著者
磯谷 一枝 山中 学 石川 元直 扇澤 史子 望月 友香 稲葉 百合子 山本 直宗 山中 崇 大塚 邦明
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.570-571, 2011 (Released:2012-02-09)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1

入院中の高齢者において抑うつは疾患治療を困難にする重要な問題であるが影響を与える因子については明らかではない.65歳以上の入院高齢患者174名を対象に,Geriatric depression scale(以下,GDS)を実施し,性別,年齢,基礎疾患,居住形態,認知機能との関連を検討したところ,患者の居住形態がGDSに最も強く独立して関連し独居群は家族同居群よりもGDSが高く治療意欲の低下を支持する回答が多く,独居高齢者では入院中に心理的援助がより必要である.
著者
西村 忠己 細井 裕司 森本 千裕 赤坂 咲恵 岡安 唯 山下 哲範 山中 敏彰 北原 糺
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.122, no.12, pp.1522-1527, 2019-12-20 (Released:2020-01-09)
参考文献数
8
被引用文献数
1

軟骨伝導補聴器は耳軟骨の振動を介して音を伝える軟骨伝導を用いた新しい種類の補聴器で2017年11月に発売となった. 既存の補聴器で対応が難しい外耳道閉鎖症などの症例に対しても非常に効果があり, 補聴手段の新しい選択肢になる. 取扱医療機関は増加しているが全国的な認知度は必ずしも高くはない. 全国の難聴者がその恩恵を受けることができるように普及を進めていくため, 当院にフィッティング希望で2019年2月までに受診した59例の難聴者が, どこで軟骨伝導補聴器の情報を知り受診に至ったかについて調査した. 当院外来通院中の6例を除き, 受診契機となった情報源 (受診契機) が判別できたのは45例であった. 受診契機は医師, メディア (インターネット・TV), 患者会, 家族・友人, 学校の先生, 補聴器販売店に分類し3カ月ごとの経時的な変化を調べた. また病態別に3群に分類し経時的な変化についても評価した. その結果全体では患者会が最も多く約3分の1を占めていた. 経時的な変化では販売開始当初の1年間は医師の例は少なかったが, 直近の3カ月では大幅に増加していた. 補聴器販売店は販売開始当初半年間だけであった. 今回の結果から医療機関での認知度は上昇傾向にあると思われた. 補聴器販売店に対しては再度情報を提供する必要があると思われた. 成人の症例が少なく, 成人の外耳道閉鎖症例に対するアプローチが今後の課題であると考えられた.
著者
山中 亮 神谷 大介 比嘉 健人 和田 賢哉 具志堅 清一 澤部 純浩
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.A_79-A_84, 2020

<p><tt>近年、訪日外国人の増加とともに、急増する訪日外国人レンタカー利用による事故を防止するため、警察庁、国土交通省、民間事業者などにより、各種取り組みが推進されている。しかしながら、早急な安全対策が必要とされているものの、原因が特定できていないため、具体的な対策に結びついていない。 本研究では、沖縄本島を対象として </tt>ETC2.0 <tt>プローブデータを用いて、居住者、日本人レンタカー利用者及び訪日外国人レンタカー利用者(居住地別:台湾、韓国、香港)の急制動発生箇所比較を行った。</tt> <tt>結果、既存の事故危険箇所の特定方法では、見落とされる可能性が高い訪日外国人ドライバーにとって危険な区間を特定した。この区間の道路交通環境を比較し、訪日外国人ドライバーによる急制動と道路交通環境の関係を明らかにした。</tt></p>
著者
賈 瑞晨 佐藤 廉也 縄田 浩志 松永 光平 劉 国彬 張 文輝 山中 典和
出版者
九州大学大学院比較社会文化学府
雑誌
比較社会文化 : 九州大学大学院比較社会文化学府紀要 (ISSN:13411659)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.17-35, 2011

経済成長に伴う貨幣経済の急速な浸透によって、中国内陸部の農村における物質・社会生活は激しく変容している。こうした背景のなかで、本稿は中国・黄土高原の農村における一つの結婚式を取り上げ、その縁談成立から挙式までの詳細を記述することによって、現代中国農村における伝統と変容の一断面を明らかにし、考察の材料を提供することを目指した。結果として、貨幣経済の浸透によって結婚式は豪華かつ派手になったことにより、婿方の出費は膨大となり、借金の返済が出稼ぎ流動を促す大きな要因となっていることが明らかになると同時に、一方で嫁取り婚・夫方居住や男児偏重の傾向、さらには村の互酬的な人間関係が基層的な社会関係として持続している様相が浮かび上がった。
著者
山中 蛍 後藤 秀昭 竹内 峻 中田 高
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2020年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.244, 2020 (Released:2020-03-30)

地形学の研究では,地表面の様子を記録するために,現地での地形計測が実施されることが多い。等高線表現を用いた中〜大縮尺の地形図や空中写真の判読・分析のほか,近年では,航空レーザ測量などによる精緻な数値標高モデル(DEM)を用いた研究が主流となりつつあるとはいえ,より詳細な分析や,説得力ある情報収集のためには,現地での地形計測は欠かせない。 地形計測では,オートレベルやトータルステーションなどの多様な測量機器が用いられてきたが,近年では,GNSS(全球測位衛星システム)が重要な社会インフラとして整備されつつあり,地形研究でも広く利用されるようになってきた。その一方で,精度のよいGNSS受信機は,その価格や機材の大きさから,誰でも,どこでも,気軽に使えるほどではないのが実情である。しかし,近年,GNSSモジュールやアンテナの高性能化,小型化に伴い,センチメートルオーダーの測位が可能なパーツが廉価で販売されはじめ,農業や土木などの実業的な分野でこれらの応用が進みつつある(中本,2018)。 本研究では,それらのパーツを組み立てた小型で廉価なRTK-GNSS計測機器を作成し,地形学的な研究での利用について検討を行った。その結果,可搬性に富み,現地での作業が簡便なうえ,これまでのRTK-GNSS受信機と同等の精度で地形計測が可能であることが解った。発表では,機器の構成や使用方法および測位精度を報告するとともに,断層変位地形での現地計測を通して,地形研究への適用の可能性について報告する。
著者
鈴木 和浩 小沢 雅史 中里 晴樹 黒川 公平 林 雅道 神保 進 小林 幹男 鈴木 孝憲 今井 強一 山中 英寿
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.197-203, 1995-03

74例の胚細胞腫瘍のうち,47例がセミノーマ,27例が非セミノーマであった。4例の非胚細胞腫瘍があった。セミノーマでは非セミノーマに対して高齢発生,低ステージであった。病期1では経過観察した1歳の卵黄嚢腫瘍の1例が再発したが,化学療法にて救命可能であった。病期2では初回に照射療法を施行した3例のセミノーマ,および非セミノーマで再発が認められた。1例のみ救命可能であった。病期3では1例が再発,5例が初回治療より抵抗性を示した。前例死亡した
著者
山下 玲 今給黎 薫弘 岡本 聡 山中 直明
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J102-B, no.4, pp.310-318, 2019-04-01

データセンタネットワーク(DCN)における消費電力増加に伴い,電気パケット交換と光回線交換/光スロット交換を併用するハイブリッド型DCNが注目されている.ハイブリッド型DCNでは,DCN内を流れるフローをサイズや継続時間によって分類し,電気パケット交換網と光回線交換網/光スロット交換網のどれに流すべきかを判断する必要がある.本論文では,フロー分類手法として,Hadoopのジョブ特性を用いたアプリケーション駆動型手法を提案する.提案手法では,HadoopのShuffleデータ量とジョブ継続時間を推定することで,電気パケット交換網と光回線交換網/光スロット交換網のうちより省電力な網を選択することを可能とした.コンピュータシミュレーションにより,従来手法と比較して約15.8%のスイッチング消費電力削減効果を確認した.
著者
肥沼 康太 山中 晃徳 渡邊 育夢 桑原 利彦
出版者
一般社団法人 日本塑性加工学会
雑誌
塑性と加工 (ISSN:00381586)
巻号頁・発行日
vol.61, no.709, pp.48-55, 2020 (Released:2020-02-25)
参考文献数
31
被引用文献数
1

Deformation of an aluminum alloy sheet is affected by its underlying crystallographic texture and has been widely studied by the crystal plasticity finite element method (CPFEM). The numerical material test based on the CPFEM allows us to quantitatively estimate the stress-strain curve and the Lankford value (r-value), which depend on the texture of aluminum alloy sheets. However, in the use of the numerical material test as a means of optimizing the texture to design aluminum alloys, the CPFEM is computationally expensive. We propose a methodology for rapidly estimating the stress -strain curve and r-value of aluminum alloy sheets using deep learning with a neural network. We train the neural network with synthetic texture and stress-strain curves calculated by the numerical material test. To capture the features of synthetic texture from a {111} pole figure image, the neural network incorporates a convolution neural network. Using the trained neural network, we can estimate the uniaxial stress-strain curve and the in-plane anisotropy of the r-value for various textures that contain Cube and S components. The results indicate that the neural network trained with the results of the numerical material test is a promising methodology for rapidly estimating the deformation of aluminum alloy sheets.
著者
郭 龍旻 山中 敏正
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18840833)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.131-140, 2011 (Released:2011-12-09)
参考文献数
17

This experiment started to find the answer to the question like ‘There might be a common stereotype image when people think of a certain object’. In the experiment three different types of character expression (Kanji, Hiragana, and Katakana) for ‘chair’ were shown to the object. The object was to sketch the first image brought up when they heard of the word. Through the experiment it was able to find how Japanese think of the object based on their use experience in past. From the result of the experiment most of the Japanese regard the shape of the chair from past memory of early learning period. On the other hand experience of using certain shape of the chair during school years have affected bringing stereotype image up of the object.
著者
後藤 敬一 石橋 和樹 江崎 健二郎 山中 章喜
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.715-717, 2007-10-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
6

2004年1月, 38頭のホルスタイン種を飼養する酪農場において, 呼吸器症状を主徴とし, 下痢および搾乳量の減少を伴う疾病が認められた.発症牛群の糞便および鼻腔拭い液から牛コロナウイルス (BCV) 遺伝子が検出されるとともに, 鼻腔拭い液からBCVが分離され, さらに, 発症期および回復期の血清でBCVに対する鶏赤血球凝集抑制抗体価が有意に上昇した.いっぽう, 牛RSウイルス, 牛伝染性気管支炎ウイルス等の呼吸器病起因ウイルスは抗原検索, 分離ともに陰性であり, 抗体検査でも有意な上昇を示さなかった.また, 有意な病原細菌および寄生虫は確認されなかった.これらの結果から今回の症例はBCV単独によるものと思われた.
著者
渡部 聡也 後藤 秀樹 山中 直道 鄭 俊俊 毛利 公一
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2020-OS-148, no.6, pp.1-6, 2020-02-20

近年,様々な製品は,高機能,高性能化が要求されており,内蔵する組込み機器の数が増加している.内蔵する組込み機器が増加することにより,消費電力の増加やコストの増加,製品の内部スペースの圧迫,ネットワークの複雑化といった問題がある.この問題を解決するための方法として,複数の組込み機器で動作するソフトウェアを 1 つの組込み機器に集約する方法がある.しかし,複数のソフトウェアを 1 つに集約するとメモリ空間の競合やデバイスの競合といった問題が発生するため,複数のソフトウェアが互いに影響を及ぼさないように動作させる必要がある.複数のソフトウェアを動かす方法として,仮想化が用いられるが,仮想化ではエミュレーションによるオーバヘッドが発生する.また,仮想化で使用する VMM は規模として大きくなるため組込み機器の限られたメモリ資源を圧迫してしまう.以上の背景から本論文では,マルチコアプロセッサを用いて,複数の組込みソフトウェアを起動してハードウェアを直接割当てることでオーバヘッドを減らす制御基盤ソフトを提案し,提案した基盤ソフト上で複数組込みソフトウェアを動作させる機能について述べる.
著者
伊濱 大晟 山中 俊夫 竹谷 俊成
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成30年度大会(名古屋)学術講演論文集 第4巻 通風・換気 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.93-96, 2018 (Released:2019-10-30)

本研究では、臭気拡散の防止に有効な置換換気を病室へ導入することを提案する。 置換換気時、呼出された咳飛沫核は居住域内に滞留することが明らかとなっている。そこで、本研究では置換換気された4床病室を対象とし、飛沫由来の飛沫核がいかなる挙動を示すのか把握することを目的とする。 本報では実験室において咳を噴霧し、その噴霧状況が飛沫核挙動に与える影響を検討する。また、モデル計算による飛沫核減衰過程の再現も試みた。
著者
山中 哲夫
出版者
愛知教育大学教育実践総合センター
雑誌
愛知教育大学教育実践総合センター紀要 (ISSN:13442597)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.79-83, 2007-02-28

男の子の失禁は心理的なもの。括約筋によるコントロールが性器的なものと結びついているため。「欲求」と「欲望」の混同。男の子における夜尿症の心的特殊性/核家族化が進む中での教師の役割。子どもが学業に失敗したときの対処法/兄弟姉妹は別個の存在。兄姉は弟妹の親代わりになってはいけない。近親相姦の危険な陥穿。模倣は有害。父親と母親の役目。
著者
藤川 正毅 田中 真人 井元 佑介 三目 直登 浦本 武雄 山中 脩也
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集
巻号頁・発行日
vol.86, no.881, pp.19-00256-19-00256, 2020
被引用文献数
1

<p>A numerical calculation scheme for stress and its consistent tangent moduli with hyper-dual numbers(HDN) for Ogden-type hyperelastic material model was proposed. The main advantage of this scheme is that once the framework is coded, any Ogden-type hyperelastic material model can be implemented by only re-coding the strain energy density function. In this scheme, the new differentiation method for eigenvalue and eigenvector of the symmetric matrices with HDN were proposed. The proposed method can calculate the eigenvalue and eigenvector in non-real part analytically by using the eigenvalue and eigenvector in real part, in case that all eigenvalues in real part are not multiple root. We implemented the Neo-Hookean model and the Ogden model with the proposed scheme, to confirm the effectiveness and robustness of this method, and applied it to some examples. As the results, it was confirmed that the numerical results of the proposed method showed good agreement with analytical ones.</p>
著者
水野 智仁 山中悠紀 佐藤 剛介 上田 絵美 松尾 真輔
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.71-75, 2013 (Released:2013-04-11)
参考文献数
13

〔目的〕先行肢をつく位置と高さの違いが側方移乗動作に与える影響を調査する.〔対象〕日常的に側方移乗を行っている脊髄損傷者3名(男性2名,女性1名)とした.〔方法〕先行肢をつく位置が着座面の側方・斜前方,高さが着座面と同じ・10 cm上・20 cm上の6課題で側方移乗動作を実施させ,デジタルビデオカメラ画像から臀床距離と移乗動作に要した時間を算出し,反復測定two-way ANOVAで先行肢の位置と高さの影響を調査した.〔結果〕先行肢をつく位置に有意な効果を認めたが,高さによる有意な効果や交互作用は認められなかった.〔結語〕先行肢をつく位置を考慮した側方移乗動作の指導が有益である可能性が示唆された.