著者
吉田 雅行 岩井 俊夫 勝本 真 岡部 修一
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. IV, 教育科学 (ISSN:03893472)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.295-304, 1994-02

本研究では,ゲーム情報の有効利用及び蓄積のためのスカウティングシステムの開発を目的とする。今回は,スカウティングシステムの中のサブシステムのひとつとして位置づけられる,実践に即応しかつ統計的に裏付けられた分析項目の選定について検討を行う。今回も前回同様に,サーブレシーブからの攻撃局面を対象に分析項目を抽出した。その結果,以下の6つのパフォーマンスがチームの得権に影響を及ぼすパフォーマンスとして得られた。(SRからラリーなしでの得権)Aキャッチからの攻撃パフォーマンス Bキャッチからの攻撃パフォーマンス 相手のサーブミスパフォーマンス (ラリーからの得権)ラリー中の攻撃パフォーマンス ラリー中のブロックパフォーマンス ラリー中の相手のミスパフォーマンス 次にセットの勝敗に影響を及ぼすパフォーマンスを,セットの勝敗間でT検定を用いて求めた結果,以下の3つのパフォーマンスが得られた。Aキャッチからの攻撃パフォーマンス Bキャッチからの攻撃パフォーマンス ラリー中の攻撃パフォーマンス 実際にスカウティングを行う場合,これらのパフォーマンスを分析項目として相手チームの特徴を把握することが有効であると考えられる。The purpose of this study is to develop a scouting system for effective use and accumulation of information on volleyball games.This time,analysis items regarding with attacking followed by service reception that proved by statistics and could bo useful in practical scouting were selected.Six performances as follows were extracted as the performance components contributing to getting the side-out.1.Attacking performance followed by A service reception.2.Attacking performance followed by B service reception.3.Serving error by the opponent.(These are performance to get side-out followed by service reception)4.Attacking performance during rally 5.Blocking performance during rally 6.Error by opponent during rally(These are performance to get side-out during rally)And three performances as follows in volleyball games in determining winning or losing were founded by using the T-test between winning and losing of the games.1.Attacking performance followeb by A service reception.2.Attacking performance followed by b service reception.3.Attacking performance during rally From above results,it is inferred that above items should be used to scout the characteristics of opponent team in case of the practical scouting.
著者
池上 彰 岩井 克人
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1624, pp.12-15, 2012-01-16

池上 ギリシャ政府の"粉飾決算"に端を発するユーロ危機は、イタリア、スペインへ飛び火し、政変ドミノまで引き起こしました。経済力の異なる国々を1つの通貨でまとめる「ユーロ構想」そのものが、失敗だったようにも思えてきます。岩井 ユーロは、通貨統合を成功させるための条件を満たしていません。それは、共通通貨の下で労働力が自由に移動することです。
著者
大垣 亮 竹村 雅裕 岩井 浩一 宮川 俊平
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.807-814, 2015 (Released:2015-12-18)
参考文献数
25

This prospective cohort study examined the associations of shoulder dislocations, instability or rotator cuff injuries in collegiate rugby union players with potential risk factors recognized in preseason medical screening examinations. The study subjects were 69 elite rugby players from one university rugby club. Basic demographics, injury experience and current physical findings were assessed, and shoulder injuries sustained during 2 playing seasons were recorded. Risk factors for shoulder injuries were determined using a logistic regression model. Fifteen players sustained shoulder injuries during the 2 seasons. A history of injury (OR, 6.56; 95%CI, 2.04—20.98; p=0.00), a positive result in the load and shift (LAS) test (OR, 2.55; 95%CI, 0.92—7.06; p=0.07) and the internal/external rotational (IR/ER) muscle strength ratio (OR, 1.39; 95%CI, 1.08—1.77; p=0.00) were associated with shoulder injuries. A history of injury, a positive LAS test result, and the IR/ER muscle strength ratio are important risk factors for injury in collegiate rugby players.
著者
岩井浩一 滝澤恵美 阪井康友 山田哲 佐藤たか子 木村知美 豊田和典 山本健太 冨田和秀 大瀬弘高 居村茂幸
出版者
茨城県立医療大学
雑誌
茨城県立医療大学紀要 (ISSN:13420038)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.141-148, 2009-03

茨城県常陸大宮市において、平成19年度の介護予備事業としてバランスアップ教室を実施した。教室の開始時および終了時には体力測定を実施し、参加者の体力の変化について検討したが、今年度は併せて呼吸機能の検査を実施した。高齢化の進展に伴って、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の有病率も増加することが懸念されており、住民の呼吸機能の現状を把握するとともに、運動指導によって呼吸機能がどの程度改善するかについて検討した。バランスアップ教室には55名が参加し、平成19年5月から11月までの6ヶ月間、市内の3つの会場でインストラクターの指導のもと、1回60分の教室を月3回の頻度で実施した。教室開始時の呼吸機能検査において、1秒率(FEV1.0%)が70%以下で、COPD疑いと判定された者は3名であった。呼吸機能検査結果と体力測定結果との関連では、FVCは、身長、体重、および反復横跳びの成績と有意な正の相関が見られた。V50/V25は、上体起こし、シャトルラン、立ち幅跳び、および得点合計と有意な負の相関がみられ、体力年齢と正の相関が見られた。V25は、立ち幅跳び、得点合計、および体力年齢と有意な相関がみられた。また、バランスアップ教室の開始時と終了時における測定値の変化は、介入の前後で平均値に有意な差が見られ測定項目はなかったが、多くの測定項目で成績向上の傾向がみられた。教室開始時にCOPD疑いと判定された者は、教室終了時に全員1秒率が70%を超え、呼吸機能の改善がみられた。
著者
小林 誠 岩井 大輔
出版者
日本環境動物昆虫学会
雑誌
環動昆 (ISSN:09154698)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.133-136, 2007-09-20
参考文献数
11

The environmental conditions of the microhabitat of the giant water bug, Lethocerus deyrollei (Hemiptera : Belostomatidae) were studied in ponds and ditches in Tochigi Prefecture in the northern part of the Kanto Plain, Japan, during the its activity period between May and September in 2005. The relationship between the existence of Lethocerus deyrollei and the environmental factors was analyzed. The results showed that the factors affecting on the microhabitat of Lethocerus deyrollei were water temperature, water depth, substrate type and the presence of vegetation cover.
著者
岩井 紀子
出版者
日本家族社会学会
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.30-42, 2011-04-30 (Released:2012-05-31)
参考文献数
5
被引用文献数
5

本稿は,Japanese General Social Surveyのデータを基に日本の家族の変化をとらえ,現状を把握し,今後の方向について考える資料を提供する.2000年から2010年までに継続的に尋ねた85項目を14分野に分けて変化のトレンドを記述する:婚姻状態,同居世帯員,世帯構成,就労・所得,夫婦の働き方,階層意識,結婚観,性別役割意識・夫婦別姓,子ども観,セクシュアリティ,育児・介護の社会化,家族生活,墓についての意識,満足度・幸福感.個人も家族も,雇用情勢の変化に振り回されながらも,強い不満を抱くことなく,現実に向き合っている.若年層の無職・非正規雇用が拡大し,未婚率を押し上げ,未婚成人子の親との同居が増加した.女性の就業率は全体として高まり,M字の谷が浅くなった.高齢者の生活保障と介護の社会化に続いて,育児・教育の社会化が望まれている.若年層と女性の就労の変化が,家族の今後に与える影響は大きく,税制と雇用政策と福祉の全体像の改革に左右される.
著者
林 美佳 神田 隆善 佐藤 直美 岩井 恵美 棟方 哲
出版者
近畿産科婦人科学会
雑誌
産婦人科の進歩 (ISSN:03708446)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.229-234, 2008

成熟嚢胞性奇形腫は外胚葉,中胚葉,内胚葉の成分を有し,卵巣良性腫瘍のうちでもっとも一般的な疾患である.しかし,その1型である胎児型奇形腫は非常にまれな疾患であり,文献的にも本例を含め28例の報告しかない.われわれは成熟嚢胞性奇形腫の診断で手術を施行したが,手術後に胎児型奇形腫と診断された症例を経験したので報告する.症例は22歳の未妊婦で月経過少を主訴に外来を受診した.初診時超音波画像で径2.0cm大の卵巣腫瘍を認めた.成熟嚢胞性奇形腫と卵巣機能不全の診断で3ヵ月毎に経過観察およびホルモン療法を施行していた.4年間で腫瘍が径5.0cm大としだいに増大し,さらにその3ヵ月後径7.0cm大と急激に増大してきたため腹腔鏡手術を施行した.摘出標本は径5.0cm×7.0cm大の嚢胞性腫瘤で,内部に充実性部分を有していた.充実性部分は頭部,体幹,四肢様構造をもち胎児に類似していた.組織学的には脳,脊椎,皮膚,毛髪,歯牙,骨,気管,消化管さらに骨格筋などを認めた.胎児型奇形腫の診断で現在外来で経過観察中である.また胎児型奇形腫と類似した形態を示す封入奇形腫,卵巣妊娠との相違点,胎児型奇形腫の発生についても文献的考察を加えた.〔産婦の進歩60(3):229-234,2008(平成20年8月)〕
著者
岩井 茂昭
出版者
近畿大学経済学会
雑誌
生駒経済論叢 (ISSN:13488686)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.21-45, 2014-07

[概要] ウィリアム・ギルピンは1782年に出版した『ワイ川紀行』の中で, 詩人ジョン・ダイアーの風景詩「グロンガー・ヒル」(1726年)の風景描写を批判している. ギルピンの批評は「ピクチャレスク美」の原理にもとづくものであり, ダイアーの詩が批判されているのは, その風景描写が「ピクチャレスク美」の原理を逸脱しているためである. なぜギルピンはこれほど「ピクチャレスク美」の原理にこだわったのだろうか. その理由をギルピンの自然観に求め, 人間にとって「不可視のもの」である自然の全体的調和を可視化するための手段が「ピクチャレスク美」の原理であったことを考察する. [Abstract] In his Observation on the River Wye published in 1782, William Gilpin criticizes the landscape descriptions made by the poet John Dyer in his landscape poem"Grongar Hill"(1726). Gilpin's criticism is based on his "Principles of Picturesque Beauty" and he indicates that many of Dyer's landscape descriptions deviate from such principles. Why Gilpin is very strict on the "Principles of Picturesque Beauty" ? The author attributes Gilpin's adherence to the principles to his view of nature, and argues that his principles are the only means to visualize the"invisible"in nature, which is the harmonious wholeness hidden from the human eye.
著者
岩井 茂樹
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要
巻号頁・発行日
vol.31, pp.69-114, 2005-10-31

現在、能といえばすぐさま「幽玄」という言葉が想起されるほど、両者は固く結びついている。なるほど、世阿弥が残した能楽書には「幽玄」という言葉がたびたび使われている。だが、「幽玄」は、能の世界では長らく忘れ去られていた言葉であった。それでは、能と「幽玄」は、いつから、どのようにして、結びついたのだろうか。本論稿はこの点を明らかにすることを目的とする。
著者
近澤 征史朗 岩井 聡美 柿崎 竹彦 畑井 仁
出版者
日本獣医がん学会
雑誌
日本獣医がん学会雑誌 (ISSN:18843344)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.18-23, 2014-12-26 (Released:2014-12-26)
参考文献数
16

犬の組織球性肉腫 (HS) は高フェリチン血症を呈する代表的な疾患であり、血清フェリチン濃度の異常高値が有用な診断マーカーであると報告されている。我々は血清フェリチン濃度が犬の HS の病態を反映して変化すると考え、HS 罹患犬3例における治療に伴う血清フェリチン濃度の推移を調べた。その結果、全例で診断時に著しい高値を示した血清フェリチン濃度は治療開始後に速やかに低下し、再燃を認めた時あるいはその直前で再び上昇した。従って、血清フェリチン濃度は HS の病態を鋭敏に反映して変化すると考えられ、本症の病態モニタリングへの臨床応用が期待された。
著者
岩井 雅史
巻号頁・発行日
2014-11-08 (Released:2015-09-18)

第64回長野県図書館大会 第11分科会(大学専門図書館部会)の発表資料(平成26年11月8日開催)
著者
西川 尚紀 岩井 啓輔 黒川 恭一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RECONF, リコンフィギャラブルシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.395, pp.107-112, 2010-01-19

並列計算プラットフォームとしてGPGPUが注目されており,CUDAがその開発環境として大きなシェアを占めるに至っている.CUDAではスレッド数やスレッドブロック数等のパラメータ決定はプログラマに責任があり,反復実験により最適値を求めているのが現状である.このため,我々は暗号処理のCUDA実装に対してスレッド数等を自動で最適化するモデルの構築を試みている.本稿では,その第一段階として,AESのCUDA実装に対し平文のデータ型,メモリ配置方法,計算粒度を変化させ,これらの条件がパフォーマンスに与える影響について分析を行った結果を示す.その結果,条件の違いにより最大6.6倍の性能差が生じ,(1)上限に近いスレッド数の確保よりもメモリアクセスの最適化を優先する実装が有効,(2)16Byte/Threadの計算粒度は4Byte/Thread,1Byte/Threadに対しGPUのパフォーマンスを引き出しやすい傾向にある,(3)平文のデータ型の違い,平文のメモリ配置方法,計算粒度がパフォーマンスに影響を与える,という知見が得られた.また,unsigned character及びarray of structureとして共有メモリに格納された平文に対して4Byte/Threadの計算粒度でのAES暗号化を行った場合にGPUの最大性能を引き出し,このときCore i7-920 2.66GHz CPU上での通常実装に対して約47倍の高速化が確認された.
著者
岩井 茂樹
出版者
大阪大学文学研究科片山剛研究室
雑誌
近代東アジア土地調査事業研究ニューズレター
巻号頁・発行日
vol.2, pp.96-98, 2007-03

平成18 年度科学研究費補助金 基盤研究(A)1930年代広東省土地調査冊の整理・分析と活用(課題番号 17251006)中間報告書
著者
岩井 郁子 佐藤 紀子 豊増 佳子
出版者
聖路加看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

看護記録は、保健師助産師看護師法の規定や概念がない。診療報酬の算定要件として看護計画と経過記録が求められ、施設毎に記載内容と様式を決め標準化がなされていない。診療記録開示において看護記録は診療記録に含まれ、また、個人情報として位置づけられた。このような中で、診療記録開示の目的にかなう標準化された看護記録が求められている。本研究では、診療記録開示の目的を踏まえ、アメリカ、イギリスの看護記録の実際と記録指針から、カルテ開示の目的にかなう看護記録モデルの本質を検討し、また、74病院の看護記録の分析と109名の看護記録記載を指導する看護師の指摘から、現状の看護記録をめぐる課題を明らかにした。これらの結果を踏まえて、厚生労働省、関連団体である日本看護協会、日本医療機能評価機構の指針や保健師助産師看護師法、医療法等の法的な記述から看護記録の概念を抽出し、概念モデルを作成した。概念は、看護記録記載の目的と内容を示し、看護記録は、看護者としての倫理・業務上の責務の遂行、質を証明するものと位置づけた。さらに電子カルテ時代、患者を中心に、医療チームメンバーが共同で記載できる標準化された記録として、日本において一般化可能な記録枠組みを選択し、関連団体の指針を活かした構成要素およびその概念から看護記録モデルおよび記載基準を作成した。この基準は全国52の社会保険病院の看護記録記載基準に活かした。基準だけでは、記載内容の標準化は困難である現状から、基準に基づく具体的な記載例を含む看護記録モデルを提示した。このモデルは診療記録開示の目的にかなうしかも記録時間の削減に貢献できる内容をめざした。
著者
石坂 憲司 岩井 雅史 後閑 壮登 大場 秀穂 坂口 良
出版者
国立情報学研究所
雑誌
Progress in informatics : PI (ISSN:13498614)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.137-151, 2008-03
被引用文献数
2 3

この論文は,信州大学学術情報オンラインシステム(Shinshu University Online System of GeneralAcademic Resources (SOAR))の開発について報告するものである。信州大学は,国立情報学研究所の2006-2007年度の最先端学術情報基盤(CyberScience Infrastructure(CSI))の構築事業に参加した。これを機に,信州大学は,総合的な学術情報システムであるSOARの構築を目指した。SOARは,学内の最新の学術情報環境を整備すると共に,本学研究者の研究成果・研究活動を広く国内外に発信するためのものである。具体的には,「研究者総覧」と「機関リポジトリ」の2つを柱とし,それに「電子ジャーナル」と「Web of Science」とを加えて相互に連携させたシステムである。SOARは,今後の学術情報システムのモデルの一つになるものと考えられる。なお,機関リポジトリ(SOAR-IR) は,既存のソフトウェアを用いて構築したが,研究者総覧(SOAR-RD)は,XML技術を用いて新たに開発した。
著者
岩井 雅史 後閑 壮登
出版者
情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.18-22, 2009
参考文献数
18
被引用文献数
2

信州大学では,機関リポジトリを大学・研究者の視認性向上の手段としてより効果的・戦略的に活用するため,機関リポジトリと研究者総覧とを連携させたシステム「SOAR」を開発して運用を行ってきた。同システムはシステム同士をリンクでつなぎ,閲覧者が多くの情報を簡単に入手できるような設計とすることで,その第一の目標である研究者の視認性向上の実現を狙っている。またデータの一元管理を可能とすることで,研究に付随するデータ管理の負担軽減も目指している。本稿では信州大学のこれまでの取り組みと今後の戦略および発展の方向性について述べる。