著者
山本暎一著
出版者
新潮社
巻号頁・発行日
1989
著者
中川 俊明 林 佳典 畑中 裕司 青山 陽 水草 豊 藤田 明宏 加古川 正勝 原 武史 藤田 広志 山本 哲也
出版者
電子情報通信学会情報・システムソサイエティ
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム = The IEICE transactions on information and systems (Japanese edition) (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.89, no.11, pp.2491-2501, 2006-11-01
参考文献数
31
被引用文献数
14

我々は,眼底画像の異常を自動検出することによって眼科医の診断を支援するコンピュータ支援診断(CAD)システムの開発を行っている.本研究では,眼底画像の視神経乳頭を認識するために,血管の抽出及び消去を行う手法を提案する.また,血管消去画像の応用例として,患者説明に利用する擬似立体視画像の作成を行った.血管はカラー眼底画像の緑成分画像に対して,モフォロジー演算の一種であるBlack-top-hat変換を行い抽出した.抽出した血管領域に対して周囲の画素のRGB値を利用した補間を行い血管消去画像を作成した.このように作成した血管消去画像を視神経乳頭の認識に適用した.視神経乳頭は,血管消去画像を用いたP-タイル法によって認識した.78枚の画像を用いて評価実験を行った結果,認識率は94%(73/78)であった.更に,抽出した血管像及び血管消去画像を利用して,擬似立体視画像の作成を試みた.その結果,血管が網膜の硝子体側を走行している様子を表現できた.本手法が眼底CADシステムの精度向上に寄与することを示唆した.
著者
竹内 裕美 樋上 茂 田中 弓子 山本 祐子 生駒 尚秋
出版者
JIBI TO RINSHO KAI
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.S134-S137, 2000

鼻腔通気度検査は、鼻腔の開存度の客観的評価法として臨床で広く使用されている。通常、測定結果は、正常者から得られた正常値と比較して評価される。一方、左右鼻腔の鼻腔抵抗が経時的に変化する生理的現象は、nasal cycleとしてよく知られているが、鼻腔通気度検査で得られた鼻腔抵抗値をnasal cycleを考慮して検討した報告は少ない。本研究では、47人の20歳代の健康成人を対象として、1時間ごとに7時間にわたり、anterior法 (ノズル法) で鼻腔抵抗を測定した。総鼻腔抵抗の変動幅 (最大値と最小値の差) は、片側鼻腔抵抗の約1/4であったが、平均0.1Pa/cm<SUP>3</SUP>/sの変動があった。また、1時間前の鼻腔抵抗を100とした場合の変化率は、総鼻腔抵抗では平均22.8%であり片側鼻腔抵抗の変化率の約1/2であった。本研究の結果から、総鼻腔抵抗値へのnasal cycleの影響は片側鼻腔抵抗に比べると少ないが、鼻腔通気度検査の評価に影響を与えるには十分なものであることが明らかになった。
著者
山本 隆久 内田 清久 斉藤 洋一
出版者
一般社団法人 日本胆道学会
雑誌
胆道 (ISSN:09140077)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.49-60, 1987-06-30 (Released:2012-11-13)
参考文献数
30

ラットに回腸広範囲切除を行い,最長12カ月までの胆汁酸代謝の変化につき検討した.回腸切除により糞中胆汁酸排泄量は増加し,胆汁中胆汁酸分泌量,胆汁酸プールサィズ,胆汁酸の腸肝循環回転数,胆汁酸の吸収効率は低下した,これらの変化は術後4週よりみられ,術後12ヵ月経過しても改善されなかった.肝では回腸切除により,胆汁酸特にCAの生合成が亢進し,CA系胆汁酸:CDCA系胆汁酸の比は術後6ヵ月まで増加した.反転小腸を用いた胆汁酸の吸収実験では,回腸切除後6ヵ月経過しても残存上部小腸に胆汁酸の能動吸収は認められなかった.以上の結果より,回腸広範囲切除により招来された胆汁酸吸収障害は,長期経過後も改善され得ないと結論される.
著者
下村 孝 山本 祐子
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.109-114, 2008 (Released:2009-04-10)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

キンモクセイに2度の開花ピークが見られるとの伝聞にもとづき,その実態を科学的に解明するために,京都北区の住宅地域内に植栽されているキンモクセイを対象に形成花芽数と開花花芽数,開花小花数を経時的に計測した。その結果,キンモクセイは,2007年10月11日の開花ピークの後,10月23日に2度目の開花ピークを迎え,二度咲き現象が見られることが明らかになった。2度目のピークでは,開花小花数が1度目に比べると極端に少なく,全体の香りも弱いため,一部の人々にしか認知されていなかったともの理解された。当年生枝と前年生枝の花芽の種類と数,および開花小花数の測定から,キンモクセイでは,当年生枝と前年生枝の葉腋に形成される定芽以外に不定芽にも花芽が形成され,それらが開花することが分かった。さらに2度目の開花ピークには,当年生枝の花芽より前年生枝の花芽が,定芽より不定芽が大きく寄与することも明らかになった。前年生枝が当年生枝より不定芽を形成しやすく,キンモクセイ二度咲き現象には,前年生枝不定芽の関与が大きいと考えられる。
著者
山本 吉道 河合 恭平 高野 哲男
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海洋開発論文集 (ISSN:09127348)
巻号頁・発行日
no.24, pp.1339-1344, 2008
被引用文献数
2

In this research, the Ishikawa-ken area of Kaetsu coastal zone and Enshu-nada coastal zone are selected as the coastal zone where a large-scale sandy beach is left, and sedimentation control of those zones is examined in order to recover the continuity of overall movement of earth and sand, and the following plans are proposed:<BR>1) An efficient countermeasure based on sand recycling by shipping and natural carrying system due to waves and currents in the Ishikawa-ken area of Kaetsu coastal zone.<BR>2) An effective countermeasure based on natural carrying power due to Tenryu river flow and a sand bypass by trucking for short distance in Enshu-nada coastal zone.
著者
清水 洋 松本 聡 酒井 慎一 岡田 知己 渡辺 俊樹 飯尾 能久 相澤 広記 松島 健 高橋 浩晃 中尾 茂 鈴木 康弘 後藤 秀昭 大倉 敬宏 山本 希 中道 治久 山中 浩明 神野 達夫 三宅 弘恵 纐纈 一起 浅野 公之 松島 信一 福岡 浩 若井 明彦 大井 昌弘 田村 圭子 木村 玲欧 井ノ口 宗成 前原 喜彦 赤星 朋比古 宇津木 充 上嶋 誠 王 功輝 ハザリカ ヘマンタ 矢田 俊文 高橋 和雄
出版者
九州大学
雑誌
特別研究促進費
巻号頁・発行日
2016-04-22

2016年熊本地震について、地震活動や地殻変動、活断層、火山活動への影響、地震災害の特徴などを調査した。その結果、熊本地震は布田川・日奈久断層帯の右横ずれ運動によって発生したが、複数の断層面と複雑な断層形状を持つことを明らかにした。また、建物被害や土砂災害の地盤との関係、特に、地盤の過剰間隙水圧が地すべりの発生要因であることを明らかにした。さらに、災害情報や災害過程、被災救援、エコノミークラス症候群などについての調査から、広域複合災害の問題点と対応策を提示した。
著者
福田 恵津子 山本 真千子 玉腰 久美子 斉藤 由美子 赤松 曙子 高橋 宣光 飯沼 宏之 加藤 和三
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.99-103, 1999

人間ドック受診者におけるトレッドミル運動負荷試験施行例の5年間経過観察例について検討した。初回から陽性のまま変化しなかった例,経過中陽性に変化した例,初回から陰性のまま変化しなかった例の3群に分類した。虚血性心疾患発症の有無については,アンケート調査例も含め検討した。上記の3群については虚血性心疾患の発症は見られなかったが,アンケート調査例の中で,発症の回答が3例に見られた。
著者
田崎 和江 キリー ブランドン 山本 幸子 佐藤 誠 林 隆志 竹原 照明
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.65, no.9, pp.383-392, 2016-09-15 (Released:2016-09-15)
参考文献数
26
被引用文献数
1 1

近年,河川や湖沼,海洋の放射能による環境汚染が問題になっており,物理的・化学的対応がなされている。また,持続的な環境修復という視点から,低濃度でしか存在しない場合でも生物濃縮機能の利点からバイオレメディエーションが注目されている。本研究では,身近な現象として貯水池(金沢市俵町大池)に大量発生し用水溝を詰まらせているアオコ(Phytoplankton biomass),オオマリコケムシ(Pectinatella magnifica),珪藻などについて生物的環境浄化の視点から研究を行った。これらの微生物についてICP-MSとSEM-EDSを用いて観察したところ,生息するこれらの微生物にストロンチウムを収着する機能があることが明らかになった。さらに,アオコが発生した池の水に焼成したゼオライトを投入したところ,急速に水が澄む現象を認めた。身近な汚染環境の浄化に土着の微生物が密接に関与している事実と安価・簡便な環境修復技術を資料として提供する。
著者
藤田 佳平衛 山本 和正 庄野 達哉
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1974, no.1, pp.86-91, 1974-01-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
20
被引用文献数
9

フェニルプロピオール酸メチルおよびフェニルエチニルメチルケトンとアルケンシク ヘキセンデテトラメチルエチレン,プロペソ,ピ シクロ[2.2,1]ヘプト-2-エン,ピシクpa(2.2.1コヘプタ-2,5-ジェソ)との光付加反応を行なった。その結果,光一次生成物として収率よくシクロブテソ誘導体が生成することが認められた。後二者のアルケンの場合は,生成物はエキソ付加物であった フェニルプ ピオール酸メチルとプロペンとの反応において,付加にかなりの配向性が見られた。フェニルエチニルメチルヶトンとビシクロ(2.2)ヘプタ-2,5-ジェンとの光反応で,シクロプテン誘導体以外にホモ-Diels-Alder-付加反応生成物,およびオキセタン誘導体が生成した。相当する二重結合化合物であるケィ皮酸メチルおよびベンザルァセトソとアルケソとの光反応を行なったが,付加体はまったく生成せず,それ自身のシスートランス異深化のみが認められた。
著者
田中 達也 神山 真一 山本 智一 山口 悦司
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.119-131, 2021-07-30 (Released:2021-07-30)
参考文献数
14
被引用文献数
1

本研究の目的は,児童におけるアーギュメント自己評価能力とアーギュメント構成能力には関係があるのか,また,関係があるとすればどのような関係があるのかを予備的に検討することであった。本研究では,まず,両者の関係の有無を検討するため,主張-証拠-理由付けを含むアーギュメントを導入した小学校第3学年の単元「物と重さ」を実施する中で,児童計65名を対象に,アーギュメントを記述させる課題による調査と,児童に自身のアーギュメントを自己評価させる課題による調査を実施した。2つの調査結果から,次の2点が示唆された。(1)アーギュメント自己評価能力が高い児童は,アーギュメント構成能力が高い傾向にある,(2)アーギュメント自己評価能力が低い児童は,アーギュメント構成能力が低い傾向にある。次に,アーギュメント自己評価能力のアーギュメント構成能力への影響を検討するため,アーギュメント構成能力の向上の仕方が異なる児童計16名を対象に,アーギュメントの自己評価の詳細をたずねる面接調査を実施した。この調査の結果から,次の2点が示唆された。(1)自分が記述したアーギュメントの成否を適切に判定したり,自分が記述したアーギュメントの問題点を説明したりすることができる児童は,アーギュメント構成能力が向上していた傾向にある,(2)自分が記述したアーギュメントの成否を適切に判定したり,自分が記述したアーギュメントの問題点を説明したりすることができない児童は,アーギュメント構成能力が向上していない傾向にある。
著者
俣野 源晃 山本 智一 山口 悦司 坂本 美紀 神山 真一
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.187-195, 2021-07-30 (Released:2021-07-30)
参考文献数
14

本研究の目的は,複数の証拠として,適切かつ十分な証拠を利用するアーギュメント構成能力を育成する上で,McNeill and Krajcik(2011)の教授方略を援用してデザインした授業の有効性について,小学校第5学年の単元「電流がつくる磁力」を事例として明らかにすることである。山本・稲垣ら(2013)は,同学年の単元「物の溶け方」を事例として,教授方略を援用した授業をデザインし,その有効性を明らかにしている。本研究は,異なる単元においても教授方略を援用した授業が適切かつ十分な証拠を利用するアーギュメント構成能力を育成する上で有効なのかを新たに検証するものである。アーギュメント構成能力を評価するために,第5学年の2クラスの児童計65名を対象に,既習内容に関するアーギュメント課題を単元前後に実施した。課題の回答を分析した結果,児童は,主張に関連する科学的な証拠のみを利用する適切性の点において,アーギュメント構成能力が向上したことが明らかになった。また,量的,質的なものを含めた多様な証拠を利用する十分性の点においては,部分的ではあるが,アーギュメント構成能力が向上したことが明らかになった。しかしながら,同時に,証拠の十分性の一部についてはさほど向上しなかったことも見出された。その理由を探るために,証拠の選択率を補足的に分析したところ,実験結果の意味を類推しなければならない「間接的な証拠」を選択することが必ずしもできていないことがわかった。以上の結果を総合的に考察することで,McNeill and Krajcik(2011)の教授方略を援用してデザインした授業は,単元「電流がつくる磁力」においても,適切かつ十分な証拠を利用するアーギュメント構成能力を育成する上で有効であると結論づけることができた。併せて,教授方略を援用してデザインした授業は,「単元内におけるアーギュメントの複数回指導」と「間接的な証拠利用の促進」という点で改善の余地があると考えられる。