著者
井田 志乃 山中 敏正
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.60, 2013

本研究では、製品開発のデザインプロセスにおけるデザイナーの役割や必要とされる能力を探るために、実際のデザインプロセスからデザインプロセスタスクを抽出しその特徴を分析した。これまでの研究では、製品ごとにデザインプロセスを分断してデザインプロセスタスクを抽出し特徴を導出していたが、今回はタスク特徴をより明確に比較するために3種類の製品のデザインプロセスタスクを一括して分析した。デザインプロセスを分断して分析した場合と同様に2分法及び数量化理論3類・クラスター分析を用いて分析した結果、プロダクトデザインとGUI系デザインのデザインタスクでは情報収集・分析カテゴリのタスクにおいて特徴的な違いが導出された。
著者
山中 英明 久能 昌朗 塩見 一雄 菊池 武昭
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.454-458_1, 1983-10-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
13
被引用文献数
6 7

シュウ酸に基質特異性があり, 感度のよい酵素法の適用を検討し, さらに各種食品中の含量を測定した. 定量はシュウ酸に oxalate decarboxylase を作用させてギ酸にし, 次いで nicotinamide-adenine dinucleotide (NAD) とともに formate dehydrogenase を作用させ, NADHの生成に伴う340nmの吸光度の増加量から算出した. 植物性食品61種, 動物性食品30種のシュウ酸を測定したところ, 高含量のものは植物性食品に限られ, ホウレンソウの1,760mg/100gを最高に, ツルナ894mg/100g, 緑茶426mg/100gなどが高く, 水産物ではアオノリ193mg/100g, テングサ165mg/100gなど海藻にかなり高いものがあった. 動物性食品はいずれも低含量であり, 魚肉0.3~3.7mg/100g, 牛肉8.0mg/100gであった. ホウレンソウの生長に伴いシュウ酸含量が増加すること本認めた.
著者
檜山 哲哉 阿部 理 栗田 直幸 藤田 耕史 池田 健一 橋本 重将 辻村 真貴 山中 勤
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.158-176, 2008 (Released:2008-05-12)
参考文献数
162
被引用文献数
10 8

水の酸素・水素安定同位体(以下,水の安定同位体)を用いた水循環過程に関する重要な研究および最近の研究のレビューを行った.海水の同位体組成(同位体比)に関する知見,同位体大循環モデルを用いた全球スケールの水循環研究,降水形態による同位体比の差異や局域スケールの降水過程に関する研究,流域スケールでの流出過程,植生に関わる蒸発散過程(蒸発と蒸散の分離)の研究をレビューした.加えて,幅広い時間スケールでの気候変動や水循環変動に関する研究として,氷床コアや雪氷コアを利用した古気候・古環境復元とそれらに水の安定同位体を利用した研究についてもレビューした.最後に,水の安定同位体を利用した水循環研究の今後の展望をまとめた.
著者
都竹 愛一郎 宮本 剛 山中 幸雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.7, pp.41-46, 2001-01-30
被引用文献数
4

1998年9月に英国、11月に米国で地上波によるディジタル放送が始まり、本格的なディジタル放送の時代に突入した。1999年5月には電気通信技術審議会から地上ディジタル放送の方式が答申され、2003年には日本でも地上ディジタル放送が始まる予定である。ディジタル放送では、雑音によるビット誤り率(BER)が所要の誤り率(誤り訂正前で約10^<-2>、訂正後10^<-ll>)以下になるように回線設計を行なっているが、雑音は振幅分布がガウス分布となる白色ガウス雑音を仮定している。ところが、都市雑音(車のイグニッション雑音や電気製品のスイッチング雑音などの人工雑音)はインパルス性の雑音が多く、振幅分布はガウス分布にはならない。そこで、本研究ではインパルス雑音が地上ディジタル放送に与える影響について、雑音の振幅確率密度関数を求めて検討した。また、都市雑音発生器を用いて室内実験を行ない検討した。さらに、VHF帯の雑音の振幅分布を、振幅確率分布測定器を用いて測定した。また、入力振幅を制限することによるBER特性の改善手法についても検討を行ない、リミッタアンプを用いることにより、インパルス雑音によるBERの劣化を改善できることを示した。
著者
山中 清次
出版者
佛教大学大学院
雑誌
仏教大学大学院紀要 (ISSN:13442422)
巻号頁・発行日
no.36, pp.83-98, 2008-03

近世期の町場(都市) に依拠した修験者の研究は、修験道の全体像を捉える上で不可欠である。本稿では、町場の修験を「町修験」と規定して、彼らの姿を再構成しようとするものである。政治・法制史や宗教史学等の成果を取り入れつつも歴史民俗学的な立場に立ち、修験の置かれた社会状況を考慮に入れて、町修験の生活実態や宗教活動からその特性や背景を追及した。都市に生きる民間宗教者の一類としての修験は、地方の百姓から転身したものが多く、弟子入りして修験の職分を身につけ渡世した。その住居生活から見ると「地借」「店借」の修験が圧倒的多数を占める。彼らは市中に雑居し妻帯の家族を持ち、祈祷やト占の活動の僅かな収入で、下層民と同様のその日暮らしていた。そうした生活を支えたのは祈祷師的渡世である。また、町方の信仰全般に関わり、町民の信仰的な要求に応えられる職分と験力を持っていたことによる。修験が町廻りをして祈願祈祷ができたのは、依頼者による選択自由という「帰依次第」の慣行が認知されていたからである。町修験店借修験帰依次第市中雑居
著者
山中 登志子
出版者
金曜日
雑誌
金曜日
巻号頁・発行日
vol.8, no.32, pp.28-31, 2000-09-01
著者
安藤 勝也 山中 克己 明石 都美
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR TUBERCULOSIS
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.77, no.9, pp.589-595, 2002-09-15
被引用文献数
1

高校教諭に肺結核が発症し, それにより同高校の教職員2名ならびに生徒4名の結核患者と75名 (教職員3名, 生徒72名) の予防内服の患者が集団発生した。初発患者は27歳の男性教諭で, 1年3・6組2年4・5組に簿記を教え, 3年1組の副担任であり, バドミントン部の顧問もしていた。平成11年11月より軽い咳があり, 近医を数回受診し, 平成12年1月N病院受診しガフキー8号学会分類bII2と診断され入院治療となった。当保健所は, 教職員63名, 学生153名の合計216名を対象とした定期外検診を行った。直後の定期外検診にて, 1名の生徒が<I>l</I>III1肺結核と診断された。ツ反検査のヒストグラムから40mm以上の発赤径を示した27名の生徒が感染を受けたとして, 予防内服のため病院に紹介した。2カ月後の定期外検診のX-Pにより2名の生徒が肺結核 (<I>l</I>III1・<I>l</I>III1), 1名の生徒が結核性胸膜炎と診断され, 1名の職員が肺結核γIII1と診断された。ツ反検査により直後の発赤径に比して17mm以上大きくなった45名の生徒と職員3名の合計48名が感染を受けたとして, 予防内服のため病院に紹介した。12カ月後の定期外検診にて職員1名がγII1肺結核と診断された。初発患者の家族検診において兄が結核性胸膜炎, 母が<I>l</I>III1肺結核と診断され, 親戚の子供1名が予防内服となった。ツ反を判断するにあたり, 結核病学会の「結核医療の基準」に従って画一的に予防内服を決めることは, 危険であり, 事例に応じて柔軟に対応すべきとの示唆を得た。
著者
山中 章弘
出版者
名古屋大学
雑誌
戦略的な研究開発の推進 戦略的創造研究推進事業 CREST
巻号頁・発行日
2016

睡眠覚醒などの本能機能は、記憶や意志決定などの高次脳機能にも影響を及ぼしています。従来の光遺伝学では、侵襲や行動制限のために、この機能連関の研究には不十分でした。新開発するファイバーレス光遺伝学では、光ファイバーを刺入せずに脳深部の神経活動を体外から照射した近赤外光で操作可能になります。これを応用することで睡眠覚醒と記憶との関係の解明に迫れるだけでなく、様々な生体機能の解明に大幅な進展が期待されます。
著者
山中 珠美 高鳥毛 敏雄 YAMANAKA Tamami TAKATORIGE Toshio
出版者
名寄市立大学
雑誌
紀要 = Bulletin of Nayoro City University (ISSN:18817440)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.37-46, 2020-03

【要旨】2011年,大阪市あいりん地区にあるホームレスを支援する施設,シェルター,診療所,および,サンフランシスコ市の社会施設,病院,教会を視察した。その後,8年が経過し,結核やエイズに関する公衆衛生施策,栄養指導等の公衆衛生活動が行われた結果,両市で結核の患者数は減少していた。我が国では専門職が中心になってDOTSを行っているが,アメリカでは医療資格がない者が訓練を受けてDOTSを行っており,DOTSに関する国の経済的負担は少ない。しかし,サンフランシスコ市のような大都市では手頃な価格の住宅の欠如,精神疾患,暴力,エイズ,薬物等の問題がある。また,アメリカの企業は終身雇用ではないため,突然解雇されてホームレスになることがある。経済的な格差は健康格差を生むため,健康,労働,教育,福祉などさまざまな側面から公衆衛生活動について考える必要がある。蔑視せず,現実をしっかりと見て,彼らに寄り添い,今後どのようにしたらいいのかを共に考えなければならない。このような状況の中でアウトリーチ・ワーカーやボランティア等,専門家ではない一人の人として関わりや信頼関係の構築が,ホームレスにとって他のどのような支援よりも遙かに大きな力になっている。差別することなく共に考えることが一番の支援である。
著者
岡野 憲一 山中 浩敬 九鬼 靖太 谷川 聡
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
pp.16068, (Released:2017-03-13)
参考文献数
29
被引用文献数
3

This study examined for the first time the correlation between the spike jump (SPJ), an action specific to volleyball, and other jumps among 202 top-level male volleyball players from domestic leagues (84 from the V. League and 118 from the first division of the Kanto University Volleyball Association). We then categorized the ability of the players during stretch-shortening cycle exercise (SSC) to examine the characteristics of SPJ performance and other positions. The results indicated that, on the one hand, ability in both the counter movement jump (CMJ) and rebound jump (RJ) is required for the SPJ, RJ showing more prominence among elite players. On the other hand, for SSC ability, exercise requiring a longer duration, such as the CMJ, was found to be more critical for the SPJ with a one-step run-up. In terms of different player positions, the results suggested that a middle blocker (MB) with a shorter run-up required a jump that exerts force through longer-duration SSC exercise, whereas a wing spiker (WS) with a full run-up demonstrated more ballistic SSC exercise in his jump. On the basis of these findings, this study has shown the importance of evaluating the characteristics of jump performance according to each player position when designing or choosing the most appropriate physical training exercises for volleyball players.

1 0 0 0 OA 国性爺合戦

著者
山中峯太郎 著
出版者
至文堂
巻号頁・発行日
1944
著者
新井 千賀子 山中 幸宏 尾形 真樹 稲見 達也
出版者
視覚障害リハビリテーション協会
雑誌
視覚障害リハビリテーション研究発表大会プログラム・抄録集
巻号頁・発行日
vol.21, pp.126, 2012

<B>【はじめに】</B><BR> 緑内障など中心視力が高く保たれ視野障害が主な問題となる場合、老視になると遠近両用眼鏡を希望する場合がある。視野の状態によっては加入部分に活用できる視野を合わせる事が困難になる。本症例は、眼鏡のデザインを工夫する事で遠方視と近方視の両立と近方視での拡大効果を得たので報告する。<BR><BR><B>【症例】</B><BR> 疾患:緑内障、年齢:50代後半、視力:右眼(0.03×-5.5D)左眼(1.0×-5.5D)、中心視野:右眼は中心部に暗点が有り、左眼は中心部周辺に比較暗点が有るが中心部は直径10&deg;程度の視野が読書に活用できる。ニーズ:遠方(2~3m)の画面を見ながら台本を読みアフレコをする職業。遠方視と近方視の繰り返しをスムーズに行いたい。<BR><BR><B>【補助具の検討】</B><BR> 読書評価(MNREAD-J)より臨界文字サイズ0.29logMAR 最大読書速度:269文字/分が得られ、近方視は年齢に対応した加入で十分であった。累進レンズの試用では近方視部分を左眼の視野で使用する事が困難であった。二重焦点レンズでは、1)加入部分のレンズの面積が小さく台本が十分に読めない、2)遠方視の後に瞬時に近方の読む場所を見つけにくいという問題点が分った。近視が-5.5Dあるので近方視は裸眼で拡大効果が得られる為、遠方は矯正、近方は裸眼で見るデザインの眼鏡を検討し、レンズの下部を切り取り上部のみに矯正レンズを入れる眼鏡を作成した。その結果、下方の視野が広がり拡大効果も得られ患者のニーズに対応できた。<BR><BR><B>【考察】</B><BR> 視力が高いと眼鏡処方には問題がないと考えられがちである。しかし、本症例のように希望する作業や職業によっては一般的な遠近両用眼鏡では十分に対応が出来ない。この場合、作業の分析と補助具の工夫が必要となった。眼鏡を補助具の一つと考え視機能や読書評価結果などを検討することはロービジョンケアの中の一つの領域として捉えても良いのではないかと考える。