著者
丸山 喜久 山崎 文雄 用害 比呂之 土屋 良之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.208-216, 2008
被引用文献数
1

2004年10月23日に発生した新潟県中越地震では,関越自動車道と北陸自動車道の一部区間でとくに盛土部に震動が原因となった被害が多数発生した.そこで,本研究では,詳細な高速道路被害データと250mメッシュ単位で細密に推定した地震動強度分布をもとに,盛土部の被害程度と地震動強さの関係について統計的な分析を行い高速道路盛土部の被害関数を構築した.その結果,車両の走行に支障のある被害は,計測震度が5.1∼5.2のとき0.05∼0.1件/kmの被害率を示すと推定された.走行に支障のない軽微な被害も含めると,計測震度4.5∼4.6のとき0.05∼0.1件/kmの被害率を示した.
著者
原田 康司 南雲 久美子 山崎 忠男 野ツ俣 和夫 伊藤 慎芳 土谷 春仁 桜井 幸弘 池上 文詔 多賀須 幸男
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.257-263, 1991-02-20 (Released:2011-05-09)
参考文献数
16

上部消化管粘膜には,細血管が限局性に集籏拡張したAngiodysplasiaがときどき見られる.2年間に施行したPanendoscopy延べ10,163例で認め/れたAngiodysplasia230例を対象に検討した. その頻度は2.26~3.98%,男性に有意に多く,加齢とともに頻度は増加する.単発81.3%,多発18.7%であった.少数が食道・十二指腸に存在したが,98%は胃にあり,胃A・M領域に多くC領域に少ない.血液のstealによると思われる白暈を周辺に持つ「日の丸型」は43.4%,持たない「赤丸型」は56.6%であった. 顕出血例はなく,出血の危険は少ないと思われる.特定の疾患との関連は確認出来なかった.Angiodysplasiaと紛らわしい形態の早期胃癌2例に遭遇した.
著者
野田 奈津実 小川 宣子 久慈 るみ子 山崎 泰央 坂田 隆 大竹 美登利 佐々井 啓 中島 明子 宮野 道雄 浜島 京子 加藤 浩文 萬羽 郁子 吉井 美奈子 生田 英輔 奥山 みどり
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.67, 2015

<b>目的</b> JSHE生活研究では、石巻市にて「郷土料理の伝承」「特産物を生かした料理の提案」を目的とした料理教室と料理コンテストを行ってきた。これらの活動による参加者の意識・意欲の変化を明らかにする。<b></b><br><b>方法 </b>郷土料理教室は3回(2012年3月~2013年12月)、わかめ料理コンテストは1回(2014年10月)実施し、それぞれ参加者へアンケート、聞き取りを行った。<br><b>結果 </b>郷土料理教室の1、2回目は仮設住宅入居者を対象として行ったが、以前から郷土料理を作り、食べている参加者が多かったため、3回目は仮設住宅入居者を講師とし、大学生を対象に行った。終了後、大学生からは「石巻の食文化を知ることができた」「家族や友人に教えたい」、仮設住宅入居者からは「若い人たちと話せて楽しかった」「やりがいを感じた」という感想が多く、「郷土料理の伝承」の新たな形としての可能性が感じられた。わかめ料理コンテストは地域住民34組から応募があり、最終審査は10組で行われた。参加者からは「わかめだけでなく、他の石巻の食材も調べた」「参加者同士で意見交換できた」との声も聞かれ、両活動とも郷土料理や特産物に対する関心や愛着、誰かに伝えたいという意欲を生み、さらに地域関係者も含めたコミュニケーションの場となった。<br>本研究は科学研究費補助金(課題番号:24300243、25350040)、平成25年度(公財)浦上食品・食文化振興財団の助成を受けた。
著者
山崎 貴男 前川 敏彦
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

自閉症スペクトラム(ASD)では社会コミュニケーションが障害される.本研究はASDの腹側(顔認知)視覚路(「社会脳」)の機能変化について調べた.ASDと定型発達(TD)成人で視覚誘発電位を記録した.赤緑(RG), 黒白(BW), 顔刺激を用いた.TD成人に比べて,ASDではRGのN1潜時延長,BWのN1潜時短縮,顔のP1潜時短縮,N170潜時延長を認めた.これらの所見は,ASDはV1での細部の処理に優れるが,色処理は障害されること,V4でのゲシュタルト顔処理も障害されることを示唆する.従って,腹側視覚路(「社会脳」)の機能変化がASDの社会的処理の異常に関与している可能性が示唆された.
著者
山崎 敦彦 深田 武志
出版者
日経BP社 ; 1985-
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.419, pp.26-29, 2017-05

──株式市場でにわかにスター銘柄になった感がありますね。投資家からの問い合わせなど、いつ頃から騒がしくなりましたか。 昨年の秋くらいでしょうか。理由は二つだと思います。
著者
明畠 利樹 山崎 憲一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J100-D, no.11, pp.907-916, 2017-11-01

高速不揮発性メモリ(NVM)の開発が順調に進めば,従来のDRAMとハードディスクが全てNVMに置き換えられる可能性がある.本論文では,そのようなアーキテクチャの計算機を想定する.NVM上に置かれたデータは,電源喪失などの障害が起きても保持されるが,そのデータを再利用することは現在のプログラム言語では想定されておらず,問題が生じる.また,データ更新中に障害が起きた場合には,データが矛盾状態になるという問題もある.本研究で提案するライブラリは,NVM上のデータにグローバルな名前を付けることで,後での再実行でもそのデータを再利用することを可能とする.また,障害に対するデータの一貫性保持のための原子的更新の機能を有する.特に実装上の課題としては,メモリキャッシュのためにデータがNVMに確実に書き出されないという問題がある.これを解決した上で原子的更新を実装するために,ソフトウェアトランザクショナルメモリと類似の実装方法を提案する.本論文では,以上についての設計と実装について述べたのち,実験等により提案を評価する.
著者
山崎 幸治
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第45回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.37, 2011 (Released:2011-05-20)

本発表では、今後のアイヌを含めた文化人類学的日本研究の方法論開発に向けての素地を整えることを目的に、発表者のこれまでのアイヌ研究における実践から、現状における課題を提示し、今後の研究方法のあり方を展望する。日本の先住民族であるアイヌに関する研究の実践事例は、分科会副題『「日本人」がどのように日本を調査して日本語で語るか』に内包されている様々な問題を顕在化させよう。
著者
山崎 賢悟 津々見 崇
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09131280)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.163-168, 2007-10-25
参考文献数
12

同業種の小売商業店舗が高密度に集積する専門店街は、広域的な集客力を有することから、商業地が目標とする姿の一つである。専門店街は、街を訪れる人がいることで活気を維持しており、それが減少すれば衰退する危険性がある。そこで本研究では、成熟した専門店街としての「本の街」神田神保町を対象とし、専門店街の継続的発展に関する知見を得ることを目的とする。本研究の結論は以下の通りである。神田神保町は、古本まつりが始まった1960年頃に『本の街』として成熟したと捉えられる。書店数は1995年以降大幅に増加し、近年は約200軒に達する。1995年以降は一般消費者へのメディア露出が高まっている。書店立地は、かつての線的分布から、面的分布に変化した。成熟後もエリア内外の活発な新陳代謝があることで、専門店街の活力を保っている。成熟期以前から立地する書店と、成熟期以後に立地した書店とでは、基本属性や立地の特徴が異なる。成熟した専門店街・神保町エリアでは、象徴的イメージを保つ界隈と、新しい展開を育む界隈の両方があることで、「本の街」としての位置づけを保ちながら継続的に発展することができてきたと総括する事ができる。
著者
杉本 直樹 黒柳 正典 加藤 貴史 佐藤 恭子 多田 敦子 山崎 壮 棚元 憲一
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.76-79, 2006-04-25 (Released:2008-08-04)
参考文献数
12
被引用文献数
4 17

天然ガムベースとして使用されるサンダラック樹脂は,既存添加物名簿収載品目リストに「ヒノキ科サンダラック(Tetraclinis articulata (VAHL.) MAST.)の分泌液からエタノール抽出により得られたもので,主成分はサンダラコピマール酸である.」と記載されているが,成分組成について十分に検討されていない.そこで,サンダラック樹脂中の主要成分について検討し化合物1, 2, 3を単離し,スペクトルデータよりそれぞれサンダラコピマール酸,サンダラコピマリノール,4-エピデヒドロアビエチン酸と同定した.また,サンダラック樹脂製品中のサンダラコピマール酸をHPLCにより定量した結果,含有量は11.6%であった.
著者
畠山 美穂 山崎 晃
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.284-293, 2003-12-05 (Released:2017-07-24)
被引用文献数
1

本研究の目的は,以下に示す4つの点を検討することにある。1つめは,幼児期に見られる攻撃・拒否的行動が,いじめとしての3つの要素(①加害者の人数,②攻撃・拒否的行動の継続性,③被害者の精神的苦痛)をもつかどうかについて検討すること。 2つめは,いじめ場面に見られる幼児の仲間関係について検討すること。3つめは,いじめとしての性質をもつと判断された攻撃・拒否的行動のエピソードの記述からいじめの様態について検討すること。4つめは,いじめに対する保育者の対応について検討することである。観察対象児は,幼稚園年長児34名(男児16名・女児18名)であり,観察期間は1年間であった。観察方法は参与観察法が用いられ,分析方法はエピソード分析とネットワーク分析を採用した。その結果,特定の女児に対して行われた攻撃・拒否的行動が,いじめとしての3つの要素を満たしたことから,幼死期にもいじめとしての性質をもつ行動が見られることが明らかにされた。そして,いじめを発見するためには,保盲者が子どもの発する微妙なサインに対して敏感になる必要があることが示唆された。