著者
石榑 督和 木村 真慧 伊藤 裕久
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.87, no.795, pp.936-946, 2022-05-01 (Released:2022-05-01)
参考文献数
2

This thesis clarifies the spatial structure of the Shinsei-shotengai and the transition of its operators based on the historical documents left behind by Yoshimura Shokai, the company that built and leased the market. Looking at the construction process of the Shinsei-shotengai and its relationship with land ownership, it became clear that Yoshimura Shokai, the builder of the Shinsei-shotengai, was in charge of adjusting the relationship of rights. The characteristic wooden building with strip windows was read from a structural perspective. We found that 60% of the tenants in the Shinsei-shotengai had been replaced in less than three years.
著者
木村 真人
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.186-201, 2017-03-30 (Released:2017-09-29)
参考文献数
77
被引用文献数
5

高等教育がユニバーサル化段階に入り,在籍する学生の多様化とともに,学生支援に対するニーズも多様化している。それとともに,教育の一環という理念に基づき,学生相談は高等教育機関において果たす役割や期待が高まっている。その一方で,学生相談活動において,悩みを抱えていながらも相談に来ない学生への対応が多くの大学における必要性の高い課題となっている。そこで,本稿では学生相談活動実践における必要性の高い課題である悩みを抱えていながら相談に来ない学生の対応について,援助要請研究の視座から検討した。まず先行研究を概観し,援助要請に関連する知見の不一致および実践活動に向けては,援助要請行動のプロセスおよび計画的行動理論を援用することの有用性を示した。次に,悩みを抱えていながら相談に来ない学生への対応に向けて,学校心理学の枠組みに基づく,学生支援モデルを提案した。最後に,援助要請研究の視座から見た,大学における学生相談・学生支援の研究および実践における課題と展望を示した。
著者
木村 真三 三浦 善憲 クマール サフー・サラタ 遠藤 暁
出版者
獨協医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、経済的・政治的理由からチェルノブイリ汚染地域に取り残された住民の健康影響を調査するため環境放射能調査、食事調査、罹患率調査を行った。その結果、事故当時、土壌汚染レベルから空間線量率は350μSv/h~5μSv/hと推定された。内部被ばくの汚染ルートは、牛乳、キノコ、ベリー類であり、僅かではあるがパンも汚染源のひとつであった。また、これらの地域では汚染度の違いにより、汚染が高いほど妊婦の貧血が有意に上昇していることが確認された。
著者
木村 真梨
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.53, no.7, pp.699-701, 2017 (Released:2017-07-01)
参考文献数
22

近年鍼灸の臨床効果が世界各国で科学的に解明されようとしている。うつに対する鍼灸治療の効果としては筋緊張の緩和、免疫の活性化、前頭葉の活動や自律神経の調整、オキシトシンの分泌を促し、セロトニンの分泌を増加させる等、不安やストレス軽減にも寄与することが明らかになってきた。本稿では、最近の鍼灸の基礎・臨床研究の現状を紹介するとともにうつに有効なツボや東洋医学の理論について概説する。
著者
松木 祐馬 向井 智哉 近藤 文哉 金 信遇 木村 真利子
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.17-19, 2020-04-27 (Released:2020-04-27)
参考文献数
3
被引用文献数
1 1

This study examined the relationship between images of religious believers and tolerant attitudes toward them. A questionnaire was administered to 220 respondents via a web survey. Exploratory factor analysis revealed that images of religious believers consisted of three factors: “mentally vulnerable,” “pious,” and “virtuous.” Furthermore, hierarchical multiple regression analysis indicated that, regardless of whether the respondents were themselves religious or not, virtuous images were associated with tolerant attitude toward them. In contrast, the relationship between mentally vulnerable and pious images and a tolerant attitude was different, depending on respondents’ religiousness.
著者
木村 真人
出版者
一般社団法人 日本総合病院精神医学会
雑誌
総合病院精神医学 (ISSN:09155872)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.2-10, 2011-01-15 (Released:2014-10-11)
参考文献数
31

わが国における脳卒中患者は,致死率の低下と高齢化に伴って増加を続けている。脳卒中後の後遺症として,うつとアパシーは非常に頻度が高く,脳卒中患者のQOLに大きな影響を及ぼす。精神症状を引き起こす病変部位や病態生理学的メカニズムについては,いまだに議論が続いている重要な課題である。脳卒中後うつ病の抗うつ薬治療によって,ADLや認知機能ばかりでなく,生存率までも改善させることが示されており,適切な診断と治療は非常に重要である。また,抑うつ心性を伴わないアパシーが本来のアパシーと考えられ,その場合には,SSRIのような抗うつ薬よりもドパミン作動薬などが有効であり,休養よりも活動的・行動療法的アプローチが必要になる。今後,脳卒中後患者に対してはチーム医療による対応とともに,適切なケアと援助を提供できるような地域ネットワークの構築が望まれる。
著者
渡邉 映理 木村 真理 クフタ ケニー 亀井 勉 今西 二郎
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.107-115, 2013 (Released:2013-10-30)
参考文献数
15
被引用文献数
1

【目的】本研究では,パーソナルコンピュータ (PC) 作業者に,精油を用いた芳香浴を行った.PC 作業を行いながら様々な種類の精油を吸入し,生理,心理,免疫学的パラメータの変化と,心身の疲労軽減の有無について包括的に検討した. 【デザイン】ランダム化クロスオーバー比較試験 【方法】対象者は,平均年齢 22.38 ± 1.30(範囲 21–24)歳の健常男子 8 名であり,試験は京都府立医科大学倫理審査委員会の承認下で行われた.対象者は条件により異なる香りを吸入しながら 120 分間の PC 作業を行った.前後で 10 分間の安静状態を保ち,生理,心理,免疫学的機能を評価した.試験は異なった日に 6 条件(香りなし,グレープフルーツ,真正ラベンダー,ペパーミント,ブレンド A,ブレンド B)で行った. 【結果・結論】精油が PC 作業者の自律神経系,免疫系,心理に影響を及ぼしており,精油の種類によっても生体反応が異なることが示唆された.なかでも特に,ペパーミント精油に疲労軽減効果があることが示された.
著者
白石 久二雄 サフー サラタ・クマール 幸 進 木村 真三
出版者
独立行政法人放射線医学総合研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2003

1986年のチェルノブイリ事故は世界に与えた環境汚染程度ならびにその後の放射線被ばくによる健康影響についても大きなインパクトをのこした。多くの研究が実施され結果も報告されているが、本研究では汚染地域を含むウクライナ国民の健康維持の観点から、放射性核種ならびに非放射性核種の摂取量について研究し、他の要因との関連性を、特に"住民の元素摂取量"に関連した健康影響因子に関して調査・解明を現地研究者と共同で行った。食事試料は陰膳方式で約300試料をウクライナ全国(25洲)から収集した。牛乳等の主要食品試料も収集した。試料は化学処理後、微量元素(I, U, Th, Co, Cs, Sr, Rb, Ba, Tl, Bi等)並びに主要、中間元素(Na, K, Ca, Mg, P, Fe, Mn, Cu, Zn等)をICP-MS(誘導結合プラズマ・質量分析法)ないしICP-AES(誘導結合プラズマ・発光分光法)にて定量した。灰化した試料については放射性核種(^<134>Cs, ^<137>Cs, ^<40>K等)の分析をγ-スペクトロメータで測定した。ウクライナ人の一日摂取量はBa O.51mg, Bi O.37μg, Br 3.Omg, Ca O.70g, Cd 8.0μg, Co 9.7μg, Cr 113μg, Cs 3.8μg, Cu O.70mg, Fe 7.9mg, 145μg, K 2.9g, Mg O.25g, Mn 2.3mg, Na 4.1g, P 0.99g, Pb 33μg, Rb 2.2mg, Sr 1.9mg, Tl 0.37μg, Zn 6.6mg, ^<60>Co ND-0.28 Bq, ^<134>Cs N.D.-0.59Bq, ^<137>Cs 0.5-570 Bq, ^<40>K 89 Bq, ^<226>Ra N.D.-11mBq, ^<232>Th 2.1mBq, ^<238>U 12mBqであった。日本人や世界の報告値と比較すると、Br, Cu, I, Mn, Znの摂取量が低い。元素間の相関を調べた所、高い相関を示す物もあり、環境汚染時を含めた食物連鎖における元素挙動の観点から重要である。興味が持てる。ウクライナには克山病やモリブデン毒等の著名な風土病はみあたらないが、特に、ヨウ素摂取量は栄養所要量、100μg以下であり、平素からの欠乏状況とチェルノブイリ事故の甲状腺異常との因果関係があると推察された。これらの精度の高い莫大なデータはウクライナの研究者から重要なデータとして賞賛を受けた。今後の事故対策、栄養・医学研究に役立つ基礎データを本研究で提供することができた。
著者
神馬 征峰 木村 真三
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

原子力災害後、被災者はどのような心理社会的健康影響を受けるのか。日本でも世界でも学術的研究は少なく、その影響要因はほとんど明らかになっていない。本研究では、2011年3月に発生した福島第一原発事故の現場で、質的・量的調査の両手法を用いて、その要因を特定する。「放射線による健康不安」に着目し、一人ひとりの被災者や避難者が抱える不安を具体的かつ系統的に把握できる尺度(質問票)の開発を行うのが最初の目的である。次に、開発された尺度によって、精神健康指標をはじめとする健康状態と健康不安との関連を探索する。今後、原子力事故を含む同様の複合災害が発生した場合にも起こりうる心理社会的影響の予防や長期化した時のあり方について具体的に提言することを目指す。本研究は、三段階で構成される。1) 「放射線による健康不安」を把握するための尺度開発にあたり、質的手法を用いて被災者のインタビュー調査を行い、情報収集を行う。2) インタビュー調査で得られた内容に基づき、福島版「放射線による健康不安」尺度の開発を行う。3) 更に、開発された尺度を用いて、精神健康指標をはじめとする健康状態との関連を探索する。研究初年の26年度においては、避難生活を続ける高齢者を主な対象として、インタビュー調査を実施した。27年度においては、別の対象(母親、子供等)にインタビューを実施しながら、入手した情報の整理を行い、尺度開発を進めている。28年度においては、インタビューで得られた内容を、チェルノブイリ原発事故被災地のウクライナで開発され、使用されている「放射線被ばくによるPTSD尺度」及び、その他関連のある尺度等を参考に福島避難者用の尺度の作成を行った。29年度においては、国内での調査の一部を実施。また、尺度が長期的に使用可能かを調査するため、チェルノブイリ原発事故被災地における聞き取り調査を実施した。
著者
植田 康孝 木村 真澄
雑誌
江戸川大学紀要 = Bulletin of Edogawa University
巻号頁・発行日
vol.27, 2017-03-31

日本人は,鉄腕アトム,ドラえもんなど,いつの時代も人間そっくりのヒト型ロボットに憧れて来た。そして,その憧れは,近年,技術革新が著しい人工知能へと結び付く。人間のように動き,時に感情まで持つアンドロイド(ヒト型ロボット)は様々なSF マンガに登場するため,今やエンタテインメントには欠かすことが出来ない存在になっている。鉄腕アトムやドラえもんといった,ロボットを題材としたアニメが人気となった日本では,特にヒト型ロボットの研究が先行して来た。コミュニケーションが出来るヒト型ロボットは海外でも需要が高い。日本以外にも少子高齢化に悩む国では新たな労働力が必要となるためである。サービス業でロボットを利用すれば,生産性を向上して経済成長を促すことが出来る。日本は,福島第一原発,少子高齢化に伴う健康・医療,介護,労働力不足,地方経済の疲弊など数多くの課題を抱えるが,課題解決するためには人工知能(ロボット)の活用が不可欠である。課題先進国であるからこそ,人工知能の開発が進むチャンスである。 問題となるのは,ロボットが獲得する「自律知」である。人間が作り出す人工知能を搭載する最新のロボットは果たして「心」を持つことが出来るのか。「感情」や「自意識」を持った「人格」がロボットに宿るのか。議論の分かれ目は「感性」や「意識」,そして「精神」や「魂」といったある種の神秘性をロボットが持てるか,それともそれらがロボットには欠落するか,という点に尽きる。この問題は,ハリウッドのSF 映画における見方と日本アニメ文化の見方で大きく分かれる。西欧キリスト教文明では,心を持つのは人間だけに限定され,動物には心はないと考える。ましてやロボットのような無機物の「魂」には「心」も「魂」もないと考える。一方,日本人は,路傍の石やモノノケなど森羅万象あらゆるモノに「モノの気」があると考えて来た。もちろん森羅万象の「気」「魂」「心」「意識」「自我」には様々な階層があるが,自然に対するそのような見方の下では,人間以外の存在も「心」や「魂」を持てることを,日本人は自然に受け入れることが可能になっている。 「ドラえもん」や「鉄腕アトム」のような「自律知」を持った「汎用人工知能」を実現するためには,2つの問題を解決しなければならない。人工知能のシステムに価値観を「植え付ける」という技術的問題と,その価値観はどういうものにするべきかという倫理的問題である。道徳論はいわば,人類の永遠のテーマとして扱われて来た。何千年も前から議論が続いているが,私たちはいまだ道徳論に対する「正解」を見つけられずにいる。汎用人工知能として日常生活に溶け込むロボット「ドラえもん」にどのような倫理観を植え付けるべきかという正解を見つけることは,今後ともに議論の余地を残す。軍事ロボットを開発する米国や中国と異なり,ロボットを平和用途に限定して用いる日本が果たすべき役割は大きい。いつの時代も問われているのは人間の倫理観である。
著者
押切 志郎 稲波 悠季 菅原 身奈 木村 真一 平山 訓之 八木 一正
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.252-254, 2006

「見えないものをよりわかりやすく」このことは物理実験を行う上で非常に重要になる。見えないものを視覚化することで,原理というものがより簡単に理解できるようになるからである。本研究室では,「空飛ぶみそラーメン実験装置」などと名付けた風を送るデモ実験装置などを開発してきた。そして,それらを使い,身近にあるスズランテープで風の流れを見やすく工夫をしたところ,これまで見えないはずの様々な空気の流れの様子が簡単に見えてくることがわかった。その研究の概要を紹介する。
著者
今中 哲二 川野 徳幸 竹峰 誠一郎 進藤 眞人 鈴木 真奈美 真下 俊樹 平林 今日子 高橋 博子 振津 かつみ 木村 真三 七沢 潔 玉山 ともよ
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

代表者の今中は以前よりチェルノブイリ原発事故の調査を行ってきた。福島原発事故の長期的問題を考えるため、広島・長崎原爆被害やセミパラチンスク核実験被害の調査を行っている川野徳幸、マーシャル諸島での核実験被害調査を行っている竹峰誠一郎らとともに、原子力開発がはじまって以来世界中で発生した様々な核災害の後始末について調査を行った。核災害は、放射線被曝や放射能汚染といった問題にとどまらず、社会的に幅広い被害をもたらしており、その多くは災害が起きてから50年以上たっても解決されないことが示された。得られた成果は2017年11月12日に東京で開催した報告会で発表し、12編の報告を含むレポートにまとめた。
著者
木村 真三
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会 第40回日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.1104, 2013 (Released:2013-08-14)

放射線影響とは,放射線により物質が電離される際に電子軌道より飛び出した自由電子によって細胞やDNAを傷つけることで生じる様々な障害を総称する言葉である。放射線被ばくを考えた場合,外部から放射線にさらされた場合と放射性物質が生体内部に取込まれた場合では,影響が異なるのか否か,まだまだ不明な点が多いのも放射線の難しさのひとつと言える。チェルノブイリでは事故から27年が過ぎた現在でも,汚染地域では汚染食品による内部被ばくが続いている。我々の調査では,高濃度の汚染食品を食べて生活している30歳代男性で58,000ベクレル,預託実効線量に換算して5.2ミリシーベルトだった。近年ウクライナの報告では,心疾患や閉経後の女性の甲状腺がんの増加などが報告されている。科研費番号22406019 H22年度~H24年度「チェルノブイリ被災地をモデルとした原発解体作業に伴う被ばく影響の基礎的研究」(研究代表者 木村真三)でも,成人を対象とした調査結果から,国際疾病分類表ICD-10のカテゴリーより,妊娠,分娩および産褥(単胎自然分娩を除く)等において土地の汚染度と上記疾病に関して有意な値が示された。一方,東京電力福島第一原発事故では,事故発生より3日目には福島県内に入り環境調査を進めながら,高線量地域と知らされずに避難していた浪江町住民を再避難させるなど,事故当初から福島県内の実態を明らかにしてきた。今回は,演者が健康アドバイザーを務める二本松市の外部被ばく,内部被ばくについて報告する。現在の二本松市では,明らかに内部被ばくをしている市民は0.5%程度であり,食事コントロールが成功しているが,事故から2年が過ぎ,市民の危機意識も薄らいで来たために,僅かながら内部被ばくを呈する市民が増え始めている。また,外部被ばくは,H23年度とH24年度の推定年間被ばく線量に変化がなかった。
著者
渡邉 映理 木村 真理 今西 二郎
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.9-16, 2013 (Released:2013-04-13)
参考文献数
13

目的:心理,生理,免疫指標等により,緑茶飲用効果を包括的に評価すること. 方法:試験デザインは無作為化クロスオーバー試験とした.対象者は,パソコンによる疲労負荷作業を 120 分間実施した後,抽出した緑茶または水を飲用した.試験開始時,疲労負荷作業後,緑茶または蒸留水飲用 30 分後の 3 回で,採血,事象関連電位測定,質問紙記入を実施し,比較した.心拍測定を行い,HF, LF/HF 値の平均を算出した. 結果:疲労状態の時に緑茶を飲用すると,飲用 30 分で,副交感神経が優位になり,注意力が改善され,NK 活性が一時的に上がり,自覚的な疲労,特に精神疲労が回復するという効果が示唆された. 考察:本研究によって緑茶の疲労回復効果を心理,生理,免疫指標により包括的に示すことができた.このことから,緑茶は,疲労回復に有用な飲料と考えられる.