、参加者の関心は低かった。米NVIDIA社の携帯ゲーム機「Project SHIELD」の展示も昨…
著者
大西 秀明 八木 了 大山 峰生 相馬 俊雄 伊橋 光二 小野 武也 赤坂 清和 半田 康延
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.116, 2003 (Released:2004-03-19)

【はじめに】歩行や立位保持時の膝窩筋の筋活動については,過去にいくつかの報告があるが,起立動作時における膝窩筋の活動を報告したものはみない.今回,我々は起立動作時における膝窩筋の筋活動を解析したので報告する.【方法】対象は,膝関節に損傷の既往のない健常男性8名(21歳_-_36歳)であった.被験者には実験内容を十分に説明した上でインフォームド・コンセントを得た.運動課題は高さ40cmの椅子からの起立動作であり,足関節が軽度背屈位の肢位から動作を開始した.起立の速度は自然速度とし,動作遂行時における膝窩筋および外側広筋からEMGを導出した.膝窩筋のEMGの導出には双極性のワイヤー電極を使用し,外側広筋のEMG導出には表面電極を使用した.右側の膝窩筋に25ゲイジのガイド針で双極ワイヤー電極を刺入し,電気刺激で確認した後,ガイド針を抜去して電極を留置した.導出されたEMGは,バンドパスフィルタ処理(膝窩筋;10Hzから1000Hz,外側広筋;10Hzから500Hz)を行った後,全波整流し移動平均処理を行った.さらに,最大筋収縮時に得られた値を基準にして正規化した(%EMG). 動作分析には床反力計(Kistler)と三次元動作解析装置(Oxford Metrics)を使用し,頭部が動きだした時期から臀部が椅子から離れた時期までの期間を第一相とし,臀部が椅子から離れてから膝関節が完全伸展するまでの期間を第二相と規定し,各被験者が起立動作に要した時間を100%として動作時間を正規化した.【結果】運動開始から直立位までに要した時間は1969±394(平均±標準偏差)msecであり,第一相が768±166msec(39.4±6.4%),第二相が1201±298msec(60.6±6.4%)であった. 膝窩筋の筋活動をみると,動作開始時にわずかな活動(15%EMG)がみられ,徐々に活動量が増加し,殿部が椅子から離れる前(32%time)に最も強い活動(29 %EMG)を示した.臀部が椅子から離れた直後から60%timeまで膝窩筋の活動は急激に減少し,60%time以降では殆ど筋活動が観察されなかった.外側広筋の筋活動をみると,第一相初期(0から20%time)では殆ど筋活動がみられず,20%timeから活動量が増加し,臀部が椅子から離れる直前(37%time)に最も強い活動 (33%EMG)を示し,その後,動作が終了するまで徐々に活動量が低下していくのが観察された.【考察】我々は過去に歩行,立位保持,階段昇降動作時における膝窩筋の筋活動を解析し,膝窩筋が大腿四頭筋と同時期に活動することを報告してきた.しかし,本研究の結果においては先行研究と異なり,外側広筋の活動に先駆けて膝窩筋の活動がみられた.これは,体幹を前屈する際に大腿骨が脛骨に対して前方移動するのを防ぐためではないかと推測できる.