著者
小野里 雅彦
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

災害に見舞われた被災地の情報疎外を防ぎ地域防災力を強化することを目的に,現代版の火の見櫓と成りうる係留型情報気球システムInfoBalloonの研究開発を行った.扁平球形とピボット係留により風に対して安定な係留法を可能とし,InfoBalloonに搭載された監視カメラによる鳥轍映像システムを開発し,周辺の被災状況確認機能を実現した.さらにInfoBalloonを被災地での利用を目的に運用シナリオと安全ガイドラインを提示した.
著者
佐藤 夏雄 山岸 久雄 門倉 昭 小川 泰信 行松 彰 小野 高幸 細川 敬祐 田口 真 岡野 章一
出版者
国立極地研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009-04-01

南極昭和基地と北極域アイスランドは1本の磁力線で結ばれた共役点ペアの位置関係にある。この利点を最大限に活用し、オーロラの形状や動きを同時観測し、南北半球間の対称性・非対称性の特性を研究した。オーロラは南北両半球でその形が似ている場合や全く異なる場合など様々であった。特に、オーロラ爆発の直前に出現するビーズ状オーロラ、オーロラ爆発、点滅する脈動オーロラ、渦状オーロラ、などに注目して南北半球の比較研究を行った。そして、それらオーロラの発生源と発生機構に関する貴重な手がかりを得ることができた。また、観測から得られた実際の共役点位置の時間・空間変動と惑星間空間磁場との関係を明らかにすることもできた。
著者
小野寺 泰子
出版者
全国大学国語教育学会
雑誌
国語科教育 (ISSN:02870479)
巻号頁・発行日
vol.70, pp.108-115, 2011-09-30

Kumakichi Endo taught standard language education at Nishinaruse elementary school in Akita. After his death, Nishinaruse elementary school succeeded to the standard language education. The purpose of this paper is to historically and concretely define the standard language education of Nishinaruse elementary school after Kumakichi's death. An aspect of the standard language education became clear by an analysis of a document that was edited in Nishinaruse elementary school; a document that was not analyzed well until now. Through this analysis, two things were clarified. The first is that the standard language education of Nishinaruse elementary school was able to progress to the superior theory and practice of linguistic education of Kumakichi Endo because there was an effort by teachers who sought systematization of linguistic education. The second is that they adopted a great deal of independent activity for children in their standard language education. However, such activity has become the teacher-based system called "Kotobakentei" and "Kotobasennsei."
著者
細川 和久 三宅 勝 小野 斉 佐藤 邦忠 上田 晃 田村 哲 金子 五十男
出版者
帯広畜産大学
雑誌
帯広畜産大学学術研究報告. 第I部 (ISSN:0470925X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.617-635, 1977-11-25
被引用文献数
1

1.北海道根室半島およびその近隣地域で,昭和39から50年度までの間,発毛不全を主徴とする先天性ウシ奇形,59例が観察された。2.奇形は,すべて4〜7月に受胎したウシの中から発生し,かつ,放置すると長期在胎になり,子ウシは分娩後生存不能であった。3.奇形は,肉眼的には発毛不全のほか,矮小肢,球節部の熊脚状,歯肉で被われた歯,下垂体の欠如あるいは形成不全,体格矮小,組織学的には,下垂体腺葉の形成不全,副腎における髄質の欠如と皮質三層の分化不明,および皮膚毛根の発育不全などの異常を呈していた。4.この奇形は放牧地に繁茂しているバイケイソソを妊娠牛が摂取したたために発生したものと疑われたので,4頭の妊娠初期のウシに乾燥したバイケイソウの茎および葉を14日間から74日間給与したが奇形は発生しなかった。
著者
細谷 昂 小野寺 敦子
出版者
岩手県立大学
雑誌
総合政策 (ISSN:13446347)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.187-216, 2006-03-01
被引用文献数
3

近年農産物直売所が、関心をよんでいる。岩手県内でもあちこちの道路際に、果物や野菜を並べた直売所をよく見かける。しかし、ひるがえって農産物直売所とは何か、と考えると、答えはそう簡単ではない。いわゆる「産直」には違いないが、「産直」にもさまざまな形態がある。近ごろでは、スーパーマーケットにさえ、「産直コーナー」が開設されているほどである。さらに、農産物直売所は何を目指すべきか。農産物直売所にとって成功とは何か、となると、いっそう問題は難しくなる。農家の所得を増やすためであることはむろんだが、売れればよいかというと、問題はそう簡単ではないように思う。販売高からすれば、スーパーマーケットに到底かなわないのが多くの実情であろう。それにもかかわらず生産者側からも消費者側からも広く関心をよんでいるのはどのような特性にあるのであろうか。この稿では、まず前提的な作業として日本の青果物流通のなかでの直売所の位置づけ、その特質についてやや理論的な考察をおこなった上で、岩手県内の直売所に対するアンケート調査および面接調査の結果によってその実態を明らかにし、農産物直売所は何を目指すべきか、農産物直売所にとって成功とは何か、という問いに対する回答を模索してみたい。得られた結論はこうである。青果物直売所の成功は、売上高だけで測定されるようなものではなく、個別生産者のそれぞれの生産物の消費者への直接販売という特質が、そのことによる人格性、個別性の発揮という特質がどれだけ生かされているか、その基盤として小経営の小規模生産の特質がどれだけ発揮されているか、という観点から評価されるべきであり、さらにいえば経済的意義だけでなく、消費者との、あるいは生産者相互のパーソナル・コミュニケーション、そして地域活性化への寄与、などさまざまな社会的意義をも含めて、多面的な観点から評価されなければならない。
著者
小野原 教子
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2004-09-24

新制・課程博士
著者
大橋 一章 李 成市 小野 佳代 宇田 応之 光谷 拓実 片岡 直樹 肥田 路美 光谷 拓実 片岡 直樹 肥田 路美 宇田 応之 野呂 影勇 櫻庭 裕介 林 南壽
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、中国から朝鮮半島を経て日本に伝播した仏教美術がいかなる様相でわが国に受容されたのかを、主に特定樹種木材の流通に着目することによって検証することを目指した。具体的には日本、韓国、中国産のクスノキに対してX線分析を行い、主要元素の含有量を調査し、さらに東アジアにおけるクスノキの流通経路を検討することによって、日本の仏教美術の源流は中国南朝に求められ、それが朝鮮半島の百済、さらに日本へと伝播したことを検証した。
著者
長友 恒人 小野 昭
出版者
奈良教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

IntCal04によって26 kyr BPまで較正することが可能になったC-14年代の有効性を検証することを目的として、約7~30kaのテフラを対象としてルミネッセンス年代測定を行い、18のルミネッセンス年代とC-14年代をクロスチェックした。約13 cal kyr BPを超えるテフラについてはC-14較正年代が若干古い傾向があるようにみえるが、有意に古いかどうかについてはより厳密な検討が必要である。
著者
小野 泱
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.217-222, 1976
被引用文献数
1 2

著者は1975年6月15日北海道幌泉郡襟裳町でブユの調査を行い, 猿留川の2支流で多数の老熟幼虫, 蛹を採集した。これらを飼育して成虫を羽化させた結果Pro-imulium属に属する新種であると認めたので, ここにProsimulium sarurenseとして記載する。本種は雌雄の生殖器, 脚の形態から本邦産のProsimulium属のhirtipes-groupよりもyezoense-groupに類似しており, さらに蛹の呼吸系の形態からyezoense-groupとは別のgroupに属するものと見なされる。P. yezoense Shiraki, 1935およびその類似種は雌のみ腿節脛節が黄白色ないし黄色, 蛹の呼吸系は22∿36本であるが, 本種は雌雄ともに腿節脛節がすべて黄白色ないし黄色, 雌の小楯板の外縁部が銀白色, 雌雄の生殖器の特徴, 蛹の呼吸系が46∿48本であることなどにより明瞭に区別できる差異が認められた。蛹の呼吸系の数, 幼虫のhyposto-iumの歯の形態は, シベリア, アルタイ, アラスカ, カナダに広く分布しているP. alpestre Dorogostajskij, Rubtzov et Vlasenko, 1935に類似しているが, alpestreとは雌雄の生殖器, 脚の色彩, 爪の形状などにより明瞭に区別できる。本種に対しサルルキアシオオブユという和名を提唱した。
著者
小野嶋 勇介 谷川 智洋 廣瀬 通孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎
巻号頁・発行日
vol.111, no.101, pp.41-42, 2011-06-21

人における言語音と図形の視覚的印象間の連想関係は,完全には恣意的ではなく,例えば円唇母音で構成される無意味語は丸みを帯びた図形に,非円唇母音で構成される無意味語はギザギザの図形にマッピングされる.このような効果は他の感覚間でも存在すると考えられるため,本実験では,形,色,動き,音,触覚の5カテゴリ計10項目間の連想関係の偏りを確かめた.その結果,多くの項目間で連想関係の偏りが認められた.また,偏りに共通する何らかの概念が存在する可能性が示唆された.
著者
小野川 文子 高橋 智
出版者
全国障害者問題研究会
雑誌
障害者問題研究 (ISSN:03884155)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.21-31, 2010-11

全国の特別支援学校(肢体不自由)寄宿舎に入舎している児童生徒とその家族の生活実態調査を通して,彼らの「生活と発達の貧困」の実態や寄宿舎教育のニーズを検討し,そうした困難・ニーズに対応していく寄宿舎教育の役割や課題を明らかにすることを研究の目的とした.全国の特別支援学校(肢体不自由)63校の寄宿舎利用の保護者,寄宿舎指導員,教員(舎監)を対象に郵送質問紙法調査を実施した.調査期間は2008年9月〜11月.回収状況は保護者398人(回収率32.8%),寄宿舎指導員82人(69.5%),教員(舎監)60人(50.8%)であった.障害児の家庭生活は限られた人間関係と単調な生活を余儀なくされ,そのことが障害児の発達に大きな影響を与えているが,その問題はほとんど改善されず放置されている.また,障害児を支える家族の生活は,介助等に伴う身体的負担をはじめ,保護者が病気になっても十分な治療もできない状況,身近に相談できる相手もいない孤立した子育ての状況が浮き彫りになり,そのことが精神的負担となっている保護者も多い.その問題は子どもの障害が重ければ重いほど,あるいは経済的に困難であればあるほど深刻であることが明らかとなった.障害児の支援を行うためには,保護者の健康・就労問題を含めて,障害児家庭全体を総合的に支える支援が不可欠であり,障害児の発達の視点にたった生活支援が重要である.それゆえに,障害児の生活支援と発達支援の双方の役割を果たしている特別支援学校寄宿舎は重要な社会資源である.

1 0 0 0 OA 緜考輯録

著者
[小野景湛] [等編]
巻号頁・発行日
vol.第18冊, 1000
著者
小野寺 聡 川又 政征 樋口 龍雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.95, no.299, pp.71-78, 1995-10-20

アナログ回路網では,フラクタルに基づいた回路網を構成することで,遷移域においてω^α(0<α<1,ωは角周波数)に比例する振幅特性を実現できることが示されている.本稿では,ディジタル回路網でこの振幅特性を設計する方法と,設計したディジタル回路網の構造について考察する.まず,アナログ回路網の伝達関数をs-z変換してディジタル伝達関数を求める.次に,アナログ回路網の伝達関数の構造を求めて,その構造を基にしてディジタル回路網の構造を導く.その結果,遷移域でω^αに比例する傾きを持つディジタル伝達関数を得られることと,設計したディジタル回路網が再帰的な構造を持っていることを示す.
著者
小野 史貴 三澤 秀明 堀尾 恵一 大谷 泰志 土生 学 冨永 和宏 山川 烈
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

口腔内の白斑には前癌病変の白板症があるが,類似した症状の扁平苔癬と誤認する可能性がある.前者は白斑が均一であり,後者はレース状となる特徴があるが,初期診療を行う歯科医では判別が難しい場合がある.本研究では,口腔画像に基づき白斑形状を識別する診断支援システムの開発を行う.本稿では,ガボール特徴量を利用する効果について,識別実験を通してその有効性を検討する.
著者
石川 達也 三浦 清一 横濱 勝司 亀山 修一 川端 伸一郎 小野 丘 安倍 隆二 関根 悦夫 八谷 好高
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、凍結融解作用を受ける粒状路盤の力学特性の試験方法を提案するとともに、凍結時及び凍結融解後の粒状路盤の力学挙動を把握し、舗装構造の理論的設計方法を用いて、凍結融解に伴う粒状路盤の性能変化が道路舗装の疲労寿命に及ぼす影響を検討した。この結果、粒状路盤が凍結融解作用を受けた場合、支持力特性のような力学的な性能が変化し、疲労寿命のような走行路構造の長期性能に強く影響を及ぼすことを明らかにした。
著者
小野寺 伸 小山 芳一 西平 順
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

1)RA患者由来滑膜繊維芽細胞を用い、MIFがIL-8のmRNA発現を誘導し、この誘導にはチロシンキナーゼ、PKC、および転写調節因子AP-1およびNF-κBが強く関与していることを明らかにした(Arthritis Rheum 2004)。2)In-vivoにおいてマウス抗II型コラーゲン抗体カクテル関節炎モデルを用いて関節炎発症におけるMIFの関与を検討した。野生型(以下WT)マウスは関節炎発症に伴い関節局所におけるMIF、MMP-13およびMIP-2 mRNAの発現が増加した。関節炎発症操作によりWTマウスでは関節炎スコア(12点満点)が平均8点であったのに対し、抗MIF抗体を投与したWTマウス群およびMIFノックアウトマウス群では、それぞれ平均3点、平均2.5点と有意に関節炎が抑制され、これに伴い後者2群とも関節局所におけるMMP-13およびMIP-2 mRNA発現、および炎症性細胞浸潤が抑制された。(Cytokine 2004)。3)MIFをターゲットとした新規関節炎治療法の開発;MIF-DNAワクチン法を試みた。MIF-DNAワクチンとしてMIF cDNAの2nd loopにヘルパーTエピトープとしてtetanus toxin、ovalbumin、およびHEL (hen egg-whitelysozyme)の各十数残基を組み込んだプラスミドベクター、コントロールとして空ベクターを準備し、これらを8週令Balb/cマウス♀(各群n=5)にエレクトロポレーション法にて筋内接種した後II型コラーゲン抗体カクテル関節炎発症を試みたところ、ピーク時の関節炎スコアはコントロールワクチン群で平均5.5点に対し、前3者の混合接種により平均2.0点と有意な発症抑制効果を示した。まだ検討途上であるが本方法は新規RA治療法として期待される(投稿中)。