著者
後藤 伸之 白波瀬 正樹 八田 寿夫 政田 幹夫 李 鍾大 坪川 明義 清水 寛正 上田 孝典 中村 徹 北澤 式文
出版者
The Japanese Society of Clinical Pharmacology and Therapeutics
雑誌
臨床薬理 (ISSN:03881601)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.725-730, 1996-12-31 (Released:2010-06-28)
参考文献数
7
被引用文献数
2 2

We performed a pharmacoepidemiological study on the effect of different types of questionnaires on coughing and the prevalence of this symptom in out-patients taking angiotensin converting enzyme inhibitors (ACEI) in Fukui Medical School Hospital.The following three types of quentionnaires were prepared:Type 1 ; Questionnaire asking whether the patient has a cough or no after implying that ACEI might cause this symptom.Type 2 ; Questionnaire on the general adverse effects of ACEI, including coughing.Type 3 ; Questionnaire on the general adverse effects of ACEI other than coughing.All questionnaires included a blank space in which the patients were asked to write any adverse effects. The patients were randomly divided into three groups. Each group was given one of the three questionnaires. In the type 3 questionnaire, no patient com-plained of coughing. The prevalence of cough was higher in type 1 questionnaire than in type 2 quetionnaire patients. These results indicate that the prevalence of adverse effects varies greatly depending the type of questions in the questionnaire.
著者
長谷部 佳世子 長谷川 明子 井口 敏子 大月 洋 渡邊 好政
出版者
JAPANESE ASSOCIATION OF CERTIFIED ORTHOPTISTS
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.115-118, 1994-12-31 (Released:2009-10-29)
参考文献数
3

眼精疲労の治療予後を左右すると思われる要因について検討するために,1990年1月から1992年12月の3年間に眼精疲労症状を主訴として当科を受診した215例を対象に,眼位ずれの有無で2群に分類し,初診時の年齢と他科領域の疾患を合併する割合を比較した.さらに,アンケートによる治療予後の追跡調査をおこなった.その結果,1.眼位ずれのない群では,眼位ずれのある群に比べて,40歳以上の者が有意に多く,他科領域の疾患を有する者も有意に多かった.2.眼位ずれのある群の方が,治療予後が良好であった.3.予後不良例では,肉体的・精神的ストレスを感じている例や,体調と眼の調子が関係あると感じている例が多かった.以上のことより,眼精疲労患者の治療においては,個々の症例の環境や他科領域の疾患に注意を払う必要があると思われる.
著者
武智 研志 古手川 明里 千石 莉音 西隅 勇翔 谷川 愛采 和田 真志 本橋 直人 高取 真吾 柴田 和彦 難波 弘行
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.142, no.8, pp.875-882, 2022-08-01 (Released:2022-08-01)
参考文献数
21

We investigated a situation of passive smoking and its damaging effects among high school students. Urine cotinine concentration was measured and quantified. Additionally, we evaluated the awareness of passive smoking and smoking regulations in high school students, and the educational effect on passive smoking using a questionnaire survey and educational videos produced by high school students. We conducted a self-reporting questionnaire survey with high school students before and after watching the video produced by the high school students. We gathered the scores of the Kano Social Nicotine Dependence Questionnaire (KTSND) and awareness of smoking restrictions. Consent was obtained through the questionnaire before watching the video and collecting urine samples. Urine cotinine concentrations from 54 samples were evaluated and indicated within the low value. The KTSND score significantly decreased for those who responded to both questionnaires, after watching the video. Furthermore, analysis of the KTSND questionnaire items showed a significant decrease in scores for lifestyle, stress, and smoking location. This suggests that the video produced in this study has a certain amount of educational effect on passive smoking and that the student-led educational method is effective. The survey using the KTSND revealed that there were some students who were not exposed to passive smoking, but instead had high smoking tolerance. Going forward, it will be necessary to promote education on passive smoking and smoking prevention by incorporating the video lecture and urine cotinine concentration was measured, as in this study, to encourage behavior that decreases passive smoking among high school students.
著者
小早川 明良 藤田 成俊 伊藤 泰郎
出版者
特定非営利活動法人社会理論・動態研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

一般的に広く存在する被差別部落が屠畜・精肉、製靴などの皮革産業、竹細工と深く関係しているという考え方は、たんなるステレオタイプに過ぎない。その考え方が国民の間に形成されたことは、「科学的研究」の責任の一端がある。明治の初めから、これらの産業・職業の主要な位置を占めたのは、非被差別部落の経営者であり、労働者であった。現在では、被差別部落の人びとは、その立場は弱くてもそれぞれの地域の産業構造に組み込まれ、生産の一翼を担っている。被差別部落にあって、非被差別部落にない産業・職業は一切存在しない。これが研究の結果である。
著者
日本 PDA 製薬学会 電子記録電子署名委員会 クラウド CSV グループ 荒井 健太郎 荒木 澄江 石川 明水 稲葉 光治 荻本 浩三 杉浦 明子 坪田 浩之 峠 茂樹 西山 宇一 平野 勝久 古市 正 前田 豊
出版者
一般社団法人日本PDA製薬学会
雑誌
日本PDA学術誌 GMPとバリデーション (ISSN:13444891)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.25-122, 2016 (Released:2016-12-20)
参考文献数
7

It could be worthwhile to make proposals related to practical methods for CSV of cloud-based GxP business systems, given that any guidelines for CSV of those systems have not yet been issued by the Ministry of Health, Labor and Welfare. In this study, we will show development activities, verification activities and a supplier audit, all of which our group experienced, for a SaaS-type electric document management system for GxP businesses, leading to an attempt to share the best practices in CSV of cloud-based GxP business systems. The feasibility of our proposal related to the CSV life-cycle management of cloud-based GxP business systems at the previous PDA Japan Annual meeting will also be discussed in this study.
著者
関原 成妙 福留 奈美 早川 文代 品川 明
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成29年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.102, 2017 (Released:2017-08-31)

【目的】硬水では良いだしが取れないことは日本の料理界で常識とされる。うま味を含めた5つの基本味の感じ方は水の違いによってどのように変化するのか、本研究では5つの基本味の感じ方の違いを水の硬度の違いと関連づけてとらえることを目的とした。また五味識別テストを行う際の水溶液濃度を味質別に設定する必要性についても検討した。【方法】五味識別テストを市販の飲用水を用いて行うことを想定し、ボトルドウォーター3種(硬度が異なるミネラルウォーター2種と純水)を選んだ。ISO8586のパネリスト選抜基準および訓練テストの濃度を参考に予備実験を行い、甘味(ショ糖)、塩味(NaCl)、酸味(クエン酸)、苦味(無水カフェイン)、うま味(グルタミン酸ナトリウム)の水溶液の濃度を4段階に設定した。18-22歳の都内女子大学の学生24-29名を対象に2016年3-7月に3点識別試験法で官能評価を行った。水別、濃度別に有意差検定を行い、結果をもとに五味識別テストにおける水溶液濃度の設定についての検討を行った。【結果】識別できた人の割合は、うま味については硬度が高い水の方が高く、酸味については硬度が低い水の方が高い傾向が見られた。低濃度の水溶液では、うま味は純水で、酸味は硬度の高い水で有意差が出る傾向にあり、うま味と酸味の味質の感じやすさと水の硬度の違いに逆の傾向が見られた。甘味、塩味、苦味については水の硬度段階の違いによる一定の傾向は見られなかった。以上より、うま味と酸味の感じ方は特に低濃度で水の硬度の違いによる影響を受けるため、五味識別テストを行う際には、テストの目的に応じて呈味物質の濃度や水について十分に検討する必要があることが示唆された。
著者
松下 浩一 小宮山 恆 細川 明
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.190-194, 1993 (Released:2011-03-05)
著者
早川 明夫
出版者
文教大学
雑誌
教育研究所紀要 = Bulletin of Institute of Educational Research (ISSN:09189122)
巻号頁・発行日
no.16, pp.111-119, 2007-12-01

3代将軍徳川家光によって制度化されたとされる参勤交代のねらいは、大名の経済力・軍事力を抑制・削減して幕府に反抗できないようにするためである、こうした理解が教育現場に相当定着している。しかし、学会においてはこのような見方は一般的ではない。参勤交代が、大名にとって大きな経済的負担となっていたことは事実である。しかし、これは参勤交代の結果であって、この制度が設けられた目的ではない。そこで、先学諸氏の研究成果を踏まえて、現行の小中高の教科書には、参勤交代についてどのように記述されているのかを調べ、参勤交代の授業における留意点を示してみたい。
著者
畑 明美 南光 美子 長谷川 明子 AKEMI HATA YOSHIKO NANKO AKIKO HASEGAWA
雑誌
京都府立大学学術報告. 理学・生活科学 = The scientific reports of the Kyoto Prefectural University. Natural science and living science (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.63-71, 1986-11-15

キュウリ, ナス, キャベツを用いて塩漬け及び糠漬けを行い, 漬け込み後経日的にpHの変化並びに無機成分の挙動を調べた。1.塩漬け, 糠漬けのいずれの場合も, 漬け材料, 糠床及び漬け汁ともに経日的にpHは低下した。2.塩漬けのキュウリ, ナス及びキャベツ中のNa含量は経日的に増加したが, キュウリ, キャベツ中のMg, Ca, K含量は減少するのに対し, ナス中では増加することが認められた。3.糠漬けのキュウリ, ナス及びキャベツ中のNa及びMg含量は増加し, Ca含量は減少した。また, ナス中のK含量は漸増したが, キュウリ, キャベツ中では減少する傾向が認められた。
著者
鴨川 明子
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2007

制度:新 ; 文部省報告番号:甲2501号 ; 学位の種類:博士(教育学) ; 授与年月日:2007/10/2 ; 早大学位記番号:新4618
著者
櫻井 秀彦 恩田 光子 高木 美保 中川 明子 我藤 有香 荒川 行生 早瀬 幸俊
出版者
医療の質・安全学会
雑誌
医療の質・安全学会誌
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.3-21, 2011

<B>目的</B>:保険薬局に勤務する薬剤師と事務職の組織や職務に対する意識と安全意識を調査し,それらの関連性を職種や他の属性で比較検討した.<br><B>対象と方法</B>:関西圏に基盤を置くチェーン薬局41店舗でアンケート調査を実施した.非管理職の薬剤師(n=180)と事務職(n =127)を対象とし,組織や職務に関する30の質問項目とミス対策などに関する38の質問項目を設定,それぞれ5件法で回答を求めた.職種別に因子分析を行い,抽出された因子を比較検討した後,共分散構造分析と重回帰分析で組織や職務に対する意識と安全意識の関連性について検討した.重回帰分析では,過誤対策委員経験の有無や雇用形態による影響を,ダミー変数を用いて確認した.<br><B>結果</B>:因子分析では,組織や職務に関する設問から5因子が,安全意識に関する設問から5因子が抽出された.薬剤師と事務職では因子の構成項目が若干異なった.共分散構造分析では,薬剤師と事務職ともに組織や職務に対する意識が安全意識に影響を与えていることが明らかとなった.重回帰分析では個々の因子およびダミー変数で影響に違いがあることが明らかとなった.<br><B>考察</B>:安全意識を高めるためには,まず良好な職場風土を醸成し,組織への評価を高めること,次いで職種,雇用形態,過誤対策委員の経験の有無などの違いを考慮した組織管理姿勢を検討する必要性が裏付けられた.
著者
谷川 明男
出版者
Arachnological Society of Japan
雑誌
Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.31-47, 1989 (Released:2007-03-29)
参考文献数
21
被引用文献数
7 9

現在まで, 日本産の Larinia 属としては, コガネグモダマシ L. argiopiformis BÖSENBERG et STRAND のみが知られていたが, 新たにネッタイコガネグモダマシ (新称) L. fusiformis (THORELL), ミナミコガネグモダマシ (新称) L. phthisica (L.KOCH), キタコガネグモダマシ (新称) L. jeskovi MARUSIK の3種の分布を確認し, ムネグロコガネグモダマシ (新称) L. onoi とセキグチコガネグモダマシ (新称) L. sekiguchii の2新種を記載した。これにより日本産の Larinia 属は6種となった。
著者
森川 明 冨岡 正雄 佐浦 隆一 尾谷 寛隆 松岡 雅一 大垣 昌之
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.267-274, 2019 (Released:2019-08-20)
参考文献数
17

【目的】災害時リハビリテーション支援活動を振り返り,今後の課題を考察する。【方法】東日本大震災と平成28 年熊本地震のそれぞれ異なる3 つのフェーズの支援活動に理学療法士として参加した。【結果】避難所内外での環境調整や生活不活発病の予防,日常生活動作指導,仮設住宅での新たなコミュニティ立ち上げの支援,地域リハビリテーション資源への移行など発災後のフェーズにより必要な支援が異なり,今後の課題も異なるものがあった。【結論】災害時リハビリテーションの歴史は浅く,経験者も少ないので人材育成が必要である。組織的な対応は大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会が担うようになったが,大規模災害になればさらなる組織的な活動が求められ,そのための準備が必要である。そして,復興期の地域リハビリテーションへの円滑な移行のために,平時からの地域リハビリテーションの充実とリハビリテーション関連専門職の災害時リハビリテーション支援への関与が大切である。
著者
宇野 浩生 土本 俊和 笹川 明
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.68, no.563, pp.155-162, 2003
参考文献数
47

This paper traces some links between typology and location of NOH-stages (NOHBUTAI) in Wakasa. Typology depends upon four ; (1)plan, (2) space division of the main stage (HON-BUTAI) and the back stage (ATOZA), (3) orientation of NOH-stage and the shrine (SYADEN), (4) site plan of NOH-stage and the shrine. NOH-stages located near Obama, the historical center of Wakasa, had some similarities to that of urban NOH-stages. The similarities between the tow decreased in proportion to the distance from the center. It means that NOH-stages in Wakasa were not independent from urban ones but were deprived from urban ones.
著者
中川 明博
雑誌
人文 (ISSN:18817920)
巻号頁・発行日
no.9, pp.73-96, 2011-03-28

「三宅剛一差出・田辺元宛書簡」は、昭和期を代表する哲学者三宅剛一(1895 ~ 1982 年)が、母校京都大学の恩師田辺元(1885 ~ 1962 年)に宛てた書簡を、ご遺族の了解の上翻刻し、必要な校訂を加えたものである。書簡は1924 年から田辺の死の3 年前の1959 年までの間に投函されたもので、それは三宅の東北帝国大学助教授時代から、ドイツ留学、戦後の京都大学教授時代を経て、昭和30 年代の学習院大学教授時代に及ぶ。 これらの書簡は、東京教育大学教授、学習院大学教授を歴任した哲学者下村寅太郎博士(1902 ~ 1995 年)が生前保管していたものである。下村の膨大な遺品に含まれていた多数の田辺元宛書簡類のうち、三宅剛一差出の全15 通が本書簡である。 本書簡を通じて、私たちは日本を代表する二人の哲学者の間に育まれた知的交流の一端を伺い知ることができるだけでなく、時に率直に師の意見を求め、忌憚なく師の思想を批判する文面から、三宅剛一における哲学的態度のあり方を見て取ることができるだろう。
著者
相馬 武久 安川 明男 甲斐 一成
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.89-93, 2002-02-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
21
被引用文献数
2 1

本邦の家庭猫における猫免疫不全ウイルス (FIV) 抗体, 猫白血病ウイルス (FeLV) 抗原および猫コロナウイルス (FCoV) 抗体の陽性率を検討した. 胸・腹水貯留により猫伝染性腹膜炎 (FIP) が疑われた症例でのFIVとFeLVの陽性率はそれぞれ26.3%, 36.8%で, 健康猫 (FIV9.3%, FeLV8.1%) に比べ高い値を示した. 上部気道炎を呈する症例でのFIVとFeLVの陽性率はそれぞれ35.7%, 21.4%で, 健康猫に比べ高い値を示した. 以上の成績から, FIVやFeLVの感染がFIPや呼吸器感染症の顕性化の一因である可能性が示された. 一方, 健康猫におけるFCoVの陽性率は47.7%と, FIV, FeLVに比べ高く, FCoVの野外での伝播力の強さがうかがわれた. また, 貧血症例が66.7%ときわめて高いFeLV陽性率を示したことから, 貧血を伴う症例においてFeLV検査は不可欠な診断手段であることが示された.