著者
諏訪 裕文 馬場 信雄 畦地 英全 雑賀 興慶 崎久保 守人 上村 良 大江 秀明 岩崎 稔 吉川 明 石上 俊一 田村 淳 小川 博暉 坂梨 四郎
出版者
日本膵臓学会
雑誌
膵臓 = The Journal of Japan Pancreas Society (ISSN:09130071)
巻号頁・発行日
vol.20, no.6, pp.547-553, 2005-12-29
参考文献数
19
被引用文献数
1 1

症例は62歳の男性. 膵頭部癌にて膵頭十二指腸切除術を施行した13カ月後, 胸部CTにて多発肺転移を指摘された. 塩酸ゲムシタビン1,000mg/m<sup>2</sup>の点滴静注を週1回行い, 3週投薬後1週休薬のスケジュールを1クールとして化学療法を開始した. 消化器症状や血液毒性がほとんど認められず, 第2クールからは外来通院で行うこととした. 第2クール後のCTで抗腫瘍効果はNCであり, 第3クールからはQOLの維持と長期投与を目的として塩酸ゲムシタビンの1回投与量を700mg/m<sup>2</sup>に減量した. 以後, 副作用なく癌性胸水の出現まで長期間NCを維持し, 外来にて14カ月間の継続治療が可能であった. 膵癌術後の肺転移再発の予後は極めて不良であるが, 本症例のように, ゲムシタビン治療により, 外来でQOLを維持しながら長期生存が可能な場合もある.
著者
都築 基弘 平野 正美 井野 晶夫 長谷川 明生 宮崎 仁 小島 博嗣 丸山 文夫 岡本 昌隆 松井 俊和 江崎 幸治
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.296-302, 2000

1984年8月から1998年1月までに受診した高齢者(60歳以上)AML全83例の特質を明らかにするために同時期に受診した若・壮年者(15&sim;59歳)114例と臨床像および検査所見の比較検討を行った。高齢者AMLは,白血病細胞側の特徴としてはMDS先行AMLが多く,<i>de novo</i> AMLのFAB分類ではM3が少なく,M0, M1の多い傾向がみられた。染色体検査では予後不良とされる5番,7番染色体の異常が多くみられ,予後良好な15;17転座,8;21転座,16逆位は少なかった。また白血病芽球のミエロペルオキシダーゼ陽性率50%未満の症例が多くみられた。宿主側の特徴としては,検査所見では末梢血芽球比率,総蛋白低値,フィブリノーゲン,クレアチニン高値を示した。performance status 3および4の症例が約40%を占めており,診断時肝障害,心疾患,明らかな感染巣を有する症例が多くみられた。高齢者AMLは若・壮年者に比し多くの予後不良因子をもつ集団であることが示された。
著者
石川 明
出版者
判例タイムズ社
雑誌
判例タイムズ (ISSN:04385896)
巻号頁・発行日
vol.58, no.29, pp.89-93, 2007-12-01
著者
宮野 竜太朗 住江 玲奈 菅谷 文人 林 京子 武内 嵩幸 福岡 友梨江 脇坂 長興 井上 肇 梶川 明義
出版者
学校法人 聖マリアンナ医科大学医学会
雑誌
聖マリアンナ医科大学雑誌 (ISSN:03872289)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.137-145, 2018 (Released:2018-11-30)
参考文献数
23
被引用文献数
1

(序論)多血小板血漿(PRP)の育毛への効果を検討するためにPRPがヒト培養毛乳頭細胞に及ぼす影響を分子生物学的に検討した。(方法)培養毛乳頭細胞にPRPを添加し,一定時間培養後に線維芽細胞成長因子(Fibroblast Growth Factor; FGF)-2,血管内皮細胞増殖因子(Vascular Endothelial Growth Factor; VEGF),骨形成タンパク質(Bone Morphogenetic Protein; BMP)-2,Wnt5a,Ephrin(EFN)A3の遺伝子発現を定量PCRで測定した。また,エクソソーム除去PRPが前記遺伝子群の発現に及ぼす影響を同様に測定した。(結果)PRPは毛乳頭細胞のFGF-2,VEGF,BMP-2の遺伝子発現を2時間で無添加対照に比較して有意に増加させた。FGF-2,Wnt5aは24時間後で有意に増加したが,VEGFは有意差を認めなかった。BMP-2は有意に発現が低下した。EFNA3は変化なかった。エクソソーム除去PRPも,これら遺伝子群の発現に変化を認めなかった。(考察)毛乳頭細胞への発毛関連遺伝子群の発現増強が退行期の毛包の活性化を促しているものと推察された。特に持続的Wnt5aの発現と,BMP-2の短期的強発現とその後の消退は,毛乳頭の分化誘導と萎縮を抑制している可能性を示唆した。(結論)PRPは,萎縮毛包の再生ではなく,遺残する毛包に作用し育毛に関与すると結論された。
著者
長谷川 明紀
出版者
皇學館大学文学部 ; 2009-
雑誌
皇學館大学紀要 = Bulletin of Kogakkan University (ISSN:18836984)
巻号頁・発行日
no.55, pp.186-158, 2017-03

醍醐寺蔵『諸経中陀羅尼集』の最初に掲載されている法華経陀羅尼と『法華経山家本』の法華経陀羅尼は、慈覚大師点本に由来するとされているので、両本における漢字加点が比較検討された。仮名、声点に加えて、ダッシュ(-) 印が醍醐寺本における加点に含まれる。このダッシュ印は、悉曇文字一字が漢字二文字を用いて音訳される場合、この漢字間に導入されていると結論された。 陀羅尼では、上声および去声の声点は、悉曇字に従ってそれぞれ短音および長音を識別する記号として代用されることが知られている。これら両本での声点を比較して、『法華経山家本』の声点の幾つかは時代の経過につれて変化しているものの、両本は慈覚大師を源流とする事を示す多くの共通した特徴をもつことが明らかにされた。 Since Lotus Sutra dhāran・īs in the first set of "A Collection of Dhāra n・īsin Sutras " stored in Daigo-ji Temple and contained in "The Hokekyo Sangebon " are believed to have their origins in a text of Jikaku Daishi(Ennin), the guiding notes added beside the kanji of the dhāran・īs were compared between these two texts.In addition to kana and accent marks, dash (-) marks are involved in the guiding notes in the Daigo-ji text. Each of the dash marks was concluded to be introduced between the two kanji into which a single original siddham・ script was transliterated.In dhāran・īs, the accent marks of jyosho (high pitch) and kyosho (rising pitch) are known to be substituted for the marks distinguishing between short and long sounds, respectively, according to the siddham・ scripts. The comparison of the accent marks between the two texts leads us to the conclusion that both texts have many common characteristics suggesting the origin from Jikaku Daishi, while some of the accent marks in "The Hokekyo Sangebon " were subject to alteration in the process of time.
著者
船橋 高志 金川 明弘 太田 宏
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会誌 (ISSN:03864812)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.209-216, 1993

チェーン・サンプリング検査方式とは, 同一生産条件のもとで連続生産されるロットの受け入れ検査において, 当該ロットの検査結果のみならず過去の検査結果の履歴をも考慮して, その合否を決定する方式である, そのため, 検査ロットからの検査情報のみで合否判定を行うその他の一般的な抜取検査と比べて, サンプルサイズは小さくすむ反面, "工程品質一定"の仮定のもとに検査が構築されていることから, 工程変化の早期発見という点においては余り期待できない.本論文では, チェーン・サンプリング検査方式が適応される従来の基本仮定を踏襲しつつも, 最新の検査情報に比重をおき, 工程変化を敏感に検出することを目的に, 対象ロットに対して二回抜取検査を実施する検査方式を提案する.あわせて, 工程変化に対する検出特性並びに検査における運用コストについて, 従来のチェーン・サンプリング検査方式との比較を行い, 提案検査方式の有効性を検証する.
著者
杜多 哲 杉山 元彦 本城 凡夫 大和田 紘一 浅川 明彦 田中 信彦 佐古 浩 北村 章二 淡路 雅彦 飯倉 敏弘 熊田 弘 山本 茂也
出版者
水産庁養殖研究所
雑誌
養殖研究所研究報告 (ISSN:03895858)
巻号頁・発行日
no.18, pp.p13-29, 1990
被引用文献数
2

五ケ所湾において1984年から1989年の塩分の測定結果を用いて,ボックスモデルを用いた解析を行い次のことを明らかにした。(1)五ケ所湾内を1ボックスとした場合,滞留時間は多くの場合2~7日であり,平均は1984年から1985年で4.7日,1986年から1989年で3.3日であった。輸送係数は2月から4月にかけて最大値を,11月から1月にかけて最小値をとる傾向がみられた。(2)五ケ所湾に適用したボックスモデルで得られる輸送係数の精度は,5割の誤差範囲におさまるが湾口部(ボックス1)と中間部(ボックス2)の塩分差が0.05‰より小さくなると,誤差が大きくなる。従って海水交換が良く,塩分差の小さい時期にはより適切な観測点配置と,より精度の良い観測を行う必要がある。(3)五ケ所湾の支湾の1つである迫間浦は,他の支湾に比べ海水交換が著しく悪い。その原因の1つとしては,流域面積が小さいため流入する河川水が少なく密度流が他の支湾に比べ生じにくいこと,冬季の季節風によって生じる吹送流が,地形的な原因で海水交換に結びつかないことが考えられる。
著者
小川 節郎 鈴木 実 荒川 明雄 荒木 信二郎 吉山 保
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
The journal of the Japan Society of Pain Clinicians = 日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.141-152, 2010-05-25
参考文献数
15
被引用文献数
15

帯状疱疹の皮疹消褪後に3カ月以上痛みが持続している帯状疱疹後神経痛患者371例を対象に,プレガバリン150 mg/日,300 mg/日,600 mg/日(1日2回投与)を13週間投与したときの有効性および安全性を無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験にて検討した.いずれのプレガバリン群においても疼痛は投与開始1週後から速やかに軽減し,最終評価時の疼痛スコアは300 mg/日群および600 mg/日群ではプラセボ群に比べ有意に低下した.プレガバリンは痛みに伴う睡眠障害を改善し,アロディニアや痛覚過敏にも有効であることが示された.主な有害事象は浮動性めまい,傾眠,便秘,末梢性浮腫,体重増加などであった.これらの有害事象は用量依存的に発現頻度が高くなる傾向があったが,ほとんどが軽度または中等度であった.以上の結果より,プレガバリンは帯状疱疹後神経痛に対して有用性の高い薬剤であることが示された.
著者
中川 明子 椎木 英理子 藤川 大輝
出版者
徳山工業高等専門学校
雑誌
徳山工業高等専門学校研究紀要 = Research reports of Tokuyama College of Technology (ISSN:03862542)
巻号頁・発行日
no.36, pp.1-11, 2013-02

This study aims to clarify historic value of Toishi Hachimangu at Toishi in Shunan city. At the same time, we aim to judge that this shine corresponds to Registered Tangible Cultural Properties (buildings). We measured the buildings of this shrine, and made plans, took photographs, and investigated literatures. As the result, we clarified historical details until the completion of buildings of this shrine from 1938 〜 1941 by old books. The designing adviser of this shrine was SUNAMI Takashi who belonged to the department of the interior in 1939. The designer was INAGAKI Hideo. Among buildings of shrine, especially front shrine was designed as Rohaiden which is vernacular style of Yamaguchi. SUNAMI was an architect who respected the venerableness and style of each shrines. He showed his policy on Toishi Hachimangu, too. We concluded this point is its historic value. At the same time, its age and its contribution to the historical scene of national land, we concluded this shrine corresponds to Registered Tangible Cultural Properties (building).
著者
中川 明子 大來 美咲
出版者
徳山工業高等専門学校
雑誌
徳山工業高等専門学校研究紀要 (ISSN:03862542)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.51-56, 2014-12-01

It has been said that the Roh-Haiden in the Yamaguchi Prefecture is rare across Japan. There are 11 Roh-Haidens in Shunan City, according to Yamaguchiken-Jinja-Shi, but about half have not been studied. Therefore, this study aimed to clarify the characteristics of all Roh-Haidens in Shunan City. At first, we measured these Roh-Haidens and made their plans; at the same time, we took their photos. We investigated their characteristics using their plans, photos, and old books. The results of this study are the following: most are located in Mae-Yamashiro-Saiban, and it is estimated that this style was established in the latter half of the 19th century in this region. The size and the structure types of the Roh-Haidens are related.
著者
旭 健作 小川 明
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.126, no.12, pp.1483-1489, 2006 (Released:2007-03-01)
参考文献数
17
被引用文献数
1

Speech recognition systems have come to be used widely. When any speech recognition system is disturbed by surrounding noises, considerable reduction in the recognition rate is inevitable. It is much desired to develop noise reduction methods so that any speech recognition system can be used in realistic environments. We propose a novel scheme especially effective for reducing the noise generated in the vehicles. The reduction is achieved through image processing techniques applied to the corresponding spectrograms. Experiments have been conducted on speech sounds in the vehicles. The performances have been evaluated in terms of the output signal-to-noise ratio (SNR). The proposed scheme has been compared with the conventional spectral subtraction method, and found to be promising especially for speeches corrupted with great amount of car noises.
著者
網谷 東方 網谷 真理恵 浅川 明弘 乾 明夫
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.1013-1022, 2016

<p>悪液質がもたらす栄養不良には, 食欲不振が大きく影響している. さらに, 炎症性サイトカインに誘発される全身の炎症反応による代謝異常のため, 骨格筋分解の亢進, インスリン抵抗性, 脂質分解の亢進などの同化障害と異化亢進された状態にある. この代謝障害が高度になり, 悪液質のステージが, "前悪液質 (precachexia)", "悪液質 (cachexia)", "不応性悪液質 (refractory cachexia)" と進行すると, 栄養補給を行っても有効に同化することができず, 栄養不良は不可逆的な状態になる. そのため, 悪液質のステージを評価し, 適切な栄養管理を行うことが重要となる.</p>
著者
中山 雄介 大江 秀明 松林 潤 余語 覚匡 鬼頭 祥悟 花本 浩一 北口 和彦 浦 克明 平良 薫 吉川 明 石上 俊一 田村 淳 白瀬 智之 土井 隆一郎
出版者
一般社団法人 日本膵臓学会
雑誌
膵臓 (ISSN:09130071)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.613-618, 2011 (Released:2011-11-07)
参考文献数
15
被引用文献数
1

症例は42歳,女性.冷感とふるえを主訴に近医にて精査されたところ,腹部CTで膵尾部に8mmの腫瘤を認め,膵インスリノーマが疑われた.選択的動脈内カルシウム注入法にて,脾動脈刺激でのインスリン値の上昇反応を認め,膵尾部のインスリノーマと診断した.脾温存脾動静脈温存膵尾部切除術を行ったところ,膵尾部の腫瘤は肉眼的に副脾であり,術中超音波検査で副脾以外に腫瘤を同定できなかったために,(1)脾動脈領域の微小インスリノーマの存在,(2)膵島細胞症の可能性を考え,脾動脈領域を網羅する体部の追加切除を行った.病理組織学的に,膵島細胞症と診断され,また膵尾部の腫瘤は膵内副脾と診断された.術後,低血糖症状は消失した.成人発症の膵島細胞症は稀であり,さらに膵内副脾を合併した報告は今までにないが,インスリノーマと術前診断した場合でも,膵島細胞症を念頭に置くことで,適切な治療が可能になると考えられた.
著者
中川 明仁 堀江 淳 江越 正次朗 松永 由理子 金子 秀雄 高橋 浩一郎 林 真一郎
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.1-5, 2019

<p>慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease; COPD)患者の心理特性について,病期の違いという観点から検討した。COPD 患者38名を対象とし,エゴグラムを用いてパーソナリティを評価して,Ⅰ期群とⅡ期群の差異について比較検討した。その結果,Ⅱ期群はⅠ期群と比べてFC(Free Child)が有意に低い値となり,病期が進行すると感情の表出性が乏しくなることが示唆された。また,病期を統合してCOPD 患者全体のパーソナリティを検討した結果,CP(Critical Parent)とNP(Nurturing Parent)が同程度に最高値となり,続いてA(Adult)とFC が同程度の値となり,AC(Adapted Child)が最も低い値を示した。COPD 患者のパーソナリティの特徴として,頑固さや自己への甘さが強まり,周囲の意見やアドバイスへの傾聴の姿勢を示しにくいことが示唆された。</p>
著者
青木 尚子 渡邊 恵都子 ハーランド 泰代 植野 拓 由川 明生
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.277, 2010

【はじめに】<BR>心臓リハビリテーション(以下、心リハ)は退院後の患者教育と運動療法が継続できれば効果的とされている。当院での外来心リハ通院患者の継続・非継続因子の調査では、非継続因子として統計学的に有意差はないものの1、男性が継続しにくい2、遠方の方が継続しにくい3、自己負担が高い方が継続しにくい傾向にあった。今回は、低心機能にもかかわらず自覚症状が軽度なため過負荷に陥り易い男性の症例に着目した。仕事帰りに利用することができる自宅近辺の非医療施設であるスポーツジムへの利用に繋げることが出来たので、今後の課題と共に報告する。今回の報告は、本症例に対して説明し同意が得られている。<BR>【症例紹介】<BR>70歳台、男性、既往に狭心症や急性心筋梗塞(以下、AMI)など繰り返しており、今回4度目の入院となる。2009年12月に胸痛ありAMI(2枝病変)と診断され経皮的冠動脈形成術を施行した。PeakCK3039U/L。心エコー結果より、左室駆出率40%、後壁、心室中隔・前壁の壁運動低下、中等度の大動脈弁狭窄症みられた。当院のMIパス2週間コースを用い心リハを開始した。5病日目から個別運動療法介入し、その後大動脈弁狭窄症から心不全を合併し、MIパスが停滞したものの19病日目から集団リハを開始し、自転車エルゴメーターにて旧Borg指数11レベルの負荷設定とした。4週間入院リハを行い、退院時には近隣スポーツジムに週3回、当院の外来心リハを週1回継続することとした。その際にスポーツジムには運動許可を示す主治医からの文責と併せて担当セラピストより情報提供目的の心リハ連携シートを渡し、持参して頂いた。内容は、疾患の状態、安全に出来る運動内容、リスク管理チェック項目を記載した。症例にもスポーツジムスタッフにも分かりやすい言葉を用い、定期的に評価を行い運動内容の変更も記載出来るようにし、安全でスムーズな連携を図った。1ヶ月後、歩行時の呼吸苦あり外来心リハ時に受診し、心不全増悪(左室駆出率30%)がみられたため利尿剤の追加あり。その後、スポーツジム利用を週3回から1回に、外来リハを週1回から3回に変更し、医学的管理を中心に心リハを継続した。<BR>【まとめ】<BR>今回、心リハ連携シートを用い患者宅近隣スポーツジムへの紹介と運動指導を行った。本人への運動管理意識の向上と外来心リハも併用したことで症状に応じた運動指導を即座に変更・実施することが出来た。また、症状悪化に伴い循環器の外来受診を薦めることで医学的管理も可能となり、外来での症状コントロールが可能となった。今後の課題として1、症状に合わせた医療施設と非医療施設との役割分担の明確化2、使用料金や場所を考慮した連携施設の選択と拡大3、心リハ連携シートの見直しなどを行っていく必要がある。
著者
星合 和基 金澤 毅 平沼 謙二 太田 功 福井 壽男 森 博史 長谷川 明
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 = The journal of the Japan Prosthodontic Society (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.494-500, 1995-06-01
参考文献数
21
被引用文献数
9 2

この研究は色調の安定性を改善した常温重合レジンについて検討したもので,レジン中の触媒にバルビツール酸誘導体と4級アンモニウム塩を用いたものである.このレジンの色調,物性,適合度について現在市販されている各種の常温重合レジンと比較検討したものである.その結果をみると,1.色調は安定し,変色はみられない,2.機械的強さはほぼ同程度である,3.適合性は優れていることが示されたので,臨床上有用な新しい常温重合レジンといえよう.