著者
中野 孝教 荒矢 大輔 飯田 史哉 石本 達成 伊戸 康清 猪嶋 清文 今村 智子 江川 勇飛 小澤 弘幸 帰山 寿章 片瀬 靖規 酒井 元哉 佐藤 実 澤田 誠司 下島 浩平 野田 博幸 松田 智幸 松本 高志 山田 明弘 山田 佳裕 山下 勝行 岡野 修 岸本 圭祐 勝見 尚也 山中 勝 城間 吉貴 大河内 博
出版者
日本地学教育学会
雑誌
みんなの地学 (ISSN:24356441)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.10-15, 2020-06-30 (Released:2021-12-02)
参考文献数
10

人間社会は岩石や水,生物,大気などの様々な自然資源を開発し利用することで発展してきたが,それに伴い環境は変化し時に汚染や災害など生存にかかわる問題を引き起こしてきた.地学は持続可能な社会を支える必須な学問であるにもかかわらず,高校地学の履修者は少なく,教師も研究者も減少している.人間と自然の関係は複雑だがシームレスにつながっており,共に地域的な多様性に富むという特徴がある.地球環境研究は社会変革につながる学際研究,大学は地域貢献,自治体は地域創生が求められるようになってきた.ここでは健全な水循環の実現に向けて,大学と小学校が連携しながら,地域性が強い水資源を観測・調査している福井県大野市の例を紹介し,生徒の環境リテラシーの向上と地学研究を協働して推進する地学教育の可能性を考えてみたい.
著者
山田 明夫 佐藤 基佳 宮原 和郎 広瀬 恒夫
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.37, no.12, pp.783-787, 1984-12-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

1981年1月から1982年11月までに, 北海道北部および東部で実施した大動物用X線診療車によって臨床的に一見健康な乳牛2,037頭の集団検診を行いその所見のうち, 第四胃が明視できた1,976頭における第四胃内異物の存在率とその性状について検索した.1) 第四胃内に全属異物が1,976頭中697頭 (35.3%), 砂粒状物が1,907頭 (96.5%), 磁石が9頭 (0.5%), 塊状陰影物が4頭 (0.2%) に認められた. この成績は, 一般酪農家に飼養されている乳牛の多くが, 金属異物や砂粒状物にもとつく胃粘膜への損傷ないし刺激が原因の一つと考えられている第四胃炎や第四胃潰瘍の危険に曝されていることが示唆された. また, 第四胃に金属異物が到達することはあっても, その可能性はきわめてまれであるという従来の見解を否定する成績であった.2) 第四胃内金属異物の存在率は, 第二胃内磁石存在群で25.7%, 第二胃内磁石非存在群で42.2%であり, そのうち5cm以上の金属異物は, 前者で2頭, 後者で43頭に認められた. したがって, 第二胃内の磁石は金属異物, とくに5cm以上の長い金属異物の前胃から第四胃への移動を阻止するのに効果のあることが示唆された.
著者
村上 平 榊原 宣 堤 京子 田中 三千雄 丸山 正隆 鈴木 茂 橋本 忠美 金山 和子 長谷川 利弘 吉田 操 山田 明義 鈴木 博孝 遠藤 光夫
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.20, no.7, pp.623-629_1, 1978

Early-stage cancer located on the upper part of the stomach, especially near the esophagogastric junction, is still difficult to diagnose, and frequently undiscoverd until it is too late. Minute cancers so far discovered, in particular, are few in number, and much remains obscure about their morphology, , including such problems as strophic and metaplastic changes in the mucous membrane over the said area. We looked into diagnosis and morphology of minute cancers of the said region in patients encountered by us. Subjects consisted of 12 patients with early-stage gastric cancer the size of 2 cm or less in maximum diameter, a margin of which was within distance of 2 cm from the junction. Total 13 such lesions were found in them. Our findings were as follows : (1) Straight-view fibescope is more useful in observation snd biopsy of small lesions adjacent to the junction, while lateral-view fiberscope has slight advantages with small lesions off the junction, (2) of small, early-stage gastric cancers near the junction, those adjacent to the junction are frequently protuberant, and those off the junction tend to be concave, (3) the majority of small, early-stage gastric cancers near the junction are histologically highly differentiated.
著者
山田 明義
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部紀要 (ISSN:05830621)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.1-17, 2002-01
被引用文献数
1

日本の野生きのこ類の主要な位置を占める菌根性きのこ類について、食資源としての利用性を明らかにすることを目的に、文献調査を行った。その結果、これまでに300種を超えるきわめて多様なきのこ類が利用されており、今後さらに研究の進展にともない、より多くのきのこ類が利用される可能性のあることが示唆された。これら菌根性きのこ類は、これまで殆ど人工栽培の研究が行われていなことから、産業利用の見地からは研究の必要性が指摘された。
著者
山田 明義
出版者
信州大学農学部
巻号頁・発行日
vol.38, no.1-2, pp.1-17, 2002 (Released:2011-03-05)

日本の野生きのこ類の主要な位置を占める菌根性きのこ類について、食資源としての利用性を明らかにすることを目的に、文献調査を行った。その結果、これまでに300種を超えるきわめて多様なきのこ類が利用されており、今後さらに研究の進展にともない、より多くのきのこ類が利用される可能性のあることが示唆された。これら菌根性きのこ類は、これまで殆ど人工栽培の研究が行われていなことから、産業利用の見地からは研究の必要性が指摘された。
著者
岸田 俊二 内田 晴久 磯村 雅夫 佐山 和弘 山田 明 岡田 至崇 笠井 秀明 坂上 護 梶川 武信 内海 和明 高田 俊和 木村 英樹 江部 広治 首藤 直樹 加藤 芳秀 上松 敬禧 佐藤 理夫 小原 宏之 須田 不二夫 原 一広 和泉 茂一
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
應用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.79, no.8, pp.741-743, 2010-08-10
参考文献数
5

<p>温暖化と資源の枯渇を克服し,持続可能な社会を築くことが人類喫緊の課題である.持続可能な具体的社会像と,今後10〜20年に開発すべき技術群を描いた.自然エネルギーへの大胆な転換と画期的な省エネルギー技術の普及が必須で,特に,太陽光からの燃料の直接生産の実現がキーとなる.これらの産業技術は新たな経済発展のテコになると期待される.</p>
著者
山田 明子 玉置 幸雄 久永 豊 石川 博之
出版者
日本矯正歯科学会
雑誌
Orthodontic Waves. Japanese edition = 日本矯正歯科学会雑誌 (ISSN:13490303)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.85-94, 2004-06-25
参考文献数
25
被引用文献数
3

骨格性下顎前突症の患者に適用される外科的矯正治療では,下顎枝矢状分割術と上下顎移動術の2つの術式が多用されているが,術後の軟組織側貌を予測するためには,両術式による硬組織変化が軟組織変化に与える影響や,術式間の相違を把握することが重要である.そこで本研究では,骨格性下顎前突症と診断され外科的矯正治療を適用した女子50症例を対象として,下顎枝矢状分割術と上下顎移動術を施行したそれぞれ25症例について,歯槽性および骨格性の変化と軟組織変化との相関性を比較検討した.その結果,両群ともに顎関係の変化が大きいほどNasolabial angleが増加し,また下唇最深点が後退する関係が認められた.さらに,上下顎移動群では,Interincisal angleの減少にともない上唇点が前方へ,下唇点および下唇最深点が後退する関係が認められた.上下顎移動群では骨格性および歯槽性変化の双方において軟組織変化との有意な相関が認められたが,下顎枝矢状分割群では骨格性変化にのみ軟組織変化との有意な相関が認められた.これについては,下顎枝矢状分割群では上下顎移動群よりも下顎骨の後方移動に伴い下顎骨に付着する筋肉や軟組織にかかる緊張が大きくなりやすく,骨格性変化が歯槽性変化よりも軟組織変化に大きく影響するためと考えられた.以上から,下顎枝矢状分割術単独を施行する場合と上下顎移動術を行う場合では,術前矯正治療による前歯歯軸傾斜の変化が治療後の顔貌に与える影響が異なっており,この点を考慮した上で治療計画を立案する必要のあることが示唆された.(Orthod Waves-Jpn Ed 63(2):85~94,2004)
著者
笹川 秋彦 内木 由美子 長島 誠一 山倉 美穂 山崎 彬 山田 明文
出版者
日本応用糖質科学会
雑誌
Journal of applied glycoscience (ISSN:13447882)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.27-33, 2006-01-20
参考文献数
27
被引用文献数
17

Brown rice is commonly considered to have an effect on various diseases including life-style related diseases. Pre-germinated brown rice is characterized by its easier cooking properties and better taste after cooking when compared with normal brown rice. Because of the rich content of gamma-aminobutyric acid (GABA) in brown rice, which can prevent the increase of blood pressure, the market for brown rice is now growing. However, the taste of the cooked pre-germinated brown rice is still unsatisfactory because of the peculiar smell. We performed a study aimed at establishing a processing method for obtaining a brown rice product with more GABA accumulation than in the commercially available brown rice products by introducing a high-pressure treatment. The result was that the content of GABA in the obtained brown rice is higher than that in the commercially available brown rice products and the functional components such as ferulic acids and oryzanol are also retained. Further, such brown rice with increased GABA accumulation was found to be digested more quickly than the commercially available brown rice products when those cooked rice products were evaluated by the artificial digestion method. The GABA-increased brown rice was also found to compare favorably with commercially available normal brown rice in terms of taste after cooking.
著者
川本 龍一 土井 貴明 山田 明弘 岡山 雅信 鶴岡 浩樹 佐藤 元美 梶井 英治
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.36, no.12, pp.861-867, 1999-12-25 (Released:2009-11-24)
参考文献数
17
被引用文献数
15 22

地域在住の高齢者を対象に, 主観的幸福感とその背景因子を解明するための横断調査を実施した. 対象は, 地域在住の自記式回答可能な高齢者であり, 調査は, 松林らの香北町健康長寿研究で用いられたと同様の Visual Analogue Scale を用いたアンケートを使って行われた.地域在住の自記式回答可能な高齢者2,379人中2,361人 (99.2%) より回答を得た. そのうち回答不備例を除く分析可能な対象は, 1,873人 (78.7%), 男性860人, 平均年齢72.7 (95%信頼区間: 72.3~73.0) 歳, 平均主観的幸福感69.1 (67.6~70.5), 女性1,013人, 平均年齢72.8 (72.4~73.1) 歳, 平均主観的幸福感68.5 (67.2~69.7) であった. 主観的幸福感と背景因子との関係については, 主観的幸福感は同居家族のいる人 (p=0.0051), 配偶者のいる人 (p=0.0240), 血圧の高くない人 (p=0.0096), 脳卒中歴のない人 (p=0.0039), 医師による定期的内服治療を受けていない人 (p=0.0039), 運動習慣のある人 (p<0.001), 仕事をしている人 (p<0.001) ほど有意に大きかった. 主観的幸福感と各種スコアーとの関係については, 主観的幸福感はADL, 情報関連機能, 手段的・情緒的支援ネットワーク, 健康状況, 食欲状況, 睡眠状況, 記憶状況, 家族関係, 友人関係, 経済状況の値が高いほど有意に大きかった (各々p<0.001). 主観的幸福感を取り巻く背景因子を説明変数とする重回帰分析では, 手段的支援ネットワーク (p<0.001), 情緒的支援ネットワーク (p=0.0254), 健康状況 (p<0.001), 記憶状況(p=0.0027), 友人関係 (p<0.001), 経済状況 (p<0.001) は有意な正の偏相関を示した. 抑うつ状態 (SDS) と主観的幸福感との関係では, SDSが重症 (高得点) になるほど主観的幸福感のスコアーは有意に小さかった (p<0.001).地域に在住する高齢者の主観的幸福感の向上のためには, 今回明かにされた背景因子の改善を計り, 今後経年的に経過をみて行くことが必要であろう.
著者
山田 明広
出版者
奈良学園大学
雑誌
奈良学園大学紀要 = Bulletin of Naragakuen University (ISSN:2188918X)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.97-109, 2017-09-29

台湾道教の死者救済・追善供養の儀礼(=功徳儀礼)を構成する儀式の一つに、「打城」という儀式がある。この儀式は、亡魂を地獄より直接的に救い出すことを目的として行われ、その中では、道士が実力行使により地獄の中にある城門を打ち破り、そこから亡魂を救出するということが演劇的に表現される。本稿は、このような台湾道教の「打城科儀」の実施される条件や使用される糊紙製の地獄の城、科儀の内容、構成といった基礎的事項について、台南地域のものと高雄・屏東地域のものを相互に比較することで地域的差異にも留意しつつ考察したものである。本稿における考察により、現代の台湾南部地域で見られる打城科儀の具体像および台南地域と高雄・屏東地域の打城科儀の共通点や相違点が明らかとなった。
著者
山田 明男 大垣 寿美子 野田 勉 清水 充
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.169-183_1, 1985-04-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
17
被引用文献数
23 31

ステビア抽出物 (純度95.2%) を飼料に 0 (対照), 0.1, 0.3, 1%添加し, 雌雄のF344ラットに雄は22か月, 雌は24か月投与した. 体重増加の抑制が, 0.3%群と1%群でみられたが, 1%群では一過性であった. 投与群の一般症状は対照群と変りなかった. 6か月時で尿, 血液検査値や臓器重量の一部に有意差がみられたが, 12か月及び試験終了時には有意差はみられなかった. 非腫瘍性病変, 腫瘍性病変の発現率は, 対照群と投与群の間に差はなかった. 本実験における最大無作用量は1%添加すなわち550mg/kgと推定された.
著者
山田 明宏 幡野 健 松岡 浩司 照沼 大陽 江角 保明 左 一八 鈴木 康夫 西川 喜代孝 名取 泰博
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
ポリマー材料フォーラム講演要旨集 第13回ポリマー材料フォーラム
巻号頁・発行日
pp.161, 2004 (Released:2010-03-29)

生体内の細胞表層上には、糖タンパク質や糖脂質などの複合糖質中の糖鎖が外側に向かってアンテナ状に存在している。生体内に侵入してきたウイルスや細菌は、これらの糖鎖をマーカーとし、感染することが知られている。近年、糖鎖のもつ生理活性を高効率で発現させる糖鎖クラスター効果が注目を集め、様々な支持体を用いた糖鎖クラスター化合物の構築が盛んに行われている。これまで我々は有機ケイ素化合物であるカルボシランデンドリマーを支持体として液晶など様々な機能性基の集積化および物性評価を行ってきた。カルボシランデンドリマーは世代の拡張や分岐数・鎖長の制御が容易であるなどの特徴がある。この為、カルボシランデンドリマーを用いて糖鎖を集積化した場合、標的とするウイルス・毒素の糖鎖結合部位に適した分子設計がナノオーダーで可能であり、新たな糖鎖製剤となることが期待できる。
著者
清水 英樹 山田 明 吉澤 亮 福岡 利仁 平野 和彦 下山田 博明 今野 公士 駒形 嘉紀 要 伸也 有村 義宏
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.378a, 2012

[背景]近年IgG4関連疾患の診断基準が作成されているが,その病態,病像には不明の点も多い.<br> [目的と方法]2011年2月から2012年3月まで当科症例でIgG4高値を示した9症例を検討した.全例で口唇生検と障害臓器の組織生検を試み,臨床経過を腎症の有無・自己免疫疾患の有無に応じ比較検討した.<br> [結果]平均年齢68.1&plusmn;12.2歳(52-90),男女比は5:4.腎症ある症例は4例(うち2例は腎生検で診断)であった.ミクリッツ徴候を主体とした症例は3例(すべて女性)で,既存の自己免疫疾患合併症例は2例であった.9例ともに悪性腫瘍は除外され,8例でIgG4-RDと診断した(1例はRAと診断).IgG4-RDの診断には,口唇生検と涙腺生検を施行し,口唇生検の5/8例で,涙腺生検の2/2例でIgG4浸潤細胞を認めた.腎症のある症例は,多臓器障害を認め,抗核抗体高値と低補体血症とIgE高値を伴った.IgG4関連疾患否定のRA症例では,Th2サイトカインの上昇を認めなかった.全例で膵病変なく,IgG4関連疾患8例でステロイドに著効した.<br> [結論]IgG4関連疾患は症例ごとに多臓器障害を認めやすい.全身の臓器障害部位を評価の上,組織生検も施行すべきである.尿所見・CT所見から腎症を疑う際には,腎生検も考慮すべきである.<br>
著者
山田 明日香 谷川 孝弘 巣山 拓郎 松野 孝敏 國武 利浩
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
Journal of the Japanese Society for Horticultural Science (ISSN:18823351)
巻号頁・発行日
vol.77, no.3, pp.296-303, 2008
被引用文献数
5

トルコギキョウの初秋出し栽培における切り花品質の向上を目的として,4 種類の赤色光(R; 660 ± 30 nm):遠赤色光(FR; 730 ± 30 nm)比の高い光源を用いた長日処理について検討した.赤色蛍光灯,カラー蛍光灯(R-type),電球型赤色蛍光灯および電球型昼光色蛍光灯の R:FR 比はそれぞれ 62.0,100.0,8.8 および 8.5 であった.'ダブルピンク'の苗を 7 月 11 日に定植し,定植直後から発蕾まで上記の光源を用いて暗期中断を行った.その結果,平均発蕾日は無処理の 8 月 11 日と比較して光源の種類により 2~5 日間遅れた.いずれの光源を用いた暗期中断も,無処理と比較して開花時の主茎の節数,側枝数および花蕾数が増加し,切り花長が長くなった.カラー蛍光灯(R-type)および電球型赤色蛍光灯を用い,トルコギキョウの 3 品種に対して暗期中断を行った.'キングオブスノー'の暗期中断区での平均開花日は無処理と同じであったが,'ダブルピンク'および'ピッコローサスノー'の平均開花日は,カラー蛍光灯(R-type)または電球型赤色蛍光灯で無処理よりも 3~6 日間遅れた.さらに,これらの光源により 3 品種とも無処理と比較して主茎の節数が増加し,茎長および切り花長が長くなった.'ダブルピンク'を供試し,実用上最も使用しやすい電球型赤色蛍光灯を用いた長日処理を日の出前 6 時間,日没後 6 時間,暗期中断 6 時間および終夜電照で行い,併せて無処理区を設けた.平均発蕾日と平均開花日は,すべての処理の中で終夜電照により最も遅れた.しかし切り花長は,日の出前電照により他の処理よりも長くなった.以上の結果から,定植直後から主茎の発蕾まで,電球型赤色蛍光灯を用いた午前 0:00 から明け方 6:00 までの長日処理により,初秋期出し栽培での切り花品質を向上させることができる.<br>
著者
山田 明 三宅 優 寺邊 正大 橋本 和夫 加藤 寧
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.203, pp.11-16, 2008-09-11
参考文献数
14

メールやWebなど様々なプロトコルにおける名前解決の基盤としてDomain Name System (DNS)が利用されている.そこで,DNS監視によって,それらのプロトコルにおけるクライアントの振る舞いを監視できる可能性が示されている.これまで提案されてきた方式は,企業LAN規模のようなクライアント数の少ないネットワークを監視する方式であり,ISPのようなクライアント数の多いネットワークへの適用が困難である.本稿では,クライアント数が多いネットワークにおいても,異常なクライアントを検知する方式を提案する.提案方式は,障害の原因となりやすい流量の多いクライアントのみを選別して判定処理を行うことによって,対象クライアントを個別に監視するのに要する総計算量や総記憶量を削減できる.実DNSサーバの6ヶ月間の通信による評価から,スパムメール送受信などの異常を検知できることを示す.