著者
板屋 民子 飯島 正雄 斉藤 貢一 正木 宏幸 青木 敦子 斎藤 章暢 安藤 佳代子 徳丸 雅一 坂東 正明
出版者
Japanese Society of Food Microbiology
雑誌
食品と微生物 (ISSN:09108637)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.203-212, 1992-03-20 (Released:2010-07-12)
参考文献数
10

A large number of Photobacterium phosphoreum (6-7 log/g) was isolated from “tamagoyaki” (a kind of nigirisushi; Japanese food) that had been lumineferous in the dark. The isolates were smeared on the surfaces of sliced “tamagoyakis”. After the incubation at 10°C for 48 hr or at 25°C for 24 hr, the surfaces became luminous. It was indicated that this abnormality of “tamagoyaki” was caused by contamination with and multiplication by P. phosphoreum.On the surface of “tamagoyaki”, the bacteria in an early growth phase in such a small number as 4 log/g luminesced. Furthermore, the luminescence was observed when pieces of squid, boiled prawn or “yakichikuwa” (a kind of food made of fishes) with the bacteria were incubated, but not observed on pickled Japanese gizzard shad. Nevertheless the the bacteria grew on the surface of tuna, but no luminescence was observed on it.The bacteria produced a small amount of histamine on squid and tuna (less than 250μg/g), and their ability to putrefy food seemed to be low.The opitmum concentration of sodium chloride for growth of the bacteria in a medium was 3%, but they grew in food containing sodium chloride less than 0.5%. When sodium chloride in the medium was replaced by potassium chloride, calcium chloride, magnesium chloride, ammonium chloride or sodium phosphate, the bacteria were still able to grow but unable to grow when replaced by potassium phosphate or sucrose. The bacteria metabolized arginine by arginine decarboxylase but not by arginine dehydrolase.
著者
坂本 穆彦 廣川 満良 伊東 正博 長沼 廣 鈴木 理 橋本 優子 鈴木 眞一
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.265-268, 2021 (Released:2022-02-22)
参考文献数
18

筆者らの内,筆頭著者より6名は福島県県民健康調査の病理診断コンセンサス会議にて,各症例の病理組織診断を担当している病理医(病理専門医・細胞診専門医)である。福島第一原発事故(2011年3月)後の福島県民健康チェックのための福島県県民健康調査では,チェルノブイリ原発事故後の小児甲状腺癌の多発という教訓を踏まえた任意の小児甲状腺超音波検査などが施行されている。悪性ないし悪性の疑いとされた場合は,必要に応じて手術が勧められる。この県民健康調査については,調査対象の設定が不適切で,不必要な検査が行われている可能性があるという声があり,その立場からは,県民健康調査が過剰診断(overdiagnosis)であると批判されている。この過剰診断という語は病理医や細胞診専門家は良性病変を癌と診断する様な誤診を示す場合のみに用いている。このように,用語や定義の使用法にくい違いがあるままで用いられるため,種々の誤解が生じている。本稿では県民健康調査そのものの是非を論じることは目的としていない。筆者らの意図は,過剰診断および過剰手術/過剰治療についての定義・用法に関しての病理医と疫学者双方に立場の違いがあることを示し,今日の混乱の解決策を論じることにある。
著者
梶田 隆章 内山 隆 大橋 正健 川村 静児 黒田 和明 三代木 伸二 安東 正樹 宗宮 健太郎 森脇 喜紀 麻生 洋一 都丸 隆行 フラミニオ ラファエレ 鈴木 敏一
出版者
東京大学
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2014

本研究では重力波の観測と重力波天文学の創成を目指し、別予算で整備がすすめられた大型低温重力波望遠鏡KAGRAの研究基盤をベースに、熱雑音を最小化する低温懸架システムの開発、極低温鏡急速冷却方法の開発、グリーンレーザーを用いた干渉計の迅速かつ安定な動作状態獲得、新たな信号読み出し法を可能にし、干渉光に含まれる余計なノイズを削減する出力モードクリーナーの開発などを行った。また、レーザー強度雑音の低減、さらに最終的には自動で観測モードまで進む高度なデジタル制御システムの開発を行った。これらの開発された技術を全てKAGRAに組込み、重力波観測運転を2020年2月に開始した。
著者
安東 正樹
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.71, no.9, pp.636-639, 2016-09-05 (Released:2017-01-09)
参考文献数
11
被引用文献数
1

話題重力波望遠鏡を用いた地震速報
著者
伊東 正博 小森 敦正
出版者
独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

チェルノブイリ組織パンクにはこの2年間で約300症例が登録され、計3,000症例の症例集積が進んでいる。被曝甲状腺癌には一つの決まった特徴はなく、被曝形式により形態学的にも分子生物学的にも多様な形態を呈していた。チェルノブイリ地域から発生した小児甲状腺乳頭癌において、被曝の有無により、組織像に差はみられなかった。しかし、ヨード摂取の高い国の症例とは有意に差が存在し、低ヨード摂取は小児甲状腺疵の発生頻度の上昇、潜伏期の短縮、形態形成、浸潤性に影響を及ぼしていることが推察された。
著者
郭 隆璨 竹内 文彦 伊東 正太郎 角家 暁
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.569-574, 1988-06-01

抄録 頭蓋内生理的石灰化のうち頻度の高い松果体部,側脳室脈絡叢,大脳基底核の石灰化について,年齢別,性別,使用機種別頻度などを検討した。対象は頭部単純CTスキャンを行った連続2877例(男性1450例,女性1427例)である。ただし検討部位の病的石灰化例は除外した。使用CTスキャナーは3種(SCN−200, Somatom 2, TCT−10 A)である。全体としては石灰化は松果体部67.7%,側脳室脈絡叢57.6%,大脳基底核7.5%で松果体部石灰化が最も多かった。第1報の本稿では最も頻度の高い松果体部石灰化について詳しく検討した。松果体部石灰化は年齢と密接な相関を有し,加齢と共に増加した。最年少者は8歳で,10歳代前半から30歳代までは急速に増加し,以後ゆるやかに増加を続け,70歳代で81.5%に達し,以後横ばいとなった。20歳以上に限ると75.1%(男性82.6%,女性68.0%)が石灰化を示した。20〜79歳では男性は女性より有意に石灰化が多かった。3種のCTスキャナー別にみた石灰化頻度に差はみられたが,有意ではなかった。スライス厚さ8mmおよび10mmでは有意差はなかった。
著者
和田 英敏 伊東 正英 本村 浩之
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
2019

<p>During an ichthyofaunal survey of southwestern Satsuma Peninsula, Kagoshima Prefecture, Japan, a single pompano specimen (748.0 mm standard length, 814.0 mm fork length) was collected by set net at a depth of 20 m on 24 November 2018. The specimen was subsequently identified as <i>Trachinotus anak</i> Ogilby, 1909, having the following combination of characters: dorsal-fin rays VI-I, 18; anal-fin rays II-I, 16; snout profile essentially straight immediately above upper lip; upper lip separated from snout by a continuous deep groove; a narrow band of villiform teeth on lower jaw; teeth on tongue absent; supraoccipital bone thin and blade-like; nasal and lacrimal bones hyperossified; first supraneural bone an inverted "L" shape; first to third ribs hyperossified; no distinct pattern (e.g., blotches or bands) on lateral body surface; and anal-fin lobe yellow, the anterior margin lacking brownish coloration. Because of the superficial similarity of <i>T. anak</i> to <i>T. mookalee</i> Cuvier, 1832, differentiation between the species sometimes requiring dissection, previous Japanese records of <i>T. mookalee</i> were re-examined. <i>Trachinotus mookalee</i> was confirmed as occurring in Japanese waters, but is known only from a single specimen from Miyazaki Prefecture, east coast of Kyushu, southern Japan. <i>Trachinotus anak</i> was previously known only from Taiwan, northern and eastern Australia, and New Caledonia, the present specimen from Kagoshima representing the first record from Japan and northernmost record for the species. The new standard Japanese name "Yokozunamarukoban" is herein proposed for the species.</p>
著者
東 正訓
出版者
追手門学院大学心理学部
雑誌
追手門学院大学心理学部紀要 (ISSN:18813097)
巻号頁・発行日
no.8, pp.67-87, 2013

投票行動 / 態度-行動関係 / 労働組合員 / 一般有識者 / 判別分析 / 脱原発
著者
伊東 正博 中島 正洋
出版者
独立行政法人 国立病院機構 長崎医療センター・臨床研究センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

チェルノブイリ組織バンクに研究期間の3年間に約1,000例の生体試料の登録がなされ、4,288例の組織登録が完了している。被曝甲状腺癌には一つの決まった特徴はなく、被曝形式により形態学的にも分子生物学的にも多様な形態を呈することを報告した。新規に低ヨード環境の影響、成人症例の検討、FOXE1(TTF2)の変異、53BP1核内フォーカスの解析、microRNA解析を継続的に進めている。
著者
板東 正己
出版者
『大阪青山大学看護学ジャーナル』編集委員会
雑誌
大阪青山大学看護学ジャーナル = Nursing Journal of Osaka Aoyama University
巻号頁・発行日
vol.2, pp.37-45, 2018-03-31

The purpose of this study is to clarify the tendency of the actual situation of mental and physical symptoms "Paternity Blues" (1987, Pruett) which happened to fathers with their new born child.We asked three nursery schools for cooperation and carried out the inventory survey by mailing for 29 fathers. The questionnaire was analyzed by using Feelings Scale toward Child (Hanazawa, 1992), ZungSDS (Self-rating Depression Scale) and Self-esteem FeelingsScale (Yamamoto, et al.1982).The analysis carried out t-test and multiple regression analysis. As a result, parents have female pay attention to their child more than parents having a male child. The rate of depression was higher among children who have sibling then a single child in nuclear families. The relationship between the feelings toward child avoidance and the depressed mental state was accepted、but equilateral recurrence was seen in self-esteem feelings and depressed mental state、and reverse was usually shown.Fathers arrested a child affirmatively and was positive without feelings for mental care participation with burden.However the need of the mental care and support systems construction was shown by increase of the child care participation of fathers in future because it was recognized that self-esteem feelings of fathers with slightly depressed mental state were low.
著者
田和 康太 細浦 大志 露木 颯 長谷川 雅美 佐久間 元成 遠藤 立 安東 正行 松本 充弘 黒沼 尚史 中村 圭吾 佐川 志朗
出版者
応用生態工学会
雑誌
応用生態工学 (ISSN:13443755)
巻号頁・発行日
pp.21-00033, (Released:2022-07-21)
参考文献数
60
被引用文献数
1

コウノトリの採餌環境として着目されている田中調節池において,魚類を対象とした生息状況調査を 2018 年および 2019 年に実施した.また,台風 19 号通過に伴う洪水前後での魚類の分布状況を比較することで,平水時の田中調節池における魚類の生息地としての問題点および今後の配慮方針について検討した.平水時の農閑期(2018 年 12 月)では,支線排水路における魚類の分類群数および個体数は少なく,魚類の全く採集されない調査区も存在した.また,同時期に幹線排水路で確認された魚類が末端排水路ではほとんど記録されなかった.洪水後の農閑期(2019 年 11 月~12 月)には,支線排水路において魚類の分類群数,個体数ともに洪水前に比べて顕著に増加し,洪水前にはみられなかったタモロコやメダカ属等が採集された.また,洪水前には乾燥していた支線排水路も洪水後には湛水され,ドジョウ等の魚類が採集された.洪水後の各支線排水路におけるドジョウの個体数や魚類全体の個体数および分類群数には泥深が正の効果を示し,底泥の柔らかい水路環境が魚類の越冬環境として好適と考えられた.2019 年の農繁期における水田調査では,カラドジョウの繁殖のみが田面で確認された.以上より,洪水によって利根川本川から幹線排水路,支線排水路まで水域が連続し,魚類の分布域が拡大することが示唆された.その一方で,平水時の支線排水路までの連続性は低く,農繁期に多種の魚類が田面まで遡上できないこと,農閑期には支線排水路で魚類が十分に越冬できないことが明らかになった.平水時の田中調節池における魚類の繁殖場所・越冬場所としての機能を高めるためには,特に幹線排水路と支線排水路,そして支線排水路と田面との落差を解消させること,さらに底泥の柔らかい水路区間を積極的に保全し,河道内のワンド等とも連続させることで魚類の越冬場所を確保することが重要と考えられた.その一方で,こうした取り組みによって外来種の分布域を拡大させる可能性があることにも留意し,健全な水域の連続性の確保を目指す必要があるだろう.
著者
伊東 正博 サエンコ ウラジミール 中島 正洋 三浦 史郎
出版者
独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

福島第一原発事故後,若年者の甲状腺スクリーニングは世界で初め実施され予想を越える甲状腺癌症例が発見された。その甲状腺癌の増加が放射線の影響かスクリーニング効果か結論は出ていない。チェルノブイリ事故後に多発した小児甲状腺がんでゲノム解析がなされてきたが、放射線特異的な遺伝子異常は未だ見いだされていない。本研究ではチェルノブイリ症例に加えて、福島第一原発事故後に周辺地域の検診で発見され切除された症例を加え、二つの異なる地域と異なる被曝線量を背景とした若年被曝による放射線誘発甲状腺がんの高リスク分子機構を、ゲノムDNA変異解析に加えエピジェネティックな変異解析の両面から解明することを目的としている。
著者
熊谷 敦史 大津留 晶 SERIK MEIRMANOV 伊東 正博 SAGADAT SAGANDIKOVA DANIYAL MUSSINOV MAIRA ESPENBETOVA
出版者
長崎大学
雑誌
長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.363-366, 2006-09

旧ソビエト連邦カザフスタン共和国のセミパラチンスク核実験場では1949年から1989年まで(1965年以前は地上核実験)計470回ともいわれる核実験が行われた。この地域では約160万人を超える人々が今なお生活を営んでいるとされ,健康影響の調査や支援が必要とされている。さらに1991年の旧ソビエト連邦崩壊による社会基盤の瓦解により一般的なこの地域への医療支援の必要性が高まっていた。1997年の国連総会における同地域への支援決議(169号)を皮切りに日本政府も支援に乗り出し,長崎大学も広島大学などと共に2001年からJICA(国際協力機構)の事業として旧ソ連カザフスタン共和国のセミパラチンスク核実験場周辺地域で癌検診をはじめとして細胞診・病理診断指導などの医療協力を行ってきた。甲状腺はその組織の特性から,放射性ヨウ素の取り込みによる内部被曝の危険が高く,放射線被害による発癌の危険性が高い臓器の一つとされている。実際に,甲状腺癌は日本人被爆者において増加を示し,1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故後には周辺地域で特に小児甲状腺癌が急増した。甲状腺乳頭癌(PTC)の成人例において,特異的かつ高頻度(3〜6割)の遺伝子異常として近年BRAF遺伝子点突然変異(BRAF T1799A)が報告され,遠隔転移や放射性ヨウ素内照射療法への抵抗性との相関性などから予後不良群の指標として注目されている。
著者
伊東 正博 中島 正洋
出版者
独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究期間中、チェルノブイリ組織バンクに5021例の組織登録が完了した。ヨード環境の異なる本邦とチェルノブイリ周辺地域の被曝歴のない成人の甲状腺乳頭癌症例を用いて病理組織学的検討を行った。チェルノブイリ症例では小児、成人とも充実性成分を有する症例が多くみられ、ヨード環境や遺伝的背景の差が形態形成に差をもたらすこと、放射線感受性を考える上で環境因子が重要であることを報告した。また福島原発事故関連の若年症例では、大部分の症例が古典的乳頭癌形態を呈し、BRAF点突然変異が多く、ret/PTC変異を主とするチェルノブイリ症例とは腫瘍形態、遺伝子変異が大きく異なることを明らかにした。
著者
伊東 正人
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.22-26, 2019-03-08 (Released:2019-05-08)
参考文献数
8
被引用文献数
1

ランベルトのW関数は,指数関数を含む超越方程式を解析的に表現するときに使う.大学物理の授業において,ランベルトのW関数が適用できる演習問題をいくつか示し,数理的な要素を含んだ授業ができることを紹介する.特に理系学生が,最初に微積分と出会う「粘性抵抗を受ける質点運動」の問題において,ランベルトのW関数は有効となる.また,懸垂線の導出で有名な「ぶら下げた鎖の形状」の問題において,ランベルトのW関数を使うと鎖のたるみの長さが計算できる.
著者
望月 健太郎 伊東 正英 本村 浩之
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
pp.22-009, (Released:2022-06-03)
参考文献数
26

A single specimen (153.7 mm total length) of large congrid leptocephalus, collected at a depth of 400 m off Kuro-shima Island, Osumi Islands, Kagoshima Prefecture, Japan, was subsequently identified as Congriscus maldivensis (Norman, 1939), having the following combination of characters: 46 lateral-line pores before anus; 149 total vertebrae, including 46 abdominal vertebrae; maximum body depth 27.2% of total length (TL); pectoral fin length 40.6% of head length; highest margin of head profile anterior to pectoralfin base; snout rounded, its tip anterior to tip of lower jaw; maxilla and mandibular teeth conical, uniserial; anterior nostril with short membranous tube, below snout margin; posterior nostril rounded, anterior to eye; posterior end of mouth posterior to vertical through middle of eye; cephalic sensory pores and lateral line developed; anus slightly anterior to middle of body; dorsal, anal, pectoral, and caudal fins present (dorsal-, anal-, and caudal-fin membranes fused); and dorsal fin origin slightly posterior to ventral through pectoral-fin base. A neighbor joining tree based on mtDNA cytochrome c oxidase subunit I (COI) gene sequences placed the specimen within a clade of C. maldivensis, based on previously published sequences, thereby supporting its conspecificity with C. maldivensis. The specimen was tentatively determined as a metamorphic larva, based on the following features: 153.7 mm TL, head length 12.7% of TL, and body opaque, with melanophores around the midline. An Indo-West Pacific species, C. maldivensis has previously been recorded from Tanzania to the Philippines, Wallis and Futuna Islands, and Australia, the present specimen therefore representing the first Japanese record and northernmost record of the species. The new standard Japanese name “Nan’you-okianago” is proposed for the species.
著者
出羽 優凪 伊東 正英 本村 浩之
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
pp.22-008, (Released:2022-06-24)
参考文献数
22

A single specimen [411.5 mm total length (TL)] of the Short-tail Brown Moray Gymnothorax pseudoprolatus Smith, Hibino and Ho, 2018 was collected at a depth of 27 m off Kasasa, Minami-satsuma, Kagoshima Prefecture, Japan. The specimen possessed the following characters: 75 pre-anal vertebrae; 175 total vertebrae; maxillary teeth biserial anteriorly and uniserial posteriorly; dentary teeth uniserial; 6 mandibular pores; head length (HL) 11.1% of TL; pre-dorsal length 8.6% of TL; body depth at gill opening 4.1% of TL; body uniformly brown; and lips whitish. Although G. pseudoprolatus is most similar to Gymnothorax prolatus Sasaki and Amaoka, 1991, it differs from the latter in having a longer pre-anal region (pre-anal length 50.0–53.6% of TL vs. 48–51% in G. prolatus), shorter snout (snout length 17.8–20.7% of HL vs. 20.0–23.8%), 6 mandibular pores (vs. 7), 75–78 pre-anal vertebrae (vs. 79–83), and 169–175 total vertebrae (vs. 182–187). In addition, analysis of the mitochondrial cytochrome oxidase I (COI) gene of both species showed them to be separated by 3.2–3.8% average sequence divergence. Gymnothorax pseudoprolatus has been previously known only from the holotype from Taiwan. Therefore the Kagoshima specimen represents the first record from Japanese waters and the northernmost record for the species. The new standard Japanese name “Chairo-utsubo” is proposed for the species.
著者
木田 仁廣 川東 正幸
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.100307, 2015 (Released:2015-04-13)

はじめに 都市域では、土壌は劇的に人間によって改変される。都市土壌の特徴として、圧密による硬度の増加や、水分および養分供給の低下、高いpHや有機物含量の低さなどが指摘されている。また、人間による土壌改変の一例である土壌被覆は、都市生態系内の土壌機能に太陽放射吸収量や水の浸透量低下や表面流去水の増加、ガス交換の妨害、植生被覆の欠如といった負の影響を与える。このように都市化は様々な悪影響を生態系に与えるが、人間に対して快適で便利な居住地を供給するために、都市面積は拡大し続けている。輸送手段の確保やインフラストラクチャーの整備のため、道路の建設は都市の発展には不可欠である。都市の拡大により道路面積は拡大しており、その舗装形態も様々である。土壌は地上と地下の物質循環において重要な役割を果たしており、舗装は土壌を介した物質循環と土壌機能に影響を及ぼす。そして、この影響により特有の土壌が生成されていくと考えられる。そこで、本研究はアスファルト舗装による鉱質土壌への影響とそれにより引き起こされる土壌生成作用を明らかにし、その土壌生成過程を論じることを目的とした。 調査地と研究方法 一般的なアスファルト舗装の構造は、不透水性のアスファルトと砕石の混合物であるアスファルト表層と基層、および支持力の大きい良質な材料である砕石を用いた砕石層で構成される。砕石層は石灰での安定化処理や時としてリサイクル材のセメント、コンクリートを混ぜた上層路盤と支持力の小さい安価な材料を用いる下層路盤から成る。さらに、路盤下1mが舗装時に支持力を要求される鉱質土壌部分であり、路床と呼ばれる。また、交通量の少ない車道や歩道にはアスファルト基層を設けず、路盤も1層のみの簡易舗装を施す場合もあり、舗装の厚さは交通荷重、路床強度により決定される。調査地点は道路密度データをもとに被覆率の異なる地点を選択した。東京都八王子市の散田町、石川町、南大沢、東京都町田市の図師と山崎、神奈川県相模原市緑区の合計6地点で調査を行った。アスファルト舗装の断面はアスファルト層、砕石層(路盤)、鉱質土壌上層(路床)、鉱質土壌下層(路床)に分けた。鉱質土壌はレキ含量を元に層位分けし、層位ごとに試料を採取した。対照試料として近隣の未舗装土壌の試料も採取した。 新設舗装の試料は道路建設工事(散田町)や下水道管交換(石川町)時の道路復旧用の材料から採取した。試料採取地点は南大沢を除いて土壌図で黒ボク土の分布域に位置し、南大沢は周囲に黒ボク土が分布する人工改変土に位置していた。 採取した試料のレキ含量、pH、電気伝導度、元素組成、全炭素、全窒素、全硫黄、無機態炭素含量、炭素安定同位体比及び非晶質のアルミニウム、鉄含量を測定した 結果と考察 南大沢以外の鉱質土壌下層の主な化学性は対照の未舗装土壌および関東の黒ボク土の化学性と類似性が認められた。但し、電気伝導度は舗装下の鉱質土壌下層では未舗装土壌に比べ有意に高く、舗装による影響と考えられた。鉱質土壌上層は鉱質土壌下層と比べて高い電気伝導度、pH、カルシウム含量、無機態炭素含量と低い非晶質のアルミニウムと鉄含量に特徴づけられていた。砕石層は鉱質土壌上層に比べ高い電気伝導度、pH、カルシウム含量および無機態炭素含量を示しており、非晶質のアルミニウム、鉄はほとんど含まれていなかった。アスファルト層はpH、カルシウム含量、無機態炭素含量は高く、電気伝導度は低く、砕石層と同様に非晶質のアルミニウム、鉄はほとんど含まれていなかった。炭素安定同位体比は新設舗装の砕石層が最も高く、その下の鉱質土壌層は深くなるにつれて、未舗装土壌の値に収束した。 本研究の結果から、アスファルト舗装は鉱質土壌に対し新規舗装材料としてカルシウムの供給、上層への異質物質混合、無機態炭素集積、アルカリ化、水溶性塩類供給の作用を引き起こしていると推測された。また、散田町の新規舗装断面とその他の数十年に及ぶ時間を経過した古い舗装断面との比較から、電気伝導度、Ca含量、pH、無機態炭素含量はカルシウムの水溶性成分溶脱により、低くなることが示唆された。 本研究で示唆されたアスファルト舗装による土壌生成作用はほとんどの道路において生じると考えられ、舗装形態や舗装厚、舗装経過年数、表面状態、交通量、微地形、基盤土壌などの影響により、舗装下の土壌生成過程は変化すると予測される。また、土地の再開発や道路舗装下のインフラの維持管理、道路補修などによる張替工事により、新規舗装材料が再度供給される。道路舗装下の土壌の特徴と道路の状態やその地点の属性、工事頻度などの土地利用状況の関係を整理することにより、都市化による土地被覆が引き起こす環境変遷を土壌の観点から捉えることが可能であると考えられた。
著者
板屋 民子 飯島 正雄 斉藤 貢一 正木 宏幸 青木 敦子 斎藤 章暢 安藤 佳代子 徳丸 雅一 坂東 正明
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
食品と微生物 (ISSN:09108637)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.203-212, 1992

A large number of <I>Photobacterium phosphoreum</I> (6-7 log/g) was isolated from &ldquo;tamagoyaki&rdquo; (a kind of nigirisushi; Japanese food) that had been lumineferous in the dark. The isolates were smeared on the surfaces of sliced &ldquo;tamagoyakis&rdquo;. After the incubation at 10&deg;C for 48 hr or at 25&deg;C for 24 hr, the surfaces became luminous. It was indicated that this abnormality of &ldquo;tamagoyaki&rdquo; was caused by contamination with and multiplication by <I>P. phosphoreum</I>.<BR>On the surface of &ldquo;tamagoyaki&rdquo;, the bacteria in an early growth phase in such a small number as 4 log/g luminesced. Furthermore, the luminescence was observed when pieces of squid, boiled prawn or &ldquo;yakichikuwa&rdquo; (a kind of food made of fishes) with the bacteria were incubated, but not observed on pickled Japanese gizzard shad. Nevertheless the the bacteria grew on the surface of tuna, but no luminescence was observed on it.<BR>The bacteria produced a small amount of histamine on squid and tuna (less than 250&mu;g/g), and their ability to putrefy food seemed to be low.<BR>The opitmum concentration of sodium chloride for growth of the bacteria in a medium was 3%, but they grew in food containing sodium chloride less than 0.5%. When sodium chloride in the medium was replaced by potassium chloride, calcium chloride, magnesium chloride, ammonium chloride or sodium phosphate, the bacteria were still able to grow but unable to grow when replaced by potassium phosphate or sucrose. The bacteria metabolized arginine by arginine decarboxylase but not by arginine dehydrolase.