著者
加畑 大輔 谷崎 英昭 荒川 明子 谷岡 未樹 高倉 俊二 大楠 清文 宮地 良樹 松村 由美
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.121, no.14, pp.3337-3342, 2011-12-20 (Released:2014-11-13)

11歳,男児.初診の3カ月前に右上腕に無症候性の皮膚結節が出現し,次第に潰瘍化し軽度疼痛を伴うようになった.他院にて切除術施行されたが再度潰瘍を呈したため2010年4月当科を受診した.潰瘍部の病理組織中に多数の抗酸菌を認め,病変部組織の遺伝子解析にて,Mycobacterium ulcerans subsp. shinshuenseに特異的な遺伝子配列を検出したため,Mycobacterium ulcerans subsp. shinshuense によるBuruli潰瘍と診断した.2%小川培地およびMGIT液体培地にて30°Cで培養したところ,6週間後に黄色コロニーの発育を認めた.リファンピシンとクラリスロマイシン投与開始にて潰瘍の増大は止まったものの,縮小傾向に乏しかったため,抗菌薬を継続したまま,投与2カ月後病変部を切除し分層植皮術を施行した.抗菌薬は計6カ月間で終了し,投与終了後1カ月経過した時点で再発を認めない.Buruli潰瘍は,本来熱帯地方に分布するM. ulceransという非結核性抗酸菌感染症である.しかし,近年その亜種であるM. shinshuenseによる皮膚潰瘍の報告が本邦で増加しており,皮膚潰瘍の鑑別診断のひとつとして念頭におく必要がある.
著者
早川 明夫
出版者
文教大学
雑誌
教育研究所紀要 (ISSN:09189122)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.111-119, 2007-12 (Released:2013-05-09)

3代将軍徳川家光によって制度化されたとされる参勤交代のねらいは、大名の経済力・軍事力を抑制・削減して幕府に反抗できないようにするためである、こうした理解が教育現場に相当定着している。しかし、学会においてはこのような見方は一般的ではない。参勤交代が、大名にとって大きな経済的負担となっていたことは事実である。しかし、これは参勤交代の結果であって、この制度が設けられた目的ではない。そこで、先学諸氏の研究成果を踏まえて、現行の小中高の教科書には、参勤交代についてどのように記述されているのかを調べ、参勤交代の授業における留意点を示してみたい。
著者
中川 明仁 佐藤 豪
出版者
Japan Society of Personality Psychology
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.38-45, 2010
被引用文献数
1

本研究の目的は,Cloningerの気質4次元から自己志向的完全主義の各側面への影響を男女別に検討することであった。重回帰分析の結果,男女共通して気質次元の「固執」が完全主義の全側面へ正の影響を及ぼしていた。また,男性のみの結果として,「新奇性追求」と「報酬依存」が「失敗懸念」に負の影響を及ぼし,「報酬依存」は「完全性欲求」にも負の影響を及ぼしていた。一方,女性は「損害回避」が「失敗懸念」および「完全性欲求」に正の影響を及ぼしていた。本研究の結果より,多次元的な自己志向的完全主義の基盤に存在すると考えられる気質特性には,男女共通する気質と男女間で相違する気質が存在することが示唆された。
著者
中谷 知生 田口 潤智 笹岡 保典 堤 万佐子 谷内 太 土屋 浩一 藤本 康浩 佐川 明 天竺 俊太
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Ca0228-Ca0228, 2012

【はじめに、目的】 通常歩行においてプレスイングは体重が反対側へ移動する時期であり、この時の足関節底屈トルク(以下セカンドピーク)は遊脚期に必要な振り出しの初速を形成するとされている。そのため、プレスイングにおけるセカンドピークの減少は歩行速度の低下を引き起こすと考えられており、脳損傷後片麻痺者では強いセカンドピークを得られる者ほど速い歩行速度を得られるという報告がある。一方で、大腿骨近位部骨折術後患者におけるセカンドピークが歩行能力にどういった影響を与えるかについては明らかにされていない。本研究の目的は、大腿骨近位部骨折術後患者におけるセカンドピークの有無が歩行能力、特に歩行スピードに与える影響を明らかにすることである。【方法】 対象は、当院に入院中の大腿骨近位部骨折術後患者12名(平均年齢77.3±6.0歳、男性2名、女性10名)とした。術式の内訳は観血的骨接合術6名・人工骨頭置換術5名・人工股関節全置換術1名であった。術後の炎症やそれに起因する疼痛による歩行能力への影響を避けるため、疼痛の訴え無く10m以上介助なしで歩行可能な者を対象とした。計測時の術後経過日数は平均81.6±25.5日であった。効果判定の指標は川村義肢社製Gait Judge System(以下GJ)を使用した。GJは短下肢装具Gait solitionの油圧ユニットに発生する足関節底屈方向の制動力を計測する機器であり、これによりセカンドピークの定量的な評価が可能となる。今回の調査では対象者の術側下肢にGJを装着し、快適速度歩行および最大速度歩行を測定した。その結果、最大速度歩行においてセカンドピークを発揮している群と発揮していない群の2群に分割し、快適速度および最大速度で歩行した際の歩行速度・ケイデンス・歩数の差をt検定で比較した。さらにセカンドピークのトルク値と歩行速度との関連をSpearmanの順位相関係数を用い算出した。統計学的有意水準は5%とした。【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は所属施設長の承認を得て、対象者に口頭にて説明し同意を得た。【結果】 対象者12名中、最大速度歩行時にセカンドピークを発揮した者が5名、発揮していない者が7名であった。セカンドピークを発揮した5名の術式は、観血的骨接合術2名・人工骨頭置換術3名、セカンドピークを発揮していない7名の術式は、観血的骨接合術4名・人工骨頭置換術2名・人工股関節全置換術1名であった。両群ともに快適速度に比較して最大速度では有意に歩行速度・ケイデンスが増大し、歩数は有意な変化は見られなかった。両群間を比較すると、セカンドピークを発揮している群は比較していない群よりも最大速度が有意に高かった。セカンドピークのトルク値と最大速度の間には-0.6と有意な負の相関関係が認められた。【考察】 大腿骨近位部骨折術後患者においても、セカンドピークを発揮できる群では発揮できない群に比べ歩行速度を向上させることが可能であるという特徴が明らかとなった。一方で、セカンドピークのトルク値と最大速度の間には負の相関関係が認められた。脳損傷後片麻痺者ではセカンドピークの減少は歩行速度の低下を引き起こすため、セカンドピークのトルク値と歩行速度に正の相関関係が認められている。しかし、変形性股関節症に対して人工股関節置換術を施行した患者におけるプッシュオフに関する先行研究では、立脚中期から後期にかけての強い足関節底屈運動は股関節伸展運動の不足を補うための代償的手段として用いられるという報告がある。よって今回の研究結果から、大腿骨近位部骨折術後患者においてもセカンドピークは遊脚期に必要な振り出しの初速を形成するという意味で歩行速度向上に貢献する一方で、トルク値の増大は股関節の機能低下を補うための代償動作という意味も含んでいるという可能性が推察された。今後は更にデータ数を増やし、大腿骨近位部骨折術後患者における最適なセカンドピークのトルク値、またそれを発揮させるためのトレーニング法を明らかにすることを目的に、特に股関節伸展運動の可動域、下肢筋力などの指標を用いた多角的な評価を行っていきたい。【理学療法学研究としての意義】 本研究は、歩行時の足関節運動が大腿骨近位部骨折術後患者の歩行速度を決定する要因の一つであることを示すものである。また従来、主に脳損傷後片麻痺者の評価で用いられることの多かったGJによる足関節底屈トルクの計測が大腿骨近位部骨折術後患者の歩行能力を評価する上でも有用であることを明らかにしている。以上2点において、本研究は大腿骨近位部骨折術後患者の理学療法の発展において重要な示唆を与えるものと考える。
著者
藤井 勉 上淵 寿 山田 琴乃 斎藤 将大 伊藤 恵里子 利根川 明子 上淵 真理江
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.86, no.2, pp.132-141, 2015
被引用文献数
1

The purposes of the present study were (a) to use both a relational-anxiety Go/No-Go Association Task (GNAT) and an avoidance-of-intimacy GNAT in order to assess an implicit Internal Working Model (IWM) of attachment; (b) to verify the effects of both measured implicit relational anxiety and implicit avoidance of intimacy on information processing. The implicit IWM measured by GNAT differed from the explicit IWM measured by questionnaires in terms of the effects on information processing. In particular, in subliminal priming tasks involving with others, implicit avoidance of intimacy predicted accelerated response times with negative stimulus words about attachment. Moreover, after subliminally priming stimulus words about self, implicit relational anxiety predicted delayed response times with negative stimulus words about attachment.
著者
森 定雄 高山 森 後藤 幸孝 永田 公俊 絹川 明男 宝崎 達也 矢部 政実 高田 かな子 杉本 剛 清水 優 長島 功 長谷川 昭 仙波 俊裕 大島 伸光 前川 敏彦 杉谷 初雄 大関 博 中橋 計治 日比 清勝 大谷 肇 中村 茂夫 杉浦 健児 田中 鍛 荻原 誠司 勝野 保夫 大久保 哲雄
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.95-101, 1996-01-05
被引用文献数
10 6

SEC専門部会傘下26測定機関でサイズ排除クロマトグラフィーによる高分子の分子量の共同測定を行った.試料はポリスチレン(PS)4種類, ポリメタクリル酸メチル(PMMA)2種類である.較正曲線作成用標準試料を配布し, 試料溶液の濃度, 注入量を規定するとともに, クロマトグラムベ-スラインの引き方を統一し, 又較正曲線は3次近似とした.その結果, かけ離れた数値を棄却した場合の相対標準偏差(RSD)はPSでは数平均分子量で13.7〜15.8%, 重量平均分子量で5.0〜5.8%.PMMAではそれぞれ11.9〜13.3%, 10.9〜11.3%であった.前回のラウンド口ビンテストと比較し, RSDが改善された様子は認められなかったが, 測定条件の不備による, 大きくかけ離れたデータがなくなった意義は大きい.RSDが改善されなかった理由の一つはベースラインに引き方の統一が完全でなかったことである.異なる検出器を使用した場合, 又異なるメーカーの標準試料を用いた場合, RSDが大きくなるようである.
著者
皆川 明洋 藤井 勇作 武部 浩明 藤本 克仁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.301, pp.17-22, 2006-10-13
被引用文献数
4

内容が共通する未知フォーマットの帳票画像から対象データを抽出する方式として、帳票上の文字列の意味とそれらの関係を表す論理構造を認識する一方式を提案する。本方式は、論理要素とその関係の可能性を表現した共通論理構造および帳票画像を入力とし、おのおのの論理要素に対して帳票画像中の文字列を対応付けることで、論理構造を安定的に認識する。本方式の特長は、文字列情報とその位置情報とに基づいて、論理要素との対応関係と論理要素に対応させたときの文字列間の関係とを確率的に表現することで、与えられた共通論理構造の論理要素の関係に対応した直感的な確率グラフを構成し、これに対して確率伝搬法から得られた周辺事後確率に基づいて論理要素に文字列を対応付けることによって、レイアウトに依存せずに論理要素と文字列の対応付けを可能にする点である。本方式により、多様なレイアウトや複雑な論理構造に対応可能で、文字列の内容や位置の推定誤りにも強い論理構造認識を実現する。本方式の有効性を三つの帳票種に対する評価実験により確認した。
著者
永野 元 秦 志新 賈 岸偉 加藤 嘉則 小林 正和 吉川 明彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.97, no.100, pp.37-42, 1997-06-17

六方晶構造が安定であるGaN(h-GaN)をGaAs(001)や3C-SiC(001)等の立方晶構造の基板上に成長することで, 立方晶構造のGaN (c-GaN)を作製できる. c-GaNはLDデバイス化に際し共振器や電極の形成がh-GaNに比べて容易であると考えられている. しかし基板表面や成長表面に凹凸が存在すると, c-GaN中には元々安定であるh-GaNが混在しやすく高品質なc-GaNを得るのが難しい. そこで, 本研究では原子状水素(H^*)を用いて清浄化及び平坦化を行ったGaAs基板上に, rf-MBE法によりGaNの成長を行った. その結果, GaN(002)X線ロッキングカープにおいてFWHMが90arcsecであるような, 高品質のc-GaNを得ることができた. これは, H^*により処理したGaAs基板表面が, 分子層オーダーで平坦でありそのステップ端に多数のキンクを持つため, 成長初期において成長核が一様, 高密度に生成し, GaNが一様に成長したためと考えられる.
著者
寺山 圭一郎 小川 明宏 秋葉 崇
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 第30回関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
pp.6, 2011 (Released:2011-08-03)

【目的】パーキンソン病の歩行障害のうち、すくみ足の改善に対しての報告を目にすることはあるが、小刻み歩行の改善に対しての報告は少ない。パーキンソン病での歩行は健常人の歩行と比較して、左右への重心移動が少なく、この結果、振り出しが困難となっている。今回、小刻み歩行を改善するために、重心の左右移動を大きくすることを目的として横歩きによるアプローチを行った。 【対象】当院神経内科に検査目的で入院もしくは外来通院中のパーキンソン病患者6例。男性3例、女性3例。平均年齢75±8.9歳。Yahr分類はIIが3例、IIIが3例で、歩行は自立しているものの、小刻み歩行が認められる症例。なお、全例に対して、本研究の趣旨を説明し本人に同意を得た。 【方法】特に指示はせず、5mの快適歩行を2回実施。この時間と歩数を計測。同時にビデオで撮影。その後、平行棒内で3往復の横歩きを実施。この際、(1)真横になるべく大きく足を出すように。(2)下を向かず、前を向いてなるべく遠くを見るように。とだけ口頭にて指示をした。横歩き後、再度、5mの快適歩行を実施。この時の時間と歩数を計測し、ビデオで撮影。撮影したビデオから動作解析ソフトPV Studio 2Dを用いて、5mの中央付近の任意の一歩の歩幅とその身長比を計測。それぞれを横歩き前後で比較。対応のあるt検定にて統計処理を行った。 【結果】横歩き後、歩行時間は平均8.59±3.10秒から7.20±2.37秒、歩数は平均15.3±4.55歩から13.0±3.85秒に減少、歩幅は平均0.31±0.09mから0.37±0.10mと増大が認められた。また、歩幅/身長も平均0.20±0.05から0.23±0.06と、全てにおいて横歩き後で有意に改善していた(p<0.05)。 【考察】パーキンソン病患者の歩行は、脊柱起立筋において持続性の高い筋活動が認められ、体幹が棒状となっているために、重心の左右移動が小さくなっている。さらに、重心の後方への偏移が特徴的で、前傾姿勢により重心を随意的に前方に移動させ、歩行における下肢のステップを維持するための代償として小刻み歩行が認められる。また、前傾姿勢により骨盤回旋が少ないことも歩幅が短くなる要因として挙げられる。横歩き動作では、下肢を横に大きく出すために、体幹の伸展、側屈を伴った一側下肢への十分な体重移動が必要となり、結果として重心の左右移動が大きくなったと考えられる。また、体幹を伸展位に保つことで、体幹の可動性が向上し、回旋要素が出現したことで歩幅が大きくなったと考えられる。
著者
松浦 さと子 北郷 裕美 金山 智子 小川 明子 林 怡蓉 寺田 征也 志柿 浩一郎 川島 隆 松浦 哲郎 畑仲 哲雄 畑仲 哲雄 日比野 純一 橋爪 明日香 稲垣 暁
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

1992年に制度化されたコミュニティ放送局は、2016年代に入り300局を超えた。それらは、地域の地理的環境や文化的・社会的・政治的・経済的背景に適応すべく多様な運営スタイルで放送が担われている。しかし共通しているのは災害対応への期待が高いことである。特に2011年以後は「基幹放送」としてその責任が重くのしかかる。国際的なコミュニティラジオが「コミュニティの所有、運営、非営利非商業」と定義されていることに対し、日本のコミュニティ放送は、資源動員、法人形態、ジャーナリズムや番組審議会等、独自の成立条件を形成してきた。本研究では長期のフィールドワークと日本初の悉皆調査によってそれらを明らかにした。
著者
立川 明
出版者
国際基督教大学
雑誌
国際基督教大学学報. I-A, 教育研究 (ISSN:04523318)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.1-15, 2002-03

本論ではまず戦後の日本での高等教育改革の一つの前提となる,当時のアメリカ合衆国での教養教育の特色の一端を論じたい.その要点は,20世紀前半のアメリカの教養教育は,主として人文学の立場から構成されていた,という点である.この論点を,できるだけ戦後の教育改革に実際に携った人物の意見を中心として,再構成してみたい.その上で,教養教育についてのアメリカ側からの提起を,日本側がどう受け止めたのかについて,多少とも触れたい.最後に,戦後教育改革において,ウォールター・イールズの果たし(得)た役割について,ジュニア・カレジと教養教育との関係に焦点をあて,論じたいと考える.
著者
小川 明子
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2010

制度:新 ; 報告番号:甲3084号 ; 学位の種類:博士(法学) ; 授与年月日:2010/3/1 ; 早大学位記番号:新5351
著者
河野 裕彦 菱川 明栄 小関 史朗 加藤 毅 菅野 学 伏谷 瑞穂 松田 晃考
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

電子・原子核波束計算法を用いて,COやN2のレーザー場中の多電子ダイナミクスやアト秒パルスを発生する高次高調波のレーザー制御法を提案した。また,実験グループは,理論の予想通りCO2の等価な2つのC-O結合の一方だけを2色レーザーパルスの形状によって選択的に切断させることに成功し,化学反応制御の新たな可能性を示した。さらに,反応動力学計算を用いて,XFELによる多価カチオン生成とそのクーロン爆発を使った時間分解分子イメージングに対するシミュレーション法を確立して,ヨードウラシルなどに適用した。そのほか,分子ベアリングやDNA鎖切断の実時間シミュレーションを行い,それらの動力学を明らかにした。