著者
田窪 米治 竹田 守 田村 達彦 岩井 宏 高原 博司 小森 一徳 別所 芳宏 山下 一郎 宇喜多 謙二
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.544-549, 1990-05-20
被引用文献数
1

ハイビジョン用液晶投写型テレビに応用できる高密度TFTアレイを開発した.高密度で高開口率を実現するために反射型構造を提案した.また, 対角約2,3インチの基板内に約136万画素を集積したTFTアレイを試作し, 画素ピッチ30(μm)×35(μm)で70%の開口率を実現した.同時に, 高密度化に伴って問題となるTFTアレイの寄生容量の画像への影響を抑えるために, TFTアレイ構成と駆動方法を組合わせた新方式を開発した.そして, 今回試作したTFTアレイを用いた液晶投写型テレビの画像評価により, その効果を明らかにした.
著者
高橋 聡子 岩井 輝男 田中 良夫 前田 敦司 中西 正和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.1050-1057, 1997-05-15
参考文献数
14

リスト処理プロセスとGCプロセスを同時に複数動作させることによって,リスト処理を並列化することによる処理時間の短縮が可能になった.しかし,セルの消費のペースはアプリケーションによって異なり,CPUの数も計算機によって異なるので,リスト処理プロセスの最適な数はアプリケーション,計算機によって異なると考えられる.本稿では,セルの消費速度やフリーセルの残量によってリスト処理プロセスとGCプロセスのCPU割当てを動的に決定する機能により,Lispの代表的なアプリケーションに対し,処理速度と実時間性とのバランスのとれた処理を行うことを可能とする並列Lispシステムの報告を行う.本システムの実装にあたっては,できるだけリスト処理の中断が生じることがなく,リスト処理に最大数のCPUが割り当てられるようCPU割当てのパラメータを設定し,CPU割当てを動的に決定した.その結果,リスト処理の中断がなくなり実行時間が短縮された.Parallel lisp system with parallel garbage collection(GC)can produce improvements in throughput by executing list processing in parallel.But,the optimal number of list processes and GC processes depends on machines and applications because the number of processors on a machine and cells which are consumed by various applications is different.In this paper,we report parallel lisp system which makes it possible to balance throughput and real time performance by dynamic allocation of CPU depending on speed of consuming cells and the number of remaining free cells.We dynamically changed CPU allocation according to the parameter which was set to avoid a disruption of list processing and allocateas many CPU as possible to list processing.Consequently,our system yielded improvements in throughput without any disruption of list processing.
著者
岩井 昌悟
出版者
東洋大学文学部
雑誌
東洋学論叢 = Bulletin of Orientology (ISSN:03859487)
巻号頁・発行日
no.36, pp.164-138, 2011-03
著者
岩井 儀雄 八木 康史 谷内田 正彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-2, 情報・システム 2-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.44-55, 1997-01-25
参考文献数
16
被引用文献数
58

単眼動画像からの構造・運動推定問題は剛体で単純な形状であれば可能であるが, 関節物体などは解析的に問題を解くのが困難で形状モデルを用いた方法がよく研究されている.特に, 関節物体の一つである手の運動推定は, 手話理解や人工現実感のような応用が期待できる. 手の動作を認識する研究の中で, 手話理解のようなカのフィードバックを必要としないインタフェースでは, 手に何もつけない状態の方が有効である. 本研究では非接触で手の3次元運動と位置を復元する方法を提案する. 非接触の入力装置としては単眼のカメラを用いて, 手形状モデルを生成し, 時系列画像から手の特徴抽出および対応付けを行う. 対応付けの結果より得られた特徴点の軌跡から手の3次元運動を求め, その後, 獲得した手形状モデルを用いてモデルマッチングの手法で指の位置を推定する.
著者
若尾 純子 嶋寺 伸一 小野 滋 岩井 直躬
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.327-330, 2011

症例は10歳女児.強い下腹部痛と尿閉を主訴に小児科救急外来を受診した.当初,腹部X線検査と腹部超音波検査にて腹腔内腫瘤が疑われたが,腹部CTおよび局所所見より処女膜閉鎖症による腟留血腫と診断し,MRIにて合併奇形のないことを確認した.手術では閉鎖した処女膜を輪状切開し,粘稠な旧血性内容液を350ml排出させた後,処女膜の切開縁を全周性に縫合した.術後経過は良好で,定期的な月経の発来を認めている.本症は比較的まれな疾患であり,新生児期および思春期に発見されることが多い.思春期例では外陰部の視診が躊躇されがちで,診断が遅れることがある.下腹部痛を主訴とする初潮未発来の年長女児においては,鑑別診断として本疾患を念頭におき,外陰部の視診を必ず行うことが重要である.
著者
岩井 秀成 池田 郁 土方 嘉徳 西田 正吾
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

多くのショッピングサイトにおいて,ユーザレビューが人気を集めている.しかし,小説や映画などのストーリーを持ったアイテムのレビューには,レビュアの意見と同時に,ストーリーの内容(あらすじ)が書かれている場合がある.我々は,レビュー文をあらすじか否かに分類する手法を提案してきた.本研究では,レビュー文を対象としたあらすじ分類手法の評価を行う.
著者
宮治 昭 市川 良文 入澤 崇 岩井 俊平 岡本 健資 小泉 惠英 佐藤 智水 田辺 勝美 永田 郁 芳賀 満 福山 泰子 山田 明爾
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

パキスタン,インド,日本,欧米に散在する多量のガンダーラ美術(彫刻)を実地調査し,写真資料を収集して(総計1,849件),それら画像に関する文字情報を入力して,データベース化のための基礎資料を作成した。これらの資料をもとに,インド・ヘレニズム・イランの諸文化を吸収しつつ独自の仏教美術を形成した様相を明らかにし,仏教信仰の実態にも迫った。その成果は中間報告書(平成23年5月),全体報告書(2冊)と国際シンポジウム報告書(平成25年3月)として刊行した。
著者
北浦 明人 岩井 誠人 笹岡 秀一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.90, no.3, pp.315-317, 2007-03-01
被引用文献数
6

本論文では,フェージング変動が緩やかに変化しているような環境での秘密鍵共有方式として,二つのアンテナの受信信号強度の大小比較により2値化を行う方式を提案する.また,提案方式の性能を計算機シミュレーションにより評価を行った.
著者
岩井 圭司 冨永 良喜 鈴木 啓嗣
出版者
兵庫教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本来、防災教育はその災害時における実効性にとどまらず、ひろく精神保健、サイコエデュケーション、さらには人権教育、道徳教育につながるパースペクティヴを有している。しかし、防災教育と実際の防災計画との連携はこれまでのところ乏しいものであるし、その連携についての提言もほとんどなされていないのが実情である。そこで本研究では、防災計画と防災教育の統合をめざして、実効ある防災計画・防災マニュアルを同時に防災教育の教材としても活用可能なものとする方途をさぐった。昨年度われわれは、都道府県および政令指定都市の教育委員会の防災計画・防災マニュアルを収集し、その分析につとめた。その結果、教育委員会の防災計画は、自治体首長部局が作成した地域防災計画に比べて、通読可能性・携行性にすぐれるとともに、精神保健ないし「こころのケア」への配慮もより多く為されていた。しかし、一部を除いて防災教育との連携統合はまだまだ十分ではないことがうかがわれた。そこで今年度、われわれは、防災計画と直結した内容をもち、しかしただ単に防災計画の内容を覚えるだけではなく、児童・生徒たちが自分の安全を守るために自ら考え行動するための思考力とスキルを身につけるための教材を試作した。今回試作したのは、小学校3〜4年生向けに災害時の正しい避難の仕方を"イメージトレーニング"によって問題解決指向的に考えさせるための教材で、「イメトレで考えてみよう、避難のしかた」と題したカラー版8頁(表紙別)のものである。
著者
小佐古 敏荘 志田 孝二 杉浦 紳之 岩井 敏 東郷 正美
出版者
東京大学
雑誌
試験研究(B)
巻号頁・発行日
1993

(1)自然界にはバックグラウンド放射線が存在し、キャリブレーションファントムの測定においてはバックグラウンド放射線の安定化を図ることが、精度の良いホールボディカウンタ測定のためには極めて重要である。このため、自然放射線のうち変動幅が大きいと考えられるラドン(気中放射能)をとりあげ、ラドン濃度の変化がホールボディカウンタ測定値に及ぼす影響、気象条件や測定室・鉄室の換気条件とラドン濃度の関係を検討した。この結果、大地からの影響を受けにくい建屋屋上に呼気口を設け、高性能Hepaフィルターを通す形で十分換気を行うことにより、安定したバックグラウンド測定条件を得ることができることが判明した。(2)体内被曝線量評価システムは、昨年度、開発したデータ処理プログラムのアウトプットとして得られる核種、体内負荷量の情報に加え、体内動態モデルとして国際放射線防護委員会(ICRP)が刊行物No.30で提示したモデルを採用し、そこから得られる初期負荷量、線量換算係数を組み合わせて構築した。(3)本計測システムの実用条件への適用性の評価のため、点線源、人体模擬ファントム(K-40,Cs-137)および人体についてそれぞれ測定し、放射性物質の位置・分布状態の違いによる16本の光電子増倍管を通して得られるエネルギースペクトルへの影響について検討を行った。その結果、点線源の測定結果から得られたスペクトル形状の変化、人体模擬ファントムと人体の測定結果の比較から、広く低濃度で分布する人体内の放射性物質の定量が可能であり、詳細な位置情報もある程度推定できることが明らかとなった。
著者
石黒 浩 中村 泰 岩井 儀雄
出版者
大阪大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2009

22年度では,三者間の非言語コミュニケーションを用いた親和的な情報メディアの創出を目的として,病院の診察場面に陪席するアンドロイドを用いた実証実験に取組むと共に,ヒューマノイドロボットを用いたロボット演劇に取組み,アンケートを実施することで演出家による演技指導の中に含まれるロボットの自然な振る舞いについてのルールの抽出に取組んだ.さらに,小型で単純な構造を持つロボットを利用することで,人間がもつ対話に対する印象に与える影響を調査することで三者間でのコミュニケーションの仕組みの理解に取組んだ.これらの技術を支える動作認識機能を利用した動作生成メカニズムとして,視覚や聴覚に基づいた対話への陪席者として自然な自動動作生成法の開発も行った.病院での実証実験では,医師の後方に陪席アンドロイドを設置し,その振る舞いが患者の持つ診察に対する印象にどのような影響を与えるかを調査し,陪席者としてのアンドロイドが患者の笑顔や頷きに合わせてそれらの表情を表出することで,患者の診察に対する印象が向上することを明らかにした.この結果は,以前行った実験と整合性を取ることが可能なものである.また,以前の実験において課題となっていたアンケートの天井効果などの問題も克服した結果となっており,この知見に対する信頼性を向上することができた.ロボット演劇においては,動作生成システムに改良を加え,それを用いて40分の長編演劇である"森の奥"の上映を行った.アンケートにおいては特に共感性に着目した解析を行っており,人間の役者の共感に関わる評価と同様に,自身の共感性の高低によってロボットの共感に関する評価が分かれることが明らかになった.
著者
岩井 将行 高汐 一紀 徳田 英幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.91, no.5, pp.366-373, 2008-05-01

近年センサデバイスの小形化とIP対応が進み,ネットワーク経由でより多くの機器の制御が可能となると予想される.更に近年の無線チップの小形化によって,Wi-Fi経由でロボットに対しコマンドを送ることが可能になってきている.反面,地理的な分散や通信形式の独自化によって個々の機器やロボットサービスの管理コストが増大し,互いに連携を行いユーザに最適なサービスを提供することが困難になっている.これらのセンサネットワーク,ロボットネットワーク,ユビキタスサービスネットワークなど異種の研究目的のネットワークを容易に連携動作させることは急務である.本稿では異種のネットワーク間でサービスの登録と発見を可能にする機構CroSSML (Domain-Crossover Services Markup Language)を提案し,その概要と詳細動作について述べる.更にOSNAPシステムとユビキタスサービスを大規模ネットワークで連携させるためCroSSMLの相互運用を秋葉原と有楽町の実証実験拠点で実験を行った結果を報告するとともに,複数のネットワークロボットをVisual Markerを認識できるユビキタスカメラで制御する仕組みをCrossMLで連携し,CEATECで連携デモンストレーションを行ったことを報告する.
著者
シン ソル 橋本 弘太郎 谷川 智洋 岩井 俊雄 廣瀬 通孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.80, pp.71-75, 2007-05-28

The purpose of the system is to allow users to analyze features of their movement behavior using data obtained from the Suica card. People use the Suica card routinely in their daily lives, and often do not realize that it maintains information regarding their travel behavior. Thus our system allows users to visualize information about their own behavior, often allowing them to discover patterns which they may not have realized were present. The system visualized the movement behavior using an intuitive tree-based display. Also, the effect of the system is to encourage people to collect their lifelog actively. And, the system will be installed in a public place, allowing people to share and compare their movement patterns.
著者
岩井 圭司
出版者
兵庫教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

裁判において精神的被害を正しく評価するためには、被験者の意識的あるいは無意識的な意図によって症状が過大に報告されることの少ない質問紙が必要である。その目的で、まずは外傷後ストレス障害(PTSD)診断におけるミネソタ多面人格目録(MMPI)の特性と有用性について検討した。対象としたのは自験例55例(うちPTSDは36例である)。従来からMMPI診断に用いられてきたプロフィール-4つの妥当性尺度と10の臨床尺度とからなるプロフィール-は、PTSDの病態を反映しており、PTSDと非PTSDをかなり正確に判別しえた(正診率0.82)。MMPIはPTSD診断テストとしても有用であると考えられた。MMPIの下位尺度であるPK尺度(PTSD Keane Scale)日本語版は、PTSDに関して非特異的な設問のみからなるにもかかわらず、PTSD診断検査として有用であることが見出された。また、PTSDの各臨床尺度得点の単純加減によるMMPI-PTSD Index(M-PTSD Index)を開発した。PK得点もM-PTSD Indexもともに、被験者の意図によって判定結果が左右されることのほとんどないPTSD診断検査としてPK尺度と同程度に有用であると思われた。次に、意図的に精神的被害を受けたかのように振舞う者と真に精神的被害を受けた者とを判別することを試みた。ドメスティック・バイオレンス(DV)からPTSDを発症した者と、模擬的にDV被害者になりすました"ニセ患者"に出来事インパクト尺度改訂版(IES-R)を2週間の間隔をおいて施行した。2回の施行間で2点以上の点数の移動があった項目数は、真の患者群(DV群)が"ニセ患者"(CP群、 Med群)に比べて有意に少なかった。"ニセ患者"では真の患者に比べて回答行動における再現性が低い、という仮説が裏付けられた。
著者
有賀 豊彦 熊谷 日登美 吉川 雅清 川上 肇 関 泰一郎 櫻井 英敏 長谷川 功 衛藤 威臣 住吉 博道 恒吉 唯充 角 眞一郎 岩井 和夫
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.362-369, 2002-05-15
被引用文献数
4 16

天然無臭ニンニクといわれているネギ属植物について, 植物学的, 生化学的分析を行い, その種の同定を試みた.この植物は, 草丈, 鱗茎ともに通常のニンニクより大きく, 鱗片は花茎に密着して鱗茎を形成する大型のものと, 鱗茎の辺縁に付着する小型のものがあり, これらの数は20に及ぶ.花器はよく発達するが, ニンニクにみられる花序での珠芽形成はない.染色体は2n=32でリーキと同数であり, にんにくの2倍であった.そのDNAの制限断片長多型(RFLP)は, リーキに似ており, ニンニク, エレファントガーリックなどとは異なっていた.アイソザイム分析においてはリーキと最も似たパターンを示した.鱗茎細胞内でのアリイナーゼ(C-Sリアーゼ)mRNAの発現は, 他種に比べ少なかったが, 大きさは等しく, 1.9 kbであった.この植物のアリイナーゼのN末端25アミノ酸残基の配列はリーキのそれと一致し, ニンニクとは2残基相違した.以上の結果から, この植物は, リーキと極めて近縁の植物であり, Allium ampeloprasum L.の中に分類することができると考えられる.