- 著者
 
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             岩井 紀子
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 日本家族社会学会
 
          
          
          - 雑誌
 
          - 家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.23, no.1, pp.30-42, 2011-04-30 (Released:2012-05-31)
 
          
          
          - 参考文献数
 
          - 5
 
          
          
          - 被引用文献数
 
          - 
             
             
             5
             
             
          
        
 
        
        
        本稿は,Japanese General Social Surveyのデータを基に日本の家族の変化をとらえ,現状を把握し,今後の方向について考える資料を提供する.2000年から2010年までに継続的に尋ねた85項目を14分野に分けて変化のトレンドを記述する:婚姻状態,同居世帯員,世帯構成,就労・所得,夫婦の働き方,階層意識,結婚観,性別役割意識・夫婦別姓,子ども観,セクシュアリティ,育児・介護の社会化,家族生活,墓についての意識,満足度・幸福感.個人も家族も,雇用情勢の変化に振り回されながらも,強い不満を抱くことなく,現実に向き合っている.若年層の無職・非正規雇用が拡大し,未婚率を押し上げ,未婚成人子の親との同居が増加した.女性の就業率は全体として高まり,M字の谷が浅くなった.高齢者の生活保障と介護の社会化に続いて,育児・教育の社会化が望まれている.若年層と女性の就労の変化が,家族の今後に与える影響は大きく,税制と雇用政策と福祉の全体像の改革に左右される.