著者
満保 正喜 深見 哲男 岡田 敏美 長野 勇 木村 磐根
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.80, no.5, pp.416-423, 1997-05-25
被引用文献数
8

夜間, ロケットを用いて地上にあるVLF局と中波放送局のそれぞれの磁界強度を観測すると共にラングミュアプローブ(DCプローブ)電流を計測し, 合わせて中波のドップラー観測も行った. E層中にVLF波磁界強度の定在波分布や中波の正常波, 異常波成分が観測された. そしてDCプローブ電流を参照して, これらVLF波や中波の観測値とフルウェーブ計算による理論計算値が合うよう電子密度ならびに電子の衝突回数の高度分布を修正・推定した. このようにしてVLF波の磁界強度分布から電子密度をE層下部から上部にかけて推定し, 弱いEs層が数層あることがわかった. また, 中波のドップラー観測によりE層上部にわたる電子密度の推定に成功すると共に異常波の上昇波の強度成分から地上110 km前後における電子の実効衝突回数の値も推定できた.
著者
木村 凡
出版者
東京海洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

日本では、最近、明太子、イクラなど非加熱で食べる水産食品の一部がL.monocytogenesにより汚染されている実態が報告され、申請者らの最近の研究でも確認されている。本研究では、非加熱喫食水産食品に絞り、L.monocytogenesの分布検出調査を実施し、分離した食品分離株の諸性状および水産食品中での増殖性や生存性を調べることにより、水産食品での本菌のリスクに関する基礎知見を得ることを目的とした。平成18年度研究では、汚染実態調査、菌株の分離とともに、基本的な菌株情報を得ることを目的とした。市場流通している水産食品のなかから、すでに実施した調査により高頻度でL.monocyto-genes汚染が認められた明太子、いくら、ネギトロなどについて、網羅的に分布調査、および、菌株の分離を実施した。また、L.monocytogenesの検出は、minividas法(AOAC公認法、免疫法にもとづく)により検出された陽性サンプルについて、鑑別培地塗抹→典型コロニーの同定(公定法に準じた試験に加えてAPI,PCR確認)を実施した。さらに、分離株について血清型、基本的遺伝性状をあきらかにした。平成19年度研究では、平成18年度に引き続き、菌株の病原遺伝子性状等の精査や菌株のタイピング識別法の開発を行なうとともに(病原遺伝子inlAの精査、リステリアの簡易遺伝子タイピング法の開発等)、L.monocytogenesの水産食品中や製造環境等での増殖(ネギトロで5℃保存での増殖試験)や生存性評価(環境でのバイオフィルム形成能試験)への基礎データを得た。これらの結果を踏まえて、水産食品中におけるリステリア・モノサイトゲネスのリスクについての基盤的な知見を整理した。
著者
根来 龍之 國領 二郎 木村 誠 森田 正隆
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

プラットフォームビジネス・サービスについて、理論追求と事例研究の双方について成果を発表した。前者については、メディア機能型PFBと基盤機能型PFBの概念的区分とその融合に関する研究を行った。同時に、上記の理論的研究に基づきながら、事例研究も進めた。具体的には、電子マネー、ソフトウェアビジネス、ゲームビジネス、ネットプロモーションについて、事例研究を発表した。同時に、研究の背景となる情報システムと競争優位に関する研究も進めた。
著者
木村 秀平 肥後 芳樹 井垣 宏 楠本 真二
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J96-D, no.11, pp.2864-2865, 2013-11-01

モジュールの凝集度を高め結合度を下げるために,コード片を適切な位置に移動させるリファクタリングが行われる.このようなリファクタリングの候補を特定するために,従来の手法では静的解析を用いていた.しかし,静的解析を用いる手法は実行時に定まる情報を反映することができないため,特定が困難なリファクタリング候補があると考えられる.本論文では,動的解析によって得られるフェイズ分割を用いてMove Methodリファクタリングの候補を特定する手法を提案する.
著者
木村徳蔵 著
出版者
興文社
巻号頁・発行日
1927
著者
木村 友子 加賀谷 みえ子 福谷 洋子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.110-117, 1992-05-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
10

For the purpose of improving the taste, chicken livers were preserved in raw rice miso, raw soybean miso, cooked rice miso or cooked soybean miso at 5°C for 168 hrs. During the preservation, the properties of chicken livers were examined. The results are as follows.(1) As to the varieties of rice miso, the chicken liver preserved in Shinsyu rice miso contained sligtly more protein, amino-nitrogen and sodium chloride and showed a higher hardness and achieved better evaluation for taste, as compared with that preserved in Saikyou rice miso, though the former was somewhat inferior in color to the latter.(2) The optimal preservation period of the chicken liver in miso was 48 his, regardless of the varieties of miso.(3) The chicken liver preserved in raw soybean miso contained more protein and amino acids, and higher protease activity at pH 5.7, and was superior in color, taste and preservability, as compared with those preserved in the other miso.
著者
副島 雄児 田尾 周一郎 平井 康丸 金山 素平 木村 俊道 堀 優子 井川 友利子 大村 武史 宮嶋 舞美 工藤 絵理子
出版者
九州大学附属図書館
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.34-43, 2013-09

九州大学の全学教育科目「コアセミナー」は,各学部が必要とする初年次教育の実施を目的として設定され,学部ごとに特徴的な内容と方法を取り入れたセミナーが実施されている.今回,特色ある試験的な取り組みとして,九州大学附属図書館との連携によって,コアセミナーへのビブリオバトルの導入を行った.受講学生へのアンケート調査の結果から,「読む」,「伝える」,「聴く」などのスキルアップについての成果,「関心の広がり」,「コミュニケーション力の増加」,「人に対する興味・関心の深まり」などの内面的な側面に対する成果などを見てとることができるなど,初年次教育の教材としての有効性を確認することができた.今回の取り組みは,学部担当教員と附属図書館職員との教職連携による教育現場での実践例として,今後の教育改善や教育開発研究に参考となることが期待される.
著者
山中 弘 木村 勝彦 木村 武史 笹尾 典代 寺石 悦章 松井 圭介
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究は、宗教の適応的変容と再構築の側面を教会や社寺、自然的景観、迫害や殉教が起こった場所など、様々な「トポス」がもつ「聖性」に焦点を当せながら、その変容を、それを促す大きな要因の一つと考えられる「ツーリズム」との関わりのなかで明らかにしようというものである。近代社会における、交通網の発達、テクノロジーの飛躍的発展は、本来的に「聖なる場所」がもっていた限定性、秘匿性を無意味化し、だれでもがそこにアクセスすることを可能にした。とくに、ツーリズムの発展は「場所の聖性」の性格やあり方に容赦ない変更を加え、それを観光の新たな「商品」に仕立て上げようと試みている。長崎県の外海、平戸、五島列島といった地域において、これまでごく少数の人々にとってしか特別な意味をもっていなかったキリシタンの殉教地や聖地さえも、容赦なく「観光のまなざし」に曝されることになったのである。しかし、その過程で、教会や社寺、殉教地などの「場所」をめぐる新たな「語り」や「伝統」を再構築させる契機となっているようにもみえる。それは、沖縄のように、場所の聖性のもっともアーカイック形態である「御嶽」を、沖縄の根本的な宗教・伝統文化という「語り」のなかに包摂することで、自らの文化的アイデンティティを積極的に構築していこうとする試みにもつながっていく。もちろん、ツーリズムはつねに伝統的な聖地を変化させるわけではなく、ツーリズムに密接に関わる関連産業が聖地のもつ「真正性」、「歴史性」を利用して、伊勢神宮の参道に誕生した商店街のように、新たなマーケットの開拓をおこなう場合もある。さらにまた、出雲地域の「神在祭」のように、現代的ツーリズムの影響とは直接関わりなく、祭りとその場所が様々な要因によって歴史的に変化している場合もあり、「場所の聖性」の変容は必ずしも近代的現象でないことは注意する必要があろう。
著者
木村 優志 入部 百合絵 桂田 浩一 新田 恒雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.96, no.5, pp.1356-1364, 2013-05-01
参考文献数
26

音声認識と合成を共通の調音特徴の時間変化モデルを用いて実現するシステムの開発を行っている.この方式は,音声から調音特徴を抽出することにより,調音特徴の時間変化を表現するHMMを構築する.本論文では音声合成に焦点をあて,HMMが生成する調音特徴系列を声道音響パラメータに変換した後,LSPディジタルフィルタで駆動音源と組み合わせて音声信号を得る方式を提案する.提案方式は,話者不変量である調音特徴の時間変化をHMMで表現するとともに,調音特徴から声道音響パラメータへの変換を特定の話者に対応したMLNで実現することにより,両者を独立モジュールとして実装するため,少量の音声試料で特定話者の音声を合成できる可能性がある.評価実験では,MOSテスト,及びスペクトルひずみから合成音の品質を評価し,提案手法の有効性を示す.
著者
春間 賢 隅井 浩治 森川 章彦 上村 直実 忌部 明 木村 学 徳毛 健治 吉原 正治 豊島 仁 井上 和彦 松原 秀樹 梶山 梧朗 松本 隆允
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.86, no.4, pp.851-857, 1989 (Released:2007-12-26)
参考文献数
30
被引用文献数
5 5

胃底腺性過形成性ポリープ (胃底腺ポリープ) の胃酸分泌, 血清ガストリン値および血清ペプシノーゲン1 (PG1) 値について, 健常者と腺窩上皮性過形成性ポリープ (腺窩上皮ポリープ) の値と比較検討した. 胃酸分泌と血清PG1値は健常者と胃底腺ポリープでは差がなく, 腺窩上皮ポリープでは著しい低値を示した. 一方, 血清ガストリン値は, 健常者と比較すると, 胃底腺ポリープではやや低値を, 腺窩上皮ポリープでは著しい高値を示した. さらに, 組織学的な検討とあわせ, 胃底腺ポリープは過形成性ポリープの一つに分類されるが, 胃底腺に高度の萎縮をともなう腺窩上皮ポリープとは異なり, 萎縮のない胃底腺粘膜に発生していることを明らかとした.