著者
早川 明夫
出版者
文教大学
雑誌
教育研究所紀要 (ISSN:09189122)
巻号頁・発行日
no.15, pp.55-63, 2006

小中校の歴史教科書・教師用指導書・学習参考書などの大半は、「国風文化」の発生・発達を遣唐使の停廃とリンクさせて叙述している。これはこんにちの歴史学界の水準から大きく乖離している。そこで、教科書等の分析とあわせて、遣唐使と「国風文化」に関する先学の研究成果を踏まえ、「国風文化」の授業における留意点を示したい。
著者
尾川 明穂
出版者
ASSOCIATION FOR CALLIGRAPHIC STUDIES
雑誌
書学書道史研究 (ISSN:18832784)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.20, pp.11-25, 2010

In this article I trace changes in Dong Qichang's 董其昌 perceptions of the reception of old techniques on the basis of his dated writings dealing with calligraphic and painting theory up until his mid-fifties. 1 confirm (1) changes in his perception of a change from the faithful transmission of old techniques to innovations in old techniques, and I then ascertain when (2) his viewpoint of differences according to historical periods and (3) his differentiation of the relative merits of early calligraphers appeared in his perception of innovations in old techniques. Further, with respect to the theory of Northern and Southern schools of painting, said to have been put forward by Dong Qichang, I suggest when he may have proposed this theory and ascertain that it does not conflict with my conjectural results regarding the above changes in his view of innovations in old techniques. I also take up for consideration passages in his writings that show evidence of his theory about the distinctive character of the calligraphy of particular periods, verifying their reliability in light of the circumstances regarding the above changes in his perceptions, and I further examine the question of whether he regarded the calligraphy of the Tang 唐 or the Song 宋 as superior, a question about which there has been no consensus in the past.<br>   The results of my investigations were as follows. It is to be surmised that the changes concerning (1) occurred between the ages of 37 and 44 with regard to calligraphy and at the age of 42-43 with regard to painting. I was able to confirm that the emergence of his viewpoint regarding (2) occurred at the age of 48 or later in the case of calligraphy and at the age of 51 in the case of painting. The differentiation of (3) can be seen at the age of 48 for both calligraphy and painting and would seem to have been discussed from this time onwards. Changes in his view of innovations in old techniques occurred at roughly the same time in his theories about both calligraphy and painting, and this would suggest that his views of calligraphy and painting were inseparable. As regards his proposal of a theory of Northern and Southern schools of painting, I surmise that this took place in the third month of his 45th year. This is not inconsistent with changes in his above view of innovations in old techniques and may be considered to guarantee the validity of my conjectures regarding both. With regard to his theory about the distinctive character of the calligraphy of particular periods, having ascertained in light of their dates and content that the writings in question are indeed by Dong Qichang, I take the view that, at least when he proposed this theory, he rated the calligraphy of the Tang dynasty more highly than that of the Song dynasty.
著者
永松 哲郎 児玉 良明 角川 明 高井 通雄 村上 恭二 石川 暁 上入佐 光 荻原 誠功 吉田 有希 鈴木 敏夫 戸田 保幸 加藤 洋治 池本 晶彦 山谷 周二 芋生 秀作 山下 和春
出版者
公益社団法人日本船舶海洋工学会
雑誌
日本造船学会論文集 (ISSN:05148499)
巻号頁・発行日
no.192, pp.15-28, 2002-12
参考文献数
11
被引用文献数
7 12

This paper is the second half of the report on the study on microbubbles carried out by the SR239 project of the Shipbuilding Research Association of Japan, and describes the full-scale experiment using "SEIUN MARU", a 116m-long training ship that belongs to the Institute for Sea Training. Using numerical analysis and the experimental data obtained in the preparatory study described in the first half of the report, the net energy saving of SEIUN MARU by microbubbles at 14kts was estimated to be 2%. In the full-scale experiment, the trajectory of the generated bubbles was observed using underwater TV cameras and was found to shift more upward than predicted. The local skin friction was measured at several locations on the hull surface, and the skin friction increase as well as decrease by the bubbles was measured. The local void ratio was measured at one point on the hull surface, and the bubbles were found to travel slightly away from the hull surface. The change of the ship speed and shaft horsepower by microbubbles was measured, and the decrease or increase of engine power at constant ship speed was analyzed. In the most cases of the experiment the ship speed decreased by the bubble injection, mainly due to the increase of ship resistance and the decrease of propeller efficiency caused by the bubbles going into the working propeller. But, by carefully choosing the bubble injection location and thus avoiding the bubble entrainment into the propeller, the 3% power saving at a constant speed of 14kts was obtained. By taking into account the power needed to inject bubbles against hydrostatic pressure due to water depth at the injection point, this corresponds to the net power saving of 2%. Thus the net power saving by microbubbles was measured on a full-scale ship for the first time in the world.
著者
乾 明夫 浅川 明弘
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 = Japanese journal of psychosomatic medicine (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.29-38, 2011-01-01
参考文献数
32
被引用文献数
1

脳・消化管ペプチドは,脳と消化管の双方に存在するペプチドであり,消化管機能の調節のみならず,食欲・エネルギー代謝や情動,学習・記憶に深くかかわると考えられている.食欲・体重調節に関しては,1994年のレプチンの発見以来,その概要が明らかになり,脳・消化管ペプチドはレプチンの下流に存在し,体脂肪量の過不足に応答する食欲・体重調節機構の根幹を担うことが証明された.脳・消化管ペプチドのヒト行動に及ぼす役割に関しては,動物での成績に加え,血中・脳脊髄液中ペプチド分泌動態やペプチド投与効果の観察など,ごく限られた知見しかない現状にあった.しかし,近年の遺伝子解析技術の進歩や,ペプチドからの創薬,脳画像解析技術の進歩などから,脳・消化管ペプチドのヒト行動に及ぼす役割が明らかになりつつある.脳・消化管ペプチドがどこまで,われわれの行動を規定しているかは大問題であるが,そのアプローチ法と問題点について述べた.
著者
倉益 直子 田内川 明美 宮内 幸子
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.49-54, 2012-05-30 (Released:2012-09-20)
参考文献数
9

2004年に看護協会が実施した「新卒看護職員の早期離職等実態調査」において,新人の9.3%が1年以内に離職していたという結果は,看護界を驚かせた。離職理由としては,「基礎教育終了時の能力と現場で求められる能力のギャップ」「肯定的なストロークが少ない職場風土」「教育的配慮の不足」などが挙げられている1)。新人看護師にとっての入職後1年間は,これまでになくストレスフルな毎日であることがこの調査により明らかになった。事実,新人看護師の中で「眠れない」「食べられない」「仕事に行けない」などの深刻な症状を呈し離職に至る者もいる。 心理学によると,ストレス反応を低下させる要因は,「自尊感情 (self-esteem)」「自己効力感 (self-efficacy)」「アイデンティティ (identity) の確保」の3つであると言われている2)。ところが,医療現場では常に「完全」を求められることや,対人援助職特有の「やってもきりがない」等の不満足感が,自尊感情や自己効力感を低下させる。このことからも新人看護師が初めて接する看護現場は,ストレス反応が起こりやすい環境であると言える。そのため,当院では以前より新人看護師の心身のリラックスを図る新人研修として「集団コラージュ療法」を取り入れてきた。「コラージュ療法」はこれまで,精神科臨床や非行対応臨床などから始まり,最近は,末期がん患者や認知症患者などにも活用されて成果を挙げている。我々が検索した文献では,健康な専門職への適用は見られなかったが,当院では10年前から実施しており,その安全性はすでに確認されている。今回,当院における新人看護師対象の「集団コラージュ療法」について検討したところストレスケアとして有用と考えられる所見が得られたので報告する。
著者
菊川 明
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.141-146, 2009-01

鹿児島県立農業大学校は、鹿児島県の南西部、薩摩半島西部の日置市吹上町と南さつま市金峰町の町境に位置し、東は霊峰「金峰山」、西は日本三大砂丘の吹上浜に囲まれた風光明媚な場所にあります。当地域には、早期水稲、かごしまブランドのかぼちゃ、砂丘らっきょう、キンカンの栽培のほか畜産では肉用牛、酪農などがある農業地帯です。農業大学校の歴史は古く、その前身は戦前昭和16年4月に設置された県立農民道場までさかのぼります。終戦後は海外引き揚げ者の開拓入植に対する訓練施設、海外移住または国内開拓を志す青年を対象にした講習施設、農業後継者の養成施設、畜産・園芸を専門に研修する高等営農研修所などを経て、昭和53年4月に県立農業大学校として創立されました。平成15年4月には県内5カ所に分散配置されていた5学部6学科を2学部7学科に再編し、現在地に移転開校しました。あわせて、農業機械研修施設や農村婦人の家等を再編統合し、研修部を設置しています。平成18年4月には農業関係試験場と農業大学校を再編統合し、技術の開発と担い手の育成を総合的に推進する「農業開発総合センター」として再オープンしました。平成19年7月には専修学校化しています。本校の教育は、その歴史からも推測されるように、現場の課題を解決するプロジェクト学習を基本とした実技と理論の総合的な教育を柱の一つとしており、校訓も「自立」「実践」「協調」となっています。
著者
畑 明美 南光 美子 長谷川 明子 南出 隆久
出版者
京都府立大学
雑誌
京都府立大学学術報告. 理学・生活科学 (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.35-41, 1988-11-18

京都府及び福井県産らっきょうを供試し, 試料重量の1%食塩を用いて1週間下漬を行った後, 食酢1ιに対して砂糖200gを添加した漬け酢を, らっきょう1kgにつき漬け酢1250mιの割合で本漬したものについて, ヘクチン及び無機成分の経時的変化を調査した。その結果, ヘクチン, 特に水溶性ヘクチン, 及び無機成分(Ca, Mg, K)は, 漬け日数の経過とともに減少した。次に, らっきょうのテクスチャー改善の試みとしてCaCl_2 (0.5,1,3%)を漬け酢に添加したところ, 総ヘクチン及び水溶性ヘクチン含量は増加し, また, 硬度も増大した。同様にMgCl_2を添加した結果, ヘクチン及びMgを除いた他の無機成分含量には大きな変化はみられなかったが, 硬度は多少増大した。
著者
小野 勉 宮崎 茂次 金川 明弘
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.218-226, 2005-08-15

人が移動するとき、人全体の移動の効率をあげるには、どのような対策を施せばよいかを考察する。まず、人と物の移動を、それぞれ体系的に整理し、その後、人が移動するときの移動補助手段を有効活用するための課題を述べる。移動補助手段の利用効率を上げるには、その需要をなるべく小さい誤差で予測し、それに合わせた効率的な供給が実現できればよい。本論文では、人流の移動補助手段の需要予測を説明する数理モデルを提案し、その精度について検証する。また、その数理モデルによる需要予測の説明変数には、日付、曜日、時刻のような時間的な要因、天候、風速、風向、気温、また湿度のような気象要因、住宅地や工業地や商業地や夜の飲食街のような地域要因、交通事故、交通規制、イベント(各種の祭、店舗の開閉店、入試、卒業式、入学式、学会など)のような突(単)発要因などが考えられる。数理モデルを作成するにあたり、これらの要因の有効性を実在するO市のタクシーの輸送履歴について検証することにする。
著者
小関 忠尚 中川 明子 嶺尾 徹 野々村 昌雄
出版者
JAPAN SOCIETY OF NINGEN DOCK
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.136-141, 1988

「肥満とやせの判定表」は現在の日本人の性別,年齢階級別,身長別体重分布にもとついて作られ,合理的で,今後普及すると予想されるが,性,年齢に関係なく一本の数値でまとめられた「あなたの体重表」に比べ,加齢による体脂肪量増加が含まれているので,やせ方向に判定される傾向がある。体重による肥満判定には,体脂肪量が推定出来る背+上腕皮脂厚測定を併用する必要があり,これを併用すれば人間ドックの肥満判定にも使用出来ると考えられる。
著者
廣川 明日菜
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.235-237, 2016-05-10 (Released:2016-05-31)
参考文献数
16

国立国会図書館は,納本制度に基づき国内出版物の網羅的収集・保存を行う国内唯一の国立図書館である。技術革新に伴い,図書館が取り扱う情報媒体も多様化が進む中,資料の長期保存には様々な課題がある。本稿では当館の取組みを事例に,資料保存の重要性とその課題について整理したい。
著者
利根川 明子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.569-582, 2016
被引用文献数
8

本研究では, 教室における児童の感情表出と学級適応感(居心地の良さ, 被信頼・受容感, 充実感)の関連を検討した。児童の感情については, ポジティブ感情(喜び, 興味)とネガティブ感情(悲しみ, 怒り, 恐れ)に着目し, 児童がこれらの感情を表出することの効果と, 感情表出のあり方が異なる学級に所属することの効果を同時に検討した。小学校4・5・6年生の児童1,968名と担任教諭70名を対象に質問紙調査を実施し, マルチレベル分析を行った結果, ポジティブ感情をよく表出する児童ほど学級適応感が高く, ネガティブ感情をよく表出する児童ほど学級適応感が低いことが示された。また, こうした感情表出の効果には交互作用が見られ, ポジティブ感情の表出が多い児童ほど, ネガティブ感情の表出による居心地の良さの感覚と充実感の低下の度合いが低いことが示された。これらの児童レベルの効果に学級間差は見られなかった。学級レベルの効果については, 児童評定値の集計値を用いた場合と, 教師評定値を用いた場合の2つの方法で分析を行い, いずれの方法で検討した場合も, ポジティブ感情の表出が多い学級に所属している児童たちほど学級適応感を強く感じやすく, ネガティブ感情の表出が多い学級に所属している児童たちほど学級適応感を弱く感じやすいことが示された。
著者
谷川 明男
出版者
日本動物分類学会
雑誌
タクサ : 日本動物分類学会誌 (ISSN:13422367)
巻号頁・発行日
no.20, pp.23-25, 2006-02-20

About 130 years has passed since L. Koch (1878) published the first paper on Japanese spiders. Today there are still many undescribed species in Japan. Based on papers published in the journal of the Arachnological Society of Japan during the last five years, three professional and six amateur researchers are now actively studying the taxonomy of Japanese spiders. Most of their publications are descriptive studies, e.g. description of new species, revision of a genus or a family. Phylogenetic analyses using morphological or molecular data have been published for many countries, but not for Japan. It is becoming increasingly urgent to foster young spider taxonomists. The traditional approach in taxonomy seems to be arbitrary and therefore not attractive for young researchers. Japanese leading taxonomists should adopt modern methods such as phylogenetic analyses in order to attract young successors.
著者
石川 明 Ishikawa Akira
巻号頁・発行日
2007-09-01 (Released:2006-08-02)

(2010.4.23)本テキストは、日本実験動物学会総会のワークショップ「遺伝子 マッピングとその応用」で配付していたテキストに加筆・修正を加えたものです。2009年の「改訂版4」の誤植を修正するとともに一部内容を追加・修正して「改訂版 5」としました。従来公開していたテキスト(第53回日本実験動物学会総会(2006年5月)で配布したものに少し修正を加えたもの(ishikawa.pdf))も残してあります。